派遣看護師の給料・手取りはいくら? 派遣看護師のメリットとデメリットについても解説

派遣社員の働き方

看護師をはじめとした医療分野は、専門性の高い仕事であることやチームで人の命や健康に関わる仕事であることから、雇用期間に定めのある派遣は適さないとして訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護に関係した業務や産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の代わりを除き、派遣労働が禁止されていました。

しかし、看護師不足が深刻であること、2000年12月からスタートした派遣先からの直接雇用を前提とした紹介予定派遣であれば事前に労働者を特定できるのでチーム医療に支障をきたさないとして、2004年3月の派遣法改正で紹介予定派遣に限り医療機関への派遣も可能となりました。

看護師を辞める方は、出産や育児による時間的制約を理由に挙げる方が多いので、正社員と比較すると契約時間外の勤務が発生しにくい派遣であれば、時間的制約を理由に辞めた方でも医療機関で働きやすくなることが期待されます。

派遣社員はパートやアルバイトよりも時給が高い傾向にあるので、高い給与も期待できるでしょう。

しかし、ボーナスはないので正規雇用の方と比較すると年収は低くく、経験に応じて時給が上がることはほとんどないので、派遣として働く期間が長くなるほど給与に不満を抱く方もいるでしょう。

派遣看護師のメリットとデメリット、正社員との違いや時給が上がる可能性のある資格などを解説していくので、看護師としてどのように働きたいか明確にする参考にしてみてください。

【参考】
労働派遣について|日本看護協会

派遣看護師の給料は高い

事務職や販売職といった職種に関係なく、派遣社員はパートやアルバイトよりも即戦力が求められることから時給が高い傾向にあります。

そして看護師は資格が必要で専門性の高い仕事であることから給料は高いと言われていますが、派遣も資格があることは正規雇用の看護師と変わらないので、他の職種と比較して時給は高く設定されています。

BRAVE看護師(マイナビグループ)の大阪府寝屋川地区で掲載されている求人を例に正社員と派遣看護師の月収を比較してみましょう。

〈大阪府寝屋川市の病院の正看護師の場合〉
週5日に日勤8:45~17:00、夜勤16:45~翌9:00で勤務しているとすると、月収は20~23.5万円です。

〈大阪府寝屋川市の介護付き有料老人ホームの派遣看護師の場合〉
週4~5日に日勤のみ(8:30~17:30)で勤務していて、時給2,100円(交通費別途支給)で勤務しているとすると、
1ヶ月20日勤務で月収は2,100円×8時間×20日=33.6万円となります。

【参考】看護師・准看護師の人材派遣・転職の求人情報|ブレイブ(BRAVE)(2020年5月18日確認)

残業代や手当などが正看護師と派遣で異なるとは言え、スキルや経験が同じくらいであれば、派遣は日勤のみで正職員以上の給料を期待できます。

派遣看護師のメリット・デメリット

派遣看護師はそれなりの給料を得ながら自分の希望に合う働き方ができるのが特長ですが、ボーナスがなく昇給もほとんどないので、経験が長くなるほど給料に不安を感じる方もいるでしょう。

派遣看護師4つのメリット

派遣看護師は時給が高く、希望の条件で働けてサービス残業がないので、プライベートの時間を確保しながら高い収入を得ることが可能です。

また、派遣会社から派遣された職員であることから人間関係はドライな傾向にあり、人間関係のトラブルに巻き込まれにくいメリットもあります。

希望の期間で働けて日払い可の求人もある

派遣看護師には単発の求人もあるので、自分の働きたい時にだけ働くことが可能です。日払いに対応している求人であれば、すぐに収入が得られるメリットもあります。

看護師に限らず派遣は就業期間と時間、就業場所、残業の有無などが定められた契約に基づいて働きます。

病院などへの派遣は紹介予定派遣ですが、派遣としての雇用期間には定めがあるので、派遣先が合わないと感じたら、契約期間後の直接雇用を断って自身により合う就業先を探すこともできます。

