派遣社員で年収200万円は低い 手取りもかなり少なくなるため転職を検討しよう

派遣社員の収入

派遣の年収200万円は低い? 派遣の平均年収を解説!

派遣社員として働いていて、やはり気になるのは年収額ではないでしょうか。

同じ会社の正社員より少ないだろうとは容易に想像がつきますが、派遣社員の平均よりも多いか少ないかという点は最も気になるところです。

それは、「ほかの派遣社員はいくらくらいもらっている?」という単純な好奇心もありますが、転職を考えるときの目安になるということが大きいでしょう。現在、転職を考えていない場合でも、年収が派遣社員の平均よりもずっと少ないようなら、転職を検討すべき理由となります。

そこで、今の職場に不満がある方もない方も、働き方を考える判断材料として、自分の年収がどれくらいの位置づけにあるのか、一度きちんと認識しておいたほうがいいでしょう。

ここでは派遣社員で年収200万円の方のケースを考えてみますが、それ以外の年収額であっても、そのまま参考にできるので、ぜひ自分の年収に置き換えて考えてみてください。

派遣社員の平均賃金は?

派遣社員の年収200万円がどういう位置づけになるかは、派遣社員の平均賃金によって違ってきます。厚生労働省「平成29年度・労働者派遣事業報告書」によると、同じ職場で働ける期間の上限が3年となる有期雇用派遣社員、つまり、一般的な派遣社員の場合、日給が1万2,212円となっています。

この日給を元に、1ヵ月を21日勤務とした場合の月収と、1年365日から国民の平均休日113日を引いた252日分として算出した年収を表にすると次のようになります。

勤務日数 収入額
日給額 1日 1万2,212円
月収額 21日 25万6,452円
年収額 252日 307万7,424円

この年収を見ると、派遣で年収200万円というのはかなり低いことが分かります。参考までに、年収200万円の場合の月収額と日給額も算出しておきましょう。

勤務日数 収入額
日給額 1日 7,936円
月収額 21日 16万6,666円
年収額 252日 200万円

年収200万円の手取りはいくらになる?

年収200万円の場合、手取り額はどれくらいになるのでしょうか? 一般論として手取りは総支給額の約8割になるといわれているので、年収200万円なら手取り額は160万円となります。

参考までに、ほかの年収額についても100万円刻みで、年収と手取り額、手取り月収を表にまとめておきましょう。

年収 手取り年収 手取り月収
100万円 80万円 6万6,666円
200万円 160万円 13万3,333円
300万円 240万円 20万円
400万円 320万円 26万6,666円
500万円 400万円 33万3,333円

これを見ると、年収200万円で手取り月収が約13万円となっており、住んでいる地域や周囲環境にもよりますが、1人暮らしはかなり厳しいはずです。ちなみに、総務省統計局「2019年度・家計調査」のデータでは、単身者世帯の月間支出は約25万円となっています。

夫婦で働いている世帯や、実家住みで家賃負担が免除されているようなケースでは年収200万円でも暮らせないことはないでしょう。しかし、それはそれとして、週休2日・フルタイムで働いてようやく手取り13万円というのはかなり少ないという印象です。

年収200万円をどう考えたらいいか?

年収200万円は、フルタイムで働いていてその金額なら非常に少ない金額です。

しかし、短時間勤務などで労働時間をあえてセーブして、その時間を家事、資格取得、育児、介護など、ほかのことに充てたいケースもあるでしょう。

そのような場合はもちろん年収にこだわる必要はありません。

総務省統計局「労働力調査2019年平均」によると、男性の非正規労働者の5割以上、女性の非正規労働者の約8割が年収200万円未満となっています。

ここでいう非正規労働者にはアルバイトやパートタイマーも該当するため、労働時間が短いために金額が少ないケースもかなり含まれていると考えられます。

また、主婦の場合、扶養控除の関係で労働時間をセーブして控除の範囲内に収めているケースも多いでしょう。

そのようなこともあるので、年収200万円だからといって一律に安すぎるとはいえませんが、もし派遣社員としてフルタイムかそれに近い時間働いていて、かつ年収200万円前後というのであれば、転職を検討したほうがよさそうです。

