派遣の知識を頭に入れていくと「26業務」という言葉を見かけませんか。
特に派遣社員の場合「同じ職場で3年を超えて働けない」というルールがあり、その時にもこの「26業務」という言葉が出てくるのではないかと思います。
私も最初は無知でしたが「実は自分の業務が26業務に該当していた可能性もある」ということに初めて気づきました。
本記事では派遣の26業務について、派遣社員が3年を超えて働けなくなった理由や、その影響を受けての実態、そして3年を超えて長く働けるための方法を詳しく説明します。
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派遣の26業務とは
派遣の26業務とは政令で定められている業務で、厚生労働省では以下のように述べています。
○ 以下のいずれかに該当し、かつ、常用代替との関係で問題がないものとして政令で定める業務を、いわゆる「26業務」という。
① 「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」
② 「その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務」
つまり、専門的な知識や技術を駆使する必要があり、労働者の作業の仕方によっては成果が変わるような専門性の高い業務のことですね。
以下は26業務に該当する業務の一覧です。(参考:厚生労働省「政令で定める26業務」)
1. ソフトウェア開発 | 11. 貿易関係 | 21.インテリアコーディネーター 関係 |
2. 機械設計関係 | 12. デモンストレーション関係 | 22. アナウンサー関係 |
3. 放送機器操作関係 | 13. 添乗関係 | 23. OAインストラクション関係 |
4. 放送番組等の 制作関係 |
14. 建築物清掃関係 | 24. テレマーケティングの 営業関係 |
5. 事務用機器操作関係 | 15. 建築設備運転等関係 | 25. セールスエンジニアの営業、 金融商品の営業関係 |
6. 通訳、翻訳、 速記関係 |
16. 受付、案内、 駐車場管理等関係 |
26. 放送番組等における大道具、 小道具関係 |
7. 秘書関係 | 17. 研究開発関係 | |
8. ファイリング関係 | 18. 事業の実施体制の企画、 立案関係 |
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9. 調査関係 | 19. 書籍等の制作、編集関係 | |
10. 財務関係 | 20. 広告デザイン関係 |
確かに専門的な知識や技術が必要となる業務ばかりですね。
なぜ26業務は3年以上働けなくなったのか
労働者派遣法により「派遣は最大3年間までしか同じ職場で働けない」という規定は派遣社員であれば知っている人が多いでしょう。
ただ、26業務に関しては、もともと派遣期間の制限はありませんでした。
しかし2015年9月30日に派遣法が改正になり、専門26業務も派遣期間の最大期間が3年までと定められてしまったのです。
そもそも最大期間を3年間までと定めた政府の目的は何でしょうか。
実は政府としては以下の2つの狙いがありました。
- 就業期間に3年という制限を設けることで、その後は派遣先にて雇用継続を図るべきとする
- 派遣先が雇用継続を図るのが無理なら、派遣会社が何とか雇用継続の措置を取るべきとする
つまり、雇用が不安定な派遣社員の雇用の安定を図るためだったのですね。
26業務の人が3年満期を迎える前に派遣会社がすべきこと
派遣社員の雇用の安定を図るために、3年を限度として派遣法が改正されたわけですが、実際に満期を迎える前に派遣会社はどのような措置を取ってくれるのでしょうか。
厚生労働省では、派遣会社が講ずべき措置について、以下のように述べています。(参考:厚生労働省「派遣で働く皆様へ」)
- 派遣先への直接雇用の依頼
- 新たな派遣先の提供
- 派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用
- その他雇用の安定を図るための措置
上記4つについて具体的に見ていきましょう。
派遣先への直接雇用の依頼
最初に、同じ職場で3年を経過した派遣社員を、派遣先に直接雇用してもらえないか依頼をすることが挙げられています。
もちろん派遣社員としては、直接雇用されるに越したことはありませんよね。これまでのキャリアも継続出来ますし、待遇だって良くなることが多いでしょう。
しかし、直接雇用される確率は非常に低いのが現状なのです。
新たな派遣先の提供
3年経過した派遣社員に対し、次の派遣先を提供することが挙げられています。
派遣会社は派遣するのが仕事ですから、当然と言えば当然のような気がしますね。
ただ、もちろん自分の能力や経験等に見合った業務しか紹介されません。
派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用
これは、これまで派遣社員として期間限定で働いていましたが、3年を機会に派遣会社の「無期雇用」に転換するという措置です。
ただ、無期雇用と言っても正社員になれるとは限らないので、契約社員だったり準社員という位置付けかもしれません。
