【40代主婦の方必見】パートと派遣それぞれのメリット・デメリットとは? 働きやすいのはどっち?

派遣社員の基礎知識

子どもがある程度大きくなり、「そろそろ仕事を始めたい」と考える40代主婦の方は多く、久しぶりの仕事なので少しずつ仕事に慣れていきたい、子どもが学校から帰る前に帰宅したいので残業はしたくないといった理由で、正社員よりも勤務日数や時間の融通の利くパートや派遣から仕事への復帰を考えてはいませんか。

パートか派遣を検討している方にとって、それぞれの違いは特に気になることだと予想されるので、このコラムではパートと派遣の特徴を中心に両者の違いをまとめてみました。それぞれのメリット・デメリットを把握することで、自身にとって働きやすい雇用形態を選択できるでしょう。

はじめに:パートと派遣の違いについて

主婦の方がパート、または、派遣で働くメリットとデメリットはそれぞれ異なります。パートや派遣で働くメリットとデメリットを知る前に、パートと派遣の違いを知っておきましょう。

パートと派遣の大きな違いは「雇用主」です。パートは就業先と直接雇用契約を結びますが、派遣は派遣会社と雇用契約を結びます。つまり、パートと派遣は、どこと契約を結んで働くかが異なるということです。

ただし、派遣雇用は「常用型派遣」と「登録型派遣」に分かれ、雇用契約期間が異なります。「常用型派遣」は派遣会社の社員として雇用されて企業に雇用されるので、派遣先企業との契約期間に関係なく派遣会社との雇用契約は継続します。

一方、登録型派遣は派遣先企業と雇用契約を結んでいる間のみ派遣会社との契約が結ばれるので、派遣会社に登録しただけでは雇用契約は結ばれません。

40代主婦の方がパートで働くメリット・デメリット

パートであれば面接から雇用契約を結ぶ企業が共通なので、派遣のように派遣会社に登録してから就業先を決めるといったことが不要で、気になる仕事があれば自身で応募してすぐに働くことが可能です。

しかし、派遣よりも時給が低く設定されている、土・日、祝日いずれかの勤務が必須の場合があるというデメリットもあります。

主婦の方がパートで働くメリットとデメリットを細かくチェックしていきましょう。

40代主婦の方がパートで働く2つのメリット

自宅近くや未経験から始めやすい仕事を見つけやすいのがパートの特長なので、家事や家族の世話に忙しい主婦の方でも、通勤時間や業務の難しさに悩まずに働き始めることができるでしょう。

自宅近くの職場を見つけやすい

派遣は事務やIT系など会社勤めの求人が多く、登録した派遣会社と契約する派遣先企業が自宅近くにない場合があります。

しかし、パートであれば自宅近くのスーパーやコンビニなどで募集していることが多いので、自宅近くの職場をすぐに見つけやすいです。

オフィスワークを希望する場合、パートを募集しているサイトで自宅近くを希望勤務地に設定して検索したり、自宅周辺のエリア専門の求人情報誌をチェックしたりして、自宅に近い職場で事務やIT関連の職種の求人を探してみると良いでしょう。

未経験者OKの仕事が多い

パートよりも派遣の時給が高い理由として、パートは応募者の面接から研修まで企業が担当しますが、派遣は派遣会社が登録者の資格や経歴をチェックして適正のある方を企業に派遣するので、企業が求人募集から採用までのコストを少なくして人材確保できるためです。

派遣は時給が高い分経験者が有利な仕事が多いですが、パートは希望シフトが条件をクリアしている、業務をこなせそうと企業が判断すれば、未経験でも採用される可能性が高いです。

採用までのコストを考えると、パートは派遣よりは時給を抑えざるを得ず、未経験でもできる仕事で募集をかけることが多いので、未経験でもすぐに覚えられる仕事が多いでしょう。

40代主婦の方がパートで働く3つのデメリット

経験の有無を気にせず自宅近くで仕事を見つけやすいというメリットの一方、パートに多い職種の性質上、土日を両方休んだり長期連休にまとめて休みをとったりが難しいのがデメリットです。

