仕事でミスして派遣をクビに。違法となる場合やクビにされない為に注意すべきこと。

派遣社員の悩み

多くの人は「仕事でミスをしたらどうしよう」という不安を感じたことがあるでしょう。

もしくは大きなミスをしてしまって「クビになるかもしれない」と思った人もいるかもしれません。

私も毎回転職するたびにミスを恐れていますが、それでもミスをしてしまいます。

まだ大きなミスをしてクビになったことはありませんが、どんな人でも働いている限り、クビになることは考えられますよね。

本記事では、派遣社員が仕事でミスをしてクビになる場合について、実際の体験談や法律上のルール、実際にクビになった時にはどうすれば良いかなど詳しく説明します。

Contents

仕事でミスをして派遣先をクビになった人の体験談

派遣先の大事な書類を紛失してしまって、社員全員を3時間残業させて捜索しましたが見当たりませんでした…。今回で2回目なのでクビと言われました…。

 

電話で間違った案内をしてしまい、主要取引先から大クレームなってしまいました…。会社に「明日からもう来なくていい」と言われました…。

 

実際に私の派遣先で同僚がクビになったことがあるので、その体験談を話します。

コールセンターの経験がある同僚は電話取次の部署に回されましたが、相手の用件をよく聞いて担当者に回さなくてはいけないのでパニックになってしまい、誰から誰に電話がきたのかすら聞き取れず、結局電話が切れてしまうということがよくありました。取引先は折り返しの電話を待っているのに一向に来ないと怒りだし、担当者が謝罪するということが繰り返されたのです。

初日は上司も大目に見たようですが、3日経っても変わらない姿勢にしびれを切らし「仕事にならないどころか取引先に迷惑をかけている」と言って、同僚をシステム入力の部署に回しました。

しかし部署を変えてもやはり仕事を覚えられず、他の派遣社員に比べて圧倒的に飲み込みが悪いままだったのです。

第三者から見ると「何とかミスをしないように」と焦る気持ちから挙動不審になり、さらにミスを呼んでいたような気がします。結局、10日目で同僚はクビになってしまいました。

本人も仕事をしたくて入ったのだから、自分がこんなにもできないとは思わなかったのだと思います。

ミスをされる派遣先としてもかなりの痛手でしょうが、本人も非常に辛かったのではないでしょうか。

派遣社員が仕事でミスをしてクビになるパターン

派遣社員が仕事でミスをしてクビになるパターンは主に4つです。

  • 自分の能力不足によりミスを連発し一向に直らなかった
  • 自分のミスで派遣先に多大な損害を与えた(懲戒解雇)
  • ミスを注意された時の態度が悪かったためクビにされた
  • ミスを1、2回したら派遣先に一方的にクビにされた

上記のパターンについて以下で説明していきます。

自分の能力不足でミスを連発し一向に直らない時

仕事で何回も同じミスをして、その都度注意されても一向に直らない場合のクビです。

メモを取っても忘れたり、パニックになって頭の中が真っ白になってしまう人に多いでしょう。

自分のミスで派遣先に多大な損害を与えた時(懲戒解雇)

