派遣社員で手取り15万円は一人暮らし可能?生活はできるが首都圏だときつい

派遣社員で手取り15万円は一人暮らし可能?生活はできるが首都圏だときつい 派遣社員の収入

派遣社員として働く方の中には、手取り15万円程度という方もいるでしょう。

もちろん、家族と生活費を折半しているのであれば、手取り15万円の派遣社員でも問題なく生活が送れます。

しかし、一人暮らしになると家賃や水道光熱費などを全額負担するため、かなり生活が苦しくなってしまいます

では、手取り15万円の派遣社員でも一人暮らしは可能なのでしょうか?

そこで本記事では、手取り15万円の派遣社員でも一人暮らしができるのか解説します。

また、派遣社員で手取り15万円という収入は少ないのかという点と、派遣社員の平均年収についてもお話するので、ぜひ参考にしてみてください。

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派遣社員で手取り15万円はどのくらいの勤務時間?

派遣社員で手取り15万円はどのくらいの勤務時間?

まず、派遣社員として働いた場合、いくらの時給でどれくらいの勤務時間・日数なら手取り15万円になるのでしょうか?

近年、都内では時給1,500円程度の派遣の仕事が増えているので、ここでは時給1,500円で計算してみましょう。

時給1,500円で8時間勤務を週5で行うと月収は次の通りです。

・1,500円×8時間×20日=240,000円

20%なら月収に0.8をかけ、25%なら月収に0.75をかければ手取りが算出できます。一般的に控除される額は月収の20~25%程度です。そして、月収から「控除の合計額」を差し引いた金額が手取りになります。

・控除20%の場合:240,000×0.8=192,000円
・控除25%の場合:240,000×0.75=180,000円

このように、時給1,500円で8時間勤務を20日間続けると手取りは18~19万円程度になります。

手取り15万円はこれより少ない金額なので、時給が低いか勤務時間、日数が少ないかのどちらかです。

また、手取りが18~19万円程度あったとしても、体調不良や育児などで休みが発生すれば、手取りは15万円台まで落ちる可能性があります。

では、勤務日数が何日になると手取りは15万円台になるのでしょうか。

1か月の中で3日仕事を休んだと仮定して計算してみましょう。

・1,500円×8時間×17日=204,000円
・控除20%の場合:204,000×0.8=163,200円
・控除25%の場合:204,000×0.75=153,000円

このように時給1,500円8時間勤務で20日間の仕事であっても、3日休むと手取りは15~16万円台になります。

地域によっては、派遣社員の時給が安いところがあるので、そのような地域で働いていれば、さらに手取り15万円台になる可能性が高いというわけです。

派遣社員の平均年収について

派遣社員の平均年収について

続いては、派遣社員の平均年収について見ていきましょう。

令和元年度 令和2年度
派遣労働者平均 15,234円 15,590円
無期雇用派遣労働者 15,856円 16,157円
有期雇用派遣労働者 12,828円 13,232円

※派遣労働者の賃金は、派遣労働者1人1日(8時間)当たりの平均額です。

(参照:厚生労働省『令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)』「表7 派遣労働者の賃金(その1)」

令和2年度の方がやや賃金は上がっていますが、月収に換算すると(20日で計算)31.18万円で、年収は374.16万円となっています。

そして、平均の手取り額が-20%だと仮におくと約24.94万円程度なので、手取り15万円は平均より少ない金額だと分かります。

ちなみに手取り15万円だと、給与額は19万円程度となるため年収は228万円程度です。

派遣社員全体で見ると手取り15万円は少ないものの、実際には手取り15万円で生活している派遣社員は大勢存在しますし、あり得ないほど少ないわけでもありません。

派遣社員の手取り15万円で一人暮らしは可能か?

派遣社員の手取り15万円で一人暮らしは可能か?

では、手取り15万円でも一人暮らしは可能なのでしょうか?