その他雇用の安定を図るための措置
これは、派遣社員に対してキャリア形成を念頭に置いた教育訓練を実施したり、紹介予定派遣を紹介することなど、雇用の安定を図るためのものが該当します。
このように、3年満期を迎える派遣社員に対して、派遣会社がとるべき措置はこれらの4つの方法がありますが、「派遣社員が希望すればこれらの措置をとるように努めること」と決められているので、派遣社員が希望しないと派遣会社からは提供してくれないことがほとんどです。
つまり「直接雇用の依頼をかけてほしい」と言わなければ、依頼してくれません。
派遣法改正が起こした26業務の派遣切りの実態
政府が派遣社員のために雇用の安定を促進しようと、良かれと思って行った派遣法改正によって、どのようなことが起こったのでしょうか。
以下は産経ニュースで取り上げられた記事の引用文です。
「同じ職場は3年まで」 雇い止め増える懸念
派遣労働者が同じ職場で働ける期間を最長3年とした改正労働者派遣法が30日で施行から3年を迎える。改正法には派遣労働者の正社員化を促す狙いがあったが、人件費が増す直接雇用の形で雇い続けることには慎重な企業が少なくないのが実情だ。長く同じ職場で働いてきた派遣社員が雇い止めとなる「派遣切り」も出始めている。
派遣先の企業には直接雇用の義務はなく、3年たったら別の派遣社員に切り替えることも可能なため、正社員化は期待されたようには進んでいない。
電気通信業のQTnet(福岡市)は現在、直接雇用や派遣会社の無期雇用への切り替えを進めているという。ただし直接雇用の場合も「まずは正社員でなく契約社員とする例が多い」。福岡県の金融機関の担当者は「人件費も増すのでなかなか直接雇用には替えられない」と漏らした。
上記の記事のように、雇用の安定を図ろうとした政府側の意図に反して、実際のところ派遣切りが増えていることが分かりますね。
他にも「現在も3年すら働けるという保証はないのに、さらに弱い立場になってしまう」と嘆く人は多いという記事が沢山ありました。
企業側としても、直接雇用に切り替えるのは人件費も増すため中々できないといった現状もあります。
また、26業務では専門性が高い業務である故に、地域によっては同じ職種の派遣先が少ないという問題もあるようです。
26業務の人が3年以上働く方法
せっかく高いスキルを持っていても、同じ職場で3年間しか働けないなんて将来が不安で仕方ありませんよね。
では、少しでも長く働けるにはどうしたら良いのでしょうか。
ここからは、26業務の人が3年以上働く方法を考えていきます。
無期雇用派遣(常用型派遣)として働く
登録型派遣は期間に定めのある働き方ですが、無期雇用派遣として派遣会社に常用雇用されれば、期間に定めなく働けるので、3年を超えて就労することができます。
この無期雇用派遣は「常用型派遣」とも呼ばれていますが、登録型派遣とは違って月給制で、たとえ派遣期間が終了しても次の派遣先が見つかるまで給料が貰えるので雇用が安定していると言えるでしょう。
無期雇用派遣について詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
紹介予定派遣として働く
紹介予定派遣として、派遣先の直接雇用を前提とした働き方を狙うのも良いでしょう。
派遣先の直接雇用になれば、その会社でずっと働くことができますよね。
派遣社員として最大半年間働けば、会社直接雇用になれる可能性が高いですし、紹介予定派遣は、大手企業に採用されるチャンスでもあります。
実際に私の知人で大手企業に紹介予定派遣として派遣され、半年後に契約社員、入社からわずか2年で正社員になった人がいるのです。
紹介予定派遣について詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
スキルアップして独立するのもあり
自分の知識や技術をさらに磨いて独立するのもありでしょう。
私の友人はソフトウェア開発の業務に従事していますが、3年と同時に独立するという目標を持って、日々スキルアップに励んでいます。
専門性が高い仕事なので今でも時給は高いようですが、独立した方が今よりもっと収入を得られるようです。
専門性を強みにして転職する
3年間転々としていては不安が消えないという場合は、派遣社員という雇用形態自体を辞めて、正社員に転職するのもありです。
これまで26業務に就いてきたということは、それなりに高い技術や経験を身に付けている人が多いですから、転職するにあたって自分をアピールしやすいというメリットもあります。
26業務で働く派遣社員の場合、業務によっては時給が非常に高いことも多いですが、その分正社員になればもっと良い待遇で働ける可能性も高いです。
このまま転職せずに先行きに不安を感じながら過ごすよりは、自分のスキルを活かしてもっと良い環境に身を置くことも視野に入れてみましょう。
派遣社員から正社員になる方法について、詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
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