正社員から派遣社員に転職しようと悩んではいませんか。
正社員を辞めて派遣社員になれば給与が待遇が悪くなる可能性があるものの、結婚や出産、育児のほか、転勤や部署移動などの様々な理由から、転職を考えている人は少なくありません。
もしこの選択に対して漠然とした不安や後悔したくない思いがある場合、実際に正社員から派遣社員に転職すると、どのようなメリットやデメリットがあるのかを明確に理解しておけば悩みは軽くなるはずです。
そこで本記事では、派遣社員になるメリットやデメリットはもちろん、実際に行う手続きや転職における志望動機はどうすればいいのかなどを詳しくまとめてみました。
派遣社員から正社員を目指すなら通常の転職サイトよりもサポートが充実した転職エージェントを使うのがおすすめです。
未経験職種・業界への転職や正社員になるのが初めての方は提出書類の作成や面接テクニックをエージェントの人からサポートしてもらいましょう。
おすすめの3サービス | 公式 |
---|---|
リクルートエージェント |
公式 |
JAIC |
|
・5分の質問で自分の市場価値がわかる |
公式 |
正社員を辞めて派遣社員になろうと思う理由
正社員と聞くと安定したイメージが強いですが、その正社員を辞めて、派遣社員になろうと思うほどの理由とは何でしょうか。
転職する際に面接でも転職理由は聞かれるケースが多いので、いくつか例を挙げてみました。
正社員を辞める理由
- 仕事のプレッシャーや責任重くて辛い
- 休みがなく体がもたない
- サービス残業が多いわりに給料が低い
- 人間関係が辛い
- パワハラが辛い
- 結婚によって今後のライフスタイルを考えた
- 妊娠・出産を機にフルタイムで働けなくなった
- やりがいを感じられない、やりたい業種がある
上記の8つが正社員を辞めようと思う代表的な理由です。
理由をあげて気になるのが、正社員を辞めて派遣社員になることで抱えている問題は解決するのか、という点です。転職の面接では「理想の姿」として尋ねられることもあるかと思います。
そこで派遣社員へ漠然と抱いている、いいイメージと悪いイメージの両面を整理してみましょう。
派遣社員に対するイメージと不安
派遣社員に対してのよくあるイメージをまとめてみました。
派遣社員のいいイメージ | 派遣社員の悪いイメージ |
単純作業が多い。 責任の少ない業務が与えられる。 |
給料が少ない。 |
残業がない、または少ない。 残業代は必ず出る。 |
派遣は使い捨て扱いされる。 |
人間関係が薄くて済む。 悪くなったら逃げやすい。 |
正社員より格段に待遇が落ちる。 |
出勤時間や勤務地が明確に定められている。 家庭と仕事を両立しやすい。 |
契約更新に苦労する。 |
雇用形態さえ飲めば大企業にも勤められる。 | 女性が多い。 |
自身が漠然と抱いているイメージと一致している部分はありましたか?
派遣社員には正社員のときに感じていた責任の重さや人間関係の辛さを軽くできる一方で、給与や待遇面のダウン、毎回更新がうまくできるのかなどの不安なイメージがあり、一歩を踏み出せない人も多いかと思われます。
ただ、イメージは不確定要素でしかありません。そもそも事実なのか、後悔しないようにどの程度の覚悟が必要なのか、ここから確認していきましょう。
正社員から派遣社員になって実際よかった!6つの事例とメリット
先に伝えておくと、転職は自分の人生をよりよくするためのものですが、実際は「正社員から派遣社員になってよかった人」だけでなく「正社員から派遣社員になって失敗したと後悔する人」もいます。
ただ、後者の「正社員から派遣社員になって失敗したと後悔する人」というのは、派遣社員についてよく理解せず転職する方がほとんどです。
転職は人生の転機ですから、後悔することのないように派遣社員になるということはどういうことなのかをしっかり理解しておきましょう。
まずはじめに、実際に正社員から派遣社員になると具体的に何がどう変わるのかについて、メリットから解説していきます。
仕事のプレッシャーや責任から解放された
正社員だった時は部下や後輩を育てる立場で、チーム全体の成果を上げないと自分の評価が下がってしまうため、常にプレッシャーを感じていましたが、派遣社員になってからは一気に肩の荷が下りました!
