派遣社員の仕事が続かない理由は自分と職場のどっちにある?なかなか続かない場合の4つの対処法

派遣社員の悩み

派遣社員は、さまざまな職種で働けることや自分が得意な分野を活かせることが魅力ですが、中には途中で辞めてしまうケースや、契約更新されずに続かないケースがあります。

働き始めのときはすぐに辞める予定などなかったはずなのに、なぜ派遣社員の仕事が続かず辞めてしまうのでしょうか。派遣社員の仕事が続かない理由は、仕事への適性など自分に原因がある場合と、職場の雰囲気や人間関係など職場に原因がある場合があります。

派遣の仕事がなかなか続かない理由とその対処法を探っていきましょう。

【自分に原因がある場合】派遣社員の仕事が続かない理由6つ

派遣社員の仕事が続かない理由は、何らかの原因で退職に追い込まれるほど辛い思いをすることにあると考えられます。はじめに、自分の適性や性格などを振り返り、当てはまるものがないかチェックしていきましょう。

人間関係が上手くいかない

職場の人間関係は、内閣府が発表した平成30年版の「特集 就労等に関する若者の意識にあるように、派遣社員に限らず離職理由で第2位、全体の10%を占める退職理由の1つです。

全国のリサーチモニターで16歳から29歳までの男女(有効回答数10,000)を対象にしたデータでも、退職する最も重要な理由として2位にランクイン、退職理由のよくある例といっても良いものがあります。

人見知りや思い込みが激しいなど自分自身に原因がある場合や、周囲に安心して話せる人がいない、派遣先企業の正社員から冷遇されるなどコントロールできないケースもあるものの、職場の人間関係で悩む派遣社員は少なくないのです。

コミュニケーションは生活する上でも働く上でも必要不可欠なものなので、まずは相手に興味を持って知ることからはじめてみましょう。

自分に自信がない

自分に自信が持てないことが影響して仕事が上手くいかないケースがあります。

例えば、仕事上のミスを深く受け止めてしまい、「自分には無理」「自分はダメな奴なんだ」などと落ち込んでしまうタイプや、経験値が少なすぎるために新しい仕事やワンランク上の仕事に挑戦しない、できないタイプが挙げられます。

どちらのタイプも自分の能力や人間性を知らないことや、仕事に関する経験が少ないために、少しの失敗を恐れたり、深く落ち込んだりしてしまいます。

この場合、周囲の人間がどれほど励ましても本人の心には届かないことがほとんどで、自分の殻を抜け出すことが難しいため仕事を続けられなくなってしまうのです。

飽きやすいためすぐに仕事に飽きてしまって続かない

人によっては飽きやすい性格のために、仕事をざっくり経験すると飽きてしまって、やる気が続かないケースがあります。

飽きやすい性格は、何にでも興味を持つ反面、一度経験すると魅力を感じなくなったり納得してしまったりして、一つの物事を継続しにくい傾向があります。

好奇心旺盛といえば響きは良いかもしれませんが、仕事は好奇心だけでするものではなく、社会的な信用にも影響するものなので、ある程度は飽きてしまったとしても継続して取り組むことが必要です。

嫌なことから逃げる性格

嫌なことが発生すると、人は誰でも少しは「逃げる」という選択肢が頭に浮かぶことがありますが、それが「逃げるクセ」となっている場合はどの職場に行っても仕事が続かない状態になります。

派遣社員はいろいろな職種や派遣先企業を経験できることが魅力でも、行く先々ですぐに辞めるようでは社会的にも信用されなくなり、どの会社にも採用されなくなってしまうでしょう。

一度、嫌なことから逃げる経験をすると、次も同じように逃げてしまい、同じことを繰り返すようになってしまうので注意が必要です。

メンタルが弱い・気が弱い

精神的にデリケートで繊細な場合、ストレスや周囲からの評価に敏感な傾向があります。

即戦力を求められる派遣の仕事は、プレッシャーや周囲からの評価あっての仕事なので、メンタルが繊細で弱い、気が弱いタイプの方は続けられない可能性があります。

本当は派遣より在宅業務や起業の方が合っている

派遣社員の中には、チームを組んで働くよりも、一人で自分の仕事をする方が合っている人がいます。どちらかというと、職人肌、芸術肌の人は、派遣よりも在宅業務や起業の方が合っているという場合です。

