「これから派遣に登録するけれど、転職する時期はいつがいいだろう?」と悩んでいませんか?
今回は派遣の求人が増える時期とその理由、その時に転職するメリットとデメリットを紹介し、さらに自分にあった派遣会社を見つけるためのポイントや派遣先の探し方も案内します。
派遣で働こうと思っている方はもちろん、すでに派遣で働いていて契約が終わってからどうしようと悩んでいる方も参考にしてください。
派遣の求人が増えるタイミングはいつ? またその理由など
働き方改革で同一労働同一賃金が叫ばれています。
完全に同じ待遇になるかは疑問ですが、それでも以前に比べて非正規雇用でも働きやすい環境に期待できそうです。
このような状況で取り上げたいのが「派遣」という働き方です。
派遣というと「安定した収入が得られない」「長期で働けない」「行きたい職場に行けるとは限らない」というネガティブなイメージを持っているかもしれません。
たしかにそういった面もあるのですが、派遣から正社員に採用されたり、事務系に転職希望の場合は実務経験が問われるため派遣で経験を積んで改めて転職したりとプラスの面もあるのです。
ここではそんな派遣の求人が増える時期とその理由などについて紹介します。
派遣の求人が増える時期
3~4月、9月あたりが派遣の求人が多くなる時期です。
3~4月に派遣が増える理由
年度末と決算に伴い3~4月に一時的に増える仕事のための短期採用、3月に契約が終了する派遣の補充、そして新卒の定期採用をやめ紹介予定派遣制度を導入する場合などがあげられます。
この時期に派遣を増員する理由は多数あり、求人数は2~3ヶ月かけて徐々に増え始め3月から4月上旬がピークとなるのです。
9月に派遣が増える理由
10月から下半期で大きな節目となるため、9月も派遣の求人が増加します。
転勤や新プロジェクト開始のため人員の補充、また10月を期初としている企業もあるので4月初めの企業と同じ理由で派遣を増員するのです。
他にも夏のボーナスが出た後に辞める社員が出るため7月も多めになります。
また、派遣は3ヵ月更新の契約が多いため6月と12月も増える傾向にあります。
業種別の繁忙期と求人
派遣は3~4月と9月に求人が多いのですが、もちろん業種や職種によっても変わってきます。
基本的に求人をするのは人手の足りない時期、つまり繁忙期です。ここでは業種ごとに繁忙期を確かめてみましょう。
業種1. 不動産
不動産業界は4月から新生活を始める人たちの申込みが始まる12~3月に繁忙期がやってきます。
逆に転居などをする理由が余りない夏の時期は閑散期です。
業種2. 引越
新生活に合わせて引っ越しを行うため3~4月頃が繁忙期になります。
続いての繁忙期はGWと8月の夏休み期間、9月になります。3月と4月に引っ越しができない、まずは今の住まいから通ってみて辛いのであれば長期休暇の時期に引っ越しをしようと考えている方もいるためです。
9月は大手企業などでは転勤がある時期になるので忙しくなります。
業種3. 保険
4月から始まる新生活に合わせて保険に加入したり節目となるこの時期に乗り換えたりするため、保険業界が忙しくなるのは3月頃です。
業種4. 飲食店
飲食業界の繁忙期は扱っている料理により異なります。
例えば居酒屋は12月に忘年会、3月に送別会があるためこの時期が繁忙期になります。
ただし他のジャンルでは変わるので注意が必要です。
業種5. 飲料
飲み物を扱う企業はビールパーティやお祭りが多く、人が活発に動く夏と○○会といった食事の集まりが増える冬が繁忙期になる場合が多くなっています。
業種6. 旅行
繁忙期となるのは家族や友達と旅行する機会が増える、長期休暇がある春や夏、そして冬です。
業種7. 広告
広告業界が忙しくなる時期は、お花見、ゴールデンウィーク、夏祭り、ハロウィーン、紅葉、クリスマス、お正月、バレンタイン、ホワイトデーといった大きなイベントの前になります。
業種8. 土木・建設
決算期が大きく影響し、その前に工事を終わらせたいので9月末や3月末は繁忙期となる場合が多いです。
特に3月末は新年度への工事でもあるため一層忙しくなります。
業種9. 求人
仕事を紹介する求人業界は年明けから3月末ごろが繁忙期です。
9種類の業種の繁忙期を確認してきました。
業種によって繁忙期は異なり、中には年に複数回ある場合もあります。