正社員から派遣社員になれば、肩の荷が軽くなったと感じます。正社員の場合、「成果を出さなくては」「会社の期待に応えなくては」というプレッシャーや責任から解放されるのは無理なことです。
会社にもよりますが「派遣の業務」と「正社員の業務」が分業化されていることも多く、責任を負う業務は正社員の仕事になっているケースがほとんどですので、避ける目的で派遣社員を選ぶのは正解だと考えられます。
派遣社員なら「何かをやらかしてしまう」というような不安を抱えることも、何かにプレッシャーを感じて気が重くなるということもほとんどありません。
責任という視点だけでなく、作業内容の視点から、気楽に仕事ができるようになった例もあるようです。
正社員のときは仕事量が多く大変でしたが、派遣社員になってからは任される業務は単調になり、気持ちが楽になりました。
派遣社員はあらかじめ契約で定められている業務をこなすことが仕事です。ですから、あれもこれもと予定外のことを頼まれる機会がありませんし、派遣先の判断で契約上にない業務の指示は出せないことになっています。
また、業種にもよりますが、特に事務職であれば雑務を含めた簡単な業務が多く、マニュアルに従って同じ作業を繰り返すだけなので早く仕事に慣れやすいでしょう。
「とにかく仕事を気楽にやりたい」、「余計なことは一切考えず黙々と仕事に打ち込みたい」という人にはピッタリな仕事が多いかと思います。
残業時間や不要な付き合いが圧倒的に減った
正社員だったときは残業の毎日で、仕事の後にどこかに寄る、友人に会うなんてこともできませんし、睡眠時間が全然足りず……。食事もまばらではっきり言って不健康でした。でも派遣社員は残業時間も選べ、基本的に定時に上がれるので辛くなくなりました。
正社員から派遣社員になった場合、最初から勤務する時間が決まっているため、残業していた日々が嘘のように、定時で上がれるようになります。
正社員として働くと、「残業をしているのが当たり前」という会社が多いですが、派遣社員は何時から何時までの勤務時間と決められており、残業がある日の方が珍しいとも言えます。
正社員の時は何時に上がれるか分からなかった日々も、派遣社員になれば定時後のスケジュールも立てやすくなり、健康的な生活を送ることができるのです。
また派遣社員の場合、外部の人と付き合わなくてはいけない業務は少なく、ましてや時間外の接待というのはなくなります。
正社員だった時は、取引先との付き合いで月に3回は接待で飲食をしていましたが、ご機嫌取りのため毎回大変でした。でも派遣社員になってからは、接待はなくなりました。
一方、正社員の場合は「取引先との付き合いがあってこそ自分の会社が成り立つもの」という職種も多く、人によっては週の半分は取引先と飲みに行くことも少なくありません。
しかも取引先との関係は「信頼関係」になるため、機嫌を取らなけれならないという気遣いの大変があります。
待遇面を重視して正社員を選んだにも関わらず、その分付き合いが増えてプライベートの時間も浪費させられる正社員は案外多いものです。
人間関係やハラスメントで悩むことが減った
正社員だった時は同僚と合わなくて本当に辛く、だからといって正社員を辞める勇気もなく……。でも派遣会社に登録をして、担当者と色々相談していたら、働いてみたい会社を紹介され、正社員よりも派遣社員として心機一転で働くことに決めました。
職場の人間関係で悩む話はよく聞きますが、派遣社員の場合は正社員よりもずっと楽な方でしょう。
何故なら、派遣は雇用期間が決まっているので、この先ずっと続く人間関係ではないと割り切れるからです。
人間関係のように、個々の「合う、合わない」は誰にもどうすることもできませんから、いっそのこと切ってしまうに越したことはありません。
派遣の場合は万が一、人間関係で悩んだとしても、次の契約更新をしなければその関係を終わらせられます。
同様に、もしハラスメントがあっても迅速に逃げられますし、派遣先にとって派遣社員は外部の人間である以上、理不尽なハラスメントをされるリスクがほとんどありません。
正社員だった時は上司から理不尽に怒鳴られることがよくあり、正直メンタルが持つか分かりませんでした。けど派遣社員になってからは責任も重くなく、外部出向してくれているという目線から怒鳴られることはなくなりました。
