最近は新卒で派遣社員になるという人も増えてきています。
厚生労働省の実態調査では、実際に「あえて正社員を選ばない」という人もいることが分かりました。
昔は新卒と言えば正社員を目指すものだというイメージが強かったのですが、現代は必ずしもそうとは言えないのでしょう。初めから的を絞って就職活動をしている学生もいますが、中には「何の仕事をしたいのか自分でも分からない」と不安を抱えている学生もいます。
新卒から派遣社員になることが選択肢の一つになるのであれば、新卒派遣の平均賃金や、メリットやデメリットはどうなっているのでしょうか。
本記事では新卒から派遣社員になることに焦点を当て、新卒派遣の平均賃金やメリットやデメリット、それらを踏まえた上で結局は新卒派遣はどうなのかについて詳しく説明します。
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新卒で派遣社員になる人の割合は意外に多い
新卒派遣とは、新卒で派遣社員として働くことを言います。
新卒と聞くと「就活」という言葉を連想する人も多いでしょう。新卒の人たちが慣れないスーツを着て鞄を手に歩く姿はフレッシュな印象を与えます。
現代は昔に比べ、大企業でも正社員ではなく派遣社員を募集するなど、その裏に「コスト削減」を感じさせる企業も少なくありません。
そのため、新卒で派遣社員になることもまた、大手企業に入れる手段の一つとして注目されているのです。
では、新卒で派遣を選んだ人の割合とその理由を見ていきましょう。
新卒派遣:4人に1人の割合
次に、新卒で派遣になる人の割合を見てみましょう。
厚生労働省では、満15歳~34歳の労働若年労働者を対象にして、最終的に学校を卒業してから1年間に正社員として勤務したか、派遣社員を含む正社員以外で勤務したか調査をしました。(参考:厚生労働省「若年者雇用実態調査の概況」)
以下はその結果をグラフにしたものです。
上記のグラフによると、新卒派遣は約25%の中に含まれますので、4人に1人という結果です。4人に1人の割合というのは中々大きい数字なのではないでしょうか。
また、正社員以外を選んだ理由も見てみましょう。
上記の理由の第一位は、「正社員の採用試験に落ちたから」という想像どおりの理由です。
しかし第二位では「行きたい会社に正社員の募集がなかった」という理由が挙がっています。近年は会社側もできるだけコストをかけないように、正社員の募集自体をせずに派遣社員を依頼する会社も非常に多いのです。
また、数少ない正社員は中々辞めないから空きが出ないというのもあるのでしょう。
次に、第二位と同じくらいの割合で「元々正社員を希望していない」という理由の人もいます。
現代は会社に縛られず、自由な働き方を求めている人が多いのかもしれません。
正社員型派遣って?派遣の3つの種類や働き方をわかりやすく解説
ここでは、派遣における以下の3つの種類と働き方について解説します。
- 登録型派遣
- 正社員型派遣(常用型派遣)
- 紹介予定派遣
それぞれの派遣形態には特徴がありますので、以下を見て下さい。
登録型派遣
一般的によく使われている「派遣」は、この「登録型派遣」を意味していることが多いです。
この登録型派遣では、派遣会社から仕事の紹介をされ、採用が決まったら派遣会社と雇用契約を結びます。
登録型派遣の特徴は以下の3つです。
- 雇用主(給料元)は派遣会社
- 業務の指揮者は派遣先の上司
- 雇用期間に定めがある(最大3年間)
最初に、雇用主は派遣会社ですが、派遣先の上司から指示を受けて業務を行うという点が特徴になります。ただし、あくまでも雇い主は派遣会社なので、仕事の相談は派遣会社にしましょう。
また、登録型派遣には雇用期間に定めがあります。
例えば「雇用期間は4月1日~7月1日まで」というように、派遣会社と雇用契約を結ぶ際に期間は必ず提示されるのです。
一般的には3か月経つごとに更新され、更新1か月程前に派遣会社の担当者が派遣先を訪問し、「次の更新もされますか」と意思を聞きにきます。
長期の仕事になると更新までの期間が半年~1年と長くなる場合も多いです。
ただ、一つの職場の同一部署(課)に居られる最大の派遣期間は3年間と決まっていますので、3年経つ前に派遣会社から新しい派遣先の紹介がされるでしょう。(参考:厚生労働省「派遣で働く皆様へ」)
今回、新卒派遣についてはこの登録型派遣について説明します。
メリット | デメリット |
〇 誰でも簡単に登録できる 〇 自分に合った働き方ができる |
✖ 契約満了後は再び求人を探す必要がある ✖ ボーナスや昇給がない |
正社員型派遣(常用型派遣)
