派遣社員で働いていて、「体調不良で出勤ができない」ということは誰にでも起こり得ることでしょう。
では、そのようなときに派遣社員は体調不良を理由に休めるのでしょうか?
このコラムでは、派遣社員が体調不良で休む場合の連絡の仕方や診断書の有無、有給の取得についてなどを詳しく解説していきます。
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派遣社員は体調不良を理由に休めるのか
派遣社員は派遣会社に雇われて、派遣先の企業で業務を行います。
派遣先の企業は派遣の人数を最低限にしている場合が多くあり、一人が休むと迷惑をかけてしまうかもしれません。
しかし、だからといって体調が優れないのに無理に出勤することで更に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
では、実際に派遣社員が体調不良で欠勤することはできるのでしょうか?
派遣社員が当日休むことは可能
派遣社員が体調不良で当日に休むことは可能です。
ただし、当日欠勤をする場合は、必ず雇用元の派遣会社と派遣先の企業にその旨の連絡を入れるようにしましょう。
くれぐれも無断欠勤をしてはいけません。
無断欠勤をしてしまうと想像以上に信頼を失うことがあります。
その後の仕事にも影響は出てしまうので必ず連絡を入れるようにしましょう。
早退もできる
派遣先の企業で業務を行っている最中に体調不良になってしまうこともあります。
そのような時には、派遣社員でも早退はできます。
体調不良のまま無理して業務を続けても周りの社員の方に病気を移してしまう可能性もあるので、無理はしないようにしましょう。
「体の調子がおかしいな」と感じた時点で、すぐに現場リーダーの方に報告をし、指示を仰ぐことがとても大切です。
引き継いでから早退をする
業務中に体調が悪くなった場合には、なるべく速やかに早退する必要がありますが、早退後に周りの社員の方が困らないよう引継ぎが必要かを確認をすることも大切です。
業務内容によっては引継ぎが必要となることがあるので、緊急を要する場合を除いては、できる限り引継ぎをしてから早退をする方がよいでしょう。
派遣社員でも体調不良になれば無理せず休もう
多くの企業は1人の欠勤が業務に支障をきたしてしまうことがあります。
そのため、体調不良を含むやむを得ない事情を除いては欠勤は避けた方がよいでしょう。
ではどのような場合に、休むことができるのでしょうか?
基本的に下記の4つに当てはまれば休んでしまっても問題ありません。
- 体調不良
- 家族の病気やけがのための付き添い(他に誰もいない)
- 家族の危篤や葬式
- 自宅の水道やトイレの故障(修理に付き添う必要がある場合)
どれも緊急を要することに当てはまる内容となります。
ただし、家族の付き添いや修理の付き添いなどは、誰か他に代わってくれる人がいる場合はお願いをするようにしましょう。
また、上記の4つ以外の理由で休みたい場合も雇用元の派遣会社に早めに連絡をして、休めるかを相談してみてください。
当日急に休むとき・早退するときはどこに連絡するのか?
派遣社員は雇用元の派遣会社から企業に派遣をされて仕事をしますが、当日に休むとき、早退するときにはどこに連絡をすればよいのでしょうか?
連絡の行き違いで企業に迷惑をかけてしまうことがないように、当日に休む際の連絡の順序と方法、伝える際のルールを押さえておきましょう。
当日に休む時の連絡の順序と方法
体調不良などで当日に休みたいときは、まず雇用元の派遣会社に連絡をして、その後、派遣先の企業に連絡を入れるようにしてください。
連絡の方法は、メールよりも直接電話をかけた方が早く確実に連絡が取れるのでよいでしょう。
ただし、派遣会社によって、連絡は派遣先の企業のみでいいケースやメールだけでもいいケースがありますが、揉めないためにも基本的には派遣会社で定められた方法で連絡を取るようにしてください。
各派遣会社の欠勤の方針
派遣社員の欠勤の連絡方法は各派遣会社によって異なるため、登録している派遣会社の欠勤に関する規約を必ず確認するようにしましょう。
では、大手派遣会社「テンプスタッフ」「パソナ」「スタッフサービス」の3社の欠勤の連絡方法を紹介します。
テンプスタッフ
Q:体調不良で急にお休みをすることになった場合、担当オフィスへの連絡は必要ですか?
