派遣社員と契約社員は、どこか似ているようなイメージがありませんか。
派遣社員も契約社員も「契約」に基づいて、期間が決められているから同じようなものではないかと考える人も多いでしょう。
そして、実際のところどっちがいいのか疑問に思っている人も少なくありません。
ただ実はこの派遣社員と契約社員、働き方も働く上でのルールも全然違うのです。
本記事では、よく間違われやすいこの2つの雇用形態について、何がどう違うのか順を追って分かりやすく説明します。そしてそれぞれのメリット・デメリットを紹介し、どちらを選ぶべきなのかをトータル的に考えられるようにしていきます。
派遣社員と契約社員、同じ有期雇用でも全然違う
派遣社員と契約社員はどちらも「有期雇用派遣」と言って、期間に限りのある雇用形態になります。
この点で「似ている」と思われがちなのではないでしょうか。しかし実際に双方を比較すると、雇用主や働くまでの流れ、給料体系などが全然違うのです。
派遣社員と契約社員の違いは以下の5つの点になります。
詳しい違いについて、1つずつ確認していきましょう。
雇用主
派遣社員の場合、派遣会社が雇用主になり雇用契約を結びます。実際に働く会社は派遣先の企業なので、一見派遣先の企業に雇われているように見えるのですが、給料は派遣会社から振り込まれるのです。
一方で契約社員の場合は、実際に働く会社に直接雇用されますので勤務先の会社と直接雇用契約を結びます。
以下は厚生労働省から引用した雇用図です。(引用:厚生労働省「労働者派遣を行う際の主なポイント」)
双方の雇用関係がわかりやすく表現されていますね。
働くまでの流れ
派遣社員で働くには、まずは派遣会社に登録が必要です。そして自分の希望する職種や勤務地、時間帯や希望時給を担当者に詳しく伝えます。
登録はインターネットから登録できる会社もあれば、派遣会社に出向いて登録会に出るところもあります。私の場合は派遣会社の登録会に出向きパソコンのスキルチェックも受けました。
派遣会社に登録すると、担当者からの電話や求人情報のメールが頻繁に来て、仕事紹介は随時されます。もちろん派遣会社のホームページから求人検索をすることも可能です。
応募したい求人を見つけたら、担当者に電話をするかメールからエントリーします。エントリーした後の合否は、追って担当者から連絡が来るので結果待ちです。就労が決定したら勤務先(派遣先企業)に顔合わせに行きます。ここでいう顔合わせとは、面接ではありません。あくまでも職場見学といったところでしょうか。
一方で契約社員の場合、自分で勤務したい会社に応募し、書類選考と面接等の採用試験を通過して採用が決定します。派遣社員と違ってハードルが高く、採用までの道のりも遠いです。
自分の努力で採用されるのと、派遣会社が手続きを進めてくれるのとでは大きく違います。
雇用期間
派遣社員と契約社員は同じ有期雇用契約であっても、派遣社員の場合は通常3ヶ月更新です。
一方、契約社員の場合は半年から、長ければ1年更新や2年更新の場合もあります。単純に一回当たりの契約期間は派遣社員より契約社員の方が長めです。
そして、派遣される最長の期限については、派遣社員は3年までとなっています。これは派遣の3年ルールという法律に基づいているためです。
一方で、契約社員の場合は特に制限がありません。また、契約社員の場合、5年を超えた場合に無期雇用転換の申し込み権が発生するという制度があります。(以下引用:労働契約法第18条)
同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みに より、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。(労働契約法第18条:平成25(2013)年4月1日施行)
▶ 対象となる方は、原則として契約期間に定めがある有期労働契約が通算5年を超える全ての方です。契約 社員やパート、アルバイトなどの名称は問いません。
上記の通り、同じ会社で5年以上雇用されたら、労働者の申し込みによって有期雇用から無期雇用への転換が可能です。
そして、就労期間が5年を超えた契約社員が無期雇用転換の申込みをしてきた場合、会社側は法律によりその申し込みを断ることが出来ません。会社の事情があろうと法律には勝てないのです。
そのため、実態としてあらかじめ契約更新の上限(年数や回数)を5年以内に設定するなどの対策を行っている会社も増えてきています。
給料の体系
派遣社員と契約社員の給料体系で、大きく違うのは以下の3点です。
- 時給制か月給制か
- 交通費は支給されるか
- ボーナスは出るか