正社員型派遣は常用型派遣とも呼ばれます。
正社員型派遣の特徴は以下の3つです。
- 派遣会社の正社員である(派遣スタッフではない)
- 業務の指揮者は派遣先の上司
- 雇用期間に定めがない(無期雇用)
正社員型派遣は登録型派遣とは違い「派遣会社の採用試験を受けて合格した人がなれるもの」、つまり派遣会社の正社員なのです。
派遣会社の正社員として、派遣先に出向いて就業します。
通常の正社員と同じで、派遣会社に直接雇用されているので契約期間に定めがなく、3年経っても5年経っても働けるのです。
新卒から正社員型派遣を検討している人は、以下の記事を参考にして下さい。
メリット | デメリット |
〇 大手企業で働けるチャンスがある 〇 様々な職種や会社が見られる |
✖ 新卒という強みを就活に生かせない |
紹介予定派遣
紹介予定派遣の特徴は以下の3つです。
- 派遣先で最大6ヶ月間の派遣期間を経たら派遣先企業で直接雇用される
- 派遣期間中の雇用主は派遣会社
- 派遣期間後(最大6カ月間後)の雇用主は派遣先企業
紹介予定派遣は、初めは派遣社員として就業しますが、最大半年経てばその後は派遣先企業で直接雇用されるので、正社員もしくは契約社員になれることが多いです。
新卒から紹介予定派遣を考えている人や新卒から正社員型派遣を検討している人は、以下の記事を参考にして下さい。
メリット | デメリット |
〇 事前に内情を知れる 〇 派遣会社が雇用条件を交渉してくれる |
✖ 給料が下がる可能性がある ✖ 必ず正社員登用されるとは限らない |
派遣の給料って? 正社員の新卒と比べた時の差や職種別平均時給も!
ここで、新卒派遣の平均賃金を見てみましょう。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、「正社員、正職員以外」という分け方で年齢別に平均賃金が出ています。
つまり派遣社員だけでなく契約社員やアルバイト、パートも含めますから、正式な平均賃金とは異なりますが、一部グラフを切り抜いてみました。
新卒の年齢である20~24歳の平均賃金は18万2100円が平均賃金になっています。
一方で「正社員・正職員」の平均賃金を見ると21万3200円となっているので、派遣社員との金額差はそこまでないように感じます。(*ただし、ボーナス・交通費は出ないケースが多い)
しかし、この平均賃金は職種によっても地域によってもかなり差があります。
また、未経験でも始められるのか、一定の経験が悲痛用なのかによっても差が出るのです。
職種 | 平均時給 | 難易度 |
一般事務・OA事務 | 1,499円 | ★★ |
営業事務 | 1,563円 | ★★ |
倉庫管理・入出荷 | 1,254円 | ★ |
梱包・仕分け・検品 | 1,153円 | ★ |
コールセンター | 1,455円 | ★★ |
薬剤師・栄養士・管理栄養士・医療技術者 | 1,455円 | ★★★ |
研究・開発・検査 | 1,534円 | ★★★★ |
WEB制作・編集 | 1,946円 | ★★★★ |
WEBディレクター | 2,129円 | ★★★★★ |
SE・プログラマ(制御系) | 2,361円 | ★★★★★ |
*平均時給参考:はたらこねっと「派遣の職種平均時給【2020年10月 関東版】」
このように職種によっても時給に大きく差があるため、一概に新卒派遣だからといって給料が高い、低いとは言えません。
他にも、地域別に平均賃金を見たい場合は以下の記事を参考にして下さい。
新卒から派遣社員になるメリット・デメリット
「新卒派遣もありなのかな」と考えている人は、新卒派遣から派遣社員になるメリットとデメリットを知っておきましょう。
どんな雇用形態でもそれぞれに良い部分、悪い部分はありますので、一通り聞いておいてから、自分に合うところや重要な部分が多い方を選ぶ方が良いです。
メリットだけを聞いてもデメリットを知らなくては損するかもしれませんし、デメリットだけで知っていても前には進みません。
元々正社員を希望していないという人の割合も案外多かったので、その人たちは新卒派遣のメリットデメリットを知っているのかもしれません。
具体的に見ていきましょう。
新卒から派遣社員になるメリット
まずはメリットからです。
就職活動に苦労することがない、職歴がつく
新卒派遣のメリットの一つに、就職活動に苦労することがない点が挙げられます。
職活動は大変といったイメージも強く、一つの会社に応募して合否が出るまでに時間もかかりますよね。
また、大手の会社だと合格率も下がるため受けては落ちるというのを繰り返し、半年以上就職が決まらないという人も少なくありません。