在宅業務や起業の方が合っている場合、チームで働くことに違和感があったり人間関係に煩わしさを感じたりします。その場合、長く派遣を続けることは難しいでしょう。

派遣社員が続かない理由には、自分に原因がある場合が珍しくありません。ですが、必ずしも働く側だけに原因があるわけではないのです。次では、職場に原因がある場合について見ていきましょう。

【職場に原因がある場合】派遣社員の仕事が続かない理由3つ

派遣社員の仕事が続かない理由として、自分に原因がある場合を見てきましたが、中には職場に原因があるために辞めるケースもあります。

仕事が続かない理由が職場にある場合についていくつか紹介していくので一緒に見ていきましょう。

派遣会社から紹介された内容と仕事の内容が違う

派遣会社から紹介される仕事は、求人情報の内容と実際の職場での仕事内容で違うことがあります。営業担当の説明や職種に対する解釈の違いなども考えられるものの、思っていた仕事内容と違う場合は仕事に対する不満が貯まりやすくなります。

明らかに仕事内容が違う、話が違うというようなときは、すぐに派遣会社に連絡を入れましょう。仕事内容が異なることが事実なら、仕事を変更してもらうことができます。

ですが、話の食い違いや部分的な説明不足などの場合は、契約期間満了まで働くようになるため、辞めたいと思う人も少なくありません。

職場の労働環境が良くない

派遣先企業によっては、労働環境への配慮が足りない企業があります。

<労働環境が良くない例>

  • 長時間の強制的な残業
  • 指導が雑でわかりにくいにもかかわらず、小さなミスで怒鳴られる
  • 新人への教育放置、いじめがある
  • パワハラやセクハラがある
  • いわゆるブラック企業
  • 派遣社員を無視もしくはのけ者にする

職場は労働者にとって負担が大きいと離職の原因になります。派遣社員の場合でも同じで、働きにくさやいじめ、パワハラやセクハラがある職場は辞める人が多い傾向があります。

教育制度やマニュアルが整っていない

派遣社員は即戦力を求められるとはいえ、派遣社員として入社したときはその会社のルールを学ぶ必要があります。教育係がいるなら良いですが、教育係がいない、教育制度やマニュアルが整備されていない場合だと、教える人によってやり方が違うといったトラブルも発生する可能性が出てきます。

人によって教え方、仕事のやり方が違うようでは、派遣社員もどの指導に従えば良いか戸惑ってしまうでしょう。同時に、指導者が複数人いた場合、それぞれの指導に従っているのに別の指導者から注意を受ける、といった事態も想像できます。

派遣社員のモチベーションを削ぐような指導は、派遣社員を辞めたい方向に追い詰めることがあります。

派遣社員の仕事が続かないことで発生するデメリット

派遣の仕事を続けられないと思って契約期限を待たずに辞めることは、いくつかデメリットが発生します。デメリットは自分に降りかかってしまうためできるだけ避けたいものです。

辞めたい気持ちになったのが、どのような理由だったとしても、辞める前に一度デメリットを確認してみてください。

派遣会社から仕事を紹介してもらえなくなる(ブラックリスト入り)

短期間での退職を繰り返すと、社会的な信用を無くすことはもちろん、派遣会社側から仕事を紹介してもらえなくなってしまいます。この状態を派遣会社のブラックリストに載る、ブラックリスト入りするといいます。

派遣会社側からすれば、すぐに辞める人を企業に紹介することはできないし、仮に紹介したとしても辞めてしまえば、派遣会社の評判にも影響することが考えられます。

仕事を短期間で辞めるほかに、遅刻や仕事の急なキャンセルなども、紹介してもらえなくなるので注意が必要です。派遣社員だから何をしても良いということではなく、一人の社会人として行動するようにしましょう。

