派遣社員なのに仕事量が多すぎる。仕事が押し付けられたり責任が重くなった時に考えること

派遣社員の悩み

派遣社員として働いている方の中には、仕事が多すぎると感じる方もいます。入社前に伝えられていた仕事内容や仕事量と違うケースもあり、責任が重くなることもあります。

派遣社員に対しての、派遣先の対応がもともと厳しい企業もあり、仕事が多すぎる際にどのように考えて行動すれば良いか迷うこともかなり多いです。

この記事では、派遣社員なのに仕事が多すぎる場合で、仕事を押し付けられた結果責任が重くなった時に考えることについて、対処法なども含めて解説します。

派遣社員なのに仕事が多すぎる場合に考えるべきこと!

派遣社員として仕事を始めてみると、予想していた仕事量よりも多い場合などがあり焦る方がいますが、この様な時に考えるべきことを説明します。

入社前に提示された業務内容と同じか?

派遣社員として働く場合、事前に派遣元と雇用契約書を交わしますが、その内容には労働契約の期間以外に、就業場所や従事する業務、始業・終業の時刻、所定の労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日や休暇などが記載されています。

派遣社員としての仕事が多すぎると考える時は、この雇用契約書を読み返して確認することが大切です。

就業の時刻などが毎日雇用契約書に記載されている時間より遅くなることが普通の職場などでは、雇用契約よりも働いている時間が長くなっていることを、派遣元の会社に伝えることで終業時刻や休憩時間などを契約通りに調整してもらうことも場合によっては可能でしょう。

また、特に仕事内容が雇用契約書と異なるケースでは、仕事の自分への負荷も大きくなるので、派遣元と契約書を交わす際に気をつけましょう。

正社員と比べて残業量は多いか?

正社員と派遣社員は、基本的に残業を行う際には、36協定という労働基準法36条に基づく労使協定に従います。

36協定とは、「労働者に法定時間を超える時間働かせる時は、事前に労働組合か、労働者の代表と協定を結ばなくてはいけない。」と言った内容の協定です。

実際の仕事の現場では、正社員と派遣社員の残業量を比較してみると正社員の場合は会社に規定に従うことがあるので、残業時間が派遣社員よりも長くなるケースがあります。

派遣社員を検討している方の中には、派遣社員であれば残業時間も正社員と比べて少なく、休日出勤などもほとんどないと考える方もいますが、派遣社員であっても36協定を事前に結んでいる場合は工場の生産ラインなどの現場などでは、残業時間が長くなることもあります。

エン・ジャパンの「36協定とは何ですか?」(最終確認2020/08/05)

仕事量に疑問を感じた際の対処法5つ

①契約書の内容を見直す

派遣先での仕事の量を疑問視し始めたら雇用契約書の内容を確認することがポイントです。

雇用契約書の項目は下記の様になっているので、派遣先での実際の仕事量と雇用契約書とを比べてみると何が契約にない項目なのかわかってきます。

  • 労働契約の期間
  • 終業の場所、従事する業務
  • 始業・終業の時刻、所定労働時間を超えての労働の有無、休憩時間、休日や休暇
  • 賃金の決定や計算・支払いの方法など
  • 退職について

雇用契約書を見て、実際の終業時刻が遅かったり休憩時間が短い場合などは、初めに派遣元の営業担当の方に相談してみると良いでしょう。

雇用契約書と異なる内容で、派遣先で業務している場合は、派遣元の営業担当者が調整してくれるケースもあるので、早い段階で仕事量について営業担当者に相談するの一般的な流れとなります。

②現在の仕事内容を整理してリスト化

仕事が多いのではと感じたら、今の仕事内容をリスト化して整理して考えるとより詳細に仕事内容を把握することができます。

仕事が多いと考える原因としては、新しい仕事を覚える必要があるために仕事が多いと感じるケースと、単純に仕事の量が多い場合とがあります。

新しい派遣先でしばらくは仕事を覚えるのに時間が必要ですが、この時に仕事が多いと考えてもある意味では仕方のないことでしょう。

仕事をリスト化することで、自分の受け持っている仕事内容について純粋に仕事量が多いのか、仕事を覚えてないのが原因で仕事を多く感じているのか判断できます。

単純に仕事の量が多いケースでは、他の同じ職場の派遣社員などと自分の仕事量を比べてみて、それでも仕事量が沢山ある時は、派遣元の営業担当者などに相談して、どのように仕事量を調整するか決めてみるのも良いです。