一方、派遣の場合は派遣会社が自分の希望に近い求人をごっそりと紹介してくれますので、就職活動に苦労することがないのです。
私の場合、30代でも仕事の紹介の電話が1週間に3回はかかってきたので、新卒のフレッシュな若年者であればその3倍以上は紹介してもらえるでしょう。
また、自分から求人を探す手間が省ける上に、派遣社員として働くごとにきちんと職歴がつきます。
通常は採用試験を受ける度に書類の準備をしなくてはいけないのですが、派遣の場合は「また履歴書と職務経歴書を書く」という作業はありません。
派遣会社が職歴を把握してくれるので、次の仕事も手ぶらでエントリーすることが可能なのです。
一度派遣会社に登録さえすれば、非常に楽です。
大手企業で働ける
新卒で派遣になるメリットの二つ目に、大手企業で働けるという点があります。
通常の採用試験で大手企業を狙うとなると、倍率が200倍、300倍と非常に難関です。
しかし現在は大手企業も派遣社員を依頼するケースが多いので、派遣社員として大手企業に入るという手段も有効です。
もちろん派遣とは言え倍率は高いでしょうが、通常の採用試験に受かるよりも派遣社員を狙って大手に入る方が明らかに倍率は低くなります。
私も実際に派遣社員として大手企業に派遣されましたが、「ここにいる正社員たちは高学歴の人ばかりなんだ」と思いながら仕事をしていました。
私は派遣という雇用形態でなかったら、明らかに選考落ちしていただろうと思います。
ビジネススキルが身につく
派遣社員として働くことで、ビジネススキルが身に付きます。
例えば事務職に就くと電話応対、マナー、来客応対、ビジネスメール、OAスキルなども身に付くでしょう。
私は実際に事務職について、特に電話応対や来客応対、ビジネスメールなどのスキルが身に付きました。
また営業職であれば、交渉やプレゼン、コーチング、セールススキルも身に付きます。
派遣社員として働くことで自分の仕事の幅も広がり、それに伴ったビジネススキルも身に付くのはメリットでしょう。
ビジネススキルはその職種にしか通じないと思いがちですが、「こんなところで役立つとは」という場面に遭遇することも意外にあるので、身に付けておくと何かと役に立ちます。
色々な会社を見ることができる
派遣社員は雇用期間に定めがあるので、色々な会社を見ることができるというのもメリットです。
長い間一つの会社にしかいない人はその会社のことしか分からず、ある意味視野も狭くなってしまうかもしれません。
しかし派遣社員の場合は様々な会社で沢山の人に出会い、それぞれの仕事の仕方を知ることができます。
色々な会社を見ることでそれぞれの良さを取っていけば、今より良いものを会社に提案することもできるでしょう。
例えばある会社で行っていたコスト削減の政策を、まだ取り入れていない会社で提案してみたり、ある会社で行っていた企画の一部を取り入れて今の会社で活用できるかもしれません。
色々な会社を見るということは、その分他にはない知識があるということになりますので、今後の自分のキャリアプランを広げていくきっかけにもなるでしょう。
これからのキャリアプランをコーディネーターに相談できる
派遣の場合、派遣会社のコーディネーターは「相談相手」になってくれます。
自分の職歴も得意分野もやりたいことも分かっていますから、今後のキャリアプランを一緒に考えてほしいと言えば快く相談に応じてくれますし、アドバイスもくれるでしょう。
また、派遣会社によってはスキルアップ講座が受講できるところもあるので、自分のキャリアプランを練っているうちに提案してくれるかもしれません。
将来について相談できる人がいて、それが身内や友人でない分、第三者的な冷静な目で判断をしてくれますし、色々な職種に詳しいので視点が周りとも違い、きっと為になるでしょう。
月給が正社員に比べて高くなる場合も
派遣社員の場合、職種によっては時給が高く、トータルで見ると新卒の正社員よりも月給が高くなることも多いです。
厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査では、大卒の初任給は20万6700円、高専・短大卒の初任給は18万1400円と公表しています。
一方、派遣社員の場合、例えば一般事務の平均月給は21万126円、会計事務の平均月給は23万1693円です。(参考:厚生労働省「労働者派遣事業報告書表8 派遣労働者の賃金)」)
比較してみると派遣の一般事務は職種として平均時給が低めですが、大卒の初任給よりも高くなっています。
また、専門性の高いIT技術職や英文会計事務などの職種はさらに時給が高くなります。
残業が少なく定時で帰れる