紹介予定派遣で直接雇用を断ること自体は問題ありませんが、直接雇用を希望しない場合、派遣会社は他の派遣スタッフを派遣しなくてはならないので、派遣会社に早めに連絡しましょう。

看護師の働く場所は大学病院やクリニック、介護施設や訪問看護など多岐にわたり、就業先によって業務内容も変わってくるので、人によって興味のある所は異なるでしょう。

看護師の派遣求人には様々な派遣先があるので、働きたい場所でやりたい仕事に就きやすいのも魅力です。

【参考】

第7 労働者派遣契約 – 厚生労働省

休みがとりやすい

派遣契約では就業する日や曜日や休日も定められているので、1日8時間未満や週5日未満で働くことも可能です。

サービス残業がない

人手不足で労働時間が長くなることも多い看護師ですが、派遣であれば派遣先は契約に違反しないよう契約で定められた就業時間や残業有無に従って労働者を働かせるので、残業無しで契約していれば仕事は契約した時間だけで済み、家事や子育てやプライベートのための時間を確保しやすくなります。

委員会や勉強会なども残業代が発生することから、派遣看護師は参加が必須でない場合が多くなります。

人間関係で悩みにくい

仕事で連携が求められる看護師は、職場の人と相性が合わないと感じると、人間関係が原因で仕事が辛いと悩む方もいます。

しかし、派遣看護師は派遣先の職員ではなく派遣会社から派遣された職員であることから、外部の方として丁寧に扱われやすいので、接し方がきついなどで苦手に感じる方と出会いにくいでしょう。

飲み会などにも呼ばれることなく距離を置いた付き合いができるので、人間関係のトラブルに巻き込まれる可能性が低いことも、人間関係に悩みにくい理由です。

派遣会社は労働に関するトラブル以外でも派遣スタッフと派遣先の間に入り問題解決を図るので、人間関係の問題で就労に支障をきたすのであれば、派遣会社に相談して問題解決のための仲介を依頼すると良いでしょう。

派遣看護師3つのデメリット

ボーナスがないことが一般的な派遣ですが、スキルも知識も求められる仕事をしている看護師でも、派遣であればボーナスがないことは共通します。

また、正社員のように勤続年数に応じて昇給することがほとんどないこともデメリットです。

派遣として働ける期間に定めがあるので、気に入った派遣先で派遣として働き続けたい方にはデメリットとなるでしょう。

ボーナスがない

月収にすると正職員と同程度かエリアや条件によっては正職員以上稼ぐことも可能ですが、看護師に限らず派遣はボーナスがないことがほとんどなので、ボーナスがない分、長期的に見ると正職員の方が安定して高い収入を得られるでしょう。

給料が上がらない場合が多い

派遣看護師は年齢や経験に応じて時給が上がるわけではないので、経験豊富になるほど収入アップを望めないことで、モチベーションの維持が難しくなる方もいるでしょう。

しかし、他の職種やパート・アルバイトと比較すると派遣看護師の時給は高いので、正看護師として働くことが難しい方には働く期間・時間を選べる、休みがとりやすいといった働き方で高い時給で働けるメリットは大きいでしょう。

派遣として同じ職場で働き続けることができない

紹介予定派遣以外の派遣が認められる場合、最長3年間は同一派遣先の同一組織(○○課など)での派遣勤務が可能で、3年を超えたら派遣会社は派遣先に直接雇用を依頼しなければなりません。

しかし、派遣先が直接雇用に同意しなければ、新たな派遣先の提供や派遣会社で派遣労働者以外として無期雇用するなどの雇用安定措置を図ることになるので、気に入った職場で3年を超えたら必ずしも就業できるとは限りません。

ただし、同じ派遣先でも組織が変われば派遣就業が可能です。

【参考】派遣で働く皆様へ – 厚生労働省

正職員との違いは?

