派遣の男女は結婚できないと言われる理由やその実態。ただ女性の場合はメリットも?

派遣社員の悩み

「派遣の男女は結婚できない」とよく言われているのは知っていますか。

派遣社員は「婚期が遅れる」「彼女が自分の親に自分を紹介してくれない」という話も聞いた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、「派遣社員で働くことは結婚においてデメリットばかりなのか」と言うと、実はそうではありません。

本記事では、派遣の男女は結婚できないと言われる理由や実態、そして派遣社員で働くことが結婚においてメリットとなる場合についても紹介していきます。

日本の結婚の実態

そもそも日本の結婚の実態はどのようになっているのでしょうか。

ご存じの方も多いかもしれませんが、日本では1970年代をピークにして生涯未婚率は上昇しており、婚姻件数は年々減少しています。

そして推計によると、2020年以降は上昇が緩やかになる予想ですが、男性の生涯未婚率は2040年にはほぼ3割、女性も2割近くに達すると見込まれています。

このように未婚率は上昇している背景は派遣社員にのみ当てはまるものではありません。

では、なぜ派遣の男女は結婚できないといわれるのでしょうか?

具体的に結婚できないと言われる理由を見ていきましょう。

派遣社員の男女は結婚できないと言われる理由

「派遣社員の男女は結婚できないという理由を、イメージで良いので幾つか答えてみて下さい。」と言われたら、あなたは答えられますか。

意外と答えが思いつく人も多いと思います。意外と答えられるということは、やはり派遣の男女は結婚できないということが認知されているような気がしますよね。

正社員に比べて年収が圧倒的に低い

派遣社員は正社員に比べて圧倒的に年収が低いです。

実際にどれだけの年収差があるのか、30代前半の正社員と派遣社員の年収で比較してみましょう。

厚生労働省のデータによると、30代前半の正社員の平均年収は、約430万円

それに対し、例えば時給1,500円の派遣社員の場合、年収は約310万円しかありません。

年収が100万円以上も違うのは、派遣社員には昇給や昇格がほぼなく、ボーナスもないからです。ちなみに退職金もありません。

派遣社員の年収について詳しくは以下の記事を参考にして下さい。

派遣社員の年収は平均でいくらくらい?やっぱり200万円、多くても300万円台?
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将来が不安

雇用が常に不安定なので「仕事がいつ途絶えるかを気にしてしまう」といった不安を抱える人も沢山います。

独身であれば誰かの人生を背負うような「責任」がないので、もし雇用が不安定でも何とか行き当たりばったりの人生を送ることもできるでしょう。

しかし家庭を持つことは、相手と人生を共にすることになるので、行き当たりばったりというわけにはいきません。

ただ、派遣社員はいつ契約が打ち切られてしまうか正直分からないですし、次の会社が保障されているわけでもありませんので、不安は切っても切り離せないのが現状でしょう。

共働きしないとやっていけない

次に、相手が派遣社員の場合は年収が低いため、共働きしないとやっていけないという理由です。

結婚して家を購入する場合や、子供が生まれた場合、もしくは老後の生活を考えた時に、派遣社員の配偶者の収入だけを頼りにするようでは到底生活できないと考える人が多いのでしょう。

今の時代は共働きしている夫婦の方が多いですが、一生共働きだと最初から分かっていると、中々結婚の意志が固まらないという人も沢山いますよね。

彼氏、彼女が派遣だと親に言いにくい、世間体が気になる

「相手が派遣社員だと周りに紹介するのに気が引ける」という人も結構多いでしょう。

特に、彼氏が派遣社員だった場合はもっと言いだせないと言う人が多いようです。

今の時代は共働きしている夫婦の方が多いですが、60代以降の世間体を気にする世代では「男は働き、女は家庭に入る」という固定観念がある人も沢山いるので「娘が苦労する」ことを良しとしないという親もまだ多い傾向にありますし、身内にも言いにくいのでしょう。

