派遣社員で人間関係がつらいと感じる人は多い 悩みのパターン・対処法8つ・解決しない場合の最終手段について

派遣社員の悩み

派遣社員が抱える人間関係のトラブルとは?

人々が1ヵ所に集まり同じ目的で共同作業を行う場合、各自が異なるバックボーンを持つせいで、意見がぶつかったり、あるいは上の立場に相手に対して意見が言えずストレスを溜めるメンバーが続出したり、もしくは上の立場のメンバーから下の立場の相手を傷つける言動がなされることがあります。

そのような集団の最たるものが職場で、職場での上下関係は業務において絶対的なものということもあり、人間関係のトラブルが生じやすい環境といっていいでしょう。

中でも派遣社員は微妙な立ち位置にあるため、そのようなトラブルに巻き込まれやすかったり、あるいは、人間関係のトラブルによるストレスのはけ口にされやすかったりします。

「微妙な立ち位置」というのは、派遣社員は正社員の上下関係の外側に置かれた存在ということを指します。

その立ち位置のせいで、正社員から下に見られたり、社内の上下関係の中で苦しんでいる正社員から「あなたはやがて離れていくからいいね」とねたまれたりすることがあるでしょう。

また、新入社員や他部署から新たに入ってきた社員に仕事を教えることになった場合、その相手から「派遣社員のくせに」と反発される可能性もあります。派遣先の会社に組み込まれつつ、同時に外部の人間であるという微妙な立ち位置が、そのような反応を引き出してしまうのです。

もともと人間関係が温和で円滑な職場であれば、そうした問題もないでしょうが、そうでない場合、派遣社員が職場のストレスやトラブルのターゲットにされることは十分にありえます。

また、派遣社員同士でも、待遇の違いなどから「同じ派遣なのにどうして扱いが違うのか」といったねたみが生じることがあります。

派遣社員が経験することの多い派遣先での人間関係トラブルとしては、具体的に次のようなものが考えられます。

・上司から露骨に正社員との差をつけられる
・正社員から(非公式に)契約外の仕事を押し付けられる
・面倒な仕事は基本的に派遣社員に回ってくる
・派遣先の人間関係トラブルに巻き込まれる
・派遣先にいるいわゆる「お局さま」の干渉がきつい
・派遣社員に対する正社員の態度がきつい
・社内派閥に入っていないため派閥間の板挟みになりやすい
・正社員の輪の中に入れてもらえない
・派遣社員同士がギスギスしている
・先に入った派遣社員から疎外されている
・そのほか派遣先の正社員による各種のパワハラやセクハラなど

パワハラについては、何をもってパワハラと見なすかということについて議論のあるところですが、現在ではその範囲はかなり広く考えられています。

たとえば人事院の「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」では、パワハラの例として、普段からおとなしい部下に対して「もっと明るい顔をしろ」「君のプレゼンが下手なのは、暗い性格のせいだ。何とかしろ」などとひんぱんに言う上司の話が挙げられています。

一見、仕事をより良く運ぶための指導とも受け取れますが、具体的な指導がない代わりに人格否定が含まれており、しかも、何度も繰り返されているという点がパワハラにあたります。

そのように、パワハラの定義はより労働者寄りになってきているので、「こんな小さなことをパワハラといってしまっていいのか」と自分自身で問題を矮小化せず、おかしいと思うことやストレスに感じることがあるなら、まずは派遣会社に相談してみるといいでしょう。

もし、次のような点に思い当たることがあれば、職場でのパワハラやそのほかの人間関係で、知らず知らずストレスを受けているかもしれません。

・仕事が多すぎて対応しきれないことがある
・仕事で精神的に疲れることが多い
・職場の人とうまが合わない
・職場の雰囲気になかなかなじめない
・休み明けでも倦怠感が取れていない
・情緒不安定になりやすくなった
・常に眠気があり、朝、スムーズに起きられない
・夜はなかなか眠れない
・不安な気持ちになりやすい
・頭痛や肩こり、腰の痛みなどがひどくなった
・動悸や息切れがある
・食欲がなく、ダイエットをしていないのに体重が減った

