転職したい派遣社員が履歴書を書くときに注意しなければいけないポイント

派遣社員の基礎知識

派遣社員と正社員の履歴書は同じ書き方でもいい?

結論から言うと、派遣会社に登録する場合の履歴書と、正社員求人に応募する場合の履歴書の書き方は異なります

なぜなら企業の履歴書を見るうえで重視するポイントが違うからです。

おおまかにいうと、派遣会社は転職者のスキル及び希望条件を重視するのに対し、正社員を募集する企業は書類選考のために、スキル、志望動機、経験、自己PRなどを総合的にみます。

では実際、書き方にどのような差があるのか、また、それぞれの履歴書を書くうえで注意すべきポイントについても併せてみていきましょう。

派遣会社に履歴書を出す場合

最近は履歴書不要で応募できる転職会社をよく見かけますが、そもそも派遣会社登録に履歴書は必要なのでしょうか?

派遣会社に登録する場合、履歴書は必要なのか

派遣会社に登録する際、履歴書が必要か必要でないかは、派遣会社によって異なります。

近年は、履歴書提出不要という派遣会社が増えてきています。そのような派遣会社では履歴書を出さない代わりに、プロフィール・経歴・希望条件などをWeb上で登録するだけというWeb登録という方法を採用しています。

履歴書を書くのが苦手だという人や、履歴書制作に時間を取られたくないという人はそのような派遣会社を利用してみましょう。

また、派遣会社に登録する際に書いた履歴書は、派遣先の企業に送られることはなく、派遣先の企業に別に履歴書を書いて送る必要もありません。

派遣会社に提出する履歴書の書き方で注意すること

1.誤字脱字がない、黒色のボールペンで記入するなど基本的なマナーを守る

履歴書は重要な書類です。もし、消せるボールペンや、鉛筆で書いてしまうと、誰かに内容を書き換えられたり、誤って文字を消してしまうなどを防ぐためにより細心の注意を払わなければければならないなど、企業にも自分にも余計な負担がかかってしまいます。

また、誤字脱字のある履歴書は、見直しなど最低限の努力を怠る人で、「仕事での取引先に送る書類なども同様にミスをしてしまうのではないか」というようなマイナスなイメージを持たれる可能性もあります。

履歴書の内容によって印象も変わってくるため、マナーを守り丁寧に書いていきましょう。

2.志望動機は書かなくてよい

前述したとおり、履歴書は派遣先に送られることはありません。

また、履歴書を提出する派遣会社は、雇用主ではありますが実際に勤務する場所ではないので、志望動機が機能しません。

しかし、派遣先を決める面談では自分の志望動機を言える方が意欲も伝わり好印象を与えられます。履歴書に志望動機を書く必要はありませんが、面談で質問された場合の答えを軽くでもよいので考えておく方が良いでしょう。

3.経験、スキル、資格を詳しく書く

経験やスキルなどを詳しく書くことで、派遣会社から自分の能力が発揮しやすい仕事を紹介される可能性高くなります。

また、未経験の職種で働いてみたいなどの働きたい職種の希望がある場合は、本人希望欄にそのことを記入しましょう。勤務地や勤務場所の希望がある場合も同様に記入します。

このように詳細に書くことによって、派遣先の業務内容が、自分の希望していた業務内容と違ったというようなミスマッチを防ぐことができます。

正社員求人に応募する場合

正社員求人に応募する際に書く履歴書も、派遣会社に登録するときと同様に、誤字脱字など基本的なマナーを守りましょう。

正社員の場合は、派遣会社に登録するときと異なり、志望理由を書きます。

自己PRの欄には、派遣社員としてあなたが積んできた経験を企業で活かすことができることをアピールしましょう。

また、本人希望欄に勤務する上で譲れない条件・希望があれば記載します。その際には「○〇不可」ではなく「○○希望」という表現を使いマイナスな印象を与えないようにするとよいです。特に希望がなければ「貴社規定でお願いいたします」と記入しましょう。

これら以外で、通常の履歴書と大きく書き方が異なるのが、職歴の欄です。詳しく見ていきましょう。

職歴を書く場合の注意点

ここからは職歴を書く際の具体的な注意点を5つ挙げていきます。

1.「入社」「退社」ではなく「登録」「就業」「派遣期間満了」と書く

派遣会社に派遣社員登録をして派遣先で働いているだけであるため、「入社」「退社」と書くことはできません。派遣元には「登録」、派遣先には「就業」を使います。

2.派遣元、派遣先の企業名を明記

派遣元と派遣先の会社名はわけて書きます。派遣先企業が少なくスペースに余裕がある場合は、企業名のほかに部署名や、業務内容を記入しましょう。

3.雇用形態を明確にする

(例)〇〇株式会社に派遣社員として登録。

職歴
平成14 株式会社○○○に派遣社員として登録
平成14 株式会社〇〇に事務スタッフとして就業
平成15 派遣期間満了につき退職

4.正社員としての職歴を優先

採用担当者は派遣社員としての職歴よりも、正社員としての職歴を重視する傾向が高いため、正社員として働いた期間があるなら、職歴のスペースは正社員を優先してさきましょう。

そのために、派遣社員としての職歴を正しくコンパクトにまとめて、正社員としての職歴を書かないというNG行為はしないように注意してください。

5.退職の理由を明記

派遣社員を辞めて正社員になった場合や、違う派遣会社に変更し、その派遣元を利用しなくなったときに「派遣期間満了につき退職」と記入します。

派遣先が変わった場合は記入する必要はないです。また、契約期間よりも前に自ら退職した場合は、「一身上の都合につき退職」と書きます。

履歴書を書く上での注意点やよくある疑問

履歴書に派遣先の企業名を書いてはいけない場合があるって本当?

これは本当です。基本的に履歴書には企業名を記載しますが、例外として守秘義務を守るケースがあります。

例えば、派遣先と派遣元が商品開発や新プロジェクトなどの情報漏洩を防ぐなどの目的のために、守秘義務や機密保持契約を結ぶ場合などです。

この守秘義務は派遣期間が終了しても継続されるため、履歴書に派遣先名を記載するのは控えましょう。守秘義務があるのか不安な方は、派遣元の派遣会社に事前に確認しましょう。

 

派遣社員は職歴になるの?

派遣社員としての経験は職歴になり、履歴書に記載することも可能です。

派遣社員としての経験を職歴に書く義務はありませんが、今までの自分の仕事経験をアピールするためにも、派遣社員経験を職歴欄に記載することをおすすめします。

派遣社員と正社員の履歴書は書き方が異なる

正社員求人に応募する場合と、派遣会社に登録する場合では、履歴書の書き方が変わってきます。また、ほかにも書き方がわからない場合は、派遣会社が相談にのってくれる場合もあり、そのような場合は積極的にサービスを利用しましょう。

注意するポイントを押さえて相手が見てわかりやすい履歴書を作成し、希望する職種への派遣や、正社員に採用される可能性を高めましょう。