私の友人の女性は派遣社員で結婚しましたが、彼氏の親に会いに行くと両親に言った時に「派遣だからあまり迎え入れてもらえないかもね。」と言われたそうです。

実際は彼の両親に快く受け入れてもらえたようですが、彼の両親は「あんたがしっかりしないとね。」と彼に言っていたようなので、経済的に少し心配されたと言っていました。

長くても3年しか働けないため出会いがないことも

派遣社員は長くても3年間しか同じ職場で働けないため、出会いがないということもあります。

最初から「長くいる人ではない」と周知されているので、会社の人間関係が深まる機会があまりありません。

私の友人は「派遣だから仕事に慣れた頃にまた職場が変わるし、出会いを楽しむ余裕なんてないよ。」と言っていました。

ただ、派遣先によっては会社のイベントが多く、飲み会が沢山開催されているところもありますから、一概に会社の人と仲良くなる機会がないとは言い切れないでしょう。

昇給・昇格がない

派遣社員は正社員のように昇給や昇格の機会がありません。

昇給や昇格のチャンスがないことはそれだけ年収にも響きますし、将来が不安になる方も多いのではないかと考えられます。

育休・手当等が取得できるか分からない

派遣社員は正社員のように福利厚生などの待遇面が劣る場合が多く、育児休業や手当を受け取れるかが定かではありません。

出産などのライフイベントがあった場合、果たして福利厚生のあまり整っていない派遣社員でも大丈夫なのかと感じる方も多いのでしょう。

男女別に見る結婚の実態

では、本当に派遣社員は結婚できないのか、実際のデータを見てみましょう。

はっきりした数字がないと、派遣社員としては納得できないものがありますよね。

ここからは、派遣社員の男女別に見る結婚率の実態を見ていきましょう。

非正規社員の女性の結婚率は正社員の半分以下

最初に、派遣社員の結婚率についてのデータから紹介します。

日本労働組合総連合会が行った調査結果で、初めて就いた仕事が正規雇用か非正規雇用かで、配偶率をグラフ化したものが公表されました。

(参考:日本労働組合総連合会「非正規雇用で働く女性に関する調査2017」

上記グラフを澪てみると、初めて就いた仕事が正規雇用の人の場合、配偶者がいる割合が70%と半数以上を占めています。つまり、10人中7人が結婚しているということですね。

しかし、派遣社員を含む非正規雇用労働者の場合、配偶者がいる人の割合はなんと30%にも満たないことが分かりました。10人中2人くらいです。

次は子供がいる人の割合を示したグラフを見てみましょう。

上記グラフによると、正規雇用の女性のうち、2人に1人は子供がいることが分かります。

しかし非正規雇用の女性の場合、子供がいる女性はたった2割。つまり5人に1人しか子供がいません。

やはり配偶率に比例して、子供の数も少ないのでしょう。

また、別のデータも見てみましょう。

内閣府男女共同参画局では、「結婚する前に働いていた女性の就業形態」を調査しています。

以下はその資料を参考に、グラフ化したものです。(参考:内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書平成25年版」

上記のグラフでも、正規雇用の女性の方が非正規雇用の女性に比べて結婚率が高く、その差は2倍以上であることが分かりますよね。

このように実際のデータを見ると、派遣社員の女性が結婚できないと言われるのは、単なる迷信ではないような気がしてなりません。

年収が低い男性ほど結婚できないという実態

男性はよく「一家の大黒柱」と例えられ、家計の土台を築く役割を担っていると考えられていますよね。

そして、女性にとって男性の経済力は「結婚する上で非常に大事な要素」だと思われています。

しかし、本当に「年収」と「結婚」は関係性があるのでしょうか。

以下のグラフは、厚生労働省による前年の収入が200万円の女性と、250万円の男性が結婚する確率を100%とした時の「前年の収入と結婚の関係」を表したものです。

(参考:厚生労働省「第10回21世紀成年者縦断調査」

まずは上記左グラフの女性の方を見てみましょう。

女性の場合、年収が高くなるにつれて結婚する確率は確かに上がってはいますが曲線は極めて緩やかで、年収が800万円に到達しても、結婚率は150%には届いていないように見えます。

一方、右グラフの男性の方に注目してみましょう。

男性の場合は収入が高くなるほど、結婚する確率がぐんと高まっていくのが分かりますね。

特に男性の年収が800万円を超えると、30代では結婚率が180%くらいまで上がり、年収1,000万円では結婚率が200%を超えています。

男性の場合、年収と結婚の関係は顕著に表れていますよね。

このデータを見ると、年収が高い人の方が結婚率は非常に高い=年収が低い派遣社員の男性の結婚率は低いということが分かるでしょう。

残念ですが「結婚に大事なのはお金」と言い切れてしまいますね。

一方、派遣社員ならではのメリットも

派遣社員は結婚できないとは言われていますが、必ずしもそうとは限りませんし、派遣社員ならではのメリットもあるのです。

ここでは一般的に派遣社員をすることで得られるメリット・正社員のデメリットを解説します。

 