派遣のメリットの一つに残業が少なく定時で帰れるというのもあります。
正社員として働くと、会社によっては一人あたりに与えられる仕事量が多すぎて、到底定時では上がれなかったり、残業してもサービス残業だったり、休みの日にまで出勤して仕事をするというところも少なくありません。
一方、派遣社員の場合残業が少ないことが売りの求人も多く、繁忙期以外は定時上がりできる派遣先も沢山あります。
私の派遣先でも繁忙期以外は17時上がりでしたし、「正社員は残っても当たり前だけど派遣社員には残業させない」という方針だったようで派遣社員だけは早く上がらせてくれました。
繁忙期はそれなりに残業はありましたが、正社員と違って派遣社員は時給制なので、残業した分は5分ごとに残業代も発生し、繁忙期は忙しい分給料が高くなって返ってくるので嬉しかったです。
時給が高いケースが多い
派遣社員は、アルバイトなどと比べると時給が高い傾向にあります。
というのも、派遣社員は給与を経費にすることで節税ができるのです。また、興津被やボーナスが出ない代わりに、その分を時給に上乗せしているケースがあります。
おまけに、直接雇用と比較するとコストが安いこともあって、他の非正規雇用よりも時給が高めに設定されているのです。
新卒で派遣社員になるデメリット
次に新卒で派遣社員になるデメリットを見てみましょう。
ボーナス、昇給がない
派遣社員にはボーナスや昇給がないのが最大のデメリットだと考える人も多いでしょう。
時給は高いのですが頑張っても昇給に繋がらず、ボーナスももらえないのは虚しくて、周りの正社員が羨ましく思えます。
他の派遣社員より仕事を頑張っても特に認められるわけでもないので「頑張り過ぎなくていいよね」と派遣同士でひそかに話していたものです。
実際に私の同僚は1年後に「もっと頑張った分だけ給料に反映される仕事をばりばりしたい」と言って転職しました。
長く続けたくてもそれが叶わない場合も多い
派遣社員は長く居られて3年というのもデメリットの一つです。
長い期間仕事をしているとそれなりに慣れてもきますし、職場の人とも打ち解けられて風通しの良い職場環境になってきたという人も多いでしょう。しかし、長く居られて3年が限度です。
正社員であれば一つの会社にずっと居られて、しかも勤続年数が長くなればなるほど「年功序列」で給料にもボーナスにも反映されていきますが、派遣社員の場合はその職場を去らなくてはいけません。
どうしても同じ会社で働き続けたい場合は、違う部署に異動するか、派遣会社に相談して派遣先の直接雇用を交渉するかすれば居られる可能性はありますが、確率としては極めて低いでしょう。
世間体が悪い
新卒で派遣社員になると、親戚や友人などに進路を聞かれた時に「派遣社員」と答えにくいという人も多いです。
世間体が気になり、正社員でないことが後ろめたく感じてしまいます。
特に世間体を気にする身内がいる場合には、「正社員」という響きがないことにコンプレックスを抱き、堂々と言えないため会いたくないと感じることもあります。
派遣社員であることは肩身が狭いと言うと他の派遣社員に失礼ですが、そうなる気持ちも分かります。
新卒ブランドを失ってしまう
新卒から派遣社員になることで、職歴が一気に「派遣社員のみ」になりますので、せっかくの新卒ブランドを失ってしまうというのも大きなデメリットになります。
「新卒の価値」は高く、経験やスキルがゼロでも関係なく就職できるチャンスがあるのです。その一度のチャンスを派遣に使ってしまうのはもったいないという見方もあります。
また、次に就職する時には「既卒者」ということになり「派遣という職歴のみ」で勝負することになってしまいますから、スキルや経験を重視されて判断されるので、他の正社員の職歴を持つライバルがいた場合、不利になるかもしれません。
派遣がおすすめの人の特徴
ここでは、派遣社員がおすすめの人の特徴について解説します。
やりたい仕事のイメージが明確でない人
大学を卒業するタイミングで、全員がやりたい仕事を明確にしているとは限りません。中には、就職活動の時期になっても、どのような仕事をしたいのか分からないという方は存在します。
その場合は派遣社員がピッタリです。
派遣なら、様々な職種があるうえに正社員よりも簡単に仕事に就けるという特徴があります。
実際に働いてみると何がやりたいのか明確になりやすいので、やりたい仕事が分からない方は派遣社員として働いてみると良いでしょう。
ひとつの仕事だけでなく色々な仕事をしてみたい人
派遣には様々な職種があるので、色々な仕事を経験したいという方にもピッタリの働き方です。
