派遣の年収300万円は高い低い? 平均収入との比較や年収アップが狙える職種、ポイントを紹介

コラム

あなたは派遣社員の年収300万円を高いと思いますか、安いと思いますか?

派遣社員と聞くと、正規雇用の年収よりは低いけど、アルバイトやパートなどよりは高いといった印象があるでしょう。ただ、年収300万円が派遣の平均年収と比べて上か下かと問われると、意外に分からないというのが実情です。

もちろん、職種などによって派遣でも年収には大きな開きがあります。しかし、派遣の平均年収がいくらなのは明確にデータが出ているのです。

そこで今回は、派遣社員の年収300万円が高いのか低いのかについて解説します。また、派遣の中でも年収が高い職業・年収を上げるための方法などもまとめてみました。

派遣社員の年収300万円は低いのか? 平均年収を解説

現在、派遣社員の年収は平均300万円より少し高めとなっているのです。

まず、派遣労働者の賃金は8時間換算で平均13,831円となっています。そのため、月収を計算するには「13,831円×21日勤務=290,451円」となる訳です。

では、年収はいくらになるのかというと以下の計算式で判明します。

  • 日給13,831円×252日(365日-年間休日数113日)=年収3,485,412円

このように、派遣社員の平均年収は340万円程度なので、年収300万円は大きく少ないという訳ではありません。

また、手取りは一般的に総支給額の約8割になるとされています。つまり、1年間の手取りがいくらか計算したいなら、年収に0.8をかければOKという訳です。

  • 348万円×8=278.4万円

先ほどの平均年収348万円の手取りは278.4万円になります。

以上のことから、派遣社員の年収300万円は決して低くはないものの、平均は300万円より高いというのが分かるでしょう。

*1参考:厚生労働省「平成29年度の「労働者派遣事業報告書 集計結果」

派遣の年収は高まっている

前の項目で年収300万円は平均より少し低いとお伝えしました。そして、近年派遣社員の年収が増加傾向にあります。

先ほどの派遣労働者の平均賃金13,831円というのは、平成29年時点のものです。それでも前年比9.6%増となっていました(*1)。そして平成30年には、さらに賃金が上がっているのです。

派遣労働者の賃金 平均14,888円 対前年度比7.6%増

このように平成29年と比べて7.6%の増加となっています。

月収に換算すると「14,888円×21日勤務=312,648円」という計算です。年収に換算すると以下の通りになります。

  • 日給14,888円×252日(365日-年間休日数113日)=年収3,751,776円

ちなみに平成30年の手取りを計算すると以下の通りです。

  • 375万円×8=300万円

以上のように、近年は派遣社員の年収が増加傾向にあるため、現時点で年収300万円というのは、多少平均より低いという結果になります。

しかし、現時点で年収300万円程度であっても、派遣労働者の賃金が全体的に上がっているので、今後はあなたの年収も上がる可能性は十分にあるでしょう。

*2参考:厚生労働省「平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)

都道府県・年齢・性別で年収が違う

派遣社員の平均年収は都道府県・年齢・性別によっても異なります。

都道府県別の年収

ここでは都道府県別の年収をトップ3とワースト3で見ていきましょう。

トップ3 ワースト3
東京都:512万円 沖縄県:293万円
大阪府:439万円 宮崎県:293万円
神奈川県:403万円 佐賀県:293万円

参考:平均年収.jp「派遣社員の年収の実態を27年度人事院調査票からの統計を参考に詳しく調べました。」

このように、大都市は派遣社員の平均年収を超えています。しかし、地方になると300万円に届かないという結果でした。

ちなみに年収が293万円という都道府県は、他にも青森県・秋田県がありました。それ以降は、329万円が鹿児島県や熊本県・長崎県・高知県・愛媛県・香川県などが並んでいて、やはり地方の年収が低い傾向にある分かる結果です。

年齢別の年収

ここでは年齢別の年収について確認していきましょう。

年齢 年収
20~24歳 277万円
25~29歳 308万円
30~34歳 321万円
35~39歳 328万円
40~44歳 323万円
45~49歳 326万円
50~54歳 323万円
55~59歳 331万円
60~64歳 363万円
65~69歳 340万円

参考:平均年収.jp「派遣社員の年収の実態を27年度人事院調査票からの統計を参考に詳しく調べました。」

このように、年齢が低いと年収が低いのは正社員と同じですが、年齢が上がっても大幅な年収アップが見られないのは派遣社員特有の傾向です。以上の傾向が派遣社員を長く続けるデメリットと言われる所以でしょう。

男女別の年収

最後は男女別の年収について解説します。

年齢 男性の年収 女性の年収 年収差
20~24歳 286.4万円 270.1万円 16.3万円
25~29歳 324.2万円 293.6万円 30.6万円
30~34歳 342.7万円 301.3万円 41.4万円
35~39歳 364.2万円 301.3万円 62.9万円
40~44歳 368.2万円 294.6万円 73.6万円
45~49歳 389.6万円 290.7万円 98.9万円
50~54歳 382.1万円 289.4万円 92.6万円
55~59歳 392.8万円 282.7万円 110.1万円
60~64歳 393.3万円 282.4万円 110.9万円
65~69歳 362.9万円 280.0万円 82.9万円

参考:平均年収.jp「派遣社員の年収の実態を27年度人事院調査票からの統計を参考に詳しく調べました。」

このように男性と女性では、男性の方が年収は高い傾向にあります。また、年齢が若いうちは大きな開きはありませんが、年齢が上がるにつれて差が大きくなるのが確認できるでしょう。

男性は今回のテーマでもある年収300万円を超えている年代がほとんどです。ところが、女性になると300万円を超えている世代が1つもないという結果となりました。

派遣社員でも年収が高い職種がある!