③派遣会社の営業担当者に報告・相談する

仕事量が多いと感じたら派遣会社の営業担当者に報告・相談することが基本となり、しっかりと自分の状況を営業担当者に説明できるかがポイントでしょう。

場合によっては、仕事量が多いことを営業担当者に伝えても、契約書の内容やその他の決まりごとなどを含めて、対処法がないケースもあり得ます。

それでもどのように仕事の多い現状を打破できるか、営業担当者に相談することは仕事を続ける上で大切なことです。

自分1人で考えて仕事量の調整をしようとしても、派遣先ではあまり相談に乗ってくれないこともあるのに対して、派遣元の営業担当者であれば親身になって話しを聞いてくれるでしょう。

また、仕事量が契約書の内容と違うと感じた時に大切になるのが、契約する際に派遣元と話した内容です。

契約書以外の口頭で話された内容を自分が忘れていると、後で聞いていないと言っても通用しないケースがあります。

派遣元における契約などについての口頭での話しは忘れることも想定して、しっかりとメモをしておくと仕事量が多い時の対処法などを考える時に大切な情報となります。

④派遣先の上司に報告・相談する

仕事の現場において仕事量が多いと感じたら、1つの方法として派遣先の上司に報告・相談することが挙げられます。

派遣先の上司も可能な範囲であなたの仕事量が多いことについて、調整を検討してくれるでしょう。

契約書に関係する様な内容の相談である場合は、派遣先の上司ではなくて派遣元の営業担当者に相談する方が一般的な手順ですが、少し仕事量を調整してもらいたいといった内容であれば、派遣先の上司でも対応してくれる場合があります。

⑤一緒に仕事に取組んでいるスタッフと仕事量を調整する

一般的なことでもありますが、仕事量が多いと感じる時は、一緒に仕事をしているスタッフに相談してお互いの仕事量を調整してみるのも良いでしょう。

この時に大切になってくるのが、コミュニケーションの取り方で他のスタッフと上手に話しをできれば、お互い無理のない範囲で仕事ができる様に仕事量を調整することが可能でしょう。

自分以外のスタッフも忙しいと考えて、いつまでも自分の中で仕事を処理しようとすると、いつまでも多い仕事量を減らすことはできないです。

忙しい時でもポイントを相手に伝えて、少しでも仕事量の調整を他のスタッフとできれば、少しずつ仕事量が調整できる様になり、自分にあまり負荷がかからない様に仕事を継続していくことができるでしょう。

対処しても変わらない場合の選択肢3つ

①契約期間が終わるまで待ってから退職する

派遣社員の場合は、ほとんどが有期契約なので仕事量が多くて対処しても改善できない場合は、契約期間終了になってから退職することも良いでしょう。

契約期間終了まで待つことは、社会人として契約を最後まで守ることを意味して、その後に再度派遣社員で新しい派遣会社と契約する時にも、以前の派遣会社でも契約期間満了まで頑張って働いたことは自信にもなります。

また、派遣社員で自分の仕事量が多いことですぐに契約期間満了前に退職する習慣が付いてしまうと、どの様な派遣会社でも長続きしない悪いクセになってしまうので気を付けましょう。

退職する時は、次回の更新の1カ月前には派遣会社の担当者に伝えることが良く、その後に退職の手続きが進みますが特に退職届を必要としないケースもあります。

②派遣会社に派遣先を変えてもらう

仕事量が多くて対処しても変わらない時は、派遣会社に派遣先を変えてもらうことも可能です。

派遣先や派遣元は基本的には、派遣社員の苦情を受ける方を決めておく必要があるので、派遣元の営業担当者などの苦情の相談に乗ってくれる方に、派遣先の変更をお願いするのが通常の手続きです。

派遣元の担当者は、派遣先を円満退社する方法や次の派遣先のことについても助言をしてくれます。一般的に言われている報告・連絡・相談を守ことが、派遣元の担当者と一緒になって派遣先を変更する手続きのポイントです。