正社員よりも気軽に仕事を始められるうえに募集している職種も豊富なので、色々な職種を経験したいなら正社員よりも派遣の方が良いでしょう。
実際に働いて、その企業をよく知ってから入社したい人
ひとたび正社員として就職すると、なかなか簡単に退職や転職ができなくなります。万が一、自分に合わない会社だったら続けるのが辛くなるでしょう。
そのような失敗を防ぎたいなら派遣が適しています。
派遣なら正社員よりも気軽に始められるうえに、自分に合わないと思えば簡単に別の仕事を見つけられるのです。
実際に働いて、その企業を知ってから正社員として働きたいなら、まずは派遣社員から始めるという選択肢は良いでしょう。
派遣でビジネススキルを身に付けて就活に活かしたい人
ビジネススキルを身に付けてから、就活に臨みたいという場合は派遣社員として働いてみると良いでしょう。
派遣社員なら、正社員ほど高いスキルが求められるわけではありません。しかし、アルバイトなどよりは研修制度などが整っているので、基本的なビジネススキルが身に付けられます。
就職活動では、基本的なビジネススキルが身に付いているだけでも有利となるので、就活を有利に進めるためにビジネススキルを身に付けたいなら、派遣社員として働くのは効率的でしょう。
新卒から派遣社員として働くまでの流れ
新卒から派遣社員として働くまでの流れを見てみましょう。
- 派遣会社に登録する
- 派遣会社から仕事の紹介を受ける
- 希望条件に近い求人にエントリーする
- 派遣会社での社内選考の結果待ち
- 派遣先企業に職場見学(希望者のみ)、顔合わせに行く
- 採用の合否連絡待ち
- 合格したら派遣会社に採用の手続きをしに行く
- 派遣先企業で就業開始
上記がスムーズに採用が決まった場合の流れになっています。
自分の希望に近い求人にエントリーしても、応募者が殺到するなど競合が発生する場合、4番目や5番目で選考に落ちてしまうこともあるでしょう。
また、5番目の職場見学や顔合わせは「面接」とはまた違います。通常は採用試験を想像しますが、派遣法では採用前の派遣社員を特定することを目的とした事前面接が禁じられているのです。(参考:一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣先のコンプライアンス」)
顔合わせとは、勤務前に派遣先を訪問し、派遣先の上司と面談をすることです。
事前に派遣先を見ることで上司や職場の雰囲気が分かり、自分が働くというイメージが湧きやすいというメリットがあります。また、派遣先にとってもどんな派遣社員が来るのかを知っておくことができるので、双方にとって良いでしょう。
登録して顔合わせまでが終わったら、いよいよ採用の結果待ちです。
採用結果が出るまでの期間は派遣先によってまちまちですが、スムーズに進んだとしても2週間から1ヶ月程度はかかると考えておいた方が良いでしょう。
派遣会社の登録会や顔合わせ、働くまでの流れについて、詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
メリット・デメリットから考える新卒から派遣の是非
新卒から派遣社員になることのメリットやデメリットを見て、結局のところ新卒から派遣になることの良し悪しはどうなのでしょうか。
新卒から派遣になることによってメリットはたくさんありました。
多くの会社で経験を積めることでビジネススキルが身に付いたり、仕事の幅や視野が広がることも魅力的です。
ただ一方で、ボーナスや昇給がなかったりと経済面では大きなデメリットもありました。
では結局のところ、メリットやデメリットから新卒派遣になることの良し悪しをどのように考えれば良いのでしょうか。
できれば新卒ブランドを活用して正社員になった方がいい
ここで改めて注目したいのは、最後のデメリットに挙げた「新卒ブランドを失ってしまう」ということについてです。
せっかく新卒なのだからどこにでも就職できるだろうに、派遣社員を選んでいいのかと世間的には疑問に思う人が多く、それだけ新卒ブランドの価値は高いと言えます。
既卒の場合、年齢に応じてある程度のビジネスマナーや経験、スキルが求められ、その上で会社についての知識や関心なども必要とされるので、採用する側もより高いハードルで既卒者を見ています。
一方で新卒の場合は、その業界についての知識や経験、スキルがなくても、吸収力や柔軟性、将来性が武器となるのです。
できれば新卒ブランドを活用して正社員を目指した方が、長い目で見た時に良いのではないかと思います。
新卒と既卒を天秤にかけると、即戦力を求める企業でない限りは既卒の方を雇用する企業が圧倒的に多いからです。