まずは総務省が公表したデータを基に、毎月の生活費がいくら必要なのか見てみましょう。

支出 金額
家賃 約70,000円
食費 約30,000円
水道光熱費 約8,000円
娯楽費・交際費 約30,000円
スマホ・ネット代 約10,000円
衣類・日用消耗品代 約8,000円
交通費・医療費 約8,000円
スーツ・オフィス用品代 約10,000円
合計 約147,000円

参考:総務省「家計調査 2020年(表番号1)」

以上のデータを見ると、毎月の生活には大体15万円程度のお金が必要です。

そのため、貯金はできないものの手取り15万円でもギリギリ生活は送れます。

しかし、現実的に考えると手取り15万円では厳しく、手取り19万円くらい欲しいところでしょう。

また、上の表では手取り額に対して家賃が高すぎます。

一般的に家賃は、手取りの3分の1以内を目安にした方がいいとされているので、手取り15万円なら家賃は5万円程度のところを探す必要があります。

一応、全国の家賃相場の中でも特に金額が高いところ安いところ10位を見てみましょう。

【家賃が高い都道府県ランキングTOP10】

順位 都道府県 家賃
1位 東京都 81,000円
2位 神奈川県 68,000円
3位 埼玉県 59,358円
4位 千葉県 57,421円
5位 大阪府 55,636円
6位 兵庫県 55,337円
7位 京都府 54,605円
8位 愛知県 52,492円
9位 静岡県 50,038円
10位 宮城県 48,894円

【家賃が安い都道府県ランキングTOP10】

順位 都道府県 家賃
1位 鹿児島県 37,863円
2位 青森県 38,264円
3位 宮崎県 38,353円
4位 秋田県 39,404円
5位 山口県 39,559円
6位 島根県 39,797円
7位 岩手県 39,990円
8位 高知県 40,255円
9位 鳥取県 40,275円
10位 熊本県 40,361円

参考:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果」

このように家賃相場を見てみると、東京都や神奈川県などの都市部では家賃5万円程度のところを探すのは困難でしょう。

つまり、手取り15万円でも一人暮らしができるかどうかは、あなたの住んでいる地域によって大きく変わるというわけです。

派遣社員が年収を上げる方法

派遣社員が年収を上げる方法

手取り15万円でも一人暮らしは可能ではあるものの、かなり厳しい生活が余儀なくされるため、収入アップを目指す方が現実的です。

では、どうすれば収入を上げられるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

時給アップの交渉を行う

1つ目に紹介する年収を上げる方法は、時給アップの交渉を行うことです。

特に職務歴が1年以上あれば、派遣会社も交渉に応じてくれる可能性が高くなりますし、とにかく時給アップの交渉を派遣会社の営業担当者に相談してみましょう。

また、以下のようなタイミングを見計らって交渉するとうまくいく確率が格段にアップするはずです。

  • 更新時期
  • 資格を取得した時
  • 役職に付いた時

契約更新の時期は様々な条件を見直すタイミングなので、時給交渉に適しています。

また、派遣社員の時給はスキルに応じて決定されるため、資格取得でスキルアップに成功していれば、そのタイミングで時給してもらえる可能性があるでしょう。

加えて、派遣先でよりレベルの高い業務を与えられた時も、仕事量が増えたり責任が増したりするので、交渉に応じてもらいやすくなります。

交渉に応じてもらえなかった時は、時期を改めて交渉するか次に紹介する方法を試してみてください。

派遣先を変える

2つ目に紹介する年収を上げる方法は、派遣先を変えることです。

派遣の時給は、職種によってかなり金額に開きがあります。

特別な資格や技術を持っていなくてもできる仕事はありますが、そういった仕事は時給が安い傾向があり、専門職のような高度なスキルが必要とされる職種は時給が高く設定されています。