派遣先の人間関係がつらい場合の対処法8つ

派遣先の人間関係がつらい場合、どのように対処すればいいのでしょうか? ここでは、問題のパターン別に対処法を紹介しましょう。

①仕事を押し付けられたら上手に断る

契約外の仕事を押し付けられた場合、それは自分に与えられるべき仕事ではないということをやんわり伝えます。その際、さりげなく指揮系統を明瞭にするといいでしょう。

「○○部長から、現在のこの仕事を優先するよう言われているので、まず部長に確認してからお願いされた仕事に取り組みますね」というように、はっきり断るのではなく上司に確認を取った上で受けるという言い方にすることで、相手の気分を損ねずに断れます。

②不快な言動に対しては早くその場を離れる

相手に精神的な暴力を与えるような言動を「モラルハラスメント」といいます。

モラルハラスメントには、当然、露骨に加害的な言動も含まれますが、さすがにそういう場合は職場でも問題になることが多いものです。

そこで、実際に問題となるのはどちらかというと、やっている本人も無意識のモラルハラスメントです。たとえば、舌打ちや無視、イライラした態度や見下した態度、過去の失敗を何度もとがめる、といったものがその一例です。

これらの言動が無意識に発せられている場合は、最低限の受け答えだけして、急ぎの仕事があることなどを理由にして、なるべく早くその場を離れたほうがいいでしょう。

その上で、さらに何度も同じようなことが繰り返されるようなら、派遣先の上司や派遣会社の営業担当に相談します。

無意識に不快な言動をしている相手に対して、反論したり、モラルハラスメントを指摘したりするのは派遣社員の立場では逆効果です。また、自分に非がないことで謝罪するのもNGです。謝罪によりますます相手が加害的になることがあります。

③人間関係の微妙な機微は職場の信頼できる相手に相談する

人間関係の微妙な機微の問題で、上司に相談するまでもない内容であれば、職場の信頼できる相手に対策を相談してみてもいいでしょう。

正社員であっても派遣社員であっても話しやすければいいと思います。ただし、特定の人物の悪口にならないよう注意してください。

④派遣先の上司に相談する

派遣先の上司が信頼できる誠実なタイプなら、正社員との人間関係トラブルや、業務上のトラブルについて相談してみてもいいでしょう。あるいは、派遣先に各種ハラスメントの相談窓口がある場合、そこに相談するという方法もあります。

⑤業務上の問題、上司の問題、派遣社員同士の問題は派遣会社の営業担当に相談する

契約外の仕事をさせられるなどの業務上の問題、あるいは派遣先の上司や社員からのパワハラやセクハラなど深刻度の高い問題のほか、派遣社員同士の人間関係トラブルなど派遣先の会社で対処しにくい問題に関しては、派遣会社の営業担当に相談しましょう。

その場合、一般的には派遣会社の営業担当と派遣先の上司を交えた面談が行われることになります。このとき、パワハラやセクハラの加害者が同席していると話をしにくいという場合は、派遣会社の営業担当にその旨を伝えておいたほうがいいでしょう。

なお、契約外の仕事をやらされている場合は、それを止めてもらうか、あるいは契約外の仕事をやる代わりに給料を上げてもらうか、という選択肢を提示されることがあります。

⑥どうしていいか分からないなら、まず家族や友人に相談する

派遣先の上司や派遣会社の営業担当に相談することに関して心理的ハードルが高い場合は、まず、家族や友人に相談してみるといいでしょう。解決策を求めるというよりは、気持ちを整理するきっかけと考えてください。

⑦トラブル予防として人間関係を良好に保つ工夫を

人間関係のトラブル予防・改善のために、自分自身でも積極的な工夫を行うべきでしょう。たとえば、次のようなことを心掛けておくと、トラブルに巻き込まれにくくなります。

・大きな声で明るい挨拶
・業務ではホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底
・アドバイスには素直に耳を傾ける、社風に合わせることも必要
・噂話や悪口に参加しない、私語はなるべく控える
・相手によって態度を変えたりしない

⑧人間関係にフォーカスしすぎず仕事に集中、仕事をスキルアップの機会ととらえる

ケースバイケースではありますが、人間関係にフォーカスしすぎると行き場のない気持ちばかりが膨らみ、精神的に悪循環にはまり込んでしまいがちです。そういう場合は一度、人間関係のことは忘れて仕事に集中してみるといいでしょう。

派遣の仕事であっても、スキルアップのよい機会ととらえて前向きに取り組んでいけば、周囲の見る目も変わり、自然に人間関係が改善することがあります。

どうしてもつらいなら転職を視野に入れる!

