派遣社員の平均年収でいくらくらい?多くても300万円台?やっぱり500万円台は厳しいのか

派遣社員の収入

派遣に登録する時は、最初に必ず「希望職種」を伝えます。

そのため仕事紹介を受ける側にとっては、毎回同じ職種の求人の話がくるので、当然月収も似たり寄ったりになり、それが平均的な給料だと思い込んでしまいがちです。

そして「自分の職種の平均年収」を意識することはほとんどないかもしれません。

しかし「気づいたら自分の年収が周りの友人の年収に比べて大きく下回っていた」というのはよくある話です。

もし自分の年収が平均年収を下回っていた場合、どうしたら年収アップができるのでしょうか。

本記事では、派遣の職種や地域別の平均年収に焦点を当て、正社員とも比較します。

派遣の平均年収について知っておくことで、今の自分をよりスキルアップさせたいと思うきっかけになるかもしれません。

そしてどうしたら今より年収アップができるのか、その方法を考えていきましょう。

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派遣社員の平均月収と平均年収(全体・職種別・都道府県別)

派遣社員の平均月収は、細かく言うと地域によっても職種によっても違います。

では、派遣社員の平均月収や平均年収を、全体から見た場合や、職種別・地域別で比較していきましょう。

派遣社員全体の平均月収・平均年収

平成29年度の派遣社員の平均賃金は15,234円です。(参考:厚生労働省「令和元年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」

フルタイム(8時間)で、1か月の勤務日数を21日として月収を計算すると、派遣社員の平均月収は約32万円となります。

次に平均年収です。

会社の年間休日数によっても年収は前後しますが、ここでは年間休日数を113日として計算してみます。

日給15,234円×252日(365日-年間休日数113日)=年収3,838,968円

計算すると、派遣社員の年収は約380万円となりました。

→2019年は約300万円だったため、年々給料や年収は上がってきています。

ただし、この約380万円という数字はあくまでも全ての職種を混ぜた全体の平均年収であって、職種によって時給が違うので年収は大きく変わります。

では実際に時給によってどのくらい年収に影響が出てくるのか見てみましょう。

時給 月収 年収
1,000円 168,000円 2,016,000円
1,100円 184,800円 2,217,600円
1,200円 201,600円 2,419,200円
1,300円 218,400円 2,620,800円
1,400円 235,200円 2,822,400円
1,500円 252,000円 3,024,000円
1,600円 268,800円 3,225,600円
1,700円 285,600円 3,427,200円

上記のように、時給が100円変わると月収は16,800円の差が出ます。そして年収で比較すると、約20万円もの差になっています

つまり同じ派遣社員でも、時給1,000円と時給1,700円では年収差が約140万円にもなるのです。

職種別平均月収・平均年収

最初に全業務の平均月収は約32万円と伝えましたが、職種によって大きく差があります。

実際にどれくらい差があるのか、以下の表を見てみましょう。

(参考:厚生労働省「労働者派遣事業報告書表8 派遣労働者の賃金)」)

時給 月収 年収
一般事務従事者 1,328円 223,167円  2,678,004円
会計事務従事者
1,419円 238,455円 2,861,460円
 情報処理・
通信技術
2,366円 397,530円  4,770,360円
介護サービス
職業従
事者
1,199円 201,432円 2,417,184円
保健師、助産師、
看護師
1,799円 302,337円 3,628,044円
医師、歯科医師、
獣医師、薬剤師
2,989円 502,299円 6,027,588円
製品製造・
加工処理
従事者
1,259円 211,575円  2,538,900円

上記表を見ると、人気の事務系は平均で23万円前後の月収であり、年収は約270万円くらいです。

この年収を低いと感じる人も多いでしょう。

しかし、事務よりも体力的にきついと思われる介護サービスでは、事務より年収が30万円ほども低くなっていました。

また、通信理技術者などのいわゆる「IT系エンジニア」で年収が450万円を超えているのが目立ちます。近年では、もともと給料が高いというイメージが強い「看護師」よりも、IT系の技術者の方が年収が高くなっていることが分かります。

