「派遣の契約期間中だけど退職したい」と思う人も沢山いるでしょう。
派遣先の雰囲気が悪いとか、忙し過ぎて辛いなど様々な理由がありますよね。
しかし派遣社員の場合、入社前に契約期間などについて雇用契約を交わしていますから、基本的に契約期間途中での退職は認められません。
しかし中には例外もあり、認められる場合もあるのです。
本記事では派遣社員が契約期間中に退職することについて、退職できるケースや退職による影響、辞めさせてもらえない場合はどうするのかなど詳しく説明していきます。
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派遣社員は原則、契約期間中の退職ができない
派遣社員は原則として、契約期間中の退職ができません。
入社前に派遣会社と結んだ雇用契約で契約期間が明示されていますので、その契約を交わした以上は契約期間を無視することは認められないのです。
契約を交わすということは、思った以上にシビアで重みのあることだと頭に入れておきましょう。
やむをえない理由がない場合は契約期間中の退職ができない
派遣社員が契約期間途中で退職できるのは、やむを得ない理由がある場合のみです。
民法628条
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
上記のとおり、やむを得ない理由がなければ基本的には契約期間中の退職はできません。
原則として、最初に3ヶ月という期間で契約を結んだら、派遣会社がその期間内に辞めさせることができない代わりに、派遣社員も辞めることはできないのです。
バックレは絶対だめ、最悪損害補償を求められるのですべきではない
契約期間中の退職が認められないからと言って、バックレという強硬手段に踏み切るのは絶対にやめましょう。
バックレをすると派遣先にも派遣会社にも多大な迷惑がかかりますし、契約違反として最悪損害賠償を求められることがあり得ます。
特に会社の入館証など、悪用できるものを持ったままバックレたとなれば賠償額も大きくなるでしょう。
バックレについて詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
派遣社員がばっくれて仕事を辞めるとどうなる?損害賠償請求がされることはないって本当?
派遣社員が契約期間中に退職することができる場合とは?
よく「辞めたいと思ったら、最短で2週間で辞められる」と聞きませんか。
しかしそれは雇用期間が定められていない人の場合の話です。
民法第627条
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
上記のとおり、有期雇用の場合は2週間で辞めることはできません。
どうしても契約期間中に退職したい…となってしまった時に退職が認められるのは、以下の3つのケースに当てはまる場合のみです。
契約期間中に退職する必要があるやむを得ない理由がある場合
一つ目のケースとしては、契約期間中に退職する必要がある「やむを得ない理由がある」場合です。
やむを得ない理由の例を挙げてみましょう。
- 労働条件と実際の業務に相違がある
- 派遣先からパワハラやセクハラをされたなど、明らかに派遣先に非がある
- 長期的に通院・入院する必要がある病気だと診断された
- 家族の仕事の都合で転勤が決まった
- 家族の介護で日中はどうしても働けなくなってしまった
上記のような場合には、やむを得ないと判断される可能性が高いです。
派遣会社に合意してもらった場合
派遣社員の契約期間途中の退職について派遣会社が合意してくれるならば、契約期間内でも退職することが可能です。
たとえ派遣先の会社が退職を認めないと言ったとしても、雇用主である派遣会社の合意があれば問題ありません。
ただほとんどの派遣会社は、派遣先の会社の都合を考えて退職の判断をしますから、派遣先の迷惑になるような期間途中での退職には合意してくれないことの方が多いでしょう。
すなわち、派遣会社に合意してもらう為には、派遣先の会社にも合意してもらわなければいけないということです。
退職したい場合はまず派遣会社に相談
契約期間中に退職したいと思ったら、とにもかくにもまずすべきは派遣会社に相談しましょう。
派遣会社は派遣社員と信頼関係を築くことを望んでいますから、契約期間途中に退職したいと言ってくる派遣社員を放っておくことはできません。
派遣社員が今どんな悩みを抱えているのか、解決できる方法はないかを一緒に考えてくれるのが担当者の仕事の一つでもあるのです。
解決策を出してくれて環境が良くなるのなら一番いいですし、やむを得ないと認めてもらえれば退職に向けて動いてくれます。
また、やむを得ない理由がなくても、事情によっては上手く退職させてくれるかもしれません。
契約期間中に退職する場合の影響と注意点
契約期間中に退職することになった場合、退職理由によっては今後の仕事紹介に影響が出ることが考えられます。
たとえば退職理由が会社の雰囲の気が合わないとか、上司が嫌だったといった個人的な理由である場合はただの派遣社員のわがままに過ぎませんので、今後の仕事紹介どころかブラックリスト入りしてしまう可能性が高いでしょう。
派遣会社としては、そんな勝手なことをする人に仕事の紹介は二度としたくないものです。
また体調不良などやむを得ない理由での退職だとしても、自己管理が悪いとか、何故長期募集に応募したのかと言われればそれまでで、派遣会社によっては印象が悪くなることもあり得ます。
ですから契約期間途中で退職した後は、早めに違う派遣会社に登録をして、新しい派遣先を探してもらうことをオススメします。(その際は、口が滑っても過去に契約期間途中で辞めたということを自分からは言わないようにして下さいね。)
一方、業務内容と実際の業務に相違があるなど、契約書に書かれた条件と違うといった理由であれば、その責任は派遣社員にはありませんので、特に今後に影響することはありません。
派遣会社のブラックリストに載ってしまう原因や影響。他社にも情報は流される?