派遣看護師と正職員を年収で比較すると、住宅手当や夜勤手当などの手当とボーナスの違いから、正職員の方が年収は高くなります。しかし、高い月収で休みをとりやすい、希望に合う条件で働けるなど、納得できることもあるでしょう。

たとえば、短期の派遣看護師として子どもの長期休暇中のみ働くといった働き方も、派遣会社と相談して実現可能です。土日固定休み、連休希望などを派遣会社に伝えて調整してもらうこともできます。

派遣看護師でも労働基準法の規定に基づく有給休暇が義務づけられています。使用者は仕事を始めてから6ヶ月継続勤務をして、全労働日の8割以上出勤していれば10日間の有給を労働者に付与することが労働基準法で定められています。

派遣看護師は派遣先ではなくて派遣会社と雇用関係にあるので、派遣会社に有給について相談することで取得できるようになります。

【参考】労働に関するよくあるご質問|日本看護協会

派遣の時給を上げるためには?

時給が上がりにくい派遣看護師ですが、派遣先が派遣職員を評価して派遣会社に伝えることで時給アップされることがあります。

仕事内容が限定されていなければ正職員と同じ仕事を率先して担当する、契約で業務の範囲が限定されていれば責任を持って仕事をこなすといった仕事への取り組みで評価されやすいでしょう。

資格を取得して高いスキルや知識があることを証明する、スキルアップに意欲的であることを示すなども評価につながります。スキルアップを図りたい看護師に人気の資格として「認定看護師」「ケアマネジャー」があります。

認定看護師は、看護を必要とする方のいるあらゆる現場で、水準の高い看護を実践できると認定看護分野ごとに日本看護協会から認められた看護師のことです。

看護の必要な個人、家族、集団に対して最適な看護を考えて実践する、他の看護師に実践を通じて認定看護分野の専門知識に基づく指導・アドバイスをするなどが求められます。

看護師として5年以上の実務経験(3年以上は認定看護分野の実務研修)があり、日本看護協会が定めた認定看護師教育を修了後、認定看護師認定審査に合格すると認定看護師を名乗れるようになります。認定看護師のレベルを維持するため、5年ごとに更新審査があります。

【参考】
資格認定制度|日本看護協会>>認定看護師
資格認定制度|日本看護協会>>審査に関するご案内 認定看護師

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、要介護者や要支援者が自立した日常生活を送るための援助に必要な専門的な知識とスキルを持ち、介護支援専門員証の交付を受けた方のことです。

要介護者や要支援者からの相談を受け付け、心身の状況などに応じて適切な介護保険サービスを受けられるように市区町村、サービス提供事業者、介護保険施設などと連絡・調整を行います。

医師や看護師といった国家資格などに基づく業務に従事した期間が5年以上あり、要支援者に対する直接的な対人援助に従事した期間が900日以上の方に受験資格があります。要支援者への直接的な支援の実務経験に、事務や研究などは含まれません。

試験は介護支援分野25問、保健医療福祉サービス35問が五肢複択方式で出題され、マークシートで回答します。

【参考】
介護支援専門員(ケアマネジャー)について|東京都介護支援専門員|公益財団法人 東京都福祉保健財団

派遣看護師は勤務時間や休みを優先した働き方をしたい方におすすめ

派遣看護師は正職員と比較するとボーナスがない分年収は低くなりますが、契約で勤務時間や休日が細かく定められているので、シフト制で夜勤もある職場であっても夜勤や残業無しで、また、休日も確保しながら、それなりの月給を得ることが可能です。

正職員は派遣看護師ほど自分の希望を優先した働き方は難しいですが、手当やボーナスが支給される、経験に応じて昇給するなどで長い目で見ると高収入を安定して得られるメリットがあります。

ただし、派遣看護師でも高いスキルや知識を必要とする仕事に責任を持って取り組む、資格取得でスキルも知識もあることを証明するなど、派遣先から評価される努力によって時給がアップする可能性があります。

時給がアップすれば、派遣看護師のメリットの働き方を続けながら収入アップを実現できるでしょう。