派遣でいじめられた体験談と対策。辞めた後に賠償請求はできる?

派遣社員の悩み

会社でいじめにあった経験はありますか。もしくは社内でいじめが行われているところを見たことはあるでしょうか。

「社会人にもなっていじめなんてあるの?」と思う人もいるでしょうが、実際にいじめにあう人は多いのです。

その中でも、いじめのターゲットが「派遣社員」というのを耳にしたことがある人もいるでしょう。

私の友人も実際に派遣先でいじめにあったうちの一人です。

本記事では、友人の体験談やいじめの例、実際にいじめられた場合の対策についてお伝えします。

実際に派遣でいじめられた人の体験談

私が一番上司とコミュニケーションをとれているからなのか、同僚からの無視が始まりました…。最近ではあることないこと自分の噂話を広められていて困っています…。

実際に派遣社員でいじめにあった私の友人の体験談をしましょう。

友人は4月から中小企業の営業事務の派遣社員として入社しました。業務を教えてくれる人は入社8年目のベテラン女性で、いわゆるお局的な存在です。この度このお局が退職するにあたって、友人は彼女から引継ぎを行われていました。

しかしベテラン社員からすると、新人が抱く疑問点すら理解しづらいようで、「いちいちそんなこと聞かないで、まずは覚えて。」、「本当に気が利かないね。」、「そんなペースでやってたら何もできない。」などと言い、日が経つにつれて浴びせる言葉もきつくなってきたのです。

その友人は決して仕事の覚えが悪いわけではありません。むしろどこの派遣先でもすぐに活躍できている方です。おそらく友人がする質問は、新人であれば誰もが抱く疑問なのではないかと思います。

しかし友人は毎日そんな状態が続き、次第に仕事に対する不安よりも「お局に怒られることの恐怖」の方が強くなっていきました。

ある時、正社員にしか回ってこない社内メールの中に、業務に必要な情報があるということで、上司が「○○さんも社内メールに加えるね」と言ってくれたそうなのですが、ベテラン社員が出てきて「こんなに仕事ができない派遣を社内メールに加える必要は全くありません。」と必死に止めたそうです。

私の友人はこの言葉を聞いて「必要な情報を私にだけ見せてくれない。私は単純にこの人に嫌われているんだ。これは個人的ないじめかもしれない。」と思い始めました。

結局、友人はこのお局に耐え切れず、自己最短記録の3か月で派遣先を辞めることになったのですが、辞める時に上司に呼ばれ「派遣社員はみんなすぐに辞めるんだけど、何か心当たりがあるなら正直に教えてほしい」と言われたそうです。

その後の派遣会社との付き合いもあるので、友人は本音を言わずに終わったそうですが、お局による派遣社員へのいじめはずっと繰り返されていたことが分かりました。

派遣社員のいじめの例、モラハラとパワハラとは

派遣社員同士なのに私だけ仲間に入れてもらえず、休憩時間も常に一人なんです…。

仕事でミスをした時に上司に報告したら「本当に使えない派遣だな!」と皆の前で怒鳴られました…。

ここでは、実際に派遣社員が被害にあったいじめはどんなものか、例を挙げてみます。

  1. 無視
  2. 仕事をもらえない
  3. 必要な書類をもらえない
  4. 言葉や態度による暴力
  5. 陰口を叩かれる
  6. 仲間外れにされる

主ないじめの内容は上記に6つ挙げてみましたが、どれも本当に辛いものですよね。

ここで、モラハラとパワハラの違いについてお伝えします。

モラハラは「モラル・ハラスメント」のことで、周囲の人に気づかれにくいところで起こるのが特徴で、言葉や態度による精神的な嫌がらせのことです。

人の目に触れにくく陰湿で、加害者と被害者との間には上下関係がないこともあり、同僚や夫婦などの対等な関係で起こることが多く、中には派遣同士ということもあるでしょう。

一方、パワハラは「パワー・ハラスメント」のことで、上司と部下などの間など、立場が上の人から下の人に対して行われます。

パワハラの場合は他人の前での暴言や暴力があり、周囲の人から目につきやすいこともあるでしょう。

いじめを大きく分けると、モラハラかパワハラに該当しますよね。

実際にいじめられた時の対処法

自分が派遣される会社でいじめはないと思っていても、実際にいじめにあってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。

最初はこれがいじめに該当するかよく分からないということもあるでしょう。

しかし、苦痛に感じたらそれはいじめの可能性が高いです。

いじめに応じず冷静を装う

いじめをする人は被害者の反応を楽しみにしています。

できるだけ動じず冷静を装っている方が、もしも慰謝料請求などの裁判沙汰にする場合に有利になることがあるので、あまり反応しない方が良いでしょう。

仕事のことでは意見をせず淡々と仕事をする

目上の人に気に入られないところから、いじめが始まることはよくあります。

少し仕事のことに意見を出しただけで「偉そう」、「新人のくせに何様」などと目をつけられることがあるのです。

結局は仕事のことで意見をせず、派遣は派遣として与えられた仕事を淡々とするのが一番でしょう。

会社のために良かれと思って派遣が何かを言っても「出しゃばり」と思われたら終わりなので、目をつけられるくらいなら黙っていた方が身のためかもしれません。

被害状況を細かく記し、できるだけ証拠を残す

日時や加害者、その場にいた人の様子などを具体的に日記に書き留めておいたり、嫌がらせのメールなどいじめの証拠があれば、消える前に印刷するなどして残しておきましょう。

