「派遣先でなかなか馴染めない」「なんだか孤独を感じる」など派遣先でのコミュニケーションに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
派遣は常に一つの会社で働くことができないので、派遣先の環境に馴染むことが難しい場合が多くあります。
そこで受け身になってしまうと環境に馴染めずに働きずらさにつながってしまうので、一歩踏み出す必要があるでしょう。
このコラムでは、派遣社員の方が派遣先で受け身になりやすい要因や、環境に馴染むためのいくつかのポイントについて詳しく解説していきます。
派遣社員は受け身が多い
派遣社員と関わりがある企業や社員の方からみると、基本的には受け身の姿勢の人が多く、自ら仕事をもらいにいったり他の社員のサポートをする人が少ない印象であるといわれています。
ただし、派遣社員側にも受け身になる理由や要因があることでしょう。
まずは、派遣社員が受け身の姿勢になってしまう要因について解説していきます。
受け身になる原因
契約期間が短く環境に馴染めない
一般的に「派遣」と呼ばれている登録型派遣は派遣先との契約期間が定めれられるので、更新がなければ一定期間のみの就業になります。
短期間の就業になると、派遣先の社員や環境になれる前に就業が終了してしまうため、業務においても受け身の状況で終わってしまいやすいでしょう。
面倒なことを避けたい
人間関係のわずらわしさなどを避けたいという理由から派遣を選ぶ方もいます。
派遣社員は、ずっと同じ派遣先にいるわけではないため、正社員と比べると人間関係に縛られることが少ない傾向にあります。
そのような気軽さを求めている場合は、面倒なことを避けるために受け身の姿勢となりやすいでしょう。
派遣先の雰囲気で疎外感を感じている
派遣先の企業によって、社内の文化や雰囲気は異なります。
親しみやすい人達と環境であればコミュニケーションが取りやすくなりますが、冷たい雰囲気や積極的に出るとたたかれそうな雰囲気の場合は自然と受け身となりやすくなります。
社員の人が高圧的
派遣先によっては、派遣社員に対して高圧的な態度をとる社員の方と出会うことがあります。
それは、社員の方が上という価値観がある故と推測できますが、そのような社員がいると、派遣社員は自己防衛で受け身になってしまうでしょう。
与えられたことだけをやりたい
派遣は与えられたことだけをやればよいから気軽、と思って派遣社員を選ぶ方もいるでしょう。
実際に、派遣社員は補助要員として受け入れられることが多いため、大きな仕事を任せることは少ない傾向にあります。
ただし、与えられたことだけをやる、という姿勢があると企業側に受け身の態度、やる気がない態度として評価されてしまう可能性があるので注意が必要です。
受け身でいることで起きるデメリット
ここまで派遣社員が派遣先で受け身となってしまう要因について解説してきましたが、受け身の人が多いからといって自分も受け身でいると派遣先から必要とされなくなってしまう可能性があります。
状況によっては受け身の姿勢でいることも必要ですが、常に受け身でいることで起きるデメリットもあるので、受け身でいることで生じるデメリットについても知っておきましょう。
働きにくくなる
自ら挨拶をしたり、質問やお伺いを立てたりなど積極的にコミュニケーションをとっていくと、環境に馴染みやすくなりますが、コミュニケーションにおいても受け身の姿勢でいると、孤独になっていき自分自身が働きにくくなってしまいます。
不満が蓄積しやすくなる
受け身の姿勢でいることで、わからないことや意見があってもそのままにしてしまう場合があります。
また、コミュニケーションにおいても消極的でいることで、他の派遣社員や派遣先の社員との会話が少なくなり、自分の中に疑問などが蓄積していってしまうと、それが不満となってしまう可能性が高いでしょう。
更新ができなくなる
派遣先の企業は、派遣社員の態度や仕事に取り組む姿勢、仕事内容などを評価し、更新の際の参考とします。
日ごろから受け身の態度でいると、やる気がないと評価されてしまい、自分が更新を望んでも派遣先の更新の合意を得られない場合があります。
派遣社員は受け身でよいのか?
