派遣社員の社内カーストは高くはない。不当な扱いを受けた場合に取るべき対処法4つ

派遣社員の悩み

あなたは社内カーストという言葉を耳にした経験はありますか?

簡単に言ってしまえば、正社員の方が派遣社員やアルバイトなどよりも偉いという差別的な考え方です。

日本の社会では、このような社内カーストはないとされています。

しかし、社内カーストのような考え方は、企業がルール化するものではなく、人々が無意識に近い感覚で持つものなので、決してないとは言えないのが実情なのです。

派遣社員やアルバイトといった正社員に指示を受ける側の方が社内カーストを感じているケースが多くあります。

そこで今回は、派遣社員が感じる社内カーストについて解説します。

具体的に、どのような差別を受けているのかや、受けた時の対処法4つについてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

日本における社内カースト制度とは?

まずは、大本となるインドのカースト制度について解説します。

インドのカースト制度とは

そもそも、カースト制度とは古代のインドで実際にあった階級制度を意味していて、古代インドでは、「バラモン(司祭)>クシャトリア(王族・武士)>ヴィイシャ(平民)>シュードラ(奴隷)>アチュート(カーストに属さない人々)」という階級があり、バラモンが最も階級の高い存在として扱われていたのです。

カースト制度の主な特徴は以下のようになっています。

  • 上のカーストが下のカーストを見下す
  • カースト制度の順番は一生変えられない
  • カーストは親から子へ継承される
  • 他のカーストとの婚姻は不可能

そして、この制度は紀元前にアーリア人がインド亜大陸を征服した際、先住民の肌の色で差別化した出来事が発端となり、現在に至るまでインドの身分制度として残りました。

このインドの身分制度が転じて、人間関係に対して皮肉を込めて「社内カースト」と呼ぶようになったのです。

日本の階級制度について

日本国内では、実は江戸時代から「土・農・工・商」といった形で身分制度がありました。

当然、現在ではこのような身分制度はありませんが、その人の生活環境や職業によって無意識的に「格差」を感じることは珍しくありません。

この格差意識が実質的にカースト制度のようなものを生み出すことに繋がります。

職業というところにフォーカスをすると、正社員・派遣社員(契約社員)・アルバイト(パート)・無職と段々格差を感じるようになります。

この中だと派遣社員は上から2番目になります。

こう考えると「そこまで派遣社員は格差を感じないのでは?」と思うかもしれませんが、これが社内カーストになると少し様子が変わります。

社内カーストと呼ばれる階級について

社会で働く人だけに絞ってみると、「正社員>契約社員>派遣社員>アルバイト・パート」といった順番になります。

さらに、正社員の中でも中堅と新人に分けると中堅の方が上だと考えられるでしょう。

ただし、物流関係のようにアルバイトやパートなどを大量に採用している企業だと、中堅社員と新人社員の間に「ベテランパートタイマー」が入るケースもあるのです。

とはいっても、基本的に派遣社員やアルバイト・パートなどは階級が低いと考えられています。

例えば、正社員や契約社員はお昼に社員食堂が使えるのに、派遣社員やアルバイトには社員食堂の利用が許されず、更衣室を兼ねた休憩室でコンビニ弁当を食べるといった事態が起きているのです。

そもそも、日本は歴史的にみると武士が庶民を支配していた歴史が長く、その武士の中でも「お殿様」「家来」という上下関係がありました。

このような武士の歴史は、明治維新で終わりを告げたものの、日本人のDNAには「支配するもの」「支配されるもの」という身分制度が植え付けられていて、誰もが社内カーストのような身分制度を簡単に受け入れてしまうと考えられるのです。

もちろん、近年は古い考え方を変えていこうとする動きが強まり、社内カーストのような制度を壊そうとする企業は増えました。

しかし、会社のトップや上層部になると年齢が高く、まだまだ社内カースト制度の考えを持つ方が多いのも実情です。

また、最近は新人が雑用を嫌がったり、上司に対しても敬意を示さないなどの状況が増えていますが、社内カースト制度は廃止になったとしても、新人社員が好き勝手に働いても良いという意味とは別なので、この辺りを混同しないという意識も大切となります。

カースト制度を感じるのは勘違いではない?証拠データがある

ここまで、社内カースト制度について解説しました。

そして、中には「社内カーストなんて勘違いではないのか」と感じる方もいるでしょう。

しかし、日本のカースト制度はしっかりと証拠データがあるのです。

1995年に、日本経済団体連合会が出した報告書の「新時代の『日本的経営』挑戦すべき方向とその具体策」では、労働者を以下の3つのグループに分けています。

長期蓄積能力活用型グループ 将来的に社会を背負う幹部候補エリートたち
高度専門能力活用型グループ 高度な専門知識を有する技術系職人集団
雇用柔軟型グループ 短期単純作業など会社の都合に応じて柔軟に雇用できる者たち

これら3つのグループは、カースト制度そのものと言っても過言ではありません。

1つ目の長期蓄積能力活用型グループは、カースト制度に当てはめるとクシャトリア(王族・武士)に一致します。

2つ目の高度専門能力活用型グループは、特別なスキルを持つ正社員を意味していて、カースト制度と照らし合わせるとヴィイシャ(平民)に該当する訳です。

3つ目の雇用柔軟型グループは、使い捨てにされる奴隷を意味していて、現代社会ではいくらでも変わりがいる非正規労働者に該当します。つまり、カースト制度でいうところのシュードラ(奴隷)になるという訳です。

