派遣社員は派遣契約で決められた期間に働くことが一般的で、派遣社員と派遣先の双方が合意した場合に派遣契約の更新が行われます。
派遣社員として今の派遣先で長く働きたいと思っている場合は、更新の連絡が来るのが待ち遠しいものです。
しかし、派遣で働く方に多いのが、契約更新の連絡が更新期限ギリギリまで来ないケースや更新通知が遅れるケースで、もっと長く働きたいと思っている派遣社員としては「更新されないのでは?」と気を揉んでしまいます。
更新を希望している派遣社員にとっては不安材料となるでしょう。
そこで、派遣契約更新の連絡がギリギリまで来ないのはなぜなのか、更新通知が遅れる理由も併せて解説していきます。
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派遣社員の契約更新は何ヶ月くらい前に通知するのが一般的なのか
有期雇用の派遣は、契約期間が終了すると新しく派遣先を探して働くようになります。
派遣社員の中には「今の派遣先でできるだけ長く働きたい」と思っている方もいて、契約更新の通知を心待ちにしている方もいることでしょう。
派遣契約の内容に関わらず派遣の契約更新は、契約期限の1ヶ月程度前に派遣会社から通知されることが一般的です。
派遣会社によって更新通知は45~30日前と開きがある
遅くとも1ヶ月ほど前までの通知がほとんどですが、派遣会社によって45~30日前と若干の開きがあるのも実情です。
派遣会社のスタッフサービスによると、以下のように契約期限の45日前から派遣社員に更新の意思を確認し、派遣先企業には契約期限の30日前までに確認を取るとしています。
Q.現在3ヶ月更新の契約で派遣就業しています。派遣の更新や終了はいつ頃決まるのでしょうか?
A.派遣スタッフのみなさまには、契約期限の45日前から更新の意思があるかどうかの確認をいたします。派遣先企業には契約期限の30日前までに確認をとります。更新の有無につきましては、派遣先企業の確認が取れ次第、当社から派遣スタッフのみなさまへご連絡いたします。
派遣社員への更新の有無の通知は派遣先企業の確認が取れ次第となるものの、派遣会社から派遣社員に確実に連絡が入ることになっています。
契約終了は30日前までに通知が必要と法律上決まっている
また、今働いている派遣先との契約が終了となる場合は、派遣会社から契約期限の30日前までに派遣社員に通知することが派遣法で決められているため、契約終了の場合も間違いなく通知が来ます。
(参考:厚生労働省:日本労働組合総連合会「労働相談」)
例えば、3月末で契約終了となる場合は、派遣会社が2月末までには派遣社員に契約終了の通知をしなければなりません。
派遣社員の立場になって考えてみると、「契約期限の1ヶ月前までに何も通知がなければ契約更新の期待が持てる」という解釈もできますが、確実に更新の通知をもらうまでは安心できないのが正直なところでしょう。
派遣社員の契約更新と契約終了の違いから推測できる
派遣社員の契約更新と契約終了の違いをまとめると、契約更新と契約終了のどちらの場合も契約期限の1ヶ月ほど前までに何らかの連絡が入ります。
✔ 契約終了は契約期限の30日前までに必ず連絡がある。
✔ 契約更新は派遣先企業の確認が取れ次第のため、ギリギリの連絡や遅れる可能性がある。
この違いを覚えておくだけでも、安心感が違います。
契約更新の場合はいつまで派遣社員に連絡すればいいのか、契約終了の場合のように明確に定められているわけではないため、派遣会社によって更新ギリギリになることも多々あるのです。
なかなか更新の通知が来ないとき派遣社員から催促するのもアリ
派遣契約の終了は派遣会社と派遣先にとって重要なことなので、契約期限の30日前までの通知が遅れることはそうありません。
とはいえ契約更新の期限が迫る中、契約更新の通知がなかなか来ないと、気持ちの上では「おそらく契約が更新されるだろう」とは思っていても、安心はできないものです。
そこで、派遣社員から派遣会社に更新の有無を確認をおすすめします。
契約という曖昧にできない事柄である以上、派遣会社からの連絡が遅れているなら更新の有無を催促してもおかしいことではありません。むしろ、しっかり確認すべき事項です。
派遣社員としても、契約終了になるなら次の職場を探さなければならないので事は重大です。
契約期限の30日前になっても派遣会社から何の連絡もない場合は、担当者に電話をかけて契約更新で間違いないか確認してみてください。
