「正社員と違って、派遣社員は楽そう」というイメージはありませんか。
もしかすると元々正社員で自分が残業だらけの中、定時で上がる隣のデスクの派遣社員たちを見て「派遣は暇そうでいいな」と思って、派遣社員に転職した人もいるかもしれませんね。
しかし、派遣社員でも「仕事が忙しすぎてもう辞めたい」という人も沢山います。
「仕事は忙しい方が好き」という声も聞きますが、「忙しすぎる」のでは辛くなってしまいますよね。
本記事では、派遣社員なのに忙しすぎて辞めたいという人に注目し、よく多忙だと聞く派遣の仕事や、派遣先が忙しすぎて辞めたいと思った時にすべきこと、会社選びの際のポイントなど詳しく紹介します。
派遣社員から正社員を目指すなら通常の転職サイトよりもサポートが充実した転職エージェントを使うのがおすすめです。
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派遣社員なのに社員並みに忙しいことはある
そもそも楽をしたくて派遣を選んだのに、派遣先が決まっていざ仕事が始まったら「こんなに忙しいものか」と思うほど忙しすぎるということはよくある話です。
派遣先を紹介してもらった時に、派遣会社の担当者に「忙しい職場です」と聞いていたならある程度覚悟できたのに、何も聞いていなかったのならその忙しさに驚くばかりでしょう。
ただ、この「忙しいか否か」は派遣先によって大分変わります。
実際に私の場合も、派遣会社から「忙しい」とは聞いていませんでしたが、繁忙期の忙しさは尋常ではなく、毎日くたくたになって帰る日々でした。決して大げさではなく、社員並みに多忙で、しかも繁忙期は半年以上続いたのです。
一方、私の友人の派遣先は「暇で暇で仕方ない」という職場に派遣され、私からすると羨ましい限りでしたが、彼女からすればそれもまた辛いようでした。
このように、同じ派遣社員でも、派遣先によって忙しさは全く違います。
なぜ派遣なのに忙しい事態が発生するのか
ではなぜ、派遣社員であっても「忙しすぎる」という事態が発生するのでしょうか?
主に以下の理由が考えられます。
人手不足が要因
まず人手不足が大きな要因として考えられます。
正社員の採用も進まず、人手不足のところを労働力の補充として派遣社員を雇っている会社も多くあります。
そのため、派遣社員に任せる仕事の量・幅は非常に多く、その分派遣社員の方の負担が大きくなってしまうのです。
派遣先企業の管理不足
派遣先の企業側の管理不足も要因として考えられます。
管理ができていないことで「そもそも業務の配分が人によって異なる」「派遣社員の方の業務の状態に気が付いていない」というケースも出てきてしまいます。
とりあえず派遣社員の方に仕事を何でも投げてしまうという管理体制だと、どうしても負担が集中してしまいます。
気がついたら社員と同じ仕事をしている
派遣社員として入ったのにしている社員と同じ仕事をしている場合は当然のことながら派遣社員としての領域を超えた内容となるので忙しくなります。
本来するべき仕事じゃない場合は「なぜ自分がこの仕事をするのか」などをしっかり確認することが大事です。
直接派遣先の人に確認しにくい場合は派遣会社経由で確認すると良いでしょう。
派遣なのに忙しすぎると聞く派遣の仕事
「派遣社員として入社したけど、社員並みに忙しすぎる」という仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでの「社員並みに忙しすぎる」とは、「もはや派遣社員と正社員の境目がないに近い」ことを意味しています。
ここからは、体験談をもとにして「派遣なのに忙しすぎる」仕事をいくつか見ていきましょう。
WEBデザイン
出版系は常に締切に追われる毎日で、特に新規の受注が多い会社ほど多忙な傾向にあります。
私の友人もWEBデザイナーとして派遣されていましたが、定時に上がることはまずないと言っていましたし、19時に帰れたら「今日は非常に早く帰れた」と感じるようです。
締め切り前は特に尋常じゃない忙しさで、完成しては修正指示があり、夜中の1時まで残業をするということが恒例だと言っていました。
一方、新規受注ではなく「既存のデザインの更新」をすることが中心である会社では少ない残業時間で済む傾向にあります。
彼女は「忙しすぎるから辞めたい」と私に会うたびに言っていますが、その分大手企業からの受注など達成感があったり、時給も2,000円と高いため中々退職に踏み切れないそうです。
