派遣社員として働く方の中には30代の男性も多く、その中には、このまま派遣社員を続けることに不安を感じている方もいるでしょう。
「できれば正社員を目指したい」「やっぱり派遣のままがいい」と、それぞれ思いや考えがあると思いますが、働き盛りの30代を派遣のままでいるメリットとデメリットにはどのようなものがあるか気になるところです。
また、現在独身の方は将来的に結婚を考えている方も多いかと思いますので、派遣社員を続けると結婚にどう影響するのかも併せて解説していきます。
派遣社員から正社員を目指すなら通常の転職サイトよりもサポートが充実した転職エージェントを使うのがおすすめです。
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国内の派遣で働く男性の割合を調査
まずは国内の派遣事情から把握していきましょう。
厚生労働省の派遣労働調査によると、2020年1月~3月の派遣社員数は男女合計で約143万人。役員を除く雇用者全体から見た派遣社員の割合は2.5%で、ここ15年はずっと2~3%の間を保っていて、そのうち男性は約56万人、女性は約85万人です。
そして、派遣労働者数のうち男性約56万人を100%とした場合、30代の男性は30.6%と全体の約3割を占めています。
また、30~34歳までは19%、35~39歳までの方は11.6%です。30代前半の方が派遣で働く方が多く、後半になるにつれ少なくなっていく傾向が読み取れます。
派遣の種類別に見ていくと下の図のように、男性の派遣労働者は登録型よりも常用雇用型で働く方がおよそ6割と多い状況です。
常用雇用型とは「無期雇用派遣」とも言い、派遣会社と無期雇用の契約を締結して、派遣先での就業期間が終了して次の派遣先で働くまで待機期間が発生しても派遣会社から給与が支払われる働き方です。
特徴 | |
常用雇用型 |
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登録型派遣 |
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給与は安定していますが、常用雇用型として働くためには、各派遣会社の常用雇用型案件に応募・面接などを行い内定をもらう必要があるので、誰でも簡単にとはいきません。
加えて、定期的な昇給や昇進は期待できないため、年齢上がっていくにつれて資格取得などの年収を増やす工夫が必要になります。
派遣で働きながら30代を過ごして問題ない? 30代男性が派遣社員で働くメリットとデメリット
男性は20代後半ごろから将来のことを徐々に考える人が増え、年収や結婚についても周囲と比較するようになります。
同時に派遣で働いている方は派遣という働き方に対しても、このままでよいのか考え始めている方もいるでしょう。
なかには「今からでも正社員を目指す方がいい」と感じる方もいて、派遣社員を辞めて正社員へと転職する方も増える時期です。
派遣社員として働くメリットやデメリットを踏まえ、30代を派遣社員として過ごしても問題がないかチェックをしてみてください。
30代男性が派遣で働くメリット
まず、30代男性が派遣で働くメリットから見てみましょう。
多業種にチャレンジしやすくさまざまな仕事の経験を積める
派遣の仕事は未経験からチャレンジできる職種が豊富にあり、いろいろな分野の仕事にチャレンジできる環境があります。
例えば、派遣会社のスタッフサービスでは「未経験者」の求人を検索したところ、全国で約18,000件ヒットしました(2022年10月時点)。
20代のころにやってみたかった仕事や、今からでもチャレンジしたい仕事がある方も多くの経験を積めることがメリットです。
責任ある仕事を任されにくい
一般的に30代の正社員の場合、部下がいるか責任ある役職に就く年代のため、仕事=責任重大となる方がほとんどです。
しかし、派遣社員は一部の業務に対するスキルや技術を持つ方が適所に配属されて仕事をするので、プロジェクトの成功のカギとなるような任務を任せられることがほぼありません。
とはいえ、仕事なので全く責任がないわけではありませんが、30代の正社員に比べるとやや気楽なところがあります。
管理職のプレッシャーがない
ひとつ前の責任ある仕事を任されにくいという項目と少し被る部分がありますが、30代の正社員は管理職になる方もいて、日々の仕事にプレッシャーを感じながら働く方もいます。
一方で派遣社員には役職がなく管理職にも就きません。
そのため、管理職のプレッシャーを感じることなく働けます。
ワークライフバランスがとりやすい
派遣の仕事はスキルや経験が豊富なほど、時給を高められます。
日々の仕事でほとんど残業がなく、派遣契約で決められた範囲の仕事をするため、プライベートを充実させられるのも大きな魅力です。
時給をアップさせる目的でプライベートの時間に資格取得の勉強をすることや、派遣として働きながら育児・介護・看護などの両立をしやすいことなども派遣で働くメリットではないでしょうか。
一般のアルバイトより時給が高く残業が少ない
派遣の仕事は一般のアルバイトやパートと比べて時給が高く、より多く稼げます。
また、派遣契約では仕事内容や労働時間など細かく決めて契約するので、残業がほとんどないかあったとしても正社員よりもずっと少ない傾向があります。
アルバイトよりは稼ぎたい方や、正社員のように残業が多い仕事が困る方にぴったりの働き方です。
30代男性が派遣で働くデメリット
次に、30代男性が派遣で働くデメリットを見てみましょう。
雇用が安定しにくい
派遣社員で働く上でどうしても避けられないのが、正社員よりも雇用が不安定な点です。
派遣社員として1ヶ所の企業もしくは部署で働ける期間は最長でも3年までと決められています。
また、派遣契約は3ヶ月~6ヶ月程度で契約が満了となり、派遣社員と派遣先企業の双方の合意の元で契約の更新ができます。