派遣社員は派遣先で受け身でいることがよいのでしょうか?
次は、派遣先で良好な関係を築くための姿勢や関わり方について解説していきます。
派遣社員が就業先で良好な関係を築くには受け身はNG!
派遣社員が派遣先で良好な関係を築くには、基本的に受け身の姿勢はNGです。
派遣の仕事は正社員とは異なり単純作業が多い傾向にありますが、それでも、挨拶やコミュニケーションは自分から積極的にとっていく方が良好な関係を築きやすいでしょう。
また、職場の働きやすさは人間関係に大きく影響するので、自らコミュニケーションをとっていくことで、自分の働きやすさにもつながります。
派遣社員が就業先とよい関係を築くためにできること
では、派遣社員が就業先でよい関係を築いていくためにできることを具体的に紹介していきます。
自ら積極的にコミュニケーションをとる
就業先で良好な関係を築く一番のポイントは、やはり「自らコミュニケーションをとること」です。
人と接することが苦手な方もいると思いますが、挨拶なども立派なコミュニケーションの一つのため、まずは自分から挨拶をすることから始めてみましょう。
また、業務に関する疑問点などはそのままにせずに担当社員などに聞くことが大切です。
就業先企業の文化や社風になじめるように努力する
新しく派遣された企業の環境に馴れるのは容易ではありません。
しかし、就業先の文化や社風に少しでも馴染めるように努力することで、他の社員の方と良好な関係を築きやすくなります。
その第一歩は、よく観察することです。
社員の方の動きや業務の仕方などをよく観察して、どのようなルールや社風があるのかを見極めてみてください。もし、わからないことなどがある場合は、担当社員に聞くことも大切です。
また、就業先に独自のルールや仕事の仕方などがある場合は、自分のやり方を頑なに通すのではなく、就業先のルールも受け止めて業務にあたると、仕事の上でもよいコミュニケーションがとれるでしょう。
派遣社員として求められているものを理解して役割を果たす
派遣先の企業からよい印象や評価を持たれる派遣社員は、派遣社員として求めらていることと役割をよく理解しています。
・スキルや経験を活かして即戦力となってほしい
・未経験でも慎重にミスなく業務を行ってほしい
・雑務を淡々とこなしてくれればよい
・社員と連携してクリエイティブに仕事をしてもらいたい
など、企業によって派遣社員に求めていることは異なります。
そのため、業務を行いながら自分に求められていることと役割を理解し、その役目を果たすことが、就業先とよい関係を築くことにつながります。
好印象を持ってもらうコツ5つ
派遣社員が就業先に好印象を持たれることによって、仕事のしやすさだけでなく更新の可能性も高くなるため、好印象を持ってもらうための5つポイントを押さえておきましょう。
1. 身だしなみを整えて第一印象をよくする
人と出会った瞬間に第一印象が決まるといわれていますが、その印象を決めるのは表情や身なりなどの目で見えるところです。
派遣社員は、さまざまな派遣先で働く機会があるため、第一印象をよくする術を知っておくと、派遣先で働きやすくなるでしょう。
第一印象をよくするために
・身だしなみを整える
・清潔感を意識する
・寝ぐせや奇抜な髪型は避ける
・姿勢をよくする
・表情は明るく見えるようにする
・メイクは濃すぎないように気を付ける
2. 挨拶を自分からする
「〇〇さん、おはようございます! 」と元気に挨拶をされて不快に思う方は少ないのではないでしょうか。
派遣先で好印象を持ってもらうためには、まずは自分から挨拶をしましょう。
そして、名前がわかるようであれば、挨拶の前に名前を入れるとしっかりと挨拶が伝わり好感度が高くなります。
3. 話し方や声の出し方に気を配る
就業先で好印象をもたれる要素に、話し方や声の大きさがあります。
小さい声でもごもご話していては、挨拶も報連相も聞こえにくく、相手にストレスを与えてしまうので、相手に伝わるようにはっきりと話すようにしましょう。
また、何かを伝えるときには要点を絞って簡潔に伝えるようにすると、相手の時間を無駄に使うことがありません。