派遣社員と一言で言っても、職種によって年収には大きな開きがあります。

では、どの職種の年収が高いのか確認していきましょう。

業種・職種 平均年収
SE・プログラマー・ネットワークエンジニア 506.5万円
設計(電子・機械・建築) 450.5万円
運用管理・保守 450.5万円
治療関連 419.2万円
テスト・評価 392.6万円
看護師・准看護師 383.1万円
Web関連 380.2万円
通訳・翻訳 378.0万円
インストラクター・講師 372.1万円
ユーザーサポート・ヘルプデスク 370.2万円

このように、SEやプログラマーといった専門職の年収が高い傾向にあります。反対に、ユーザーサポート・ヘルプデスクといった専門性が低い職種は年収が低い傾向にあるようです。

また、医者や歯科医師・獣医師・薬剤師といった国家資格がなければできない職種も、高い年収となっています。これらの職種は、正社員の平均年収を超えるケースもあるようです。

では、具体的にどのような仕事をしているのか確認していきましょう。

IT系

派遣でも年収が高い職種1つ目はIT系です。システムエンジニアやネットワークエンジニア・グラフィックデザイナーといった、コンピュータに携わる仕事です。

近年は急速にテクノロジーの発展がみられるため、コンピュータ系のスキルがある人材は重宝される傾向にあります。それゆえに派遣社員であっても高い年収が得られるようです。

実際IT系は、派遣であっても時給2,000円前後という求人が多く見られます。場合によっては、正社員の平均年収を超えることも可能です。

専門性が高い事務職

派遣でも年収が高い職種2つ目は専門性が高い事務職です。事務職といえば「未経験でも可」といった文言で募集されるケースが多いですが、実は専門性が求められる事務職があります。

具体的には、法務関連業務や英文会計などが専門性の高い事務職です。個人情報保護契約や各種契約書の作成など、一般事務よりも高いスキルが求められます。専門の資格が必要な場合もあるので、それゆえに年収が高い傾向にあるようです。

派遣社員でも時給は2,000円前後とかなり高い上に、大人になってからでも身に付けられるスキルなので、派遣社員として年収アップを目指す方にはおすすめの職種になります。

准看護師

派遣でも年収が高い職種3つ目は准看護師です。准看護師とは、医師や看護師の指示の下、怪我や病気を患っている患者さんの看護や先生の診療を補助する仕事です。

看護師は国家資格が必要ですが、准看護師は国家資格ではありません。都道府県の知事が発行する免許なので、大人になってからでも十分に十分に所得が可能なのです。中には、長年普通の社会人を経験した後、40代から准看護師を目指して就職した方もいます。

また派遣であっても、時給は2,000円前後と高いため、派遣社員として高年収を目指すなら視野に入れて良い職業の一つでしょう。

年収が高い派遣の特徴

年収が高い派遣の特徴として以下のようなものが挙げられます。

 専門性が高い
 できる人が少ない
 特別な資格が必要

以上のような職種は、派遣であっても年収が高い傾向にあるようです。

医者や歯科医師のような国家資格を有する職種は当然年収が高くなりますし、システムエンジニアやプログラマーといった仕事も、誰でも簡単にできるものではありません。また、一見すると難しい知識が不要そうな事務職であっても、法務関連業務や英文会計といった専門スキルがなければできない仕事になると年収が高い傾向にあります。

スキルを身に付けて年収300万円以上を目指すのは可能!

年収を300万円以上にしようと考えた場合、必要なのはスキルアップになります。スキルアップができれば、あなたも派遣社員でありながら年収300万円以上になれる可能性があるのです。

もちろん、大人になってから医者や歯科医師を目指すのは困難でしょう。

では、大人になってからでも目指せる仕事は何なのでしょうか?

具体的には、WebプログラマーやWebデザイナーといったコンピュータスキルが挙げられます。その他にも簿記などの資格を取得すれば、会計士として活躍するのも可能でしょう。

これらのスキルは、独学で学べるものもありますし、近年はセミナーや社会人でも学べるオンライン講座なども豊富にあるので、それらを活用してみてください。

おすすめのスキル

 会計・財務
 英語や中国語などの語学力
 Word・ExcelなどのOAソフト
 プログラミング・Webデザイン
 准看護師

年収を上げたい場合は正社員も選択肢に入れよう!

年収を上げたい場合は正社員を視野に入れるというのも有効となります。というのも正社員は、やはり派遣社員よりも平均年収が高い傾向にあるからです。

国税庁が発表した「平成30年分民間給与実態統計調査結果」によると、正社員の平均年収は約504万円となっています。

実際、正社員と派遣社員は時給を比べると大きな左派ありません。ところが正社員になるとボーナスや各種手当が支給されるため、年収には大きな差が出てしまうのです。

実際、派遣社員の平均年収が370万円ほどなので、正社員の方が130万円以上も高いという結果です。

あなたが派遣社員に対して強いこだわりがあるなら、スキルを身に付けて年収のアップを狙えばOKでしょう。

しかし、あなたが派遣社員にこだわりがないなら、正社員を目指すのも年収の手段としておすすめです。

また、派遣社員の場合は、紹介予定派遣に登録すれば派遣として働いた後、派遣先の企業で正社員登用してもらえます。紹介予定派遣で派遣社員として働き、そのまま正社員を目指すのもハードルが低いので良いでしょう。