例えば、自分のミスで取引先から大クレームが出てしまい、取引先との関係が著しく悪化してしまったなど、会社の経営に関わるようなことをしてしまった場合です。

たった1度のミスでも会社の経営を乱してしまった、会社の名誉に関わるミスだった場合は、懲戒解雇といって直ちに解雇されることになります。

また、実際に会社の経営を大きく悪化させてしまった場合、派遣先から賠償請求をされることがあるので気をつけなければいけませんね。

ミスを注意された時の態度が悪い時

ミスをした後の態度が悪いと、ミスが原因でクビになるというよりも「勤務態度の不良」という理由でクビになることがあります。

ミスを注意されても横柄な態度で直す気がない、逆ギレという人に起こり得るパターンです。

ミスを1、2回しただけで派遣先に一方的にクビにされた

ミスをするのは誰にでもあることですが、会社に多大な損害を与えたわけではないのに多少のミスを1、2回しただけでクビにされる場合は不当解雇に当たる可能性が高いです。

その会社は、派遣社員を辞めさせたいあまりに、ミスをするのを待ち構えていた可能性があります。

こういった場合は解雇後に相談窓口に相談すると良いでしょう。

派遣社員が仕事のミスによってクビになるまでの流れ

派遣社員が仕事のミスによってクビになるまでの流れには2つのケースあります。

  1. とりあえず契約期間満了まで働き、そのまま更新しないケース
  2. 期間満了まで居させてくれず、すぐに出勤できなくなるケース

どちらのパターンにしても、雇用契約を結んでいる派遣会社から言われることになりますが、順にみていきましょう。

とりあえず契約期間満了まで働き、そのまま更新しないケース

最初に、とりあえずは期間満了まで働くケースです。

まずは派遣会社の担当者が派遣先に訪問してきます。

そして仕事状況を聞いてきて「中々覚えられなくて悩んでいる」と言うと「実は派遣先からうちの会社で働いていくのは正直難しいのではないかという話がありました。ですので残念ながら、今回の契約期間までは働いて頂けますが、契約期間満了とともに更新はせずに終了という形になります。」と言われるのです。

クビを宣告されながら契約期間満了まで働くのは気まずいですよね。

しかし、これが一般的なクビの流れになります。

期間満了まで居させてくれず、すぐに出勤できなくなるケース

会社側から「使えないから今すぐにでも違う派遣社員を送って」と派遣会社に伝えられた場合、派遣会社は直ちにその派遣社員にそのことを伝えます。

本来であれば契約期間満了まではクビにできないのですが、合理的な理由があれば可能なのです。派遣社員会社から「明日にでも」と言われれば従うしかありません。

すぐに荷物をまとめて退社するといった形になるでしょう。

ミスによる契約途中のクビは違法?解雇予告や給料などのルール

会社側は労働者をクビにするにあたり、まずは「他の業務に転換してはどうか」、「本当に改善の見込みがないのか」ということを考え、その上で解雇を決定しなくてはいけません。

ここからは、会社が派遣社員を契約途中に解雇することが違法であるか等、解雇のルールについて細かく説明していきます。

 

仕事のミスによる契約途中のクビは違法になるとは限らない

本来であれば、派遣社員を契約途中でクビにすることは法律で禁じられています。

有期労働契約については、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間が満了するまでの間において、解雇することはできません。(労働契約法第 17 条)

しかし、やむを得ない事由に該当すれば契約途中でも派遣社員をクビにできるのです。

この「やむを得ない事由」とは「客観的に合理的な理由」が含まれています。

厚生労働省で述べられている「客観的に合理的な理由」を見てみましょう。

普通解雇の「客観的に合理的な理由」については、概ね次のように分類することができます。

  1. 労働者の労務提供の不能による解雇
  2. 能力不足、成績不良、勤務態度不良、適格性欠如による解雇
  3. 職場規律違反、職務懈怠による解雇
  4. 経営上の必要性による解雇
  5. ユニオンショップ協定による解雇

(引用:厚生労働省「解雇」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性

上記項目の中で、派遣社員がした仕事のミスによるクビについては2番目の「能力不足、成績不良、勤務態度不良、適格性欠如」に該当します

ただし、契約期間中に解雇する場合や、契約更新のタイミングでの解雇でも、あからじめ派遣会社から渡されている就業規則に「解雇される場合」のことが記載されていなければいけません。

