派遣社員の末路は悲惨なのか?悲惨だと言われる原因を考える

コラム

ライフスタイルに合わせた働き方ができる派遣社員は、条件が合うならこれほどベストな働き方はないといえます。

派遣社員で働く方の中には、今がベストな状態だからこのまま派遣社員で一生がんばろうと思う方もいることでしょう。

しかし、派遣社員という働き方は、一生働くには向かない働き方だと知っていますか?

派遣社員として働きながら50代、60代、それ以降の年代になったとき、今、想像しているよりずっと悲惨な末路が待ち受けている可能性が高いのです。

人生100年時代となった現代で、老後に不安を感じる方は少なくありませんが、今のうちからできる限りの努力はしたいものです。

それでは、派遣社員の末路が悲惨だと言われる理由や、そんな末路を回避するにはどうしたら良いのかを、一緒に見ていきましょう。

派遣社員の末路は悲惨なのか

派遣社員は正社員とは異なり、別の呼び方で非正規社員と呼ばれています。

これは、正社員と区別する呼び方で、パートやアルバイトなども含まれます。

一般に非正規社員は、正社員に比べて保障が少なく将来の安定も期待できないといいます。老後の年金額はもちろん、年金をもらう年齢に達するまでの経験やスキルにも差が出るのです。

この時点で派遣社員の将来に不安が大きくなった方もいると思いますが、末路が悲惨だと言われる代表的な理由からチェックしていきましょう。

派遣社員の末路が悲惨だといわれる代表的な理由

現在、派遣社員として働いている方が、この先もずっと派遣社員を続けた場合の末路は、悲惨なものになると予測することができます。

その理由は、派遣社員という働き方に由来し、正社員との差を埋められないことも関係しています。

派遣社員の末路が悲惨だといわれる主な理由

  • 出世コースがない会社の場合、一生非正規社員から抜け出せない
  • 給料が上がらない、ボーナスが出ないため収入が低い
  • すぐに仕事が見つかるとは限らず収入が不安定になりやすい
  • 福利厚生や年金などの待遇も正社員に比べて良くはない
  • 仕事内容が難しくないので経験やスキルが身に付きにくい
  • 世間体が良くないため、結婚は絶望的(特に男の場合)

一般的な派遣社員は登録型といい、派遣会社に登録して仕事を紹介してもらいます。

その後、紹介してもらった派遣先で契約更新を繰り返し、最長3年まで働くことができますが、満3年となった場合は別の派遣先を探さなければなりません。

また、仕事を紹介してもらう際には派遣先と派遣会社が勤務時間や時給など、細かい条件を設定して契約を締結します。

派遣社員として働く場合、この派遣契約に則った仕事内容や時給でのみ働くようになるのです。

当然、派遣社員として働いている間は昇進や昇給がないため、収入はどの年代でも低い水準でほぼ横ばいとなり、正社員のように年々昇給してボーナスが出て年収が上がっていく仕組みは期待できません。

ボーナスは普段の時給に加えられているので、基本的にボーナスは支給されないのが一般的です。

また、収入と雇用関係のみを考えてみても、派遣社員として一生働こうとしてもなかなか難しいものがあり、ボーナスもなく年収が上がりにくいことがわかります。

一方、福利厚生の面を見てみると派遣社員は自分が登録している派遣会社の福利厚生を利用するようになります。派遣先企業の福利厚生と比べた場合差を感じることもあるでしょう。

近年の大手派遣会社では、社会保険や雇用保険に加入できるようになり、有給や育児サポートなども利用できるなど、ひと昔前に比べてずいぶん良い内容に改善されてきています。

正社員の福利厚生と比べて大きな差はなくなってきているものの、年収、習得できるスキルや経験、世間体、社会的信用を含む全体的に見た場合、長く派遣で働くほど正社員との差が開き、差を埋められないまま老後を迎えてしまうと予測できます。

参考:福利厚生 | 派遣の仕事・人材派遣サービスはパソナ

また年齢を重ねるたび、働き場所が少なくなっていくという問題にもぶつかります。

20代は「あれは嫌、ここは良い。こんな条件のところがいい。」などある程度ワガママを言えますが、40代・50代になったときはその年齢の求人を出している会社も少なくなるので、紹介をもらいづらくなるというのも想像できます。