派遣社員の場合、給料は時給制になり交通費の支給は出ないことの方が多いです。また、社員ではないのでボーナスは出ません。
一方で契約社員の場合だと、月給制となり交通費が別途支給されます。遠方から通う場合でも交通費が支給されます。さらにボーナスが支給される会社もあります。
ただし会社によっては異なる場合もありますので、事前に確認が必要です。
ちなみに補足ですが、派遣社員の場合は時給制なので、急に残業となった分も時給が出ます。
一方で契約社員の場合は、月給制のため残業代が出ない会社もあるのが事実です。
この違いを簡単な表にすると以下の通りになります。
派遣社員 | 契約社員 | |
給料 | 時給制 | 月給制 |
交通費 | なし | あり |
ボーナス | なし | 出ることも |
残業代 | 出る | 出ないことも |
ここまでの大きな違いは把握できたでしょうか。
仕事内容
派遣社員も契約社員も、仕事内容は雇用契約時の業務内容部分に記載されているものに限られます。
ただ、社外の人である派遣社員に比べると、自社で直接雇用されている契約社員は、仕事の頼みやすさという観点から、派遣社員よりもより幅広く仕事を頼まれやすくなるでしょうし、責任の大きい業務内容になることも多いです。
例えば責任のある業務として、クレーム処理などが挙げられます。
私は実際に、契約社員として受付業務をしていたことがありますが、顧客のクレーム処理は、派遣社員ではなく契約社員の仕事でした。正社員同様、契約社員は責任がある仕事でも引き受けなければならなかったのです。
一方で派遣社員の業務は、会社にもよりますが単調なルーティン作業をすることが多いので、責任を負うような仕事をする機会がほぼありません。
なんとなく、どちらが大変かは想像が付くでしょう。
派遣社員と契約社員、それぞれのメリット・デメリット
ここでは派遣社員と契約社員、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
派遣社員のメリット
まずは、派遣社員のメリットを確認していきましょう。
契約社員より時給が高いことが多い
派遣社員の時給は、契約社員・アルバイト・パートなどと比べると高い傾向にあります。
時には、急な人材確保のために派遣社員を採用する企業もあり、その場合はかなり高めの給与が設定去れるケースがあるのです。
様々な職場で働くことでスキルアップができる
派遣社員は、派遣される企業によって仕事内容が異なります。
あなたが望むなら、事務職を経験したのちに専門職に就くといった働き方だって可能です。
様々な職種が経験できれば、いずれ正社員を目指す場合にも役立つでしょう。
派遣会社がお仕事を案内してくれるので自力で探す必要がない
契約社員の場合、契約が満了すると自分で次の働き口を見つける必要があります。
しかし、派遣社員なら契約満了を迎えたら、次の働き口を派遣会社が見つけてくれるのです。
自分で次の職場を見つける必要がないので、「働き口が見つからない」と焦る心配がありません。
就業先企業との交渉なども派遣会社が行ってくれる
派遣社員は、派遣会社を通して働いているので、就業時間や給与の交渉も派遣会社がしてくれます。
個人だったら、なかなか交渉が上手くいかないような賃金なども、会社を通してしてもらえば希望が通る可能性が高くなるでしょう。
福利厚生や研修など派遣会社のサポートを受けられる
派遣社員であっても、一定の条件を満たせば社会保険に加入できます。また、独自の福利厚生が用意されている派遣会社もあるのが特徴です。
スキルアップに関しても、研修や資格対策講座などに参加できるので、実務に役立つスキルが身に付けられるメリットがあります。
派遣社員のデメリット
続いては、派遣社員のデメリットを確認していきましょう。
仕事内容は契約で定められた業務内容のみであることがほとんど
派遣社員は、契約で定められた仕事しか与えられません。そのため、幅広い業務をこなしたい方には大きなデメリットとなるでしょう。
ただし、決められた仕事しかしたくない方にとっては、むしろメリットと感じるはずです。
ちなみに、派遣期間中業務範囲の変更がある場合は、例外的に契約を結び直すケースがあります。
同じ職場で働けるのは最長3年まで
派遣社員は、労働者派遣法によって同じ職場で3年以上働けないと定められています(*)。
そのため、どんなに気に入った職場だったとしても、3年経ったら辞めなければならないのです。
どうしても、その職場に残りたいなら企業に直接雇用してもらう必要があります。その場合は、派遣社員ではなくなり、正社員・契約社員・アルバイト・パートなどの雇用形態に変わることになるのです。
高時給のお仕事は専門性やスキルが必要になる