広告代理店
私は以前から、漠然と「広告代理店の仕事は忙しい」とよく聞いていましたがが、やはり広告代理店は忙しすぎるようです。
私の友人の旦那さんがまさに広告代理店の営業をしているのですが、仕事内容は飲食店のクライアントの要望に対して広告内容の提案をしたり、広告のコンセプトなどの大枠を決めてデザイン会社に発注することを主にしています。
土日祝の休日出勤は当たり前だし、月70時間は残業で会社で日の出を見ることも多いと言っていました。
残業時間を削減する動きはありますが、元々業界全体として残業が多かったのでその名残で未だに残業時間が多い会社は残っています。
プログラマー
私の学生時代の同僚が最近、プログラマーに転職しましたが、忙しい時とそうでもない時が激しいそうです。
つい最近まで怒涛の日々だったのは、4月に発表された新元号の「令和」に伴って、各会社からシステムの元号を「平成31年5月」にならないように書き換えていくという作業に追われ、残業の毎日に疲れ果てたと言っていました。
彼の場合は、何かイベントが起きた時やアプリでバグが出た時の修正など、システムを書き換えて更新しなければならない作業に追われている毎日で、多忙な時期は月に60時間は残業しているようです。
マスコミ系
派遣社員でアシスタントディレクターとして、テレビ番組の制作に関わっている知人がいますが、かなり多忙なようです。
取材の下準備からスタッフの食事の手配、映像の編集やスケジュール管理等、派遣社員であることを忘れるくらい忙しく、しかも結構怒られると言っていました。
知人は派遣社員として経験を積んで、ゆくゆくは正社員を目指しているので下積みだと思っているから日々頑張れているようですが、そのような目標がない人には非常にしんどいでしょう。
コールセンター系
コールセンター業務もかなり忙しい部類の仕事に入ります。
電話の受付時間は決められているので残業が多く発生するということは少ないですが、勤務時間中は電話対応をずっとしていなければならず、会社によってはノルマも課されるケースもあります。
また、クレーム対応などは相手から罵倒されることもあるため、肉体的な疲労よりも精神的な疲労で辞めていってしまう人が多い業界です。
派遣先が忙しくて辞めたいと思った時にすべきこと
最初はやる気に満ちて仕事をしていても、忙し過ぎて体がついていかなかったり、楽しそうだから選んだだけで、正直こんなに忙しいとは思わなかったと思う人は多いです。
では「こんなに忙しいならもう辞めたい」となってしまった場合はどうしたら良いのでしょうか。
ここからは、派遣の仕事が忙しすぎて辞めたいと思った時にすべきことを紹介します。
派遣会社に相談し、改善するかを見る
まずは派遣会社に忙しい現状を相談し、改善されるか見ましょう。
派遣会社から最初に忙しい会社だと聞いていたけれど、想像以上だったという場合は「想像以上に忙しくて、正直言って辛いです。」と正直に伝えるのが良いですね。
もし仕事紹介の際に、派遣会社から多忙なことを全く知らされていなかった場合は「こんなに忙しいとは少しも聞いていなかったので…。」と一言加えてみましょう。
本来、派遣会社は前もってどんな職場か情報提供をしてくれるので、それがなかったのであれば、派遣会社の担当者から派遣先に状況の確認をし、責任をもって対処してくれるはずです。
まずは状況が改善するか見るために、派遣会社に相談してみましょう。
過度に頑張り過ぎない
仕事を頑張るのは良いことですが、忙しすぎる時に過度に頑張り過ぎると、派遣先からもっと多くの仕事を任されることになり兼ねません。
実際に私も多忙な時期に無理をして仕事をしていたら「この人は残業もしてくれるし、仕事を与えた分だけしてくれる。」と思われて、大量の仕事を任されてしまいました。
派遣先にとっては、派遣社員が無理をしていても気づかないでしょうし、たとえ無理をしていると分かっていても、仕事を引き受けてくれるうちは依頼するということがほとんどです。
過度に頑張り過ぎると疲れるのは自分ですし、悲しいことにいくら頑張っても派遣社員は出世しません。
派遣先を変える
次の更新のタイミングで派遣先を変えるというのも一つの手段です。
もし今の時給と仕事量が見合ってないのであれば、それに見合った時給の派遣先を選ぶ方がずっと良いでしょう。