言葉による暴力の場合、携帯のアプリで録音しておくのも一つの手段です。

また、いじめが原因で精神的に追い詰められ、病院にかかった場合は医師の診断書をもらっておくと良いでしょう。

派遣会社に相談する

いつも連絡を取る担当者が話しやすい人なのであれば、その人に相談するのが一番ですが、異性であったり中々相談しにくいようであれば、派遣会社のハラスメント窓口に相談しましょう。

ハラスメント窓口の連絡先は、派遣会社と雇用契約を交わした時に渡される「就業ルールブック」に載っているはずです。

相談することで派遣先の会社と話合ってもらえることがあり、解決の糸口が見つかるかもしれませんので我慢せずに相談をしましょう。

しかし、中には派遣先の方をかばって何もしてくれない派遣会社もあります。

派遣先を変える

原則として契約期間途中での退職は認められませんので、本来であれば更新時期になって更新しないことを選択するべきです。

しかし耐え切れないほどのいじめであればやむを得ないでしょう。

ただ、契約途中で辞めた場合は派遣先にも派遣会社にとっても印象が悪くなり、次の仕事を紹介してもらえない場合もあります。

また、契約更新しないことを派遣会社に早めに申し出をし、退職する日が決まってるのであれば、退職までに有給を消化することが可能です。

いじめで退職した後はどうする?賠償請求や失業保険などについて

いじめが酷く、実際にそれが原因で退職する派遣社員もいます。

派遣先をいじめが理由で退職した場合、「本当は仕事を続けたいのに続けられなかった」という怒りや悲しみを訴えることはできるのでしょうか。

また、失業保険はすぐに受け取ることができるかも気になりますよね。

ここからは、いじめで退職した後について説明していきます。

過去にトラブルがない派遣先を紹介してもらう

派遣会社にいじめが原因だと言うか言わないかは自由ですが、いずれにしても次の派遣先を紹介してもらう際には、過去にトラブルがない派遣先であるかを確認しましょう。

いじめで辞めた後に加害者を訴えることはできる?

結論から言うとできます。

例えば上司から長期にわたってパワハラを受け、辛くて精神的に病んでしまい会社に行けなくなり医者の診断書があるという場合、派遣社員は加害者である上司を訴えることができ、慰謝料を請求することが可能です。

また派遣会社に相談しても対応してくれず、派遣社員にさらなる被害が及んだとされる場合、派遣社員は派遣会社に対しても、慰謝料の請求や損害賠償請求ができることがあります。

いじめで辞めた後に失業保険はすぐ出るのか

失業保険がすぐに出るか否かの判断は、退職理由が「会社都合か自己都合か」によって分かれます。

一般的に会社都合であれば約4週間後、自己都合の場合は約3か月後に失業手当が受け取れる仕組みです。

では、いじめが原因で会社を辞めた場合は会社都合になるのでしょうか。

実は自己都合退職者でも「特定受給資格者」に該当すれば、失業保険はすぐに出ます。

特定受給資格者に該当するにはいくつか条件があり、いじめの場合でも証明するものがあれば認められます。

以下は厚生労働省が特定受給資格者について述べたものです。

上司、同僚等から「故意」にのけ者にされたり又は著しい冷遇若しくは嫌がらせ(いじめ、暴力(暴言)など)を繰り返し受けたことにより離職した場合に該当します。例えば、特定個人を対象とした配置転換又は給与体系等の変更が行われた場合などが該当します。

管理者が、部下の職務上の失態があった場合等に注意、叱責することは通常起こり得ることから、そのことだけをもってはこの基準に該当しません。
なお、手続時に、離職理由を証明する書類等(特定個人を対象とする配置転換、給与体系等の変更があった場合には、配置転換の辞令(写)、就業規則、労働契約書、賃金台帳など)があれば、お持ちください。
ハローワークにおいては、本人の主張、証拠書類と事業主の主張等を確認の上、最終的な離職理由を決定することとなります。

(参考:厚生労働省「会社でパワハラを受けて退職したのですが、特定受給資格者に該当するのでしょうか」)

上記では、派遣社員が繰り返しいじめを受け、それが原因で辞めた場合は、本人の主張と証拠の書類があれば、特定受給資格者になれることが書かれています。

ただ、事業主の主張も確認の上で判断されるようなので、派遣会社に相談した際に認めてもらうためにも、証拠はどうにかして残しておきたいですね。

いじめられて辞めたくなったら無理をせず自分を優先して転職するのもあり

いじめられて辞めたいとなった時に、無理をして頑張り続ける人もいますよね。

もちろん契約更新まで頑張ろうと思えるのであれば、その方が会社にとっても自分にとっても良いでしょう。

しかし、いじめによるストレスが体調に出たりするようであれば、自分の中でも限界がきている証拠かもしれません。

無理して放置していると、ある時に働くことすら難しくなってしまうという状態に陥ってしまうこともあり得ます。

自分の不調は自分にしか分からないところがありますから、無理をして頑張り過ぎずに転職する方が良いでしょう。

派遣の良いところは、一生その会社にいる必要がないところでもあります。

その派遣先に固執する必要は一切ありませんし、今の派遣会社に固執する必要もありません。

派遣会社との付き合いが悪くなったなら、他の派遣会社に登録すれば良い話です。自分を優先して、健康第一にして働きましょうね。