求人は繁忙期の1~2か月前から増える傾向にあるので、それぞれ業種ごとに差が生まれます。
職種別の求人増加時期
業種の繁忙期を確認しましたが、職種別では差があるのでしょうか。
ここでは多くの企業に共通してある経理と人事を確認します。
職種1. 経理
3月決算の企業の大半は9~10月に中間決算業務、12月に年末調整、3~4月に年次決算業務があり忙しくなるため、それぞれの繁忙期前に派遣で経験者のある求人募集を増やします。
特に1年の集大成である年次決算は、経理にとって一番の繁忙期です。そのため1~2月頃に求人を増やす場合が多く、また、中間決済に向け7~8月も増える見込みがあります。
職種2. 人事
人事が忙しくなるのは、新卒採用がスタートし、新入社員受け入れが始まる3~4月や、下期のスタートに伴い人事異動や内定式関連が行なわれる10月です。
この時期は面接のサポート業務や新卒採用の説明会運営といった採用アシスタントなどの業務が増える傾向にあります。
そのため1~2月頃と8~9月頃に派遣の募集増加を見込めます
経理、人事共に3月が最も忙しい時期になるため、派遣を募集する場合はその1~2か月前と考えられます。
求人が多い時期にしっかりと動き出すために、派遣への登録時期は遅くとも募集増加の1ヵ月前に済ませておくのがおすすめです。
理由としては、派遣登録から仕事を始めるまでに数日から1ヵ月程度かかるのが一般的であり、転職活動期間は1ヵ月から3ヵ月未満の人が最も多いと言われているからです。
参照サイト:派遣社員の求人が多くなる時期はいつ?|スタッフサービスグループ
求人が多い時期に職場を変えるメリットとデメリット
派遣の求人が増える時期と業種の繁忙期を確認してきましたが、果たして求人が多い時期に職場を変えるのは良いことなのでしょうか?
ここでは求人の多い時期に職場を変えることのメリットとデメリットについて考えていきます。
求人が多い時期に職場を変えるメリット
メリットは2つ考えられます。
メリット1. 多くの仕事の中から求人を選べる
求人が多いということは単純に選択肢が増え、自分にあった仕事が見つかる可能性も高くなります。また選考に落ちても別の求人を探しやすいです。
メリット2. 大量募集案件もあり選考に通りやすい
求人が多い場合は大量募集の求人がある可能性も高くなります。
大量募集の場合は競争率が低くなりがちで選考に通りやすいと言えます。
求人の多い時期は何と言っても選択肢が多く、仕事に就きやすいところが魅力です。
求人が多い時期に職場を変えるデメリット
デメリットは3つ考えられます。
デメリット1. 競争が激しい
たしかに求人数は多くなりますが契約を終えた方も多くいるので競争率も上がってしまいます。
また条件の良い求人には希望者が殺到しやすいです。
大量募集のところに志望をする場合は競争率が下がる可能性がありますが、それ以外の場合は倍率が上がる可能性も高いです。
デメリット2. 質のよくない仕事に当たる可能性もある
大量に募集があるため良い求人も悪い求人も集まり見分けがつきにくくなっているため、よく比較して検討しないとあまり質のよくない仕事に当たる可能性もあります。
デメリット3. あまりサポートを受けられない可能性がある
求人が多い時期は派遣会社も多忙になり、充分なサポートを受けられない可能性があります。
職場は実際に働いてみなければ分からないことが多く、特に人間関係は見学ぐらいでは判断ができません。そのため一見良い求人に思えても派遣されてみたら想像と違っていたと言うこともあり得ます。
また、考えることは皆同じなので、求人が多い分希望者も多くなり、この時期は派遣会社のサポート体制も追いつかない恐れもあるのです。
求人が多い時期に職場を変えるメリットとデメリットをそれぞれ確認してきました。求人数が多いということは今までの契約を解除された人たちがいるということです。
そのため良い求人は競争率が高くなります。もちろん自分にスキルがあればステップアップのチャンスには間違いありません。
その一方で求人数が少ないときに、たまたま欠員が出た良い職場というのもあるのです。
求人数の多さではなく、やりたいと思った派遣先を見つけたら素早く動くことのほうが大切です。
派遣先の探し方
やりたい仕事が見つかったら素早く動くことが大切ですが、そもそも派遣先はどのように探せばいいのでしょうか?