しかし、上には上がいるものです。最も高い年収である医師や薬剤師は、IT系技術者の約1.3倍もの年収約600万円という数字が出ています。

派遣社員で年収500万円を超えているのですから、派遣でなかったら年収は… きっと想像以上なのることでしょう。

都道府県別平均月収・平均年収

では、都道府県別の平均月収・平均年収を見ていきましょう。

作成した表は全業務の平均賃金から計算したものとなっていて、実際は職種によって数字は大きく変わります。

もし自分の都道府県が載っていない場合は、厚生労働省で公表している以下のデータを参考にして下さい。(参考:厚生労働省「労働者派遣事業の平成29年6月1日現在の状況」

地域 全業務平均時給
月収 年収
北海道 1,230円 206,703円 2,480,436円
宮城県 1,325円 222,684円 2,672,208円
東京都 1,686円 283,353円 3,400,236円
大阪府 1,470円 246,960円 2,963,520円
愛知県 1,508円 253,344円 3,040,128円
広島県 1,478円 248,325円 2,979,900円
愛媛県 1,295円 217,665円 2,611,980円
福岡県 1,364円 229,236円 2,750,832円
沖縄県 1,193円 200,466円 2,405,592円

上記の表を見ると、一番高い年収は東京の約340万円であることが分かります。

また、東京・大阪・愛知(主要三大都市圏)の平均月収は約25万円前後、平均年収が約300万円前後と高く最初に伝えた派遣社員全体の平均月収・平均年収と同じくらいになっていますね。

つまり、三大都市圏の数字が全業務の平均月収・平均年収に大きく影響を与えているのでしょう。

また、主要三大都市圏から離れていくにつれて月収・年収に開きが出てくることも分かります。

例えば、北海道と沖縄の平均月収を比べても大差はありませんが、北海道と東京を比べると収に約100万円もの開きがあるです。

自分の都道府県の平均月収・平均年収は、今の自分の月収や年収と比べてどうですか?

年収が高い派遣の業種

一言で派遣といっても、業種によって年収に大きな差があります。

ここでは、業種によってどのぐらい年収に差があるのか確認していきましょう。

厚生労働省が発表した「令和元年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によると業種ごとの賃金は以下のようになっています。

業種 1日当たりの賃金
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 23,919円
法人・団体管理職員 18,977円
情報処理・通信技術者 18,930円
建築・土木・測量技術者 18,492円
建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) 16,466円

*参考:令和元年度 労働者派遣事業報告書の集計結果

このように、医師は歯科医師、獣医師、薬剤師といった専門性が高く、尚且つ国家資格を持っているなど限られた人しか就けない業種の年収が高くなっています。

派遣であっても、一般的に年収が高いとされる業種は賃金が高いという訳です。

年収500万円は目指せるのか

派遣社員が年収500万円を目指すのは不可能ではありませんが、かなり難しいといえます。計算すると月約40万円稼ぐことになります。これは一般の正社員と同等かそれ以上の月給になります。

派遣の仕事で人気かつ、求人が多い事務系の仕事の年収でも約270万円と、500万円には届いていません。実際に、500万円に近い年収の職種は年収600万円の医師や歯科医師、年収約470万円の 情報処理・通信技術者があげられます。

このように年収が500万円ちかい仕事は、高度な資格を要する場合がほとんどです。年収500万円を目指したい人は、高度な資格を取得し、年収の高い職種に転職するという方法があります。

そのほかには、すぐに年収500万円に達成するわけではありませんが、自分が経験したことのある職種に再びつくことです。未経験より経験者の場合の方が、募集時に掲載されている給料にも差があるのを派遣サイトをみていると目にすると思います。

このように、その職種における経験があるというのは強みになります。高度な資格は不要だけども、給料が高いような仕事に的を絞り、未経験からスタートして経験を積み、経験者は給料が高いというような募集を狙っていくのも一つの方法としてあります。

秘書、財務、経理などは高度な資格は必要ありませんが、給料が高く設定されていることが多い職種なのでおすすめです。

派遣社員と正社員の年収格差は年齢とともに差が広がる

ここからは、派遣社員と正社員の年収格差を見てみましょう。

正社員の場合は昇給や昇格があるため、年齢とともに月収や年収は右肩上がりに増えていきますが、派遣社員には昇給も昇格もほぼありませんので、年齢とともに増えるものがなく、単純に時給の差が年収差を生み出します。