法律で解雇が決まっていても、就業規則に記載がなければ解雇は成立しないのです。

では就業規則の記載例を見てみましょう。(引用:東京労働局「就業規則の作成例」

派遣社員の仕事のミスによるクビは、上記記載例の2番目の「業務能率が著しく不良」と言えます。

このように、仕事でミスを繰り返して何回注意されても直らないとなれば、残念ながらクビになっても違法ではないため何も言えません。

しかし、妊娠や出産をきっかけにしてクビにしたり、何かにつけて派遣社員の非を指摘し、クビに持っていこうとするのは不当解雇に当たりますので違法です。

少なくとも解雇予告は30日前にされる

最初に、解雇予告のタイミングについてです。

会社は派遣社員を解雇するとなった場合、少なくとも30日前に解雇予告をする必要があります。

もし解雇の予告をしない場合は派遣社員に解雇予告手当を支払わなければいけません。

法律では以下のように定められています。

使用者は、就業規則に解雇事由を記載しておかなければなりません。
そして、合理的な理由があっても、解雇を行う際には少なくとも30日前に解雇の予告をする必要があります。
予告を行わない場合には、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。予告の日数が30日に満たない場合には、その不足日数分の平均賃金を、解雇予告手当として、支払う必要があります。

例えば、解雇日の10日前に予告した場合は、20日×平均賃金を支払う必要があります。(労働基準法第20条)。

(参考:厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」)

例えば、4月30日をもってクビと言われた場合、解雇予告は本来4月1日にされるべきです。4月1日に予告されていれば、派遣社員は解雇予告手当を受け取れません。

しかし、20日前である4月10日に解雇予告をされたとしたら、10日分の平均賃金を受け取る必要があるのです。

もしクビだと言われてしまった場合は、貰えるはずの予告手当が貰えないなんていうことがないように、解雇予告をいつされたかをしっかりと覚えておきましょう。

クビになるまでの給料は全額支払われる

クビになったから給料はなしということはあり得ません。

たとえ派遣先をクビにされても、これまで働いた分の給料は全額貰えます。

また、契約期間途中でクビにされた場合でも、派遣会社との雇用契約は続いていますので給料は発生するのです。

また、もし懲戒解雇となり派遣先から賠償請求を受けた場合でも、派遣会社が賠償分を給料から差し引くのは違法となっています。

実際に仕事でミスをしてクビになった時にすべきこと

仕事でミスをしてクビになった時はどうすれば良いのでしょうか。

まずはいつ解雇予告を受けたかをしっかりと書留めておき、解雇予告手当が対象になるか確認しましょう。

また、「正当な解雇」か「不当な解雇」かによってもすべきことは変わってきますので、順に説明していきますね。

不当解雇の場合は解雇理由証明書を持って窓口に相談する

多少のミス1、2回しただけだったり、もしくは何かにつけて派遣社員をクビにしようと待ち構えていたと思われるなど、客観的に合理的な理由がない不当解雇の場合は、弁護士などの窓口に相談しましょう。

その際は解雇理由証明書といって、会社側が発行する「解雇する理由」が記載された書類を持っていくと良いですね。

 

法律では、解雇理由証明書について以下のように述べられています。

労働者が解雇の理由について証明書を請求した場合には、会社はすぐに労働者に証明書を交付しなければなりません(労働基準法第22条)。

上記のとおり、労働者は懲戒解雇や普通解雇に限らず「解雇理由証明書」の発行をしてもらうことができるのです。

派遣会社に次の仕事を紹介してもらう

不当解雇など、自分にはそこまで落ち度がないのにクビにされた場合は、すぐに次の仕事の紹介をしてもらいましょう。

特に、クビにされた理由が「派遣先が求めているスキルと自分のスキルが全然違った」と言ったような「聞いていた話と違う」という場合のクビだった場合は、派遣会社のマッチングミスと言えますので、すぐに仕事を紹介してもらえます。

派遣会社に仕事を紹介してもらえない場合は、他の派遣会社に登録する

今の派遣会社で自分の信用が無くなってしまった場合でも「もう紹介できません」とは言わずに「良い仕事があったら紹介します」と言っておいて、ずっと紹介しないままのところもあります。