自分に合った派遣先を探すための3つのポイントを紹介します。
ポイント1. 自分の働きたい職種や業界、給与や勤務地など条件があれば、あらかじめ明確にしておく
働く前に自分はどんな仕事がしたいか、どんな条件で働きたいかを明確にすることで、派遣選びで迷わずに済みます。
考えただけでは分りづらいなら、項目ごとに書き出すと自分の希望条件を客観的に分析することが可能です。
書き出しの例
書き出す項目は多ければ多いほど分析がしやすくなるので、できるだけ細かく書き出すようにしましょう。
希望の職種:事務、経理、データ入力
希望給与:16万円以上
希望勤務地:新宿、渋谷、恵比寿、池袋のいずれか
希望勤務時間:9:00~18:00
希望休日:完全週休2日(土日)
希望勤務期間:6ヵ月以上
希望勤務開始時期:4月から
その他:延長が可能ならなお良
このように自分の希望条件を書き出し、条件にあった求人を掲載している派遣会社に登録して、希望を伝えましょう。
ポイント2. 自分にあった派遣会社を探す
派遣会社には扱う職種や就業後のフォローなどに違いがあります。
そのため、派遣会社を下調べしてから、自分に合いそうな会社を数社選んで登録することがおすすめです。
また、派遣会社は大きく4種類に分けることが可能です。
①大手派遣会社
大手は求人数や福利厚生が充実しています。
全国展開していて主要な駅にオフィスがある場合が多く、登録に行きやすい環境を整えています。
デメリットとしては登録者も多いので、1つの求人に対する競争率が高くなります。
②独立系派遣会社
派遣会社は独立系がほとんどです。
老舗の派遣会社も多く、幅広い職種を取り扱っていることが特徴。規模は大小様々ですが、比較的大きい独立系派遣会社は大手派遣会社にも劣らない充実した研修制度や福利厚生があります。
また派遣スタッフへのフォローをしっかり行なっているなど安心して働けるところが多いです。
注意点としては、独立系派遣会社は多いためそれぞれ特徴が異なります。
後悔しないためにも会社情報にはしっかり目を通してから登録しましょう。
③資本系派遣会社
大手の企業が運営している派遣会社になります。
紹介される仕事の多くが関連会社のものとなり、ルールが徹底されていることや福利厚生がしっかりしていることも特徴です。即戦力を求められることが多く、実務未経験の方向けとは言えません。
ただし、条件を満たしていれば大手企業で働けるチャンスが高いのは大きな魅力です。
④職種特化系派遣会社
製造、販売、医療、金融、コールセンターなど、専門分野への派遣を得意としています。
実務経験が求められる仕事を中心に扱っている会社もありますが、中には未経験でも紹介可能な仕事を持っているところもあります。
そういったこともありキャリアアップをサポートする研修が用意されており、専門分野でのキャリアプランを相談することが可能です。
派遣先とコミュニケーションを密に取っており、派遣先の情報を詳しく知っているので、就業前に職場の雰囲気などを教えてもらえます。デメリットとしては専門以外の求人があまりないことです。
自分はどのような派遣会社に所属したほうが良いのかじっくりと検討しましょう。
登録がしやすく求人数が多いところが希望の場合は大手がおすすめですし、大手の企業で働きたいのなら資本系派遣会社がいいでしょう。
また、専門分野で実務経験があり、さらにキャリアアップを目指すなら職種特化系派遣会社が最適です。
独立系派遣会社は大小様々でそれぞれ特徴があるため一概には言えません。そのため気になる会社があればその企業情報を調べて自分に合うか判断しましょう。
ポイント3. 自分の考えた条件などに沿った派遣先を探す
派遣会社に登録を済ませたら働きたい派遣先を探します。この際にポイント1で明快にしておいた条件に優先度をつけておくと仕事が探しやすいでしょう。
いくつか応募することで働ける可能性が高まります。
良い職場に出会うかどうかはタイミングが大きいので、派遣元の担当者とも相談しながらしっかりと自分の働きやすい環境かどうかを確認しておきましょう。
自分がやりたい仕事に就きたい場合はタイミングもしっかり見極める
仕事は自分のやりたい仕事に就くのが大事です。
ただ、業界や職種によっては求人数が増えたり減ったりするので、戦略的に転職をするタイミングを見極めるのが大切です。
自分のキャリアにあまり自身がない時は競争率が高い時期に転職を始めてしまうと想像以上に長期化してしまうこともありえます。
これから未経験の業界にチャレンジをしたいと考えている人ほど、今回紹介した業界別の傾向を把握して転職に望むようにしましょう。