派遣社員は時給が高めに設定されています。しかし、派遣社員の中でも特に高い時給になっている仕事は、専門性的なスキルが求められます。
つまり、誰でもできるわけではないのです。
中には、実務経験や資格が求められるケースもあるので、高時給の仕事に就きたいなら、その職種でどのようなスキルが求められるのか調べておく必要があります。
契約社員のメリット
ここでは、契約社員のメリットについて確認していきましょう。
長い期間、同じ職場で働ける
契約社員は、「同じ職場で〇〇年以上働いてはいけない」といった決まりがないので、会社が契約更新してくれる限り同じ職場で働き続けられます。
ひとつの会社でさまざまな業務を経験できる
契約社員は、勤務先の企業によって直接雇用されているので、会社によっては幅広い業務が経験できるのです。
中には、正社員と同様の扱いをしている会社もあるので、非常にやりがいを感じられるでしょう。
あなたが、幅広い業務を担当して汎用性の高いスキルを身に付けたいなら、契約社員はピッタリの働き方と言えます。
正社員登用のチャンスがあることも
契約社員として長く働き、仕事ぶりも評価されているなら、正社員として迎え入れてもらえる可能性があります。
転職活動で正社員になれなかった方でも、契約社員から頑張って正社員なるケースは多いので、あなたがいずれは正社員になりたいと考えているなら、面接時に過去の登用実績や条件を確認してください。
退職を切り出しやすい
契約社員は、契約に限りがある雇用形態なので、気に入らない職場なら契約更新をしなければ簡単に辞められます。
「将来的には別の会社で働きたいけど、その前に色々な職業を経験したい」という方や、「一時的な繋ぎとして仕事したい」という方にはピッタリの雇用形態です。
契約社員のデメリット
最後は、契約社員のデメリットについて確認していきましょう。
契約終了後は再び自力で転職活動をしなければならない
派遣会社が仲介役となる派遣社員なら、次の職場は派遣会社が紹介してくれます。しかし、契約社員は契約が終了したら、自分1人で次の職場を探す必要があるのです。
生活費なども考えると、契約終了前には転職活動を始めたほうが良いでしょう。
正社員に比べるとキャリアを積みにくい
派遣社員と比較すれば、やりがいのある仕事が与えられる契約社員ですが、正社員と比較すると責任のある仕事ができないのが実情です。
そのため、長く働いたとしても正社員よりキャリアを積みにくいといったデメリットがあります。
雇用期間に定めがある
契約社員は、正社員のように無期雇用ではありません。雇用期間に定めがあるので、その期間が経過したら契約更新してもらうか他の職場を探す必要があるのです。
ちなみに、雇用期間は原則として3~5年とされています。
また、無期契約雇用制度という制度もあり、それが適応されていれば長く働き続けられるものの、最終的な判断は会社に委ねられているので、正社員より安心感が低いのは事実です。
場合によっては契約を切られることも
契約社員は、会社側が契約更新を提案してくれば長く働き続けられます。
しかし、反対に会社側が「仕事のレベルが不足している」などの理由から、契約解除を言い渡される場合もあるのです。
中には、会社の経営不振によって契約解除になるケースもあるので、安定を求めるなら正社員を目指すほうが良いでしょう。
契約社員の年収ってどのくらいなの?
契約社員の年収は、全業種・全業務内容の平均で362.9万円となっています(*1)。
業種別に平均年収を見てみると、以下のような結果でした。
専門的・技術的業務 | 448.0万円 |
管理的業務 | 599.9万円 |
事務的業務 | 303.8万円 |
販売業務 | 333.0万円 |
サービス業務 | 285.6万円 |
保安業務 | 306.7万円 |
運輸・通信業務 | 332.9万円 |
生産工程・労務 | 286.9万円 |
ちなみに、国税庁のデータによると正社員の平均年収は441万円なので(*2)、正社員より80万円近く低いという結果になります。
また、正社員なら長く働けば昇給や昇進があるので年収も上がっていきます。
しかし、契約社員は契約満了まで給与や役職が上がることないのです。あるとすれば契約更新時なので、正社員よりも期待薄と言わざるを得ません。
ボーナスに関しては、企業によって異なるものの一般的に6割程度が支給されます。金額にすると20~60万円です。
ボーナスはもらえるものの、やはり給与の面では正社員よりも劣るというのが実情となっています。
*2:国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」
派遣社員と契約社員はどちらがおすすめ?