辞めさせてもらえない時はどうする?
契約期間中に退職したいと言った時に、派遣会社から足止めされて辞めさせてもらえないという人も多くいます。
そんな時はどうしたら良いのでしょうか。
下手に強硬手段に出ても損害賠償を請求されたら嫌ですし、動きようがなくなってしまいますよね。
ここでは辞めさせてもらえない時はどうするか、幾つか選択肢を紹介します。
有給休暇を使って、契約期間満了日までをやり過ごす
もし有給休暇が付与されている状態で、なおかつまだ残っている場合は、契約満了日まで使ってやり過ごしましょう。
有給休暇の使用に関しては、基本的に雇用主に拒否権はありません。
有給休暇が残っている場合は、ぎりぎりまで出勤しなくて済むように、使い切ってしまうのもありですね。
ただし例外もあり、会社側には「時季変更権」という権利があるため、もし繁忙期の真っ只中など有給を使うことで会社の正常な運営ができないとなれば、会社は有給休暇を使うことを拒否することができますので、場合によっては使わせてもらえないことも考えられます。
派遣社員の有給休暇について詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
派遣社員が知っておくべき有給休暇の知識。いつ付与?辞めたら消える?使い方は?
粘り強く派遣会社に退職を交渉する
粘り強く派遣会社に退職の交渉をするのも一つの方法です。
めげずに何度も交渉することで、担当者が折れてくれることもあるかもしれません。
派遣会社としても、そこまで強く辞めたいと思っている人間を「契約期間内だから」という理由で無理に働かせることをよしとはしません。
派遣会社は派遣先の会社の信頼が大事ですから、やる気なしで迷惑をかけることや、無断欠勤やばっくれといったリスクも考慮すると違う派遣社員に変える方向に動くケースが多いですから。
ただし印象は最悪になると思うので、ブラックリスト入りする覚悟が必要でしょう。
仕方なく、残りの契約期間を働く
最後は諦めて、仕方なく残りの契約期間を働くという選択肢です。
たとえ長期の契約として入社した場合でも、契約期間満了までは長くても3ヶ月程度であることがほとんどですよね。
辞めたい人にとって3カ月は長く感じますが、その間にできるだけスキルアップをするなど具体的な目標を立てて、意識を違う方に向けてみると良いでしょう。
【一応チェック】契約期間中の退職後に行う手続きについて
派遣先を退職することが決定した場合、その後に自分で行うべき手続きにはどのようなものがあるでしょうか。
次の仕事が決まっているか否かによっても、するべき手続きは異なります。
きちんとした手続きをしないと自分に不利になってしまうこともありますので、しっかりと把握しておきましょう。
次の仕事がまだ決まっていない場合の手続き
次の仕事がまだ決まっていない場合の手続きは以下のとおりです。
失業保険をもらう
失業保険をもらうには、2年以内に雇用保険に1年以上加入していることが必要です。
雇用保険の加入条件
- 1週間の労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
契約期間中に自分の意思で自己都合退職した場合、退職後にハローワークで失業認定手続きを完了してから約3ヶ月後に給付が開始されます。
国民健康保険に加入
退職するとこれまで加入していた社会保険から脱退することになるため、退職した日の翌日から14日以内に国民健康保険に加入しなければなりません。
切り替えが遅れた場合は、届け出の前日までの医療費が全額自己負担になるので注意が必要です。
尚、国民健康保険に加入する際には「退職したことが分かるものを見せて下さい」と言われるので印鑑などのほかに「社会保険資格喪失証明書・退職証明書・離職票」のいずれかを持参しましょう。
任意継続を希望する場合任意継続を希望する場合は退職日の翌日から20日以内に申出をする必要があります。
任意継続ができる条件は、退職日より前に2ヶ月以上の通算被保険者期間があることです。
