派遣の男女は結婚できないと言われる理由やその実態。ただ女性の場合はメリットも?

派遣社員の悩み

あなたは「派遣の男女は結婚できない」と言われているのを知っていますか。

実際、派遣社員をしている方の多くが、家族や友人から「結婚できないのでは?」と心配されている実情があります。

特に男性が派遣社員をしていると、「彼女が自分の親に自分を紹介してくれない」という話をよく聞耳にするでしょう。

しかし、「派遣社員で働くことは結婚においてデメリットばかりなのか」と言うと、そうではありません。

本記事では、派遣の男女は結婚できないと言われる理由や実態、そして派遣社員で働くことが結婚においてメリットとなる場合についても紹介していきます。

派遣社員の男女は結婚できないと言われる理由

「派遣社員の男女は結婚できないという理由を、イメージで良いので幾つか答えてみて下さい。」と言われたら、あなたは答えられますか。

意外に答えが思いつく人が多いでしょう。そして、答えられるということは、やはり派遣の男女は結婚できないということが認知されているという訳です。

では、具体的に結婚できないと言われる理由を見ていきましょう。

「結婚」の実態について解説

現在の日本は、ニュースなどでも取り上げられている通り、婚姻件数が年々減少しています。そして、現在も減り続けているため、今後は更なる減少が懸念されているのです。

実際に厚生労働省が発表した婚姻件数について確認していきましょう。

出典元:厚生労働省「婚姻件数及び婚姻率(人口千対)の年次推移 -昭和 22~平成 27 年-」

昭和23年は「第1次婚姻ブーム」が発生して95万組と多かったのですが、翌年の昭和24年になると婚姻は急激に減少しました。

昭和40以降になると年々増加していくものの、昭和50年の手前で頭打ちとなって、それ以降は減少傾向が続いています。

そして、平成6年以降は増減を繰り返しながらも少しずつ減少し、平成21年以降はどんどん下落しているのが分かるでしょう。

このように日本の結婚の実態は、派遣や正社員といった雇用形態に関わらず減少しているというのが実情です。

正社員に比べて年収が圧倒的に低い

派遣社員は正社員に比べて圧倒的に年収が低いです。

実際にどれだけの年収差があるのか、30代前半の正社員と派遣社員の年収で比較してみましょう。

厚生労働省のデータによると、30代前半の正社員の平均年収は、約430万円

それに対し、例えば時給1,500円の派遣社員の場合、年収は約310万円しかありません。

年収が100万円以上も違うのは、派遣社員には昇給や昇格がほぼなく、ボーナスもないからです。ちなみに退職金もありません。

派遣社員の年収について詳しくは以下の記事を参考にして下さい。

派遣社員の年収は平均でいくらくらい?やっぱり200万円、多くても300万円台?
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将来が不安

雇用が常に不安定なので「仕事がいつ途絶えるかを気にしてしまう」といった不安を抱える方もたくさんいます。

独身であれば誰かの人生を背負うような「責任」がないので、もし雇用が不安定でも何とか行き当たりばったりの人生を送ることもできるでしょう。

しかし家庭を持つことは、相手と人生を共にすることになるので、行き当たりばったりというわけにはいきません。

ただ、派遣社員はいつ契約が打ち切られてしまうか正直分からないですし、次の会社が保障されているわけでもありませんので、不安は切っても切り離せないのが現状でしょう。

共働きしないとやっていけない

次に、相手が派遣社員の場合は年収が低いため、共働きしないとやっていけないという理由です。

結婚して家を購入する場合や、子供が生まれた場合、もしくは老後の生活を考えた時に、派遣社員の配偶者の収入だけを頼りにするようでは到底生活できないと考える方が多いのでしょう。

今の時代は共働きしている夫婦の方が多いですが、一生共働きだと最初から分かっていると、中々結婚の意志が固まらないという人も沢山いますよね。

彼氏、彼女が派遣だと親に言いにくい、世間体が気になる

「相手が派遣社員だと周りに紹介するのに気が引ける」という方も結構多いでしょう。

特に、彼氏が派遣社員だった場合はとても言いづらいという心理があります。

今の時代は共働きしている夫婦の方が多いですが、60代以降の世間体を気にする世代では「男は働き、女は家庭に入る」という固定観念がある方もたくさんいるので「娘が苦労する」ことを良しとしないという親もまだ多い傾向にありますし、身内にも言いにくいのでしょう。