早いタイミングで派遣元のスタッフに派遣先の変更を考えていると伝えると、もう少し様子を見てから派遣先の変更をするか、早速派遣先の手続きを検討するか話し合いになります。

派遣先変更の話を派遣元の営業担当者とする時は、率直に自分の状況を伝えることが重要です。

厚生労働省の「派遣先のみなさまへ」(最終確認2020/08/06)

③いくつかの派遣会社と面談をして情報収集をする

すでに仕事の量が多くて対処しても変化がないケースでは、実際に派遣元の会社を退職する前に、時間をつくり他の派遣会社の面談を受けてみて情報収集するのも良いでしょう。

自分の在籍している派遣元の会社が、他の派遣会社と比べた場合に労働時間や仕事量について多い傾向があるのか考えてみるのもおすすめです。

面談をすることで、実際には在籍している派遣元が労働時間や仕事量が多いことがわかれば、積極的に他の派遣会社を探してみるのも良いでしょう。

他の派遣会社の面談などを通した情報収集をしない場合は、視野がせまくなることがあり派遣社員として継続して仕事をする際に必要な、仕事量についての一般的な考え方が把握できないことがあります。

仕事量の関係ですぐにでも退職したいと考える方はいますが、落ち着いて他の派遣会社のリサーチをすることで仕事量なども含む様々な派遣業界の情報を収集できるでしょう。

最終手段は転職

仕事の量が多くて対処できない場合の最終手段として転職があります。派遣社員としてのキャリアパスから正社員への転職を考えてみるのもおすすめです。

対処法を講じても改善されない場合は、最終手段として転職もある

仕事量で悩んで対処法を行っても改善できない時は、正社員への転職なども最終手段としてあります。

自分は派遣社員として働いてきたから、正社員にはなれないと考える方もいますが実際には派遣社員の方でも、様々な経験をしていることがアピールになるので、十分に正社員になれる可能性はああります。

普段の仕事に対する取組みが正社員と同じ気持ちで行っていて、自分が納得できる様な仕事をしてきた方は、正社員の面接でも面接官があなたに興味を持ってくれて色々質問してくれるでしょう。

大切なことは、派遣社員のキャリアの場合はネガティブにそれを捉えるのではなくて、どの様にしたら自分の今まで身に付けた知識や経験を、面接官や採用担当者に理解してもらえるか考えることでしょう。

正社員への転職活動では、転職エージェントで最大手のリクルートエージェントなどがあり、派遣から正社員への転職についての相談も一緒に乗ってくれるので良いです。

リクルートエージェントの公式サイト(最終確認2020/08/06)

派遣会社を変える際の忙しくない職場の見分け方

もしも仕事量が多いために同じ派遣社員として別の派遣会社へ転職する時は、最小限の人員で回している職場かどうかも事前に見分けられると良いです。

派遣会社の面談の際に、どの様な派遣先が想定されて、仕事量がどの程度になるか素直に聞いてみるのもおすすめです。

実際に派遣先が決まる前の段階で、実際に仕事をする職場における仕事量についての情報を聞きだすことができれば、仕事量が問題になる可能性も低いでしょう。

派遣会社の方でも、どの程度の仕事量や、勤務時間を希望しているかを聞いてくれるケースが多いので、その際にはしっかりと自分の希望を伝えることが事前に仕事量の多い職場に派遣にならないためのポイントです。

仕事量が多すぎる時は冷静に対応すれば、様々な対処法がある

派遣社員の方で仕事量が多くて悩むケースはありますが、その様な時はすぐに他の派遣先に変更することだけを考えがちでも、実際には様々な対処法があります。

派遣先の上司と仕事量の対処法について相談してみることや派遣元の営業担当者に聞いてみるのも良いでしょう。

特に派遣元に先に連絡して今後の対応を決めることは重要なことなので、自分がどの様にするかはっきりとは決まっていない段階でも早めに、派遣元の担当者に連絡することがポイントです。

派遣元の営業担当者も、同じように派遣先で仕事量が多くて困っているケースを経験したことがあるスタッフが多いので、営業担当者への仕事量についての報告・連絡・相談をしっかり行えば、良い対処法が見つかることがあるでしょう。

同じ派遣元で対処法を講じても上手くいかないケースでは、派遣会社を変えることや自信をもって正社員への転職を目指すのも良いでしょう。