また、派遣も雇用している企業の場合、派遣よりも時給が安いことは珍しくありません。

土日に休みがとりにくい

パートの求人にはサービス業や軽作業など、毎日稼働する必要のある仕事も多いです。

基本的にはシフト制なので平日に休みをとれる、自身の予定に合わせて勤務日や時間を決められるという点では魅力的ですが、業種によっては土日いずれかの勤務が必須なことが多く、土日も営業している企業では土日どちらも休むことは難しいです。

特に接客業などのパート勤務だと土日両方で休みを取るのが難しくなりがちです。

長期連休に休みがとれず、家族と過ごせない場合がある

パートやアルバイトの多い企業では、長期連休中の人材確保が難しくなります。主婦は近所から通勤する方が多いので、長期連休中のシフトの穴埋めをお願いされることが多いです。

固定シフトではなく希望シフト制であっても、パートの方は子どもの病気や学校行事などの時にはシフト変更や休みに応じてもらっていることに負い目のようなものを感じ、シフトの穴埋めを依頼された際には断りにくいと感じる方が多いことが、長期連休中にまとめて休暇をとれない原因の1つと考えられます。

家族が長期連休も休めて自身が出勤の必要がある場合、せっかくの長期休暇に家族と過ごせないとストレスになることもあるでしょう。

時給が安い傾向にある

パートも派遣も雇用している企業では、経歴や採用までのコストの違いからパートは派遣よりも時給を安く設定されることは珍しくありません。

パートとして長く働き続けたことでできる仕事が増えてきたとしても、新しく入社した派遣の方の時給の方が高いこともあります。

勤続年数やできる仕事の評価によって時給アップの制度を採用している企業もあるので、時給アップの制度や実績のある職場が見つかると、収入アップの可能性が広がるでしょう。

40代主婦の方が派遣で働くメリット・デメリット

オフィスワークの求人が多い派遣では、派遣先自体が土日や長期連休は休暇に入ることが多いので、派遣社員も土日や長期連休中は休みをとれます。

また、オフィスワークは座り仕事メインなので、立ち仕事と比較すると体力面の疲れを感じにくいのも特長です。

時給面に関してはパートよりも高くなる傾向が強いため、しっかり休みをとりながら収入を得ることができるのも派遣の大きなメリットです。

しかし、派遣は雇用期間が決められているので、気に入った職場でも働き続けることができない場合があります。

また、パートよりも仕事を見つけるまでに時間がかかることがあるので、長く働ける職場をすぐに見つけたい方にとってはデメリットでしょう。

40代主婦の方が派遣で働く4つのメリット

派遣先が休みとなることが多いので土日や長期連休に休みをとりやすい、時給が高い、座り仕事の求人が多いので体力に自信がなくても働きやすいのが派遣の特長です。

効率的に稼ぎながらも家族が休みの時には一緒に休みたい、体力面の疲れを感じにくい仕事をしたい方には特にメリットが大きいです。

基本的に土日は休みをとれる

派遣は土日に休みとなる企業や部署へ派遣されることがほとんどなので、基本的には土日は両日とも休みをとることが可能です。

家族とのレジャーや運動会といった土日に予定の入りやすいイベントがあった場合、土日も営業していていずれかの出勤が必須とされると企業でパートとして勤務していると、仕事とイベントで休みがとれず疲れる、疲れて仕事に支障をきたしたくないので土日にできる限り予定を入れない、ということが想定されます。