私が忙しすぎる職場だった時、他にも派遣社員は沢山いましたが、同じ仕事をしていても時給が派遣元によって違いました。
同じ仕事をしているのに、派遣会社によって時給が違うので、もしかしたら今の時給では損をしているかもしれません。
他の派遣先で同じ業種の求人を探したら、今よりずっと時給が高かったなんていうこともあるのです。
派遣なのに忙しすぎて辞めたいとなった場合、他の派遣先では時給いくらになっているのかを見てみると良いでしょう。
有給を使って転職活動をする
忙しすぎて心身ともにストレスが溜まっているようでしたら潔く転職するのもおすすめです。
派遣社員も有給休暇はありますので、当然の権利として有給を使って転職活動に充てるのが良いでしょう。
面接などは平日の昼間の時間に入ることが多いですので、派遣社員の中には有給を使わないと面接に行くことすらできない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
有給は派遣社員の方も当然の権利として使えますので、躊躇なく使って転職活動に充てることで充実した転職活動ができるでしょう。
正社員の道も考える
派遣社員には派遣社員のメリットもありますが、待遇面では正社員のほうが良い場合がほとんどです。
「正社員=忙しい」というイメージを持つ方も多いですが、それは会社次第といえ、正社員になることで待遇・雇用も安定するなどのメリットが多くなり、長期的目線で考えると正社員のほうが良い可能性もあります。
正社員であっても派遣よりも仕事量が少なく、待遇が圧倒的に良い正社員に就職することも会社によってはできるのです。
派遣先企業を転々とするのではなく、正社員の道を考えることも一つの手と言えます。
派遣社員と正社員双方のメリット・デメリットを確認したうえで自分に向いている方を選びましょう。
派遣社員のメリット
- ライフスタイルに合わせて働きやすい
- 様々な業種を経験できる
正社員のように拘束力が強くないのである程度自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
また、派遣社員は定期的に派遣先を変えることも正社員よりはハードルが低いこともあり、色々な業界や業種での経験を積むことができます。
派遣社員のデメリット
- 雇用が不安定
- 収入が不安定
派遣社員のデメリットとしてはやはり雇用が不安定になるということです。
人件費の削減などをする場合に正社員よりも候補に上がりやすいのが派遣社員やアルバイト・パートの方達となるので、急に仕事がなくなってしまうというリスクはなくなりません。
正社員のメリット
- 雇用が安定
- 給与や待遇が良い場合が多い
- 収入が安定する
正社員のメリットとしては雇用が安定しており、福利厚生や収入面での充実が挙げられます。
特に収入面で考えると日本は年功序列制度の色がまだかなり根付いているため、仕事で実績を上げられなったとしても毎年給料が上がるということもあります。
その会社にいる限りは年々給料が上がっていくため、時給が上がりにくい派遣社員と比べると段々その差は開いていくこととなります。
正社員のデメリット
- 責任や裁量権が大きいので人によってはストレス
- 転勤のリスクがある
正社員は当然のことながら責任が重くなります。
上手にその責任と付き合える方ならむしろメリットにもなりうるのですが、あまり責任を追うのは好きではないという方には荷が重いポジションになってしまいます。
また、会社からの辞令が出たらそれに従う必要があるため、全国に事業所がある会社は転勤するのも珍しくありません。
会社によってはあえて定期的に転勤させるシステム(ジョブローテーションなど)を取り入れているところもあるので、転勤は絶対したくないと考えている人は正社員として入る会社に転勤がどのくらいあるのかをしっかり調べてから入社するようにしましょう。
派遣先が忙しい、辞めたいという人が派遣先を選ぶ時のポイント
派遣先が思っていた忙しさと違っていたら、何が原因だったのかを振り返ってみましょう。
原因は自分の確認不足だったのか、それとも派遣会社の伝えミスなのか…。
そして、今後「忙しすぎて辞めたい」とならないためには、どのようなことに注意して仕事を選べば良いのかを知っておくことが大事ですね。
ここからは、派遣先を選ぶ時のポイントを紹介します。
本当に働きやすい派遣先を選ぶポイント・コツ
「本当に働きやすい職場」とはどのような職場でしょうか?