もし叱られることや注意して欲しいことがあれば、派遣会社の担当者づてから間接的に伝えらるメリットもあります。派遣社員は自社のスタッフではないというところがポイントになるのです。
時給に直すと正社員だった時よりも給料が上がった
正社員だった時はサービス残業だらけで本当に割に合わない給料でしたが、派遣社員になったら正社員の時よりも給料が増え、生活にゆとりが出てきました。
正社員から派遣社員になった人の中には、前より給料が上がったという方もいます。
例えば自分の月給が18万円だった場合、社会保険料や厚生年金などが引かれ約15万円の手取りになりますが、派遣社員は時給制なので、勤務すればするほど給料となって返ってきます。サービス残業という言葉は派遣に対しては使われません。
派遣の平均時給は1,200円~1,600円と、簡単な仕事が多い割には時給が高めに設定されています。下の表ははたらこねっとの「職種別平均時給(2022年9月)」によるデータの一部ですが、特に専門的な知識が求められる職種の時給が高い傾向にあるようです。
職種(経験を活かすお仕事) | 9月の平均時給 |
一般事務・OA事務 | 1,564円 |
営業アシスタント | 1,716円 |
SE・プログラマ(WEB・スマホ系) | 2,574円 |
WEBデザイナー | 1,996円 |
医療事務・調剤事務 | 1,280円 |
一般的に1日8時間労働(休憩1時間/7時間労働)の会社が多く、時給が1,600円で20日勤務だったときは給料は残業なしで224,000円となり社会保険料と厚生年金を引いたとしても約19万円は手取りとして受け取れるでしょう。
また、祝日がない月には21日、22日勤務となるのでその分、給料も増えます。
求人を見ていると正社員を採用する場合でも月給23万円に満たない会社も多いので、場合によっては派遣社員の方が多く稼げる可能性は十分にあります。
結婚・妊娠・出産に合わせたライフスタイルが実現した
このまま正社員でいたら転勤となってしまうので、住む場所を変えずに勤務先だけを変える派遣社員を選ぶというのもひとつの選択だと思いきりました。
妊娠・出産をきっかけにフルタイムで働くのはきつくなり、派遣会社に登録をして週4日で残業もない企業を紹介してもらいました。ライフスタイルに合った働き方を見つけられるのも派遣社員の魅力です。
結婚や妊娠、出産など、今後のライフプランが大きく変わる機会で正社員から派遣社員になる女性は非常に多いです。
正社員の場合、会社から辞令が下りれば断ることはほぼできませんし、断るにはリスクが伴いますし、正社員の生活は常に会社の都合によって左右され、自分のライフプラン通りに進めるのは無理があります。
しかし派遣社員の場合、会社都合の転勤や異動もなく、契約上で決められた範囲外の「不測の自体」が起こりません。
しかも、自分のライフスタイルに合わせた条件で仕事ができるため「家事や子育てもきちんとしたいから、週3勤務で17時には仕事が終わって、最低でも時給1,500円はもらいたい」という条件ならば、それも可能になります。
条件を派遣企業の担当者に伝えれば、その条件に合った仕事を紹介してもらえたり、自分で求人を探せます。
派遣社員はプライべートを充実させ、自分の望むライフスタイルに近いものが実現できる働き方です。
ただ、あまりにも好条件ばかりを設定すると求人が見つからなかったり、あったとしても競争率はかなり高かったりするので、担当者とよく話すことをおすすめします。
正社員入社はできなくても大手企業に勤めることができる
ずっと大手企業に勤めたいと思っていたけど、学歴や職歴からそれは無理でした。でも派遣社員になってからは、憧れていた大手企業に派遣社員として勤められました。
「派遣だからこそ、大手企業で働きやすい」というのは派遣のメリットとも言えます。
特に紹介予定派遣として大手企業に行けた場合は、派遣先企業の直接雇用も夢ではありません。
「本当は大手企業の正社員として働きたい」と思っていても、競争率はとてもに高く、いばらの道です。仕方なく諦めて中小企業の正社員になったという方も多いのではないでしょうか。