このように、話し方や話すトーンは相手への思いやりでもあるので、派遣先では意識して取り組んでみましょう。
4. 誠意をもって仕事に取り組む
就業先の社員は、忙しい中でも派遣社員の仕事の取り組みを見ています。
派遣社員だから、とひたすら受け身の姿勢で仕事に取り組む社員よりも、「自分はここで何を求められているのか」「役割は何か」を考えて誠実に仕事に取り組んでいる社員の方が良い印象を持たれます。
また、そのような誠意を持って働いていると「またうちで働いてほしい」と思ってもらうことができ更新の可能性も高くなるので、誠実に仕事に取り組むことは自分の収入にもつながることといます。
5. 社員の名前をなるべく覚える
派遣先との契約期間が短いと、社員の方の名前を覚えきれないかもしれませんが、なるべく業務上で関わる社員の方の名前は覚えておいた方が好印象を持たれます。
例えば、「〇〇さん、お疲れ様でした。」「〇〇さん、~~についていくつかお聞きしてもよろしいでしょうか。」など、社員の方に声をかける前に名前をいれると、相手に伝わりやすくなり、自分の印象もよくなるでしょう。
派遣社員に求められるもの
派遣先の企業は、理由があって派遣社員を入れるため、派遣社員に求められるものも派遣先によって異なります。
そのため、派遣社員はそのことを理解した上で、どのようなことが自分に求められているのかを考えて役割を果たすことが大切です。
では、一般的に派遣社員に求められる要素をいくつかピックアップして紹介していきます。
派遣社員に求められるもの
経歴
派遣先によっては、即戦力となる人材が必要で派遣社員を入れています。
そのようなケースでは、派遣社員に業務実績などの経歴が求められることがあります。
人柄
派遣先の業務を遂行するにあたってスキルなども必要ですが、未経験でも学ぼうと努力する人など人柄のよい人が求められることが多い傾向にあります。
また、「ありがとうございます」「申し訳ございません」など、基本的な礼儀とコミュニケーションがとれる人などは、他の社員と強調しながら仕事ができると判断され、派遣先でも求められる人材となるでしょう。
スキル
即戦力で派遣社員を入れている企業は、派遣社員に業務を行うためのスキルは必ず求められます。
例えば、事務職で資料作成や電話対応などの業務では、WordやExcel、PowerPointなどを使って資料を作成するスキル、電話対応スキルが求められるでしょう。
即戦力が欲しい場合は、求人に「経験者歓迎」や「実務年数3年以上」などの表記があることが多いので、求人から派遣先の求めることを見極めることも大切です。
社会人としてのマナー
派遣以外の仕事においても共通していますが、社会人としての基本的なマナーは派遣先でも最低限の求められることです。
- 時間を守る
- 社内の秘密保持
- 報連相
- 礼儀
- 言葉使い
上記のことは、基本中の基本のため必ず守るようにしましょう。
コミュニケーション力
派遣先の仕事が書類整理やデータ入力などの黙々と取り組む業務であっても、挨拶や報連相などで社員の方とコミュニケーションをとる機会は多くあるので、最低限のコミュニケーション力は求められます。
派遣社員は仕事しに行っているので、仲良くなろうとするのではなく、業務上で必要なコミュニケーションを良好にとれるように意識しておくと良いでしょう。
まとめ
派遣社員は契約期間があり、一つの企業で長く仕事することは多くないため、受け身になりやすい傾向にあります。
しかし、短期間でも自分に与えられた仕事に対して積極的に取り組むことができると、派遣先の企業から好印象を持たれて契約更新の可能性が高くなるので、結果自分のためにもなります。
また、派遣された企業が派遣社員に何を求めているのか? どんな役割なのか? を考えて役割を果たすことで、派遣先から喜ばれ良好な関係を築きやすくなるので、派遣社員本人も働きやすくなるでしょう。
このように派遣社員が積極的に仕事に取り組むことで派遣先の企業だけでなく派遣社員本人にもよいメリットがあるので、派遣は受け身OKというイメージを捨てて、積極的にコミュニケーションや業務に取り組んでみましょう。