このように、日経連の間において認識されていた方針に従うと、日本社会はカースト制度そのものと言えることになります。

派遣社員が差別されている実例

派遣社員が、社内で差別されている実例について紹介します。

差別実例1.社員食堂が利用できない

正社員と契約社員は社員食堂を使用できるのに対し、派遣社員以下は社員食堂を利用できず、他の場所でコンビニ弁当を食べるといった差別がされています。

また、仮に食堂が利用できたとしても、費用は全額負担になるなどの違いがあるようです。

差別実例2.社内備品が使えない

正社員や契約社員には、社内備品の使用が許可されているのに、派遣社員には社内備品の使用が許可されていないケースがあります。

仕事で使うペンや紙類、ハサミやホチキスなどは個人で準備するように言われるのです。

差別実例3.尊重や尊敬が全くない

派遣社員を見下している社員から、「最近の派遣は仕事をしない」といった形で何かと「派遣」呼ばわりされ、正社員と区別されるケースです。

派遣社員への尊重や尊敬が全くない状態を表しています。

差別実例4.社内イベントや行事に参加できない

会社で開催されるイベントや行事に参加できないといった差別は非常に多くなっています。

また、歓迎会などは一切ない場合がほとんどです。

差別実例5.派遣社員だけオフィス用具のスペックが低い

派遣社員に対しても、机やパソコンなどが支給されるものの、派遣社員だけ明らかに古くてスペックが低いなど、待遇に差がある場合があります。

差別実例6.新人の正社員からタメ口で話しかけられる

派遣社員として働く自分の方が勤務年数が長いにもかかわらず、正社員という理由だけで入社1~2年の若手社員からタメ口で話かけられるケースがあります。

そのような会社では、周囲の社員も派遣社員を見下す傾向にあるので、タメ口で話しているのを見かけても注意しません。

差別実例7.名刺やネックストラップが色分けされている

派遣社員だけ、名札やネックストラップの色が異なるなど正社員と区別されています。

おまけに、その見た目がいまいちで付けるのが恥ずかしいレベルのものだと、さらに正社員の方からバカにされてしまうのです。

差別実例8.雑務を押し付けられる

派遣社員だからといって、雑用を押し付けられるといった差別をされるケースがあります。

そのような職場では、日頃から派遣社員というだけでバカにしたり見下したりしているため、雑務を押し付けられても断りにくい環境ができているのです。

差別実例9.業務上の情報共有がされない

派遣社員というだけで、業務上の情報共有がされないという差別をされるケースがあります。

そして、必要な情報を教えてもらえず、結果としてミスしたことになってしまいます。

最悪な状況になると、そのミスをしつこく責められてしまうのです。

社内カーストと言える扱い(差別)を受けたときの対処法4つ

ここでは、派遣社員が社内カーストのような扱いを受けた際の対処法について解説します。

対処法1.派遣元の営業担当者に相談する

派遣社員が社内カーストのような扱いを受けた際の対処法1つ目は派遣元の営業担当者に相談することです。

派遣社員の雇用主は、勤務先ではなく派遣元企業なので、何かしらのトラブルが起きた際は派遣元の営業担当に相談し、今の状況を伝えて対処してもらいましょう。

もちろん、派遣先の上司に相談してダメではありません。

しかし、上司は自社の社員の見方をする可能性があるうえに、相談した結果派遣元との関係が悪くなる可能性もあります。

まずは、派遣元の営業担当者に連絡して、相談した方が波風が立たないので良いでしょう。

対処法2.契約更新をしない

派遣社員が社内カーストのような扱いを受けた際の対処法2つ目は契約更新をしないことです。

あまりにも派遣先の差別がひどすぎる場合は、契約更新をしないようにした方が良いでしょう。

なぜなら、そのような会社は相談したからと言って簡単に変わるものではなく、話した結果かえって状況が悪化する可能性があるからです。

下手にトラブルを大きくするぐらいなら、契約更新をせず別の会社に移った方が良いでしょう。

対処法3.派遣元自体を変える

派遣社員が社内カーストのような扱いを受けた際の対処法3つ目は派遣元自体を変えることです。

この対処法は、何か所も派遣先を変えてもらい、それでも待遇や差別がなくならない場合に実行すべき方法になります。

何度勤務先を変えてもらっても差別などがなくならない場合、派遣元が紹介する企業にそのような会社が多いので、派遣会社そのものを変更した方が良いのです。

派遣元によって紹介する企業には違いがあるので、自分の希望の企業を紹介してくれる派遣元を見つけてください。

対処法4.正社員としての働き方を検討する

派遣社員が社内カーストのような扱いを受けた際の対処法4つ目は正社員としての働き方を検討することです。

どうしても派遣社員として働きたいなら仕方ありません。

しかし、特別な理由がないなら、派遣社員以外の働き方を検討した方が、簡単に差別から解放されます。

実際、派遣社員から正社員に転職する方は多く、それによって差別から解放されたという方が大勢います。

派遣社員からの転職なら、転職エージェントなどサポートサービスを活用すれば比較的簡単できるはずなので、どうしても社内カーストのような扱いから解放されたいなら、派遣社員からの脱出を目指してみてください。

このように、派遣は職場の人間関係に手厚く配慮する必要はないものの、差別され続けるのは辛いので、相手の領域に合わせるのが無理だと思うなら、契約更新をしないなどの方法で職場を変える方が良いと理解しておきましょう。