A:はい、必要です。始業時間までに就業先の担当者と派遣会社の担当オフィスの両方に連絡してください。
引用元:テンプスタッフ 欠勤連絡などについて
パソナ
Q:欠勤・有給休暇の連絡について
A:有給休暇は、できる限り前もって申請するように指導しています。また欠勤の際には、お客様とパソナの双方に連絡をするように徹底しています。
派遣社員の長期にわたる休暇などにより、代替となる人員の派遣が必要な場合は、パソナにご連絡ください。引用元:PASONA 派遣社員の就業中における労務確認
スタッフサービス
Q:遅刻や欠勤の連絡は、派遣先企業とスタッフサービスのどちらにすれば良いでしょうか?
A:派遣先企業とスタッフサービスの両方へご連絡をお願いします。
ご連絡の際は、先に派遣先企業へ連絡してください。それから、スタッフサービスの担当営業までご連絡ください。引用元:スタッフサービス 遅刻や欠勤の連絡は、どちらにすれば良いでしょうか?
双方には忘れず連絡を行おう
「テンプスタッフ」「パソナ」「スタッフサービス」を例に出しましたが、どの派遣会社も派遣先と派遣元の双方に連絡をするようお願いしています。
他の派遣会社であっても対応は似てくると思われるので、派遣元にだけ連絡をして「たぶん派遣先にも伝えてくれるだろう」と思わずに、自分でしっかりと連絡しましょう。
早退の時の報告の順序と方法
派遣先の企業で業務中に体調が悪くなってしまった場合の報告の順序と早退の方法も認しておきましょう。
早退の時は、まずは派遣先の企業の上司または責任者に直接伝え、指示を仰ぎます。
早退することが決まったら、雇用元の派遣会社に電話かメールのいずれかで早退の旨を伝えるようにしましょう。
早退の報告に関しては各派遣会社によって方針があるので、雇用元の派遣会社の方針に従うようにしましょう。
連絡を入れる際の3つのルール
当日欠勤の連絡の行き違いや仕方によって、派遣先の企業との信頼関係にキズがついてしまうリスクもあるので、当日に欠勤の連絡を入れる際には以下の3つのルールを守るようにしましょう。
- 当日欠勤の連絡は始業前に入れるのがマナー
- まず自分の登録している派遣会社名と名前を伝える
- 引き継ぐことがあれば電話またはメールで出来る限り伝える
派遣先の企業とよい信頼関係を築いていくために、当日欠勤の際は、上記の3つのルールを意識して実践するようにしましょう。
1.当日欠勤の連絡は始業前に入れるのがマナー
特に1は大事で、始業前に連絡を入れないと派遣先の企業にも迷惑がかかります。
始業時に連絡なく不在だった場合には、信頼関係にもキズがついてしまうこともあり得るため、注意が必要です。
2.まず自分の登録している派遣会社名と名前を伝える
2の名前を先に伝えることは、派遣先の企業への配慮となります。
企業によっては多数の派遣社員を採用している場合もあるので、派遣会社名と自分の名前を先に名乗ることで相手が把握しやすくなり、伝達ミスも減るでしょう。
3.引き継ぐことがあれば電話またはメールで出来る限り伝える
3の引継ぎに関しては、必要に応じて連絡するようにしてください。
派遣社員でも正社員同様の業務を任されるケースもありますし、期限のある急ぎの業務もあるかと思います。電話またはメールで引継ぎ内容をできる限り伝えるようにすると、他の社員の方が仕事をしやすくなるでしょう。
派遣社員が急に休む際には診断書が必要?
派遣社員は体調不良で当日に休むことが可能であることを前述で解説しましたが、派遣先企業または派遣会社から診断書を求められる可能性はあるのか、気になる方もいることでしょう。
家で療養して病院に行かないケースもありますので、もし求められたら不安ですよね。そんな不安も解消できるよう、詳しくご紹介します。
急な体調不良で休む場合に診断書を求められるのか?