また任意継続は基本的に2年間ですが、違う会社で社会保険に加入することになった場合のみ任意継続資格が無くなります。
それ以外は自分の都合で配偶者の扶養に入ったり、国民健康保険に切り替えることができませんので注意しましょう。
国民年金に加入する
これまで加入していた厚生年金保険も退職に伴い脱退することになるので、国民年金に切り替えることが必要です。
この手続きも国民健康保険と同様に、退職日の翌日から14日以内にしなければなりません。
国民年金に切り替えないままでいると未加入期間ができてしまい、後日請求書が来て結局支払うことが要求されます。
手続きには印鑑などの他に年金手帳と「社会保険資格喪失証明書・退職証明書・離職票」のいずれかを持参しましょう。
次の会社が決まっている場合の手続き
すでに次の就職先が決まっていて、それまでの期間が空かない場合は、特に役所で切り替え手続きにをする必要はありません。
ただ退職後に派遣会社から貰う、雇用保険被保険者証と年金手帳を新しい職場に提出する必要があります。
派遣社員が知っておきたい再就職手当と就業促進定着手当。条件次第ではもらえないこともあるので要注意。
家族の扶養に入る場合の手続き
退職した後に家族の扶養に入る場合は、家族が勤めている会社で健康保険や国民年金の切り替え手続きをしてもらう必要があります。
その際は退職証明書が必要になるので、前もって派遣会社に依頼しておきましょう。
切り替えすることに関して詳しくは、家族が勤めている会社に確認して下さい。
派遣会社に送付を依頼すると良いもの
退職後に派遣会社から送付されてくる書類はいくつかあります。
ほとんどの派遣会社ではこちらからは何も言わなくても送ってくれますが、中には依頼しないと送付してくれない会社もあるので気を付けましょう。
派遣会社から送付を依頼すると良いものは以下の通りです。
- 離職票(失業保険を貰う時に必要)
- 派遣会社に預けていた場合は年金手帳(国民年金に加入の際や新しい会社に提出する)
- 雇用保険被保険者証(新しい会社に提出する)
- 源泉徴収票(年末調整、確定申告時に必要)
- 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険に加入する際に必要)
- 退職証明書(家族の扶養に入る際に必要になる)
こうして見ると結構沢山ありますね。
私は実際に派遣会社に依頼しないと「健康保険資格喪失証明書」は貰えませんでした。
契約期間途中で退職しないように、良い派遣先を選ぶことが大事
今回は派遣社員の契約期間中の退職について説明しました。
派遣社員はやむを得ない理由がない限り、原則として契約期間途中に退職することは認められません。
どうしても辞めたいと言う場合は派遣会社に何度となく相談・交渉し、それでも無理なら有給休暇を使ったり、違うことに重きを置いて何とか契約満了までやり過ごすしかないでしょう。
ただ今後考えるべき点としては、契約期間中に辞めたいと思わせるような派遣先を選ばないようにすることです。
派遣先を選ぶ時に何を重視するのかは人によって様々ですが、派遣先の会社についてもっと深く調べておく必要があるでしょう。
派遣先の業務内容や会社の雰囲気、人間関係など、前もって聞けることは何でも派遣会社に聞いておくのが一番です。
入社前に疑問を解消して、次はもっと長く働けるような派遣先を見つけましょう。
このタイミングで正社員も検討しているなら転職エージェントを
派遣社員は会社が2つ関わっているので、今回の記事で紹介をしたように退職をする際に色々気を遣うことが多いです。
いまの職場を辞めるタイミングで正社員への転職を検討しているなら転職エージェントの利用を検討してみましょう。
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派遣社員から正社員への転職でおすすめのサービス
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