しかし、土日どちらも休みであれば、1日予定が入っても残りの日を休暇に当てることが可能なので、家族とのイベントや学校行事に気兼ねなく参加できるようになるでしょう。

長期連休中も休みになるので、家族と過ごす時間を作れる

土日に限らずGW、夏季休暇、年末年始といった期間は休暇となる派遣先がほとんどなので、長期連休中のシフトの心配がありません。

長期連休がとれるおかげで家族との時間も作ることができ、旅行やレジャー、帰省といった予定を入れやすくなります。

短時間で効率的に稼げる

派遣はパートと比較すると時給が高いので、短時間でもパートより稼ぎやすいのが特長です。

基本的なPC操作や電話応対ができれば資格や職歴を問われない一般事務でも、時給1,200~1,300円が相場です。

派遣会社が間に入り、労働者の勤務地や勤務時間の希望に基づいて就労条件を決めてくれるので、パートより高い収入を得ながら正社員のように勤務先に振り回されることなく働け、収入もプライベートの時間も確保しやすいメリットもあります。

座り仕事がメインの求人が多いので体力に自信のない方も働きやすい

オフィスワークが多い派遣の仕事は座り仕事がメインなので、接客や軽作業などの立ち仕事と比較すると体力面の疲れを感じにくいでしょう。

土日や長期連休にしっかり休みをとれて、仕事中に体力の疲れを感じにくいおかげで、体力に自信がない方でも体力面での疲れを残さずに働けることを期待できます。

40代主婦の方が派遣で働く2つのデメリット

家族と休みを合わせることができる、時給が高いので短時間勤務でもそれなりの収入が得られるなど、家族との時間や家事に充てる時間も確保したい主婦にとってメリットの多い派遣ですが、同じ派遣先で勤務できる期間が定められているので、パートのように希望すればいつまでも勤務したい方にはデメリットにもなりえます。

また、すぐに求人に応募することができて面接から採用までスピーディーなパートと異なり、派遣は派遣会社に登録する手間がかかることに加え、登録後すぐに求人があると限りません。

雇用期間が決まっている

働きやすい職場を見つけたら、可能な限り長い期間働くことを希望するでしょう。

パートは雇用者と労働者が互いに合意すれば契約は自動更新されるので、長期にわたり働くことが可能ですが、派遣は平成27年度の労働者派遣法の改正で、同一事業所の同一組織(たとえば人事課、総務課といった「〇〇課」)に同一派遣労働者を3年以上雇用することが禁止されました。

ただし、課を異動すれば3年経過しても同じ職場での雇用が可能です。

仕事を見つけるまでに時間がかかることがある

自身で求人を見つけたら自由に応募できるパートと異なり、派遣は派遣会社に登録してから派遣会社が登録者の資格や経歴などに基づいて求人を紹介します。

基本的には登録後すぐに仕事を紹介してもらえますが、登録者の資格や経歴、希望の時給、勤務地、職種などによっては求人が限られ、派遣されるまでに時間がかかる場合があります。

求人を紹介してもらえても、応募者が殺到した場合には採用されないことがあるのはパートと共通です。

また希望した職種に活かせるスキルがあるかどうかが採用の鍵となります。

全くの未経験職種にチャレンジするのは全く可能性がないわけではないですが、採用が決まるまで時間はかかると想定しておくのがいいでしょう。

パートと派遣、それぞれに向いている方とは?

40代主婦の方がパート、または、派遣で働く際のメリットとデメリットが異なるように、どちらの働き方が向いているかも人によって異なります。

仕事と家族の時間を両立したい方は、自宅近くで求人が見つかりやすいパートがおすすめです。

パートを選ぶ主婦の方は、家族や家事のことを考えて自宅近くで働きたい方が多いので、近所の知り合いを作りたい方もパートが良いでしょう。

近所の方や同年代の方が多く働いていれば、従業員同士自然と仲良くなりやすいので、アットホームな職場で働きたい方もパートが向いています。

高い時給で効率的に働きたい、土日と長期休暇中は必ず休んでプライベートを充実させたいという方には、勤務先が土日と長期連休中は休みになることの多い派遣がおすすめです。

派遣の求人はオフィスワークが多いので、事務職をやりたい方、体力に自信がなく座り仕事がメインの仕事を希望する方も派遣が良いでしょう。

扱う求人の特徴の違いから、パートと派遣のメリットとデメリット、どちらが向いているかは異なるので、希望の働き方や仕事以外のことで大切にしたいことを明確にすると、自身に合う雇用形態が見えてきます。