「あの企業に勤めたい」という思いがまだあるなら、紹介予定派遣や派遣社員として始めてみるのもいいでしょう。
正社員から派遣社員になって後悔した人の6つの事例とデメリット
次に、正社員から派遣社員になって後悔した人のケースを、派遣社員のデメリットと合わせて見ていきましょう。
雇用が不安定で先行きが不安になった
正社員の時はいつ無職になるかなんて考えたこともなかったです。派遣社員になってからは、契約更新されなかったらすぐに次の仕事が見つかるかが心配になります。
正社員の時は、いつ自分が職を失うかという心配をすることは多くはありません。
派遣社員は期間満了日近くにならないと契約が更新されるかわかりませんので、派遣社員になった場合、契約更新をしてもらえるのか、してもらえないのかが不安になってきます。
また、同じ職場(課)で働けるのは最長で3年間と決められているため、ここで長く勤めたいと思った場合、担当者とよく話し合うことが大切になります。
この3年ルールについては以下のコラムでご紹介していますので、詳しく知りたい方は合わせてチェックしてみてください。
ただ契約満了となっても、派遣会社の担当者が希望を聞いて新たに求人を探してくれたり、自分で探せたりします。不安であれば勤めている間に、もし契約満了になったら次はこんな職種をやってみたいと担当者に伝えておくのもよいでしょう。
年収が大きく下がった
派遣社員になって1年経ちましたが、正社員だった時に比べると年収が低いと感じます。去年は特に休日が多かったから給料が少なくなってしまいました。
正社員の時は単純に給料や昇給、ボーナスがあったのに対し、派遣社員の場合は給料しか貰えません。
また、正社員の場合は職種によってインセンティブ(成果報奨金)が支給されることもあるので、年収で比較するとその差は倍近くの差になるでしょう。
そして派遣社員は時給制なので、休みが多い月は月給が少なくなります。
例えば大型連休がある月は給料が減ってしまうので、連休がない月の収入を少し貯金して、そのときに使うなどの工夫も必要となります。
ボーナス、退職金が出ないため貯金しづらい
毎月貯金してるのに全然貯まりません。正社員の時はボーナスがあったから貯金できていましたが、ボーナスがないのは正直辛いです。
ボーナスや退職金がないというのも派遣社員のデメリットになります。
例えばボーナスが2回あるとして、1回の金額が20万円だとしても、年収で考えると40万円になります。派遣社員の月給がよくても、年収で見ると正社員の方がいいということはボーナスで差が付くためです。
派遣社員はボーナスがなく退職金もないので、毎月の給料の中からしか貯金に回せません。どんなに節約しても貯金できる金額には限りがあるでしょう。
また、正社員の場合、勤続年数が長くなると退職金が出る会社がおおよそ8割あります。例えば10年勤務したとしても、これまでがんばってきた分のご褒美は最低でも100万円から200万円はあるはずです。
このように、年を重ねるほどに正社員と派遣社員の貯金額に開きが出ることは言うまでもありません。
給料が一向に上がらない
働いて2年になりますが、どんなに頑張っても給料が上がることがないことに辛さを感じます。正社員の時は1年に1回昇給があったのに……。
派遣社員に昇給という言葉はほぼないようなものです。
正社員の場合は会社によって年1、2回の昇給制度がありますが、派遣社員の時給は同じ職場に勤めていてもほぼ上がりません。
しかし、働き続けることで時給が上がることはあります。10円から30円と少額ではありますが、時給が1,600円から1,630円になると月給は4,000円ほど多くなります。
年功序列型の正社員は年齢層が高くなればなるほど給料も上がる可能性がありますが、派遣社員の場合は給料は年を重ねたところで時給があがるかもしれない程度に留まります。
責任ある仕事ができないため達成感がない
他の派遣社員よりがんばって仕事していても、成績や目標があるわけではないので、評価されにくい環境のように感じてしまいます。
派遣社員の場合、周りの派遣社員と比べて差が出るような大きな仕事=責任のある仕事をする機会があまり与えられません。
