派遣社員の年収を見るとき、個別・職業別・男女別・年齢別などさまざまな基準で比較しますが、今よりも高い賃金をもらいたい場合は中央値で見ることも参考になることを知っていますか?
平均年収で比較する例はたくさんあるのですが、地域や年齢層によって変動しやすいため、必ずしも参考になるとは限らないものです。
その点、中央値はあまり聞きなれない言葉でも、感覚的には納得できる結果が多いという特徴があります。
派遣社員の年収中央値は正社員の中央値と比べてどのくらい差があるのか、今より年収を上げるにはどんなことが必要なのか解説していきます。
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平均年収と年収中央値の違いとは?
平均年収という言葉自体は、ニュースやネット上でも見聞きしたことがあることでしょう。平均年収と年収中央値は似たように見えて異なるものですが、少し見方を少し変えて年収の高低を見る材料になります。
はじめに、平均年収と年収中央値の違いについて、それぞれ解説していきます。
平均年収の考え方
平均年収は、対象となるデータのすべてを足して、総数で割った平均値のことを言います。100人分の平均年収を出す場合は、100人分の年収を足して100で割る、ということになります。
最も高い数値と最も低い数値からは、平均値ともっとも差が出る状態となるのが特徴です。
例えば、年収が、300万円・400万円・500万円・600万円・800万円・1,000万円・2,000万円の方がいた場合は、(300万円+400万円+500万円+600万円+800万円+1,000万円+2,000万円)÷7=800万円、この場合の平均年収は800万円となります。
年収300万円から見れば平均年収より500万円も低い結果となり、2,000万円の方から見れば1,200万円も平均年収より高い結果となります。
年収中央値の考え方
中央値は平均値のように均等に割ったりするものではなく、もっともボリュームが大きいゾーンを抽出する考え方です。
例えば次のようなデータがあったとします。
年収 | 人数 |
200万 | 35 |
300万 | 25 |
400万 | 10 |
500万 | 10 |
600万 | 10 |
700万 | 10 |
上の表の平均年収は365万円となります。
ただ、もっとも人数のボリュームが多いのは200万円の層です。
中央値というのは集計したデータの中の一番大きな数値のことを指すので、実態に近い数値が出てくると言われています。
派遣社員の年収中央値はどれくらい?
派遣社員の年収中央値は、280万円~300万円程度と言われています。
国税庁で言う「非正規」には、パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などが含まれるため、国が示す平均年収や中央値はどうしても低い水準で発表されてしまうのですが、派遣会社が示す中央値としては280万円~300万円が妥当と判断できます。
下の表は、派遣会社のパソナで働く派遣社員の時給を参考に計算した年収の概算です。1日8時間のフルタイムで、月あたり20日稼働、12ヶ月で計算するとちょうど年収概算の中央値は約280万円になります。
業種 | 時給 | 年収概算 |
製造・軽作業系 | 1,062円 | 2,039,040円 |
営業・販売・サービス系 | 1,357円 | 2,605,440円 |
オフィスワーク系 | 1,457円 | 2,797,440円 |
クリエイティブ系 | 1,658円 | 3,183,360円 |
IT技術・通信系 | 1,815円 | 3,484,800円 |
引用元:派遣社員の給料の相場ってどれくらい?残業代はきちんと出るの? | みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ- |
※1日8時間、月20日稼働×12ヶ月で計算
年収280万円でボーナスなしと仮定した場合、月収は約23万円になり、社会保険や税金を差し引いた手取りは17~19万円程度になる計算です。
年収280万円÷12ヶ月=23.333万円、月収の約8割が手取りとして計算すると23万円×0.8=18.4万円、スキルや地域により多少時給が前後することを考慮すると17万円~19万円程度の手取りと推測できます。
年収300万円の場合なら月収25万円、手取りで19万円~21万円程度と推測できます。
時給で考えてみると、年収が280万円~300万円になる(ボーナスなしと仮定)には、時給1,500円前後となり、実際の派遣社員の時給と大きな差はないといえるでしょう。
正社員の年収中央値はどれくらいなのか
正社員のみの年収中央値を示すデータが明確になっていないですが、厚生労働省の「各種世帯の所得等の状況」というデータを見てみると、さまざまな世帯の年収中央値は437万円で、この年の平均年収の552万円を下回る結果となっています。
派遣社員の年収中央値は280万円~300万円で、仮に280円として考えると157万円もの差があることがわかります。
派遣社員の年収中央値が正社員に比べて150万円以上も低い水準になるのは、ボーナスの有無や昇給の有無が関係しているといえるでしょう。
また、各種世帯の所得等の状況(平成30年分)では、200万円~300万円が13.6%、300万円~400万円が12.8%、200万円~300万円が12.6%と、年収400万円以下の世帯が全体の39%を占めています。
日本全体として見た場合でも年収が低い世帯が半数近くいるということがわかります。