ただ、派遣会社の担当者も多くの派遣社員を抱えているため、すぐに対応してもらえるとは限らないので、3~4日は辛抱強く待ってみましょう。
また、派遣会社の担当者から連絡が入った際に、何の確認もなく勝手に契約を更新されていた場合、その派遣会社は労働者派遣法に違反している可能性が高いです。今後の利用は控えるのが無難でしょう。
(参考:厚生労働省:労働者派遣契約「ニ 労働者派遣契約の更新」)
会社が更新前ギリギリまで通知を出さない理由について
派遣会社からの更新の通知が非常に遅い場合、派遣社員の中には何日も不安な思いをさせられた上にいらだちを覚える方もいることでしょう。
派遣先にいる他の派遣社員が契約を更新していく中で、まるで自分だけ放置されていたかのような気持ちにもなります。
そこで、そもそもなぜ会社がギリギリまで更新通知を出さないのかの理由をご紹介しますので、気持ちの整理に役立ててみてください。
更新通知がギリギリになっても違法ではないため
1つ目に、派遣会社が更新前ギリギリになって更新通知を出すこと自体、法律上では違法ではない、という理由があります。
例えば、3月末までの契約なら2月末日までに更新通知があればいいので、2月28日ギリギリに通知が来れば問題ないのです。
労働者派遣契約を結ぶ工程で時間がかかっているため
2つ目に、派遣社員の契約更新は、派遣会社と派遣先の間で労働者派遣契約を結んでから派遣社員を確保する流れになっているため、労働者派遣契約を結ぶ時点で時間がかかってしまっている、という理由があります。
なるべくなら日数に余裕をもって更新通知をもらいたいところでも、前もって行う契約で遅れていれば、派遣社員への通知の遅れにもつながってしまうのです。
契約更新の通知の遅れが発生する原因として、派遣会社と派遣先の契約における都合があることは理解しておきましょう。
派遣会社の担当の処理が遅いため
3つ目の派遣会社の更新通知が遅れる理由として、派遣会社の担当の処理が遅い可能性が挙げられます。
多くの派遣社員を抱える担当の場合、ルーズにしているつもりはなくともどうしても処理に時間がかかり、連絡が遅くなってしまいがちです。
なかには連絡にルーズなのは担当者だけでなく、派遣会社自体が派遣社員を甘く見ているために連絡が遅くなっているケースもありますが、すべての派遣会社が当てはまるわけではありませんので、あまり続くようであれば変更も視野に入れましょう。
以上のことから、派遣会社からの更新通知がギリギリになるのは、派遣会社では珍しくないと解釈しておいてください。
派遣契約が更新されないときによくある予兆
派遣会社から更新通知がなかなか来なくて、「更新か、契約終了か」と自分の中でモヤモヤ考えて、どうしようもなく不安な気持ちになってしまいます。
ずっと不安でやきもきした状態でいるのは精神衛生上よくないので、少しでも状況を把握するためにも、これまでの自分の働き方や周囲の状況を振り返ってみてください。
契約が更新されないときは社員や上司の対応がいつもと違ったり、会社の業績悪化などの噂があるなど、何らかの予兆がある場合もあります。
不安な気持ちになっている状態でも1度冷静になって、派遣契約が更新されないときによくある予兆があったかどうか振り返ってみましょう。
派遣先の上司や社員からやんわりクビの忠告がある
通常は契約期限の30日前までに更新しない旨の通知を受けることで契約終了となりますが、親切な派遣先の場合は上司や周囲の社員から、やんわりと契約更新をしない内容の忠告を受けることがあります。
例えば、派遣社員の評価が下がっている内容の話題や、勤務態度の改善に関する話題を振られた場合は次の契約更新はない可能性が高いでしょう。
こうした忠告をされた時点で、すでに契約終了が決定しているケースがほとんどです。
人員削減(業務縮小など)の噂
さまざまな理由から経営が傾いてくると、社員よりも先に派遣の契約を終了する傾向が見られます。周囲の派遣社員や派遣先の社員たちから、人員削減や業務縮小の噂を聞いた場合は注意が必要です。
契約期限が1~2ヶ月先に迫っている派遣社員は、次は更新されない可能性が高くなります。ただ、人員削減の噂があったとしても事実の確認が必要です。
周囲の社員や同じ派遣先で働く派遣社員に情報収集すると同時に、更新されなかったときのための準備を進めておくといいでしょう。