そのため「自分が会社に貢献した」というような達成感を感じることがなく、せいぜい「今日は仕事をいつもより早くこなせた」というような小さな達成感を一人でかみしめることくらいしかできません。
スキルアップができないことも多い
正社員は充実したスキルアップ制度があるけれど、派遣社員にはないのが不満です。
派遣社員は「即戦力」が求められています。
派遣先は「今」使える人材がほしいのであって、「段階を踏んだスキルアップ」を望んでいません。
正社員のように無期雇用であれば、会社側としても段階を踏んでスキルアップしてもらいたいはずなので教育制度も充実してくるでしょうが、派遣社員に対してその期待は不要なのです。
派遣社員への転職でよくある質問と男女別の悩み
では、正社員から派遣社員になるにあたっていくつかの質問に対する答えを挙げていきましょう。
男でも正社員から派遣社員になるのはあり?
厚生労働省の『平成29年派遣労働者実態調査の概況』によると、派遣労働者における性別の割合は男性49.5%、女性50.5%と、男性でも派遣社員になる方が多いことが分かります。
雇用の不安定さや、年齢が上がるにつれて正社員との年収差が大きくなることを受け入れられるのであれば、派遣社員として働くことに性別は関係ないでしょう。
ただ、「派遣社員はどちらかというと女性向きの働き方だ」というイメージが強いのは、派遣社員はライフスタイルに合わせて働くことが可能だからです。
結婚して収入が自分だけではない方は「家庭に入って、稼ぎも適度であれば生活していける」と思い、働くこともできますし、妊娠・出産した方はどうしても「子どもに合わせたライフスタイル」を送らなければなりません。
このように、正社員のような会社優先の生活を送っていくことが困難な方には、特に派遣社員が向いているでしょう。
結婚や妊娠が理由で正社員を辞めるのはもったいない?
結婚や妊娠が理由で心残りがあるなか、正社員を辞めるのはもったいないと思われます。
産休・育休制度や時短労働は法律上義務となっていますし、もし会社の雰囲気で福利厚生を受けられそうになければ、正社員を辞めるのではなく、正社員から別の会社の正社員へ転職という道を考えるようにしてみてください。
正社員から派遣社員になるとき、社会保険はどうなるの?
社会保険の加入条件については、派遣会社によって規定が異なりますので自分の登録する派遣会社の規定を確認する必要がありますが、あくまで参考に、ここでは某派遣会社の加入条件例をご紹介します。
まずは健康保険と厚生年金保険についてですが、週30時間以上の契約か、週20時間~30時間未満の契約かによって加入条件が異なります。
例えば某派遣会社の場合、週30時間以上の雇用契約の加入条件は、以下の2つです。
- 週4日以上の契約であること
- 初回契約期間が2ヵ月を超える、または契約再締結により2ヵ月を超えること
上記規定では、週4日で2か月以上の契約であれば加入できるということですが、派遣会社によっては契約が2か月を超える場合でも、週の労働時間が30時間以上かつ1ヶ月の労働日数が15日以上なくては加入できないといった条件のところもあります。
続いて同じ某派遣会社の場合、週20時間~30時間未満の雇用契約の加入条件は3つあります。
- 賃金月額見込が88,000円以上であること
- 1年以上の雇用見込みがあること
- 初回契約期間が2ヵ月を超える、または契約再締結により2ヵ月を超えること
これもまた派遣会社によっては他の条件が加わる会社もありますので確認が必要です。
また、雇用保険についての、加入条件を見てみましょう。
- 週20時間以上の契約であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
例えば、1日4時間労働を週5日すれば週20時間になります。
雇用保険に加入する条件は、健康保険や厚生年金保険に比べると満たしやすいでしょう。
もし社会保険についてもっと知りたい場合は、下のコラムで詳しく解説していますので、合わせてご参考になってみてください。
正社員を辞めて同じ会社で派遣社員として働くことはできる?