こうした対処法を試みても改善されない、あるいは、対処すること自体が難しいほど状況が悪化してしまっている場合は転職も視野に入れましょう。

その派遣先の契約更新時まで我慢できそうなら、派遣会社に対して、更新はせずほかの職場に移りたいことを伝えておくと、スムーズに新たな派遣先に移れます。

それまで人間関係のトラブルについて派遣会社に相談していない場合は、転職の理由を伝えると、人間関係の問題が少なさそうな派遣先を回してもらえるかもしれません。

契約更新・満了の前に辞められる?

人間関係トラブルがあったことを派遣会社が把握し、対処したにもかかわらず改善がない場合は、契約期間が継続している間でもその派遣先での勤務を辞められます。そういう理由での退職なら、派遣会社内での評価が悪くなることもありません。

派遣会社を変更するという選択肢も

派遣会社の営業担当に相談したときに、満足のいく対応をしてもらえなかった場合は、転職の際に派遣会社そのものを替えてもいいでしょう。その場合、スムーズな転職のために、事前に複数の派遣会社に登録しておくのがベストです。

メンタルのコンディション次第ではしばらく休養しても

ストレスがあまりに強いと、うつの傾向も出てきます。そういう場合、健康保険から傷病手当などをもらい、しばらく休養することも検討してみましょう。

転職を成功させる3つのポイント

職場の人間関係に不満があって転職した方の多くは、転職先の職場でもまた不満を持ちやすいという統計データがあります。一方、仕事において前向きに成長しようという意識が強い方は、満足のいく転職となる傾向があります。

とはいえ、職場での人間関係を重視した転職もまた重要なことです。次に、転職を成功させる3つのポイントを紹介しましょう。

①転職準備期間に資格を取得する

仕事における成長という点で、転職を準備する期間中に何らかの資格を取得することをおすすめします。資格があると新たな職場でも一目置かれやすく、派遣社員という理由で下に見られることも少なくなるでしょう。また、転職先の選択肢もより広がります。たとえば、次の資格が転職には有利です。

MOS MOSとは「Microsoft Office specialist(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」の頭文字をとったもの。まずは、文書作成ソフト「Word」と表計算ソフト「Excel」科目で資格取得を目指しましょう
簿記 商業簿記を扱う簿記3級だけでなく、高度な商業簿記と工業簿記まで扱う簿記2級の取得を目指してみましょう。簿記2級を取得すると経理職に就ける可能性も出てきます
秘書検定 秘書検定は社会人として必要なスキルを身に付けている証明となるため、転職で有利に働くことがあります

②転職先には社風の合う会社を選ぶ

人間関係トラブルで転職する場合、派遣会社が次に紹介してくれる派遣先は人間関係の面で配慮されたところになるでしょう。しかし、いくつか選択肢があるなら、なるべく社風の合うところを選びたいものです。

社風を知るには会社のウェブサイトのほか、求人広告のセンスや、社員の口コミサイトなどが参考になります。社風の判断というと難しい話のようですが、要は社風に違和感があればなるべく避けるということです。社風が合わないと、そこの社員ともうまが合わない可能性があるので、判断材料として重視すべきでしょう。

③良好な人間関係を作る工夫を心掛ける

先に挙げた「派遣先の人間関係がつらい場合の対処法8つ」における「⑦トラブル予防に人間関係を良好に保つ工夫を」に挙げた工夫を最初から心掛けましょう。仕事を始めるタイミングで行えば、急にキャラクターが変わったという印象を与えることなく、自然に良好な関係を築けるでしょう。

なお、先に挙げたものに新たにもう1つ付け加えるなら、同じ職場の仲間の名前をなるべく早く覚えて、名前で呼び掛けるようにする、ということがあります。これにより、かなり良い印象を与えられるはずです。