40歳男性の派遣社員が結婚が難しい理由と効率的な正社員の目指し方

派遣社員の悩み

派遣で働く40代の男性には、20代・30代のころからずっと派遣で働いてきた方や、何らかの事情や目的があって最近派遣で働き始めた方など、さまざまな理由で派遣という働き方を選んだ方がいます。

ですが、一部では派遣で働く40代の男性は結婚できない、これから正社員を目指すにはかなり厳しいなど、本当にこのまま派遣で働き続けて良いのか不安を煽るような声もあります。

40代の男性が派遣で働くメリットとデメリットをはじめ、結婚難しい理由と効率的に正社員を目指す方法を解説していきます。

国内で派遣で働く男性の割合を調査

2020年1月~3月の派遣社員数は男女合計で約143万人、役員を除く雇用者全体から見た派遣社員の割合は2.5%で、直近15年ほどは2~3%で推移しています。

そのうち男性は約56万人、女性は約85万人となっています。

男性の派遣労働者数 約56万人を100%として見た場合、40代の男性は13.5%と全体の1割強といった割合で、40~44歳までの40代前半は8%、45~49歳までの後半は5.5%となっています。

20代や30代と比較するとそれぞれ1/3程度に少なくなり、年齢が上がるほど少なくなっています。

また、派遣の種類も登録型より派遣会社が直接雇用する常用登録型(無期雇用派遣とも言う)の方が多くなる傾向です。

無期雇用派遣は派遣会社が直接雇用するとともに、給与が月給になり派遣先との契約が終了したとしても、待期期間に派遣会社から給与が出ることが特徴的です。

正社員に近い働き方ではあるものの、昇進や昇給は期待がなかなかできないことが課題となっています。

派遣社員で働きながら40代を過ごすのは問題ない?メリットとデメリットとは

40代の男性でもずっと派遣で働いてきた方は、今後も派遣で頑張りたいと思っている方もいるでしょう。

しかし、40代ともなると家庭を持つ方も増えて、家族を養うのに派遣という働き方に疑問や不安を持つこともあります。

最近派遣で働き始めた方にも言えることですが、40代の男性が派遣で働くメリットとデメリットについて触れていきます。

40代男性が派遣で働くメリット

派遣には年齢制限がない

派遣会社への登録と、仕事の紹介には年齢制限が設けられていないので、原則としては誰でも登録して仕事の紹介を受けることができます。

仕事の紹介については働く機会を平等に与える目的から、平成19年10月より労働者の募集や採用に年齢制限を設けることは厚生労働省により禁止されているので、40代でも全く問題なく仕事を紹介してもらうことができます。

派遣というと即戦力を求められるイメージが強いですが、未経験者OKの仕事も豊富にあるのも魅力の1つです。

参考:募集・採用における年齢制限禁止について |厚生労働省

さまざまな分野の仕事を経験できる

派遣の仕事は派遣会社により得意・不得意のジャンルがあるとしても、非常に多くの業界や業種の仕事があります。

専門的な知識や技術が必要な案件から未経験者OKの案件まで難易度も幅広くあるので、40代からでもさまざまな分野の仕事を経験することが可能です。

残業が少なくワークライフバランスがとりやすい

派遣の仕事は、1日の労働時間など細かいところまで決めて労働契約を結ぶため、基本的に残業がほとんどなく定時退社が可能です。

帰宅後はプライベートの充実や、スキルアップや転職に向けた勉強に取り組めるほか、育児・介護・看護などとの両立もしやすいことがメリットといえます。

管理職のプレッシャーがない

正社員で働く40代男性の場合、管理職に就くケースがありますが派遣で働く場合は管理職に就くことがありません。

そのため、管理職という責任ある立場やプレッシャーを感じることなく働くことができます。

派遣会社によっては副業ができる

派遣社員は雇用契約を結ぶ派遣会社が禁止していなければ副業が可能です。

法律では副業を禁止しておらず、厚生労働省では次のような条件付で副業をしても良いとしています。

第67条労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。2労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。3第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。①労務提供上の支障がある場合②企業秘密が漏洩する場合③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合④競業により、企業の利益を害する場合

引用元:厚生労働省労働基準局監督課「モデル就業規則」平成30年1月

ただ、法律では禁止されていませんが、派遣会社の就業規則で禁止している場合はNGなため、その点はしっかり確認するようにしましょう。

40代男性が派遣で働くデメリット

雇用が不安定

派遣の仕事は派遣先に契約の更新をされない場合、契約終了となるため他の派遣先を探さなければなりません。契約期間は3ヶ月~6ヶ月程度が最も多く、いつ契約が終了してもおかしくはないです。