派遣先の企業が契約を更新しない場合は、別の派遣先を探さなければなりません。
つまり派遣社員は長くても3年、短いときは3ヶ月前後の期間で仕事が変わる可能性が高いのです。
ボーナスは期待できない
派遣という働き方には、ボーナスがほとんどありません。これは、普段の給与にボーナス分も含まれているためで、一般的な正社員のように年に2回のボーナスとして支給されないのです。
ただ、派遣会社でボーナス制度を導入している場合は支給されますが、登録型派遣の方はほぼ期待できないでしょう。
普段の給与のみで損をしているわけではないものの、感覚的にボーナスシーズンは寂しい雰囲気が漂います。
年収アップは期待できない
派遣の仕事は時給制のため、年収で考えた場合大きくアップすることが難しいです。
正社員の場合、年に1~2回定期的に昇給していきますが、派遣は定期的な昇給がありません。
経験やスキル、資格取得などにより時給がアップする機会はありますが、毎年のように時給を上げていくのは難しいでしょう。
そのため、年収は上がらないケースが多いです。
キャリアアップが難しい
派遣においてキャリアアップとは、派遣先の企業に直接雇用してもらうことだと言えます。
登録型派遣を利用している場合でも直接雇用のチャンスがないわけではありませんが、紹介予定派遣を介して直接雇用を狙うとしても、何らかのスキルや経験がなければ険しい道のりです。
無期雇用派遣では正社員とほぼ同じような条件で働けても、派遣会社の方で役職に就くことは期待できません。
そう考えると、派遣として働くうちはキャリアアップが難しいといえるでしょう。
30代を派遣社員で過ごすことは問題ないのか
30代を派遣社員で過ごすこと自体は問題があるわけではありません。
ただ、「このまま非正規雇用でいいのか?」 という不安や疑問を抱く方は少なくないでしょう。
30代の男性で派遣社員で働き続けることに不安がある方は、下記手段のいずれかを取ることをおすすめします。
- 派遣先が直接雇用することを前提とした「紹介予定派遣」で働く。
- 正社員へ転職をする。
紹介予定派遣とは、派遣社員が派遣先で最長6ヶ月の範囲で派遣社員として働き、派遣先と派遣社員の双方で合意が得られれば派遣先で直接雇用してもえらえる働き方です。
派遣社員と派遣先企業のどちらにもメリットがある働き方で、双方の様子を見て判断ができるため、直接雇用後のミスマッチを予防できます。
正社員への転職については、不安を感じて避けたいと思う人もいるでしょう。
ただ、最近は派遣社員から正社員への転職ノウハウに強いサービスもあるので、大手の転職サイトと合わせて使うと効果的です。特におすすめのサービスは記事の最後にご紹介します。
30代の男性で派遣社員だと結婚が難しい
30代の男性でこれから結婚を予定している方は、派遣社員のままでは結婚することに影響が出る可能性が高いです。
女性目線では夫の給与や仕事が安定している方が生活しやすく、安心して将来の家族計画や人生設計を組めると考える傾向があります。
一般的なアルバイトやパートより高時給でボーナス分も時給に含まれているとしても、一生涯一緒に暮らすことを考えるとやはり、将来増える家族や自分たちの老後などが心配になります。
また、2022年6月8日に掲載された日経新聞『「生涯未婚」非正規男性の6割 将来への不安根強く』を見ると、50歳時点における男性で、非正規雇用者の未婚率が60.4%と、正社員の19.6%を大きく上回りました。
女性が結婚相手に求める理想の年収では、マイナビウーマン編集部が22~34歳未婚女性を対象にした調査『女性が結婚相手に求める年収とは? 最低ラインと現実の実態』によると、500~700万未満が37%でもっとも多く、次いで400~500万未満が21%となったようです。
定期的な昇給やボーナスがない派遣で働く30代男性にとって、500万円のラインは厳しい条件と言えるでしょう。
派遣と正社員の年収・福利厚生の違い
派遣社員と正社員ではどのような違いがあるのか、改めて確認してみましょう。
派遣社員 | 正社員 | |
雇用 | 派遣会社が雇用主 | 勤め先が雇用主 |
給与 | 時給制 | 月給制 |
キャリアアップ | なし | 定期的な昇給や昇進がある |
例えば、年収を比較すると、30代男性の正社員の平均年収は481万円なのに対し、派遣社員の平均年収は約393万円で年間約88万円の差があります。(1日8時間あたり14,888円×22日×12ヶ月=3,930,432円)
福利厚生を比較すると正社員は勤める企業のもの、派遣社員は派遣会社の物に準ずるため、企業の規模によって差があり、同じフロアや部署で一緒に働いていても利用できる福利厚生の内容が異なることもあります。
(参照:平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)、【年代別/年齢別】平均年収と年収分布 |転職ならdoda(デューダ))
30代男性派遣社員が40代以降も派遣を続けるリスク
もし派遣社員で働く30代男性が40代以降も派遣として働き続けられても、いつ契約終了となるかわからない不安や雇用期間の不安定さ、年収から結婚にも影響が出るのは避けられません。
将来的に安定した生活をしたい方や結婚を考えている方は、なるべく早めに紹介予定派遣を利用するか正社員への転職が必要でしょう。
派遣で働く30代の男性が仕事や収入の安定のために正社員を目指すことは可能ですが、ただ闇雲に応募をするだけでは徒労に終わってしまう可能性もあります。
特に今まで正社員に一度もなったことがない方は、派遣社員から正社員への転職に強みがある転職エージェントの利用がおすすめです。
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