派遣社員と契約社員の違いを雇用期間や給料面、業務内容等で比較してみましたが、果たしてどちらがおすすめの働き方なのでしょうか。
また、大手企業で働くことを目指している人には、どちらの働き方がより近道なのでしょう。
ここでは、様々な角度から考えていきましょう。
派遣社員がおすすめの人
まずは派遣社員がおすすめの人について解説します。
最初の働きやすさを重視する人
派遣社員のメリットの一つに挙げられるのは、最初の働きやすさという点です。
派遣社員はあらかじめ自分の希望を派遣会社に伝えているので、希望に沿った条件の仕事をすぐに紹介してもらえます。しかも、紹介された仕事を一つ断ったとしても、またすぐに違う仕事が紹介されるので、早く仕事に就きやすいと言えるのです。つまり厳しく難しい選考がないので採用までのハードルが低いのです。
一方、契約社員として働くには会社の選考がを通過しなくていけません。そのためすぐに採用が決定するとは一概に言えず、就活に時間がかかる可能性が十分に考えられます。これは契約社員のデメリットとも言えますね。
雇用の継続性を大切にする人
次に派遣社員のメリットですが、雇用の継続性が高いという点が挙げられます。
派遣社員の場合は一つの仕事が終わってもまた次の仕事をすぐに紹介してもらえますし、もし途切れることなく雇用が継続すれば、有給休暇もリセットされずに社会保険への加入も継続することが可能です。
ただし、一つの会社で派遣期間が終了し、次の派遣先に就くまでに1か月以上開いてしまうと有給休暇はリセットされてしまうので注意しなくてはいけません。
一方で、契約社員の場合は契約期間が終了し、会社側からの契約更新がない場合は自分で次の仕事を探す必要があります。契約更新がなくなると有給休暇はリセットされてしまい、社会保険も外され、次の仕事が見つかるまでは国民健康保険や国民年金への加入手続きが必要になります。
ここで補足ですが、契約社員が契約期間を終了した際に会社側が契約更新をしないことは、「雇い止め」と呼ばれます。契約社員といえば期間が随時更新されるイメージですが、実は契約期間終了と同時に雇止めに合うこともゼロではありません。
ただ、会社側が雇止めをする場合は、契約期間満了の30日前までに就労者に告知するということが法律で定められています。(参考:厚生労働省「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」)
また、対象となるのは有期労働契約が3回以上更新されている、もしくは1年を超えて 継続して雇用されている契約社員です。
このように契約更新がなくなった場合を考えると、契約社員の場合は国民保険への加入等で手間もお金もかかってしまうのがデメリットです。
大手で働きたい人
派遣社員には、大手企業で働ける可能性が高いというメリットもあります。大手企業で働くには、派遣形態の一つである「紹介予定派遣」がおすすめです。
先程も述べましたが、紹介予定派遣とは、直接雇用を前提として最初は派遣社員で働き始めるというもので、派遣期間は最大でも6ヶ月になります。
平成25年度のデータによると、紹介予定派遣で派遣された人数に対し、その後直接雇用になった割合は半数もあることが分かりました。(参考:厚生労働省「平成25年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」)
紹介予定派遣からスタートしてから直接雇用が叶い大手企業の契約社員として働き、さらにその1年半後、その大手企業の正社員になるという方も中にはいます。
ただ、契約社員で大手に入るとなると、ライバルも多いでしょうから採用のハードルは非常に高くなります。
大手企業で働いてみたいという希望があるなら、派遣社員の方がメリットがあるでしょう。
未経験でも給料が高いほうが良い人
派遣社員のメリットの二つ目に挙げられるのは、契約社員に比べ給料が高い傾向にあることです。
契約社員の平均月給は約16万円から20万円程度ですが、派遣社員は時給制になり、平均時給は1,200円から1,500円程度。
トータルの年収で考えると派遣社員の方が高い傾向にあります。
ではどれくらい違うのか、具体的に計算してみましょう。