やはり年収が良いところに娘を嫁に行かせたい、生活が潤っているところに行かせたいというのはどの親も同じではないでしょうか。

長くても3年しか働けないため出会いがないことも

派遣社員は長くても3年間しか同じ職場で働けないため、出会いがないということもあります。

最初から「長くいる人ではない」と周知されているので、会社の人間関係が深まる機会があまりありません。

しかしながら、なかには正社員と派遣社員と分けずにせってくれる方がいたり、部署で飲み会を開いてくれたり、そして派遣同士の交流を仕切ってくれる方もいます。

そのため、一概に会社の人と仲良くなる機会がないとは言い切れないでしょう。

男女別に見る結婚の実態

では、本当に派遣社員は結婚できないのか、実際のデータを見てみましょう。

はっきりした数字がないと、派遣社員としては納得できないものがありますよね。

ここからは、派遣社員の男女別に見る結婚率の実態を見ていきましょう。

非正規社員の女性の結婚率は正社員の半分以下

最初に、派遣社員の結婚率についてのデータから紹介します。

日本労働組合総連合会が行った調査結果で、初めて就いた仕事が正規雇用か非正規雇用かで、配偶率をグラフ化したものが公表されました。

(参考:日本労働組合総連合会「非正規雇用で働く女性に関する調査2017」

上記グラフを澪てみると、初めて就いた仕事が正規雇用の人の場合、配偶者がいる割合が70%と半数以上を占めています。つまり、10人中7人が結婚しているということです。

しかし、派遣社員を含む非正規雇用労働者の場合、配偶者がいる人の割合はなんと30%にも満たないことが分かりました。10人中2人くらいです。

次は子供がいる人の割合を示したグラフを見てみましょう。

上記グラフによると、正規雇用の女性のうち、2人に1人は子供がいることが分かります。

しかし非正規雇用の女性の場合、子供がいる女性はたった2割。つまり5人に1人しか子供がいません。

やはり配偶率に比例して、子供の数も少ないのでしょう。

また、別のデータも見てみましょう。

内閣府男女共同参画局では、「結婚する前に働いていた女性の就業形態」を調査しています。

以下はその資料を参考に、グラフ化したものです。(参考:内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書平成25年版」

上記のグラフでも、正規雇用の女性の方が非正規雇用の女性に比べて結婚率が高く、その差は2倍以上であることが分かります。

このように実際のデータを見ると、派遣社員の女性が結婚できないと言われるのは、単なる迷信ではないような気がしてなりません。

年収が低い男性ほど結婚できないという実態

男性はよく「一家の大黒柱」と例えられ、家計の土台を築く役割を担っていると考えられています。

そして、女性にとって男性の経済力は「結婚する上で非常に大事な要素」だと思われています。

しかし、本当に「年収」と「結婚」は関係性があるのでしょうか。

以下のグラフは、厚生労働省による前年の収入が200万円の女性と、250万円の男性が結婚する確率を100%とした時の「前年の収入と結婚の関係」を表したものです。

(参考:厚生労働省「第10回21世紀成年者縦断調査」

まずは上記左グラフの女性の方を見てみましょう。

女性の場合、年収が高くなるにつれて結婚する確率は確かに上がってはいますが曲線は極めて緩やかで、年収が800万円に到達しても、結婚率は150%には届いていないように見えます。

一方、右グラフの男性の方に注目してみましょう。

男性の場合は収入が高くなるほど、結婚する確率がぐんと高まっていくのが分かります。

特に男性の年収が800万円を超えると、30代では結婚率が180%くらいまで上がり、年収1,000万円では結婚率が200%を超えています。

男性の場合、年収と結婚の関係は顕著に表れています。

このデータを見ると、年収が高い方が結婚率は非常に高い=年収が低い派遣社員の男性の結婚率は低いということが分かるでしょう。

残念ですが「結婚に大事なのはお金」と言い切れてしまいます。

派遣が結婚できないとされる原因は年収以外にもある

派遣は年収以外にも以下の点で正社員よりも結婚に不向きとされています。

  • 昇給・昇格がほぼ無い
  • 育休・手当などが取得できるか分からない

まず、派遣社員は契約時の時給が支払われるだけで、その後の昇給や昇格はほぼ期待できません。また、育休やその他の手当なども取得できないケースが多いので、これらの点が結婚に不向きを思られたり、不安を感じたりするのでしょう。