今はベストな派遣社員の末路が悲惨になる原因

派遣社員という働き方による末路は見えてきましたが、本当に悲惨な末路となる原因は別のところにもあります。

今は自分の条件に合う働き方をしているために全く見えていないことでも、このまま年齢を重ねていけばとんでもないことになりかねません。

今、派遣社員として働く方が悲惨な末路を迎える本当の原因を探っていきましょう。

指示された仕事のみ行い向上心やチャレンジ精神が薄くなっている

派遣社員が派遣先に出勤すると、派遣先の正社員から指示を受けたり、派遣契約に沿った内容の仕事のみを行います。

ある意味では契約に従い正しい行動なのですが、仕事として見た場合には与えられた仕事しかやらないと見ることもできます。

正社員は入社してから日々さまざまな仕事に取組み、はじめはお茶くみやコピーをしていた新人が、数年後には管理職になったり部下を持ったりする方もいます。

その過程では本人の努力や学びが必要不可欠であり、大なり小なりの向上心やチャレンジ精神をもって働くことでしょう。

派遣社員には、プレッシャーを抱いては跳ねのけて力を付けて成長する過程がないか少ないため、どこの派遣先に行っても指示された仕事のみ行うのが当たり前、努力する必要がなくなってしまうのです。

同時に、この仕事で給料がもらえて今が満足ならOKという感覚も芽生え、向上心やチャレンジ精神もどんどん薄くなり、結果として意図せず自分自身で成長できない人材になっていってしまう可能性があります。

業務上の責任を負う機会が少ない

会社は派遣社員を採用する時に特定の業務範囲で依頼をする前提で採用を進めます。

また、責任の有無については正社員と派遣社員で明確に切り分けるところが多いです。

そのため、派遣社員の方は責任のある仕事をしたいと思っていても、なかなか機会を得るのが難しいことが多く、結果的に淡々とした仕事が中心になってしまうのです。

この状況が続くと「無理に責任のある仕事を求めなくてもいいか」と気持ちに変化も起きますし、自然と責任のある仕事を避けるようにもなるでしょう。

そもそも、契約した内容以外の業務はする必要がないというのは一理あるのですが、長期的な目線で考えると責任の重い仕事を依頼されにくい派遣社員はキャリア形成がしにくい面があります。

年齢が上がるにつれて失業のリスクが高まる

派遣社員の仕事の紹介には、年齢の上限は定められていません。しかし、派遣先の企業からは年齢が高くなるほどのニーズが低くなっていきます。

どんな企業でも即戦力となる高いスキルや柔軟性がある対応・考え方ができる人材が欲しいものです。

これまで経験してきたスキルや資格の有無、柔軟性がどれほどあるかによっては、年齢が上がるほど失業のリスクが高くなっていきます。

契約できたとしても、次の契約を更新してもらえないなど、短期間での勤務が続くようになるなど気苦労が絶えないでしょう。

そうなれば次の働き口すらも見つからなくなってしまうのです。

結婚できる可能性が正社員よりも低くなる

人によっては結婚の優先度は変わりますが、もし将来結婚をしたいと思っているなら派遣社員だと少し厳しいかもしれません。

年金などの信頼性が崩れ始めている昨今では男女ともに相手に対して安定さを求める傾向が以前よりも強くなっています。

特に女性の場合は男性よりも強いです。

例えば、女の転職typeで取られたアンケートによると相手に求める年収で男性側から見た女性の理想年収は200~300万円未満が最も高く、次に300~400万円が多いです。