例えば派遣社員の平均時給1,200円で働いた場合、月給に換算すると約21万円になります。これは契約社員の平均月給の16万円より5万円も高い数字です。
派遣社員の平均時給は振り幅が大きいのもまた特徴で、もし時給1,500円で働くとなると月給は約26万円にもなります。
ただ、契約社員でもボーナスがある場合はこれに限りません。
決まった範囲で仕事がしたい人
派遣社員は、契約で定められた仕事以外はしません。
そのため、求人内容や契約内容と違う仕事がしたくないにはピッタリの雇用形態です。
万が一、契約にない仕事を任されたとしても、派遣元企業が間に入って対応してくれるので、その点においても安心感があります。
契約社員がおすすめの人
続いては、契約社員がおすすめの人について解説します。
できるだけ長い期間、同じ職場で働きたい人
次に、契約社員のメリットとして、できるだけ長い期間同じ職場で働きやすい点が挙げられます。
契約社員の場合は一回の契約期間が長く、同一職場にいられる年数も最大5年間でした。また、その後も無期雇用転換が申し込めます。
一方で、派遣社員の場合は最大で3年間しか働けないので、さらに長く勤めるには派遣会社に依頼して派遣先企業に部署の異動を交渉してもらうか、もしくは派遣先に直雇用を交渉してもらう他ありません。しかも、交渉成立する可能性は正直言ってかなり低いでしょう。
いくら今の職場環境が良くても、3年すれば今の職場を離れなくてはならないのは派遣社員のデメリットではないでしょうか。
正社員を目指している人
これもまた契約社員のメリットになりますが、正社員になりやすいという点が挙げられます。
何故なら派遣社員から正社員に直接雇用される可能性は実際のところ低いのが現状で、運よく雇用されたとしても正社員ではなく契約社員であることも多いからです。
一方で契約社員は「正社員登用制度」があり、契約時に正社員登用時期などが記されている場合が多いです。しっかりと運営されている会社でれば、条件をクリアすると正社員として登用されます。
ただ、名ばかりの正社員登用制度であったり、たとえ運用されていても数年に1回、100人に1人などかなり困難である場合も少なくはないので注意は必要です。
ちなみに、最も正社員になりやすいのは「紹介予定派遣」という派遣形態です。
紹介予定派遣とは「直接雇用を前提とした」一つの派遣の形態で、雇用期間は最大でも6ヶ月以内と短期間に定められています。
直接雇用される可能性が6割以上もあり、正社員として採用される可能性も高いので、もし正社員を望むならこの働き方がおすすめです。
第三者を介さず自分で交渉したい人
契約社員は、派遣社員のように会社が間に入ることがありません。そのため、待遇や給与といった交渉は自分でする必要があるのです。
あなたが、第三者を介さずに交渉したいなら、派遣社員よりも契約社員のほうが向ているでしょう。
より責任がある仕事がしたい人
契約社員は、派遣社員よりも責任ある仕事を任せてもらえます。場合によっては、正社員と対等の扱いになるケースもあるほどです。
あなたが、正社員に匹敵する責任ある仕事がしたいなら、派遣社員よりも契約社員を選んだほうが良いでしょう。
スキルアップ・キャリアアップはどちらも変わらない
スキルアップ・キャリアアップについては、派遣社員でも契約社員でも差はあまりないでしょう。
一つの業務に従事するという点ではどちらも同じですから、そこでのキャリアアップは双方に見込まれます。
また、派遣会社にしても大きな会社ではスキルアップ制度が充実している場合が多いので、その都度会社独自のセミナーに参加出来たり、自宅で勉強することも可能です。
スキルアップ・キャリアアップについては、雇用形態よりは働く会社次第と言えます。
まとめ
本記事では、派遣社員と契約社員の働き方の違いやそれぞれのルール、またメリット・デメリットについてお伝えしました。今まで持っていた知識をさらに広げることは出来たでしょうか。
転職するには双方のメリット・デメリットを知った上で、どちらが自分にとっていいのかを総合的に判断することが重要です。
これらを知っているのと知らないのとでは、転職後に大きな差が生まれます。
せっかく転職し、新たな道を歩むのですから、正しい選択をして後悔のないようにしましょう。