例えば、以下のような職種は派遣社員でも高い給料をもらっています。

職種 1日当たりの賃金 時給
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 23,919円 2,989円
法人・団体管理職員 18,977円 2,372円
情報処理・通信技術者 18,930円 2,366円
建築・土木・測量技術者 18,492円 2,311円
電気工事従事者 17,387円 2,173円
建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) 16,466円 2,058円
法務従事者 15,672円 1,959円
製造技術者 15,464円 1,933円
音楽家、舞台芸術家 15,446円 1,930円
教員 15,390円 1,923円

参考:厚生労働省「平成30年度労働者派遣事業報告書の集計結果」

(*時給は「賃金÷8時間=時給」で計算して算出)

医師や薬剤師などは国家資格がないとできない仕事なので、誰でもできるわけではありません。

しかし、派遣社員の平均年収などを考えると、手取り15万円以上の誰でもできる仕事はたくさんあります。

時給が安くて悩んでいるなら、派遣先を変えて年収アップを目指してみてください。

派遣会社を変える

3つ目に紹介する年収を上げる方法は、派遣会社を変えることです。

実は、全く同じ勤務先・職種であっても、派遣会社によって時給が異なるケースがあります。

それは派遣会社によってマージン率が異なるからです。

マージン率とは、派遣社員を雇用する際にかかる費用及び営業利益が含まれたものになります。

マージン計算式:派遣料―賃金=マージン

そして、2021年4月の労働者派遣法の改正によって、今後はマージン率をインターネット上で開示しなければなりません。

ランキング 派遣会社名 マージン率
1位 テンプスタッフ 25.1%
2位 リクルートスタッフィング 26.8%
3位 マンパワー 28.3%
4位 パソナ 28.6%
5位 スタッフサービス 29.7%

(*表は各派遣会社が掲載しているマージン率を参考に作成)

マージン率が低い派遣会社の方が、あなたの受け取れる賃金は多くなるので、派遣会社を選ぶ際はマージン率が低いところを選ぶようにしてください。

ただし派遣会社の乗り換えは、以下のような大変な面やデメリットの面もあるので注意しましょう。

  • 派遣会社との信頼関係に傷がつく可能性がある。
  • 実績を積みなおす必要がある。
  • 契約期間中だと拒否される可能性がある。
  • 社会保険の切り替え手続きが必要。
  • 有給休暇がリセットされる。

年収アップだけが目的ならば、他の方法を検討してからがいいかもしれません。

正社員へ転職する

4つ目に紹介する年収を上げる方法は、正社員へ転職することです。

やはり、派遣社員より正社員の方が平均月収は高くなっています。

年齢 男女計
19歳以下 18.39万円
20代前半 21.66万円
20代後半 25.09万円
30代前半 28.37万円
30代後半 31.59万円
40代前半 34.18万円
40代後半 36.13万円
50代前半 38.84万円
50代後半 39.3万円
60代前半 32.98万円
60代後半 29.92万円
70歳以上 28.01万円

出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

どの年齢を見ても派遣社員より平均月収が高くなっています

また、派遣社員から正社員を目指す方は多いので、給与アップを第一に目指すなら正社員への転職を検討してみてください。

派遣社員で手取り15万円はやや少ないので不満があるなら行動を

派遣社員で手取り15万円はやや少ないので不満があるなら行動を

今回は、派遣社員の手取り15万円でも一人暮らしが可能か解説しました。

派遣社員の平均年収を見ると、手取り15万円は比較的少なめだと理解できたかと思いますが、それでも家賃の安い地域であれば、手取り15万円でも一人暮らしは可能です。

ただし、派遣社員の手取り15万円は少なめの水準なので、かなり切り詰めた生活を余儀なくされるため、貯金は難しいと言わざるを得ません。

派遣として年収アップの交渉をしてみたり職種を変えてみもいいですし、いっその事思い切って正社員を目指すのであれば年収100万円アップも夢ではないので、不満がある場合は、まず行動に移すようにしてみてください。

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