尚、正社員のデータは以下の厚生労働省、国税庁のデータを参考にしています。

(参考:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」、国税庁:「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」)

年齢 正社員年収
(月収+
年間賞与
その他特別給与)
派遣社員年収
(時給1,200円)
派遣社員
(時給1,500円)
派遣社員
(時給1,700円)
~19歳 1,350,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
20~24 2,640,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
25~29 3,690,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
30~34 4,100,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
35~39 4,450,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
40~44 4,760,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
45~49 4,990,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
50~54 5,250,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
55~59 5,180,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
60~64 4,110,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円
65~69 3,240,000円 2,534,400円 3,168,000円 3,590,400円

上記表の20代前半までの年収を見ると、時給によっては派遣社員の方が正社員の年収を上回ることもあると言えるでしょう。

しかし、20代後半になると一気に賞与や昇給で年収に差が出ます。

同世代でも、時給1,200円の派遣社員と正社員とでは年収が約100万円も違います。

年収100万円の差があるということは、月収に直すと月に約8万円もの給料差があるということです。

さらにそのまま40代、50代になれば、正社員の年収は派遣社員に比べて約2倍以上になることもあります。

派遣社員と正社員の年収格差は、年齢を重ねれば重ねるほど顕著に表れるのです。

派遣社員と正社員で年収に大きく差が出る理由

一般的に、同じ職種でも派遣より正社員の方が高い年収となっています。

その理由は様々あるものの、最も大きな理由とされているのが以下の2つです。

 正社員は月給で派遣社員は時給
 昇給や賞与、退職金に違いがある

まず、派遣社員は時給なのに対して正社員は月給です。

時給だと、働いた時間によって給料が変化します。そのため、体調不良などによって働いた時間が短くなると給料が減ってしまうのです。

それに対して月給は、月の実労働時間の影響を受けないので結果的に給料が多くなります。

また、正社員なら昇給や賞与などもあるので年収は高い傾向にあるのです。

退職金の有無や金額の多さも正社員の方が有利になっています。

2020年の4月1日から同一労働同一賃金が施行されました。これは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇格差を解消するものです。

正社員と同等の業務内容だと認められれば、正社員とほとんど変わらない賃金が支払われる場合もあります。

このように、同一労働同一賃金の施行により、昇給などの可能性も出てきたため、今後正社員と派遣社員の給料の差は縮まる可能性が出てきました。

派遣社員が給料アップして年収を上げる方法6選

正社員と比べると「派遣社員はこんなにも年収が低い」ということを改めて痛感します。

派遣社員の中には自分のライフスタイルを優先したかったり、事情によってあえて派遣を選んでいる方もいることでしょう。

では、派遣社員は一生年収はアップしないのかというと、そうではありません。

確かに年収アップと言っても10円や20円の昇給だけでは、大きく年収がアップするとは言えませんが、できるだけ年収をアップさせる方法を提案していきたいと思います。

資格を取って時給が高い職種を選ぶ

仕事を探していると、「スキルが必要となる仕事ほど給料が高い」というのがよく分かると思います。

専門職になればなるほど給料が高くなり、「手に職」という言葉に重みを感じますし「資格」という強みも改めて感じることでしょう。「この資格があればもっと良い条件で働けるのに」と思う人も多いのではないでしょうか。