もちろん、派遣社員でも時給アップという形での昇給はありえますが、一般論として派遣社員の時給はなかなか上がらないものなので、自分の年収が安すぎると感じるなら、思い切って転職を検討してみるといいでしょう。

自分にとってやりがいのある仕事だと年収が安くても頑張ってしまうことがありますが、十分な収入がないと気持ちに余裕がなくなり、その「やりがい」すら、よく分からなくなってしまうものです。年収額が少ない方は、そうしたところまで含めて今一度、その職場でいいのか再考してみるべきです。

派遣社員の転職パターン

それでは、派遣社員が年収アップを目指して転職する場合のいくつかのパターンを紹介しましょう。

派遣先のみ変更する

たとえば、3ヵ月などの短期契約の場合、そのタイミングで派遣会社に対して違う派遣先を希望することができます。仮に契約更新を打診されたとしても、契約が切れるタイミングであれば派遣会社へ悪印象を与えることなく、新たな派遣先を希望できるはずです。

すでに契約更新を何度か繰り返していて、派遣先との関係も良好で働きやすい環境が整っている場合は、同じ派遣先で働ける最長期間の3年間、丸々働いてから、新たな派遣先を検討するのでもいいでしょう。

3年間同じ派遣先で働いたという実績は派遣会社に対する心証も良く、条件のいい派遣先を回してもらえる可能性があります。

派遣先のみ変更するメリット

派遣会社を変更しないため新たな登録等の必要がなく、また、これまでの派遣経験・実績を正しく評価してもらえる可能性があります。

派遣先のみ変更するデメリット

その派遣先でこれまで、良い条件の派遣先を探せていない場合、今後も年収アップにつながる派遣先にはつながりにくいかもしれません。

派遣会社ごと変更する

契約切り替えのタイミングで、派遣先だけでなく派遣会社ごと変更するという選択肢もあります。たとえば、その派遣会社でこれまでに時給の高い案件を紹介してもらえていない場合は、何らかの形で相性が合っていないのかもしれません。

または、その派遣会社が高時給の案件を多く押さえていなかったり、中間マージンを多く取っていて、派遣社員に回ってくる分が少ないということもありえます。

試みに、ある同一の募集案件について、複数の派遣会社で雇用条件を比較してみると、時給がかなり違っていることがあります。自分が登録している派遣会社が提示している雇用条件が、いくつかの募集案件で他社よりも時給が低いことが確認される場合、より条件のいい派遣会社に乗り換えたほうがいいかもしれません。

派遣会社ごと変更するメリット

今後も長く派遣社員として働いていくつもりがあるなら、一度しっかりと派遣会社を選び直し、より時給の高い案件を獲得していくことは長い目で見て大きなメリットとなります。

派遣会社ごと変更するデメリット

新しい派遣会社が抱えている案件数と登録者数のバランスが悪い場合、条件のいい仕事がなかなか回ってこない可能性もあります。

派遣会社のみ変更する

より時給のいい派遣会社に変えたいけれど、今の派遣先は辞めたくないという場合、元の派遣会社と移動先の派遣会社、そして派遣先企業の許可がもらえる場合に限り、派遣先はそのままで派遣会社だけを変えることも可能です。

ただし、契約中はまず無理なので、契約更新時のタイミングを図って相談してみることになります。

派遣会社のみ変更するメリット

すでに働いている派遣先で上司や同僚と良い関係を結んでいたり、派遣社員も利用可能な福利厚生が充実していたりで、引き続きそこで働きたいというような場合、派遣会社を変更して時給アップすることにより、良好な仕事環境は変えないままで年収アップが可能となります。