正社員として長年働いていたけど、たとえば妊娠や出産を機に「フルタイムで働くのはきつくなってきたから、もう少し時間制限をして働きたい」と思う方もいます。
かといってパートやアルバイトだと給料が大分下がってしまうため、悩みどころでしょう。
そこでもし勤務先に派遣社員の方がいるのであれば、「その派遣会社に登録をして勤められるのは?」と思うところですが、労働者派遣法の改正法により、派遣会社は離職後1年以内の人を元の勤務先に派遣できなくなりました。これは離職前の在籍年数は全く関係ありません。
また、派遣先でも元従業員を派遣労働者として受け入れることが禁止されています。
たとえ部署や支店が違ったとしても、禁止対象となる勤務先の範囲は「事業者単位」となっているため、例えば東京支店から大阪支店に移って、しかも違う部署に行くとしてもダメです。
(引用:厚生労働省「派遣元事業主・派遣先の皆様」)
ただし、60歳以上の定年退職者は禁止対象外となっています。
正社員を辞めて派遣社員になって後悔がないか6つのチェックリスト
ここまで正社員を辞めて派遣社員になるメリットとデメリット、よくある疑問点などを解説してきましたが、まだ迷われている場合は以下の6つのチェック項目を確かめてみてください。
☑ 雇用が不安定になる可能性に不安がある。
☑ 今の仕事にやりがいを感じている。
☑ 人間関係に大きな問題はない。
☑ 給与ダウンに不安がある。
☑ キャリアアップに関心がある。
☑ 労働時間に問題があるだけ。
以上6つのチェックリストのうち、もしひとつでもチェックが入れば、派遣社員になると後悔する可能性が高いです。
なぜ後悔する可能性が高いのか、ひとつずつ解説していきます。
雇用が不安定になる可能性に不安がある
派遣社員は最長3年しか同じ職場で働けず、早ければ3ヶ月で更新終了となって次の職を探す可能性も十分にあります。
無期雇用から有期雇用になることに覚悟がなければ、更新の度にストレスを感じてしまうため、後悔する可能性が高いです。
今の仕事にやりがいを感じている
やりがいを感じられる仕事というのは、なかなか出会えるものではありませんので、悩みやすい点になります。
どんな所にやりがいを感じているのか、それを本当に手放してでも正社員を辞めるのかを考えてみましょう。
人間関係に大きな問題はない
上司からハラスメントを受けた、大きなミスをしてしまって冷たく接せられるなどが人間関係の大きな問題点に当たります。
精神的なストレスがかかり、身体に不調が出ているようであれば、今勤めている会社は一刻も早く辞めることをおすすめしますが、人間関係に大きな問題がない会社というのは非常に珍しくあなたに合っている可能性が高いので、できる限りの手段を考えて、今の会社に残ることがおすすめです。
給与ダウンに不安がある
例外はありますが、正社員から派遣社員になると、ボーナスや昇給がなくなるので給与が下がりやすい傾向があります。
家計的に問題がないか、不安がなくなるまで家族と相談・計画をしてみて、問題があるようであれば後悔しないよう別の道を模索しましょう。
キャリアアップに関心がある
派遣社員は時給が僅かに上ることはあっても、正社員のようなキャリアアップが存在しません。
「将来的にマネジメント職に就きたい」と考えている場合は、派遣社員は向いていないかもしれません。
労働時間に問題があるだけ
派遣社員は確かに柔軟性のある働き方で、家庭との両立もしやすいですが、正社員という働き方も企業によってはフレックス制を導入していたり、子どもを預けられる施設があったりします。
そのため、労働時間に問題があるからと一概に正社員を諦めずに、今勤めている会社に相談して、もしダメならそのような制度を設けている会社への転職を考えてみましょう。
派遣社員ではなく正社員としての転職を悩んでいる方へアドバイス
正社員から派遣社員になると仕事のプレッシャーから開放されたり、勤務スタイルが自由になったりするなどのメリットはあるものの、派遣社員になるデメリットが受け止められる状態かという判断が必要不可欠です。