一方、派遣にはメリットもある

派遣社員は結婚できないとは言われていますが、必ずしもそうとは限りません。

派遣社員ならではのメリットや正社員だからこそ結婚に向かない理由があるのです。

では、派遣は結婚するにあたって何がメリットなのか、正社員は結婚するにあたって何がデメリットなのか解説します。

派遣は出会いが多く自由度が高い

派遣の結婚におけるメリットは以下の2つです。

  • 出会いが多い
  • 自由度が高い

まず、派遣社員は様々な勤務先に移動するため、各職場で新しい出会いがあります。中には、異性が多い職場もあるので、いつも同じ職場に勤務する正社員の方よりも出会いが多い傾向があるのです。

また、派遣社員は正社員と比べると自由な働きかができるメリットがあります。勤務先や勤務時間の要望が出しやすいので、パートナーに合わせて働けるというのが大きな特長です。結婚相手と仕事の正で生活スタイルが合わないという心配が少なくなるでしょう。

このように、派遣社員は出会いの多さや自由度の高い働き方ができるため、一概に結婚に不向きという訳ではないのです。

正社員は出会いが少なく自由度が低い

正社員の結婚におけるデメリットは以下の2つです。

  • 出会いが少ない
  • 自由度が低い

まず、正社員は一度就職すれば基本的には新しい職場に移動することはありません。

そのため、その職場に異性が少ないと、何年経っても恋人ができないというデメリットがあります。

実際、社会人の多くが新しい出会いがないと嘆いている実情があります。

また、正社員は勤務先や勤務時間などを自由に選べないので、結婚相手の仕事や家庭環境と合わなければ、どんなに好きな相手でも結婚を断念せざるを得ない可能性があるのです。

このように、正社員は出会いが少なかったり自由な働き方ができなかったりするため、一概に結婚に有利という訳では在りません。

派遣社員から正社員になる2つの方法

派遣社員から正社員になる方法としては以下の2つが挙げられます。

 紹介予定派遣
 常用型派遣

紹介予定派遣

1つ目の正社員への目指し方は、紹介予定派遣に登録する方法です。

紹介予定派遣とは、正社員になるのを前提に派遣登録をして、最長6か月間は派遣社員として派遣先の企業で働きます。そして契約期間が終了したら、派遣社員と派遣先企業の合意の下、派遣先企業で正社員になるというものです。

実際に職場環境を確かめてから正社員になるか選択できるので、「働いたらイメージと違った」という失敗がないのがメリットとなります。

同じ紹介予定派遣と言っても、取り扱っている求人には違いがあるので、派遣会社を選ぶ際は複数の紹介予定派遣を調べて応募してみてください。

常用型派遣

2つ目の正社員への目指し方は常用型派遣に登録する方法です。

常用型派遣とは、派遣会社で正社員となって常用先の企業に派遣されて働くというものになります。派遣会社の正社員なので、当然福利厚生や昇給・ボーナスといった待遇も受けられるのです。

くわえて、登録型派遣よりも社会的な安定が得られるので、結婚を意識する方にはおすすめの方法となります。

派遣の結婚の手続き

派遣社員が結婚した場合は契約書や保険など、様々な手続きがあります。また、手当や休暇などはないのが一般的です。ここでは、これらの点について詳しく解説します。

契約書・保険などの手続き

派遣が結婚した場合は契約書・給料明細・社会保険料などの変更手続きが必要です。

そのため、結婚が決まったら早い段階で雇用主である派遣元の会社に伝えてください。派遣元の営業担当者に連絡した後で、相談しながら派遣先の上司や同僚に結婚する旨を伝えましょう。

また、入籍だけの場合は1~2か月前までに報告して、挙式披露宴を行う場合は3か月前までに報告するのが一般的となります。

手当・休暇はないのが一般的

一般的な会社では、結婚手当・結婚休暇といった福利厚生が用意されているケースがあります。しかし派遣社員の場合は、これらの福利厚生は利用できない仕組みとなっています。

加えて、忌引き休暇などもないことが一般的なので、新婚旅行などは有給か欠勤扱いとなるのがデメリットです。そのため、長期休暇となる場合には周囲への報告といった配慮が不可欠となります。

このように、派遣社員の場合は必要な手続きがある一方で、利用できな福利厚生などもあるので、結婚前にしっかりと確認して、スムーズな手続きと周囲への配慮に意識を向ける必要があるのです。派遣社員の結婚事情を理解して、将来設計に合わせた選択が重要となります。