派遣会社のみ変更するデメリット

前の派遣会社への心証が悪くなってしまうため、将来、再びその派遣会社を利用する場合には条件のいい仕事を回してもらえない可能性があります。

無期雇用派遣社員になる

一般的な派遣は「有期雇用派遣」あるいは「登録型派遣」といわれ、同じ派遣先では最長3年しか働くことができません。

この形態では、労働者が派遣会社に登録をし、派遣先が決まった時点で雇用契約が結ばれます。そして、派遣先での契約が終わって仕事を離れると、次の派遣先が決まるまでは無収入となります。

一方、無期限雇用派遣では、派遣会社から常時雇用されている状態となり、同じ派遣先で最長3年しか働けないという制限もありません。

また、派遣会社から常時雇用されている状態になるため、時給制ではなく月給制となり、前の派遣先での契約が終了して次の派遣先が決まるまでの空白期間にも給料が出ます。そのような空白期間には派遣会社内の事務作業などに従事するケースがあるようです。

無期雇用派遣社員になるメリット

通常の派遣でも昇給することがありますが、この無期雇用派遣では働き次第でより昇給しやすい傾向があります。厚生労働省「平成29年度・労働者派遣事業報告」によると、有期雇用派遣労働者のフルタイムの賃金が1日1万2,212円であるのに対し、無期雇用派遣労働者は1万5,834円となっています。

無期雇用派遣社員になるデメリット

無期雇用派遣社員になるのは、派遣会社の採用選考にパスしなければなりません。また、派遣会社側としてはなるべく空白期間を作りたくないため、こちらが希望しない派遣先にもいかないとならないことがあります。

また、自分に合わない派遣先にずっと居続けなければならないというケースもありえます。

正社員を目指すという選択肢もある

そのほか、派遣社員という働き方を辞めて正社員を目指すという選択肢もあります。

国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果」に掲載された、「平成30年における1年間の支給総額」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は441万円で、その男女別、正規・非正規の内訳は次のようになっています。

男性の平均 543万円
女性の平均 293万円
正規雇用労働者の平均 504万円
非正規雇用労働者の平均 179万円

それぞれ、かなり大きな格差となっていますが、ここでいう非正規雇用労働者には、パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等が該当することから、短時間勤務のためにトータルの年収が低くとどまっている方が多数含まれていることも考えるべきでしょう。

ただ、それを考慮しても、正規雇用労働者の年収平均504万円というのは、派遣社員からすると大きな金額といえます。この記事の冒頭でも触れたように、派遣社員の年収は約300万円ですから、それより約200万円も多いというのは大きな差です。

正社員を目指すには、派遣会社の仕事とは別に求人を探すほか、派遣先から正社員としての直接雇用を申し込まれるケースも考えられます。ここでは後者のケースについてメリットとデメリットを見てみましょう。

派遣先で正社員に切り替えることのメリット

すでに慣れた環境で正社員になるので安心して働くことができ、さらに収入の安定や将来の昇給などが見込めるという点で大きなメリットがあるのは間違いありません。

また、派遣社員に任せないような重要性の高い仕事に関われることもあります。

派遣先で正社員に切り替えることのデメリット

派遣社員とは違い、残業を断りにくくなり転勤を余儀なくされる可能性もあります。また、派遣社員のように、合わない職場を契約更新時に気軽に辞めるといったこともできなくなるので、じっくり腰を据えて働く意識が要されます。

転職は年収と自分に合った働き方のバランスをよく考えて

給料は少しでも高いほうがいいのは当然ですが、転職したことで自分に合っていない働き方となってしまい、結局すぐに辞めてしまったなら本末転倒です。

転職先となる会社や給料のことはもちろん、自分はどういう人間でどういう働き方、職場が合っているのかというところまでよく考えて、転職するかしないか、転職先はどういうところがいいのかを慎重に検討していきましょう。