派遣先の業績悪化による給与やボーナスカット
派遣先の業績悪化を知る最も身近な方法として、派遣先の社員の給与やボーナスのカットが挙げられます。
本当に業績が悪化している場合は全社員が減給の対象になるため、社員たちから不満が出る可能性が高いです。
社員にとって給与やボーナスがカットになることは最も避けたいことなので、万が一、社員からの不満が聞こえてきた場合は派遣先企業の業績悪化を察知できます。
その際には次の契約更新がない場合を想定して、次の職場を探すべく派遣会社の担当者に相談しておくことをおすすめします。
派遣先の上司や社員と今後についての面談があった
派遣先の上司や社員と今後についての面談があった場合、契約が更新されない可能性が高くなります。
面談の内容が派遣先の業務に関する内容ならまだわかりませんが、今後のスキルアップやどんな働き方をしたいかなどであれば、契約更新の可能性は低いでしょう。
また、面談が自分だけに行われた場合は更新の可能性がほぼありません。
一斉面談を行うなら派遣社員全員が面談を受けているはずです。このような場合は、早めの次の職場探しが必要です。
新しい仕事がこない、上司がよそよそしく目を合わせない
派遣先での業務をこなすうちに、周囲の派遣社員は新しい仕事を回されているのに自分にはこない状態になった場合、次の契約は更新されない可能性が高いです。
こうした状況になると大抵は直属の上司の態度がよそよそしくなったり、目を合わせてくれなくなったりします。
まるで仲間はずれのような空気を感じたときはショックを受けますが、なるべく早めに気持ちを切り替えて次の職場探しをしましょう。
派遣が契約更新されるとき契約書は交わすの?
派遣契約は更新する都度紙面で契約書を交わすか、口頭で更新する旨を伝えれば、更新に承諾となる派遣会社がほとんどです。
派遣法により自動更新は禁止されているため、派遣社員が知らない間に更新されることはまずありませんが、口頭で確認を取るケースはあります。
加えて近年では、口頭のみもしくは紙面で契約書を交わすよりも、メールを使った契約更新の意思確認を行う派遣会社が増えており、派遣社員が担当者に連絡する際も急ぎでなければメールを使用することもあるでしょう。
メールなら送信者と受信者の双方にメールの内容を保存できるほか、口頭で言った・言わないのトラブルにも発展しにくいなどのメリットがあります。
派遣社員が派遣先との契約を更新した場合、今でも紙面の契約書を使用するところもありますが、ややメールに移行してきていると言えるでしょう。
ひとつの派遣先にこだわらず別の派遣先を探す気持ちでいよう
派遣契約の更新の連絡がギリギリまで来ない場合、どう対応したらよいのかポイントを振り返ってみましょう。
- 冷静になって契約が更新されない予兆がないか振り返ってみる。
- 1に問題があれば派遣会社の担当者に相談しておく。問題がなければそのまま3へ。
- 更新の通知は契約期限の30日ほど前までに行われるので、辛抱強く待つ。
- 契約期限の30日を越えても連絡が来なければ、派遣会社に更新の有無を確認する。
派遣契約の更新は契約期限の30日ほど前までに、派遣社員と派遣先の両方に意思確認を行い更新の有無を確認の上、派遣会社から派遣社員に通知されます。
派遣会社によっては更新前ギリギリになるまで更新の通知が来なくて気を揉みますが、法的には違法ではないので辛抱強く待つことが大切です。
更新されない可能性を考えて不安になってしまうかと思いますが、更新通知については派遣先からの確認が取れ次第の連絡が一般的で、更新前ギリギリの連絡になる可能性もよくあります。
しかし、もし契約更新されない予兆で思いあたることがある場合や、会社の業績悪化を感じるならば、その派遣先にこだわらず今回の契約更新を諦めて別の派遣先を探すのがいいでしょう。
更新されるのかという不安は強いならいっそのこと正社員への転職も検討を
もし派遣にこだわりがないのであれば、正社員への転職も検討をしてみましょう。
正社員であれば契約更新に対する不安もなくなりますし、社員への対応も厚くなります。
派遣社員よりは自由度がなくなっても、不安がなければ心の余裕も持ちやすくなるでしょう。
転職サービスには派遣社員から正社員への転職に力を入れているものもあるので、そのようなサービスの利用がおすすめです。
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