働きやすい優良企業の特徴は以下の特徴があることが多いです。
①スキル・経験・実績を評価される制度がある
②選考に時間をかける
派遣社員の方が忙しい事態が発生する要因として派遣先企業の管理不足も要因として挙げられましたが、制度がしっかり整っていてその制度が活用されていれば管理もしっかりされていることが多いです。
また、選考に時間をかけず即日で決まる会社は人手が足りず、焦っていることが多いですが、逆に選考に時間をかけている企業は人手が足りていて余裕である可能性が高いのです。
求人情報から企業の特徴をよく見る
まずは派遣会社から仕事紹介をされた時に、口頭だけの説明ではなく、実際の求人を良くみることをお勧めします。
私がよくするのは、その企業のホームページの「社員の募集要項」を見たり、他社の派遣会社の求人サイトで、同じ職場の求人情報を見ることです。
注意が必要なブラック企業のよくある宣伝文句
- 「やりがいを持って働ける会社です」
- 「急募!」
このように求人に「一人一人がやりがいを持っていきいきと働いています」と書かれていたり、「急募」と書いてある場合は要注意である可能性が高いです。
何故なら「やりがい」を感じやすいということはそれだけ責任が大きかったり仕事が多いからこそという見方もできますし、「急募」ということは人手不足である場合が多いからです。
また、顔合わせの際に派遣先の上司から「体力には自信がありますか」と聞かれたり、粘り強さを重視するような質問があった場合は、派遣先が多忙で残業が多いかもしれません。
派遣会社に質問するべきことを普段から考えておく
派遣会社から仕事の紹介を電話でされた時は、ざっと「業務内容、勤務地、就業時間、時給」を言われることが多いです。
「何かここまでで質問はありませんか。」と聞かれると思いますので、すかさず「普段から忙しい会社か」、「繁忙期の残業時間はどのくらいか」を聞くと良いでしょう。
担当者がすぐに答えられなければ、調べて折り返してくれるはずです。
派遣会社からしっかりと説明があれば良いのですが、詳しく聞かないと説明してくれない担当者も多いので、こちらから積極的に質問し、普段から聞くべきことをまとめておくのが良いでしょう。
短期更新から始める
最初の更新月は2、3か月後という派遣先は多いですが、その後の更新が急に長くなり半年後というところもあります。
最初は「これならきっと続けられる」と思って更新しても、更新してから繁忙期が来て、想像以上の激務に辛い日々を送るかもしれません。
特に未経験OKの場合で、初めての挑戦であるような仕事の場合はできるだけ短期更新をしている会社を選ぶと良いでしょう。
自分の職種の平均時給を知る
仕事に応募する前に、自分の職種の平均時給を知っておくことは非常に大事なことです。
私の友人はあまりにも多忙で「辞めたい」と思った時に、他の求人を見たら実はもっと時給が高かったようで「時給が他より低かったのにこんなに頑張って馬鹿みたいだった」と言っていました。
あらかじめ「この仕事に対してこの時給が妥当なのか」を知っておけば、自分が辛くても「こんなものだ」と納得できるかもしれませんが、そうでなかったら友人のように「労力と時間の無駄だった」と思ってしまうかもしれません。
派遣の平均時給は職種によっても地域によっても大きく異なりますので、自分の職種の平均時給を知っておきましょう。
派遣の平均時給について、詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
忙し過ぎて辛いなら早めの転職を
今回は、派遣なのに仕事が忙しすぎて辞めたいという人に注目して、辞めたいと思った時にすべきことなどを紹介しました。
派遣先が尋常じゃないくらい忙しい時は、決して無理をしないで下さいね。
「せっかく仕事に就けたのだから」と頑張りたい気持ちは分かりますが、ストレスフルな状態で働くのは、長い目で見ると危険なことでもあります。
心身共に健康な状態でなければ仕事は続きません。辛いということは自分が一番分かっているはずです。もし辛いと思ったら派遣会社に相談するなどして、早めに転職の道を進んでいきましょう。
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