突発的な体調不良の際、診断書を求められるケースは稀です。
1~2日風邪で休む程度ならほとんどの場合は診断書を求められることはありませんが、診断結果を聞かれる程度ならあります。
もし聞かれても、診断された病名と症状を伝え、何日程度で復帰できるかを伝えておくとよいでしょう。
万一病院に行かなかった場合には、嘘をつかずに病状と市販薬を飲んで家で療養していたことを正直に伝えるようにしてください。
体調不良での欠勤や早退が多い場合には診断書を求められる可能性がある
頻繁に体調不良を理由に早退したり休んだりしている場合は、診断書の提出を求められる可能性があります。
何か事情があって、どうしても休まなければならない理由がある場合は、必ず派遣会社に早めに相談をするようにしましょう。
早退や当日欠勤が多いとクビになる?
厳しいようですが、早退や当日欠勤が多い場合はクビになる可能性があります。
体調不良になることは誰にでもあるので、数回の欠勤は認められるでしょう。
しかし、派遣社員は即戦力であり、派遣先では正社員同様の仕事をするため、あまりにも欠勤や早退が多いと、勤務態度が悪いとみなされて、最悪の場合は派遣先から切られてしまうこともあるので注意が必要です。
また、無断欠勤といった迷惑行為は次の仕事も派遣会社から紹介してもらえない危険性があるため、日ごろから勤務管理や体調管理はしっかりと行うようにしましょう。
派遣が早退や当日欠勤をした場合、有給は使えるのか?
正社員で働いている場合には、体調不良で休んだ際には有給休暇で消化できるケースが多くあるので派遣社員も、と考えるのは至って普通のことです。
では、派遣社員は有給休暇を使うことができるのでしょうか?
派遣社員でも有給休暇は使えるのか?
派遣社員でも労働基準法で定められた条件をクリアすれば、有給休暇の取得ができます。
労働基準法 第39条
使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働費の有給休暇を与えなければならない
以下の条件を満たしている派遣社員の方は有給休暇を取得することができます。
- 6か月以上同じ派遣会社から就業していること
- 全労働日の8割以上勤務していること
また、体調不良で欠勤した際にも上記の条件を満たしていれば有給休暇で消化できますが、有給休暇の乱用などで他の社員の方に迷惑をかけるようなことは禁物です。
有給休暇の日数について
勤続年数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月 日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
勤続年数と全労働日の8割以上の出勤をクリアすると、上記の表のように有給休暇の付与日数が増えていきます。
派遣社員の場合は同じ派遣会社から就業した日数が勤続年数となるので、なるべく多くの有給休暇を取得したい方は、同じ派遣会社に長く在籍するとよいでしょう。
欠勤や早退が多いと有給休暇が取得できないリスクがある
体調不良や何らかの理由で欠勤が続き、6か月間の全労働日の8割以上の勤務が満たされなかった場合は、有給休暇を取得することができないので注意が必要です。
派遣社員の有給休暇の申請
派遣社員が有給休暇を取得したい場合は、雇用元の派遣会社に申請を行います。
状況によっては、派遣先の企業に有給休暇を取得の相談を行い、日程の調整をしてから派遣会社に申請をする場合もあります。
もし有給休暇を取得に関してわからないことがある場合は、派遣先ではなく雇用元の派遣会社に相談をするようにしましょう。
理不尽に休みを拒否されてしまったときの対処
派遣社員が体調不良になった時に、当日欠勤や早退は可能です。
しかし、勝手に帰るのではなく、派遣会社と派遣先にしっかりと連絡をして話を通すことが大切です。
派遣社員は有給休暇の取得もできますが手続きが必要なので、体調不良の欠勤時に使うのではなく、計画的に有給休暇を消化するのが理想的といえます。
いずれにせよ、理不尽に休暇を取らせてもらえない、または厳しい発言をされて体調を崩し続けそうな場合は、派遣企業に相談してみてください。
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