年収をアップさせる4つの方法
派遣社員は日本全体の年収中央値と比べても150万円以上の差があり、その差を少しでも埋めるとしたら、相当な努力が必要になるといえます。
派遣社員として年収アップを狙う場合は、ボーナスや昇給が期待できないだけに厳しい道のりとなるでしょう。
ですが、派遣社員は、2020年4月に施行された「同一労働同一賃金制度」により正社員と賃金の格差をなくすことが求められ、現在は、以前よりも適正な賃金をもらえる機会が増えています。
制度の施行により時給がアップする可能性もあるので、より一層の賃金アップを狙いたいものです。
派遣社員として、年収をアップさせるのに役立つ4つの方法を紹介していきます。
資格取得などでスキルや技術力を高める
派遣社員は、求められた仕事を契約通りに行うことが基本となるため、自分が持つ技術やスキルのレベルが時給に反映されるといっても過言ではありません。
少しでも年収を上げたいなら、自分の技術やスキルに磨きをかけることが第一で、できればその能力を証明できる資格を取得すると良いでしょう。
ただ、このときに意識したいのは、誰でも取得できるような簡単な資格を取るのではなく、できるだけ専門的なものを取得することです。
専門的な技術やスキルとなれば、その技術が欲しい会社からしてみれば高い賃金を払ってでもわが社で働いて欲しいし、他に代わりが効かない状態となれば正社員としての雇用も期待できるでしょう。
派遣社員は原則定時で帰宅できるので、その後のプライベートタイムを活かして勉強することもできます。
視野を広く持ち、今後の業界のことを考えながら勉強する内容や取得する資格を選ぶことをおすすめします。
これまでとは異なる経験を積みアピールする
派遣社員にとって複数の異なる業務経験があることは強みとなり、いざというときにアピールできる武器になります。
これまでの仕事を振り返って、現状と関連する業務ばかりではなく異なる仕事の経験を積んでいきましょう。ある意味、簡単に転職できることは派遣ならではの魅力です。
有期雇用だからこそ多くの経験を積めると考えれば、今すぐにでも視野を広げてチャレンジしていき、1つでも多くの経験を積むことが重要です。
できそうなところから取り組むのも良いですが、いつまで、どんな経験を積みたいかピックアップして、順に経験を積んでいくのも良いでしょう。
派遣会社の担当営業に時給の高い仕事を紹介してくれるよう交渉する
とりあえず少しでも年収アップのために動きたいなら、派遣会社の営業担当に時給の高い仕事を紹介してほしいと交渉するのも1つの方法です。
派遣会社の営業担当は、派遣社員と派遣先企業の橋渡し役です。派遣社員の希望がなるべく通るように努力してくれるでしょう。
ですが、派遣社員の時給はスキルや技術に比例するところがあるので、いきなり500円~1,000円も時給がアップすることはありません。
交渉するなら、今よりも上がれば良しとするくらいの感覚で挑むようにしてください。この交渉は、自分自身のスキルアップと並行して進めるのも良いでしょう。
ただ、交渉は契約更新の1ヶ月前がベストなタイミングなので、その時期を逃さないよう注意が必要です。
他の派遣会社に登録して条件の良い仕事を探す
1ヶ所の派遣会社だけにこだわらず、別の派遣会社に登録して条件の良い仕事を探すことも1つの方法です。派遣会社は、それぞれ得意分野が異なり、例えば、事務系でも大手の案件に強い、外資系に強いなど違いがあります。
今よりも良い条件の仕事を探す上では、派遣会社の選定も重要な要素になるのでどんな分野が得意なのか、扱う案件の傾向などもチェックしておくと良いでしょう。
得意分野の異なる派遣会社に登録して、自分が希望する業種や職種も幅広く選択しておけば、今より条件の良い仕事を紹介してもらえる可能性も期待できます。
正社員を目指す
派遣社員は、ずっと派遣で働く方もいる一方で、派遣社員として働く経験をステップにして正社員を狙う方もいます。
例えば、紹介予定派遣制度を利用すると、一定期間派遣先で働いた後に正社員として採用してもらえるかの審査を受けることができます。
お互いの合意が必要となるものの、正社員へのチャンスはゼロではないのです。また、正社員として採用された際には、基本給のほかに昇給やボーナスも期待できるので、年収アップが期待できるでしょう。
そのほかでは、紹介予定派遣とは別で、派遣先に認められて正社員として採用してもらうケースや、派遣社員として働きながら正社員に転職するケースがあります。
紹介予定派遣とは別で派遣先に正社員として採用されるには、それなりのスキルや技術がなければ難しいことです。ですが、派遣先の上司や幹部に認められるだけの業績を納めることができれば、正社員への道が開ける可能性もあります。
また、派遣社員として働きながら正社員を目指す方は意外と多く、定時で帰宅できる派遣の仕事を上手く活用して就職活動を進める方が多いです。
情報収集から業界や企業の研究などやることがたくさんあって大変でも、近年ではネットを介した転職活動も盛んなため、正社員のポジションを勝ち取るチャンスがあるでしょう。
正社員を目指せば年収は上がる可能性が高い
正社員を含む年収中央値は、平成30年度で437万円、少し幅を持たせて考えても430万円~440万円程度と考えることができます。
正社員になると、ボーナスが期待できることや、年に1回以上の昇給がある会社なら年々ベースアップも期待できます。
転職する会社にもよりますが、正社員になることで年収アップは大いに期待できるといってよいでしょう。
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