派遣社員のメリット

派遣社員のメリットを3つ紹介いたします。

自由度が高い

数ある仕事の中からライフスタイルや希望に合った勤務地や勤務時間に合う仕事を探してもらえるうえ、仕事内容も基本契約以外の仕事は発生しないのでプライベートとの時間もしっかり確保できることが多く、自由度が高いです。つまり、子どもの年齢によっては子育てもしやすいといえます。

転勤がない

正社員と違って勤務地・内容・時間は契約以外のことは基本発生しないので、転勤の心配がありません。

さまざまな職種を経験できる

さまざまな仕事や職種を体験できるので、自分のスキルアップも見込めますし、自分に合う職種を見定めることにも役立ちます。

また、さまざまな勤務先を経験することができるので職場ごとに出会いがありますので出会いのチャンスも多いといえます。

正社員のデメリット

派遣社員より正社員の方がプラスの印象に捉えられることが多い傾向がありますが、派遣社員と比較した時に正社員には2つのデメリットがあります。

自由度が低い

正社員は勤務時間外の仕事をする機会が派遣社員よりも多いのでプライベートの時間を確保しにくい場合があります。

さらに正社員であれば業務命令による転勤の可能性があるので、希望の勤務地で必ず働けるとは限らないのです。

責任が多い

人によってメリットでもありデメリットでもある部分といえますがほとんどの場合、正社員になると派遣社員と比べて裁量権が大きく、責任感のある仕事をすることになります。

そのため人によってはそれがストレスや心労につながりやすいのでデメリットともいえます。

このように、派遣社員だからこそ得られるメリットもありますし、正社員にも当然デメリットも存在します。どちらの選択肢が自分に合っているかよく考えてから決断することをお勧めします。

派遣社員から正社員になる方法

派遣社員から正社員になりたいという方はどのようになることができるのでしょうか?

主に手段としては下記のパターンがあります。

紹介予定派遣の派遣社員から直接雇用されてその会社の正社員になる

紹介予定派遣というのは、最大半年間を派遣社員として働き、その後直接雇用になると派遣の雇用形態です。

ただ、派遣期間中は試用期間と同じで、今後直接雇用するに値する人材かが判断されますから、仕事に対する姿勢には気をつける必要があります。

与えられた仕事をきちんとこなし意欲的な姿勢が上司に評価されれば基本的には大丈夫でしょう。

ただ、派遣会社の中での選考に通過するまでも倍率は高いですし、企業側が他の派遣会社にも応募をかけている場合はさらに競合が増えるため、採用されるまでの道のりは長いというデメリットもあります。

一から転職活動をして自力で正社員に転職する

派遣会社に紹介予定派遣を頼らず、自力で正社員に転職するという方法もあります。

入りたい会社が中小企業の正社員であれば、わざわざ紹介予定派遣として派遣社員からスタートしなくても、直接正社員に応募した方が早い可能性が高いのでおすすめです。

派遣社員の方が結婚の流れや手続きなど

派遣社員が結婚した場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか?

ここでは派遣社員が結婚した際の流れや必要になることを解説します。

派遣社員が結婚した際の一般的な流れは下記の通りです。

①派遣会社に報告

②手続きをする

③派遣先や社員・同僚に話しておく

①派遣会社に報告

まず、派遣が結婚をした時には、何かしらの手続きが必要になりますので、雇用主である派遣会社に連絡をします。

②手続きをする

派遣会社に連絡後、契約書や給与明細・社会保険関係等の変更手続きを済ませます。

③派遣先や社員・同僚に話しておく

入籍だけで済ませる場合は1~2ヵ月前には、式を行う場合は3か月程前には会社側に結婚する旨を伝えておきましょう。

派遣社員でも結婚は可能、ただし厳しい実態もある

派遣社員の方でも結婚をできる方はいますし、正社員でも結婚できない人は大勢います。

ただ、実態として派遣社員の将来的な不安は結婚を遠ざけてしまっているという事実が浮き彫りになっています。

特に金銭的な問題は派遣社員のままだと解消は難しい部分もあるので、今後結婚を意識したいと考えている方は正社員への転職も視野に入れてもいいでしょう。