仕事のスキルが身に付かない

派遣社員の仕事は、さまざまな職種や企業で働くことでスキルアップできることが魅力です。未経験歓迎の仕事だったとしても、職場が違えば経験する内容も異なります。

せっかくスキルを身に付けるチャンスがあっても、何のスキルも得られないまま短期間で辞めたのでは、応募した意味がありません。

派遣業界ではスキルがどれほどあるか、どんなスキルがあるかも重要なポイントになり、良い求人が見つかったとしてもスキルがないために応募すらできないこともあります。

そうなれば、辞めるまで働いた時間ももったいないし、次に活かすこともできません。そのため、少なくとも契約期限までは働くことをおすすめします。

履歴書に傷がつく

履歴書は、これまでの自分の学歴や職歴を記載するため、派遣社員として働いたことも記載しなければなりません。短期間で辞める行為を複数回行った場合は、履歴書を見れば長期間働けない人という見方をされるほか、長期での雇用は期待できなくなるでしょう。

ずっと派遣社員で働いていく場合は履歴書を何度も書くことはないですが、正社員への転職を希望する場合は、短期間での退職が履歴書上の傷となってしまいます。後々は派遣社員以外の雇用形態で働きたいと思うなら、短期間だとしても契約期間は守ることが重要です。

派遣会社の仕事が続かないことで発生するデメリットは、すべて自分自身に降りかかってくるものばかりです。自分の中では仕方なく辞めたと思っていても、ネガティブかつマイナスの結果を招きます。そのため、次では、仕事を辞めたいと思ったときに使える対処法を紹介します。

派遣社員の仕事が続かない場合の4つの対処法

派遣社員の仕事を短期間で辞めたいと思うことがある方は、仕事選びも重要ですが契約期間まで続けられるような工夫が必要です。

派遣社員の仕事が続かないときの対処法を確認していきましょう。

信頼できる大手派遣会社を選ぶ

派遣会社は、どこも大体同じのように感じられますが、会社によっては事務職などのデスクワーク系が得意、外資系が得意などのように特徴が異なります。幅広い職種を扱うところや、正社員ではなかなか入社できない会社への派遣が多い、特定の職種に特化している派遣会社が挙げられます。

福利厚生が充実している、派遣社員へのサポートが充実しているところもあるので、特徴的な大手派遣会社からチェックしてみてください。大手派遣会社ならブラック企業を紹介することもほぼなく、派遣実績がある企業も数多く扱っている可能性が高いです。

短期契約の仕事からはじめて契約期間までやり切ってみる

仕事を選ぶときは、契約期間が1ヵ月~3ヵ月といった短期契約の求人を選び、なおかつ自分ができる仕事内容からはじめてみましょう。少々嫌なことややりにくいことがあったとしても、まずは、契約期間満了までやりきることを目標にやり切ってみてください。

短期契約の仕事を一回二回と契約期間までやりきることで、自分にも自信がついてきます。また、期間を少しずつ長くしていくことで、3ヵ月以上の契約にもチャレンジできるようになるでしょう。

紹介された派遣先企業の情報は自分でも調べる

派遣会社から紹介された企業について、時給や仕事内容以外の情報を調べたことはあるでしょうか。まずは、派遣先企業がどんな会社なのか、派遣仲間の間ではどんな評価なのかなど、自分なりに調べてみましょう。

派遣会社からの情報は、思わぬところで共有されていないことや、実際の現場の様子までは把握していないことがあります。できれば、前にその派遣先企業で働いたことがある派遣仲間などに聞いて、現場の様子を探っておくことをおすすめします。

キャリアカウンセリングなどを活用して自己分析して自分に合う仕事を考える

今後企業の中で働く上で、自分にどんな仕事が合うのか、自分の能力や適性について知ることはとても重要で、自分の強み、得意分野、弱みなどを把握することで本当に自分に合う仕事を導きだすことができます。

自分一人ですべて自己分析するのも良いですが、できればキャリアカウンセリングなどを活用して客観的な意見を参考にしてみてください。自分では気づかなかった自分を知ることで、仕事が続かない悩みの解決にも近づくでしょう。