自分のせいでクビになってしまったと分かっているのであれば、今の派遣会社に期待せず、他の派遣会社に登録して早めに新たな仕事を紹介してもらいましょう。

次の仕事が見つかるまで失業手当をもらう

失業手当が出るならすぐに失業手当をもらいましょう。

ただし、離職理由が自己都合でなく「会社都合」でも、失業手当をもらうには条件があります。

それは「離職日までの1年間に、雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上あること」です。

会社都合の場合は、ハローワークで手続きをしてから約4週間後に最初の失業手当を受け取れます。

しかし、離職理由を「自己都合」にされた場合や、懲戒解雇が理由の際は、手続きから約3ヶ月後にようやく失業手当が受け取れるので注意が必要です。

ただ、離職理由が会社都合なのに自己都合にされている場合は、相談窓口に相談しましょう。

派遣社員がクビにならないための対策

派遣社員でも仕事のミスでクビになることがあるということが分かりましたね。

クビになってしまっては今後の生活も不安定になってしまいますし、他の会社で働くことに自信がなくなってしまいます。

自分ではどのように気をつければ良いのでしょうか。

ここからは、派遣社員がクビにならないための対策について考えてみます。

普段からメモを取る

基本的なことのようですが、教えてもらったことは普段からメモを取るようにしましょう。

そして頻繁に自分で見返すことが必要です。書いて満足するのではなく、きちんと書いた内容を覚えましょう。

ミスをしたら繰り返さないようにする

一度ミスをしてしまったら、同じミスを繰り返さないようにしましょう。

その為には「何が悪かったのか」、「繰り返さないためにはどうすれば良いか」を考えることが大切です。

ミスを指摘された時の態度に気をつける

ミスを指摘された時に言い訳をしたり、聞く態度が悪かったら「勤務態度不良」でクビにされることがあります。

自分が気にしていなくても、周りはミスを指摘された時の態度をしっかりと見ているものです。

遅刻、早退、欠勤に気を付ける

一見仕事のミスと関係ないことのように思えますが、普段の勤怠管理をしっかりしていない人がミスをすると、もっとイメージが悪くなり非常に目立ちます。

「あの人は何をするにもルーズだ」と思われないように、普段の勤怠管理はしっかりとしておきましょう。

机上の整理をしておく

これも一見仕事のミスと関係ないように思えますが、机上が汚い人は書類の整理ができていないため大事な書類を紛失してしまうことがあります。

また、教えてもらったことをメモに書いても、机の上が整理されていないので、それがどこにあるのかすぐに見つけられなかったら結局そのメモは役に立ちません。

 

普段から机上の整理整頓をしておくことが大事ですね。

普段から周りとコミュニケーションを図り人間関係を円滑にしておく

普段から人間関係を円滑にする努力をしておけば、たとえミスをしてもクビにまではされないといったこともあり得ます。

逆に先輩たちと全くコミュニケーションを取らず、ただひたすらミスをしているのでは印象は悪いままですよね。

同じミスをしても怒られる人と怒られない人との差の一つは、このコミュニケーション能力の違いもあるのではないでしょうか。

派遣先の指示に柔軟に対応する

派遣社員として働いていると「これもお願いしていい?」と言われることがあるでしょう。

その時に「契約内容違うので」と言ってすぐに仕事を引き受けずに断ると「使えない」と思われてしまいます。

もちろん頼まれる量にもよりますし、契約上にないことは本来は指示されるべきではないのですが、たまには臨機応変に対応する姿勢を見せることが大事です。

全く柔軟な態度を見せない人がミスをすると周りは厳しい目で見ますが、「仕事に協力的」な人がもしミスをしても「普段から一生懸命な人」というイメージがあるのでそこまで非難されないということもありますよね。

派遣先は派遣社員に即戦力を求めていることを知っておくことが大事

派遣先は何故、仕事のミスをした派遣社員をクビにするのでしょう。

その大前提には「派遣社員は即戦力を求められているから」というものがあるのではないでしょうか。

派遣会社にお金を払ってでも「人手不足を解消したい」、「すぐに活かせる能力のある人がほしい」と思っているので「使えない人」は要らないのです。

それに応えるためには、「ミスをしない派遣」でいる努力が必要ですよね。

派遣社員として働いていると、同じ作業の繰り返しでつまらないという時があり、つい気を緩めて何となく作業をしていたらミスをしてしまったということも多くあります。

派遣先の即戦力になれるように、普段からしっかりとクビにならないための対策をして「使える派遣」を目指していきましょう。