また、1ヶ所の職場(部署)に最長でも3年までしか継続して勤務できないので、短い場合は3ヶ月前後、長くても3年で他の職場に移ることになります。

正社員と比べると雇用が安定せず、将来設計を考えるとしても影響が出るでしょう。

まとまった金額のボーナスは出ない

派遣は正社員のようにボーナスをもらうことは期待できません。

一般に派遣社員の時給にはボーナス分が含まれているため、ボーナスシーズンだからといってまとまった金額のボーナスをもらうことはほぼありません。

ただ、派遣会社でボーナス制度がある場合や、無期雇用派遣として働く場合は出る可能性がありますが、登録型派遣で働いている方はもらえないと思っていて良いでしょう。

年収アップは期待できない

派遣の仕事は時給制で、スキルを磨いたり必要な資格を取得するなどして時給を上げることは可能です。しかし、上がる金額がわずかなため年収単位で見たときに大幅なアップは期待できないでしょう。

また、正社員のように年1~2回の定期的な昇給制度もないため、定期的に年収を上げることもなかなか厳しいです。

キャリアアップは期待できない

派遣の仕事には、役職が就くことがありません。そのため役職をもらうようなキャリアアップは派遣で働く限り期待できません。

実務的なスキルは身につけることはできますが、管理職などの役職を経験したいとなると、どうしても正社員になることが必要になってきます。

また、派遣社員の立場からみたキャリアアップでは直接雇用してもらうことや正社員になることと考えられますが、40代の場合は年齢的に見てもよほどのスキルや技術がなければ厳しいでしょう。

派遣社員の方が考えるべき結婚と年収の関係性

派遣で働きながら40代を過ごすことは、問題があるかないかで言えば問題はありません。

しかし、その男性に家族がいる場合や結婚を予定している場合は少し注意が必要です。

今の時代は共働きも珍しくありませんし、男性一人だけで家族を養う形ではければ収入面での不安もある程度解消できますから問題は起こりにくいですが、もし家族の協力がない場合は厳しいと感じる場面にも出てくるでしょう。

特にこどもを大学まで通わせるということになると、それなりに学費は必要になるため、それに備えて積立などを早めにしておくなども必要になります。

また、これから結婚を検討している人も派遣社員ということがネックになって上手く行かないことは念頭に入れて置かなければなりません。

パートナーエージェントの調査した結果によると、未婚女性が結婚相手に求める年収は最低301~400万円、理想は401~500万円が多数と結果が出ました。

また、みんなのウェディングの調査では僅差ではあるものの女性は結婚相手に年収を求める傾向が男性よりも高く出ています。

つまり、結婚と年収との関係性は切っても切り離せないため、年収の高さや仕事の安定さは非常に重要な要素となります。

単純に年収ベースでみると派遣社員の方でも年収300~400万円台は十分狙える範囲ですが、どうしても安定さというところで敬遠されてしまう可能性は否定できません。

もしくは、いつも契約を更新されるかどうかを心配しながら生活しなければならず、次の派遣先が見つかるまで常に不安を抱える状態が続くでしょう。

もしも、結婚を含めて家族を養う必要がある方は、直接雇用を前提とした紹介型派遣を利用するか、正社員への転職も考えることをおすすめします。

当然、人によっては結婚相手に年収や雇用形態を重視しない方もいますので、必ずしも正社員じゃないと結婚できないわけではありませんが、どうしても不利になってしまうのは受け止めなければなりません。

40代からでも正社員を目指せるのか

正社員への転職は一般に30代以降は厳しいと言われ、即戦力となるようなスキルや技術があるか、マネジメント能力がなければ険しい道のりになります。

派遣で専門的な仕事ををしていた方ならチャンスがないわけではありませんが、ほどの専門知識や技術・経験がなければそう簡単にはいかないでしょう。

それでも正社員を目指したい方は、直接雇用を前提としている紹介予定派遣や転職エージェントを利用するのがおすすめです。

最長6ヶ月間を派遣先企業で派遣として働き、派遣先と派遣社員の双方で合意があればその派遣先に直接雇用してもらえる働き方です。

紹介予定派遣は派遣先企業と派遣社員の両方にメリットがあり、派遣期間中にお互いにお試し期間として適性を探ることができるものです。

派遣期間後に契約社員を経て正社員になるケースもありますが、闇雲に正社員の求人に応募するよりも派遣会社のサポートを受けながら進められるので、40代からでもチャレンジする価値はあります。

また、転職サイトも自分ひとりだけで転職活動をするタイプではなく、転職エージェントなどサポートが手厚いサービスの利用がおすすめです。

サービスの中には派遣社員から正社員に特化しているものもあるので、大手サービスのみではなく自分の状況に合っているサービスを利用すれば効率的に転職活動を進める事ができます。

派遣社員には派遣社員の良さもありますが、もしいま派遣社員でいることに不満があったり、不安を感じているなら正社員への転職も検討をしてみましょう。