もし派遣社員になるか正社員になるか悩んでいる方は、まず別の企業へ正社員という形態で転職を考え、今よりも負担がなかったり、待遇がいい会社がないか探してみたりすることをおすすめします。
もし一人で悩みすぎて答えが出ない場合は、一度転職エージェントに登録して、プロとの面談で悩みを整理してもらうといいでしょう。
いずれにせよ、後悔しない転職をするためには、自分が転職をする目的をしっかりと見つめ直すことが大事です。
自分のライフプランを削ってでも経済的に安定する人生か、自分のライフプランを堪能し、不安定な部分は何とか埋めてがんばろうとするか、最終的には二択になりそうではありますが、何が一番重要かは人それぞれ異なります。
「転職してよかった」と思える選択をして、生き生きと働きたいものです。
派遣社員から正社員への転職でおすすめのサービス
「派遣社員から正社員への転職は大変…」と悩んでいた方は通常の転職サイトではなくアドバイザーが付く転職サービスを利用するのがおすすめです。
通常の転職サイトでは自分で全ての管理をする必要がありますが、アドバイザーが付くサービスの場合は面接までのスケジュール・添削・年収交渉などをしてくれるため、転職活動の負担を大きく減らしながら進めることができるからです。
負担を減らすだけではなく効率的に進めることができるので、結果的に短期間での内定獲得に繋がります。
転職サービスは複数利用がおすすめ
転職活動をする方の多くは2つ~3つの転職サイトを複数登録していることが多く、実際にそのような転職方法はおすすめです。
その理由としては各サイトによって求人内容が異なるので、なるべくその時々で良い条件の求人を確認できるからです。
また、転職をサポートしてくれるアドバイザーと相性が合う合わないという問題もあるため、なるべく一つの転職サービスだけではなく複数を利用することで客観的な判断がしやすくなります。
【業界最大手】リクルートエージェント
対象の年代 | 20代~50代 幅広い年代に対応 |
---|---|
どんな人に向いている? | ・とにかく多くの求人を見たい方 ・既卒、第二新卒の方 ・積んだキャリアを生かして転職したい方 ・エージェントから転職活動のサポートを受けたい方 |
リクルートエージェントは転職サービスの中で最も取り扱い求人数が多い、大手転職エージェントです。
取り扱い求人数が多いということは色々な可能性を見つけることができるため「次にやりたい仕事がまだイマイチ決まっていない」という方に合っています。
全国の求人を扱っているので、地域を選ばずに利用できるのもメリットの一つです。リクルートエージェントは転職を決意したらまず利用したい転職サービスです。
【派遣・未経験・フリーターから正社員へ】JAIC
対象の年代 |
20代~40代 |
---|---|
どんな人に向いている? | ・派遣社員、フリーター、既卒で早期退職を経験した方 ・未経験職種へのチャレンジをしたい方 ・社会人経験がない方 ・履歴書や面接に自信がない方 |
JAICはフリーターの方や就職をしたけど早期退職をするなど上手く行かなかった方、未経験職種や業界にチャレンジをしたい方におすすめの転職サイトです。
これから正社員を目指すという方を支援するためのプログラムや、アドバイザーからの丁寧な個別サポートを受けることができるので、「正社員への転職活動をしたいけど何をしたらいいのかわからない」という悩みを抱えていた方でも安心して転職活動を進めることができます。
また、転職成功率が高いだけではなく、入社後の定着率が高いこともJAICの特徴です。
内定を取ることだけを考えるのではなく、自分にとって働きやすい環境の会社をしっかり紹介してくれることが定着率の高さに繋がっていると言えるでしょう。
「これから正社員を目指したい」と考えていた方は要チェックの転職サイトです
【待ちの転職活動】ミイダス
対象の年代 |
20代~40代 特に20代に強い |
---|---|
どんな人に向いている? |
・第二新卒の方 |