対して、女性側から見た男性の理想年収は300~400万円が最も高く、次に400~500万円となっています。

正社員であれば400万円台の年収は十分狙える範囲ですが、派遣社員となるとなかなかそうもいきません。

スキルレベルが高くて専門性がある分野の業務ができる場合は可能性がありますが、シンプルな業務のみで400万円以上の給与をもらうのは厳しさがあります。

派遣社員の平均年収は300~350万円くらいのケースが多くありますが、この中には当然ハイスキルな方も含まれます。

多くは200~300万円台になりますので、年収という面で結婚が不利に働く可能性は否めません。

実際に存在した派遣社員の末路

派遣社員の末路の中で実際に存在した事例を紹介します。本当に自分の身に降りかかってきたときのことを考えて読んでみてください。

1度の病気で家計が破綻に追い込まれる

派遣社員は雇われる期間が決まっているため、病気やケガなどにより働けない状態になれば次の契約更新は絶望的な状態になります。

実際に、病気やケガに遭わない状態ではさほどの危機感はありませんが、1度でもしばらく働けない状態になった場合は深刻な事態になります。

派遣社員は正社員と異なり休職が認められないことがほとんどなので、蓄えがなければすぐに破綻に追い込まれてしまうでしょう。

働いても働いても貯金ができない

派遣社員を長く続ける場合、貯金がなかなかできない事態になる恐れがあります。即戦力になるような資格や技術がない限り昇給は期待できず、ボーナスもないので毎月の生活で精一杯なら貯金ができない計算となります。

一般のアルバイトやパートよりは高い時給がもらえるとしても、養う家族がいる場合や給与がすべて生活費に消えてしまう場合はほぼ貯金ができません。

また、月ごとに稼働日数がことなるため、連休や祝日がある月は普段より少ない給与でやりくりするようになります。

時給1,500円のフルタイムの方でも、単純計算で1日あたり12,000円、GWなどの連休で5連休になった場合は60,000円も少なくなるので貯金どころではなく、40代以上でも貯金0円余裕なしという状況も考えられます。

突然失職して再就職がなかなかできない

派遣社員は有期雇用であるほかに、派遣先の業績不振などでリストラされる場合は1番はじめに対象となるポジションです。

これまで精一杯努力して働いてきても、ある日突然解雇通告を受けて職を失うことも十分に考えられるのです。

企業が欲しがるような技術や資格がない限り、不況など経済が揺らぐ状況下では次の仕事が見つからない事態も想像の範囲内になります。

30代以上で家族がいる方の場合、一家を路頭に迷わせてしまうことがわかります。

派遣社員の悲惨な末路を回避する4つの方法

現在、派遣社員で働いている方が将来的に悲惨な末路を回避するには、今から動き出す必要があります。

これまで派遣社員として責任がない契約通りの仕事しかしてこなかった方も、今から必死になって取り組んでいけば道がないわけではありません。

派遣社員が悲惨な末路を回避する4つの方法

  • 現在の派遣先で直接雇用を目指す
  • 思い切って転職して正社員を目指す
  • 紹介予定派遣を利用する
  • 個人事業主として働く

現在の派遣先での勤務態度が良好な方は、直接雇用の相談をしてみることをおすすめします。業界や職種にもよりますが、可能性は高くはないもののゼロではありません。

現在、派遣社員として働いているなら1度チャレンジする価値はあるでしょう。

次に、ある程度のスキルや経験がある、もしくは20代、30代前半の方は、転職して正社員を目指すのも良い方法です。

簡単とはいきませんが、スキルや経験を活かせる職場を厳選してみてください。

また、別の方向性では紹介予定派遣の利用がおすすめです。登録している派遣会社に相談して、可能な限りチャレンジしてみましょう。

そして、転職や紹介予定派遣などの道に希望がない方は、個人事業主として働くことも一考の価値があります。

近年では正社員が副業を認められることも増えて、正社員として働くことだけが良いとは言えない時代になってきていますので、派遣社員として働きつつも、個人事業主(フリーランス)として独立できる足がかりを作っておくのもありです。

この場合、副業をしても大丈夫なのかは派遣元・派遣先に確認をしておくことでトラブルを防ぐことができます。

派遣社員が悪いわけではない。ただ、辛い状況になる可能性は高くなる

正社員としての働き方に馴染めなかったり、派遣社員としての働き方が自分に合っている方からすると派遣社員で働いていることは特に不満が無いでしょう。

ただ、現在の日本の状況では派遣社員の方の方が制度面を含めて不利に働く可能性が高いのが実情です。

正社員であっても人生が上手くいかない人もいますし、必ずしも正社員になることが正解では無いです。

ただ、派遣社員のままでいるのが不安という方は正社員になることで精神的にも安心できる要素は増えるので、日常生活も仕事も円滑に進むようになるかもしれません。