同じ派遣でも、職種によって月収や年収が大分違うことが分かりましたよね。

年収を今よりアップさせるには、時給が高い職種を選ぶのが一番です。

しかし、そのためには必要な資格を取って、スキルを証明するなどの努力が必要でしょう。

同じ職種で時給が高い派遣先を選ぶ

同じ職種であっても、派遣先企業によって年収は異なります。

そのため、今と同じ職種でも年収が高い働き口は存在するのです。

同業種であれば、すでに知識やスキルを持っているので意外に年収アップが狙いやすいでしょう。

あえて残業が多い会社を選ぶ

派遣社員は残業をしないという選択もできますが、年収を上げたいのであれば、あえて残業が多い会社を選ぶというのも一つの手でしょう。

派遣社員にはサービス残業がありませんので、残業した分だけきちんと給料に上乗せされて返ってきます。

場合によっては、サービス残業だらけの会社の正社員よりも稼げることもありますから、あえて派遣社員で残業を多くするのも良いでしょう。

勤務地を変える

都道府県別で比較すると、三大都市圏に近づくほどに月収や年収が上がっていくことが分かりました。

もし今通勤している地域が時給の低いところであれば、勤務地を変えてみるのも一つの手段かもしれません。

ただ、都市圏に近くなるほど家賃が高く、物価が高くなる傾向にあるので、注意が必要です。

業務の幅が広がったことを引き合いに交渉する

自分にできる業務の幅が広がったなら、それを引き合いに派遣会社に交渉するのも良いでしょう。

「今ではこんなこともできますし、こんなことも任されています。」と言って、以前から大きく自分の業務の幅が広がったことをアピールし、時給アップの交渉をしてみるのです。

しかし、唐突に交渉に踏み切るのではなく、契約更新時が交渉のタイミングとしてはベストでしょう。

転職して正社員を目指す

派遣会社に交渉してもせいぜい50円未満の昇給でしかなく、派遣社員の年収自体が不満になってしまったのなら、思い切って正社員に転職するのもありでしょう。

ただ自分で仕事を探し、履歴書や職務経歴書を用意して採用試験に挑むのですから、結構な根気と体力、そして期間が必要です。

年収がどうしてもネック、といった人は正社員として好条件の会社で働くことができれば不満は解決できます。

ちなみに、以下の当てはまる方は派遣社員に向いています。

【派遣社員に向いている人】
✔ プライベートの時間も大切にしたい
✔ 副業として働きたい
✔ 色んな経験をしたい人
✔ やりがいのある仕事を求めない人
✔ ライフスタイルに合わせて働きたい

反対に、以下に当てはまる方は正社員に向いていると言えるでしょう。

【正社員に向いている人】
 キャリアアップをしたい人
 収入をアップさせたい
 安定性を求める人
 やりがい(責任感)のある仕事がしたい人

これらの特徴に照らし合わせて、正社員に向いている可能性があるなら、転職を視野に入れてみてください。

正社員になれた方の転職方法とは?

今の転職活動のスタイルは転職サイトに登録をすることがほとんどなので、正社員に転職をする方のほとんどは何かしらのサイトに登録をして、そのサイト経由で内定をもらっています。

しかし、どのサイトでも良いということではないので、登録するサイトはしっかり選ぶ必要があります。

おすすめは大手サイトと専門性の高いサイトへの登録

上記のように登録するサイトはどれでも良いというわけではありません。

しっかりと今の状況や自分の希望内容に近い職場に繋がるようなサイトを選ばなければ効率は悪くなりますし、結果的に内定が出たとしてもギャップが生まれてしまうかもしれません。

大手サイトを選ぶ理由としては圧倒的な求人数です。

求人数が多いということは選択肢も増えていくということなので、色々な求人内容を比較することができます。

次に重要なのが専門性の高いサイトです。

特に派遣社員・フリーターから正社員への転職を得意としているサイトを選ぶのがおすすめです。

大手サイトでもアドバイザーからのサポートはありますが、派遣社員やフリーターの方の転職成功率が高いサイトはサポート内容がかなり充実しています。

求人内容についても未経験の受け入れに積極的な企業を紹介してくれるため「これから正社員になってもついていけるだろうか」と不安な方でも安心して仕事ができる職場が見つかりやすくなります。

派遣社員から正社員への転職でおすすめのサービス

「派遣社員から正社員への転職は大変…」と悩んでいた方は通常の転職サイトではなくアドバイザーが付く転職サービスを利用するのがおすすめです。

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負担を減らすだけではなく効率的に進めることができるので、結果的に短期間での内定獲得に繋がります。

転職サービスは複数利用がおすすめ

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その理由としては各サイトによって求人内容が異なるので、なるべくその時々で良い条件の求人を確認できるからです。

また、転職をサポートしてくれるアドバイザーと相性が合う合わないという問題もあるため、なるべく一つの転職サービスだけではなく複数を利用することで客観的な判断がしやすくなります。

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