ちなみに女性であれば、最初は正社員からスタートし、結婚して家庭を持ってから派遣社員に転換するという人も多いので、自分の目的やプランに合わせて派遣社員になるというのも良いです。
いずれは正社員にと考えているなら、早めに正社員へのキャリアチェンジ
自分の中で目的があって派遣社員として働くことを決めたなら、派遣社員の道に進むのもありです。
しかし「ずっと派遣でいこうとは思わない。いずれは正社員に…。」と思っているのであれば、早めに正社員にキャリアチェンジする方が良いでしょう。
事実、年齢が高くなるにつれて就職は難しくなっていきます。
気づいたら目的もなく長々と派遣をやってしまい、一貫性のない職歴では正社員までの道は遠くなるだけでしょう。
いずれ正社員になりたいのであれば30代前、いや20代前半のうちに、早ければ早いほど就職には有利です。
それに、早く正社員になった方が昇給、昇格も早く進み、同世代と並んでもそこまで差がない年収になりますが、キャリアチェンジが遅くなれば同世代との年収差が大きく開き、後悔する可能性も高くなるでしょう。
よく「若いうちが華」と言いますが、本当にそうなのです。
新卒から派遣社員になるのであれば、今後の具体的な目的や、キャリアプランを練ってから進むのがベストでしょう。
派遣社員から正社員への転職でおすすめのサービス
「派遣社員から正社員への転職は大変…」と悩んでいた方は通常の転職サイトではなくアドバイザーが付く転職サービスを利用するのがおすすめです。
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負担を減らすだけではなく効率的に進めることができるので、結果的に短期間での内定獲得に繋がります。
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転職活動をする方の多くは2つ~3つの転職サイトを複数登録していることが多く、実際にそのような転職方法はおすすめです。
その理由としては各サイトによって求人内容が異なるので、なるべくその時々で良い条件の求人を確認できるからです。
また、転職をサポートしてくれるアドバイザーと相性が合う合わないという問題もあるため、なるべく一つの転職サービスだけではなく複数を利用することで客観的な判断がしやすくなります。
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どんな人に向いている? | ・とにかく多くの求人を見たい方 ・既卒、第二新卒の方 ・積んだキャリアを生かして転職したい方 ・エージェントから転職活動のサポートを受けたい方 |
リクルートエージェントは転職サービスの中で最も取り扱い求人数が多い、大手転職エージェントです。
取り扱い求人数が多いということは色々な可能性を見つけることができるため「次にやりたい仕事がまだイマイチ決まっていない」という方に合っています。
全国の求人を扱っているので、地域を選ばずに利用できるのもメリットの一つです。リクルートエージェントは転職を決意したらまず利用したい転職サービスです。
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対象の年代 |
20代~40代 |
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どんな人に向いている? | ・派遣社員、フリーター、既卒で早期退職を経験した方 ・未経験職種へのチャレンジをしたい方 ・社会人経験がない方 ・履歴書や面接に自信がない方 |
JAICはフリーターの方や就職をしたけど早期退職をするなど上手く行かなかった方、未経験職種や業界にチャレンジをしたい方におすすめの転職サイトです。
これから正社員を目指すという方を支援するためのプログラムや、アドバイザーからの丁寧な個別サポートを受けることができるので、「正社員への転職活動をしたいけど何をしたらいいのかわからない」という悩みを抱えていた方でも安心して転職活動を進めることができます。
また、転職成功率が高いだけではなく、入社後の定着率が高いこともJAICの特徴です。
内定を取ることだけを考えるのではなく、自分にとって働きやすい環境の会社をしっかり紹介してくれることが定着率の高さに繋がっていると言えるでしょう。
「これから正社員を目指したい」と考えていた方は要チェックの転職サイトです
【待ちの転職活動】ミイダス
対象の年代 |
20代~40代 特に20代に強い |
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どんな人に向いている? |
・第二新卒の方 |