派遣社員として働くと「次の仕事も派遣にしよう」と思うことも多いでしょう。
しかしその時に「次は派遣会社を変えてみようかな」と思う人もいるのではないでしょうか。
私も実際に変えようかなと思ったうちの一人です。理由は、もっと条件の良い会社を探したかったため。しかし、人によって理由は様々ですよね。
実際のところ、同じ派遣会社のままでいるのと、派遣会社を変えるのとではどちらが良いのでしょうか。
本記事では、派遣会社を変えようと思う理由や、派遣会社を実際に変えることによって得られるメリットとデメリットを説明します。
派遣会社を変えようと思った理由
今の派遣会社を変えようと思う理由は何でしょうか。
主に以下3つの理由が考えられます。
- 時給や業務内容等の条件が希望しているものと違うから
- 仕事が中々決まらないから
- 派遣会社の担当者の対応が悪いから
- 派遣会社がブラックだから
以下で具体的に説明しましょう。
時給や業務内容等の条件が希望しているものと違うから
時給を妥協して働いていたり、業務内容が希望していたものと違う場合、最初のうちは仕事を頑張れるかもしれませんが、最終的にはもっと良い条件を求めて転職したいと考えてしまうのでしょう。
そうなった時は現在登録している派遣会社だけでなく「他の派遣会社にはもっと良い仕事があるかもしれない」と思いますよね。
私の友人は実際にこのパターンでほかの派遣会社に乗り換えました。
仕事が中々決まらないから
派遣会社に登録し、仕事紹介はされるけれどあまり自分の条件に合う仕事が見つからず、仕事が中々決まらないといった場合もあります。
また、新着の求人にエントリーしてはいるものの、いつも採用されず仕事が決まらないといった場合も「いっそのこと派遣会社を変えようかな」と思うきっかけになりますね。
派遣会社の担当者の対応が悪いから
派遣会社の担当者の対応は、派遣会社ごとに全然違います。
結局自分の中での派遣会社のイメージは、担当者によって左右されると言っても過言ではないでしょう。
私の担当者は低姿勢かつ丁寧で、常に親身になってくれたので相談しやすくて良い印象で、誰かに紹介したいくらいだと思えました。きっと相性が良かったのでしょう。
しかし、私の友人が登録した派遣会社の担当者は、連絡をすると言ったのに1週間も音沙汰がなかったり、エントリーした会社のことすら忘れるような適当な担当者だったのです。友人は就職してからも適当に扱われるのを懸念して派遣会社を変えました。
担当者の印象が悪いと派遣会社自体のイメージが悪くなり「もうこんな派遣会社やめよう」と思いますよね。
派遣会社がブラックだったから
派遣会社を変えようと思う人の中には、派遣会社自体がブラックだったと言う人もいます。
就業時間や休日数が雇用契約書に書かれた内容と全く違うことだらけなのに、それを言ったら逆に契約違反だと言われて罰金を支払うように要求されたなんて人もいるのです。
これでは早く派遣会社を変えたいと思うのも無理ありませんよね。
派遣会社を変えるメリット、デメリット
派遣会社を変えようと思う理由は人それぞれで、前向きな気持ちからくることもあれば派遣会社に問題があるという人もいましたね。
では、その人たちが実際に派遣会社を変えることによって本当に良くなるのでしょうか。
派遣会社を変えて良くなったという人もいれば、逆に悪くなってしまったという人もいるでしょう。
ここからは派遣会社を変えることによるメリット、デメリットについて考えていきます。
派遣会社を変えるメリット
まずは、派遣会社を変えることによって得られるメリットから説明していきます。
前の派遣会社との関係が悪かった場合、新しくスタートできる
例えば、前の派遣会社の時に会社を無断欠勤してしまって、非常にバツが悪くなり派遣会社との関係も悪かったという場合、その事実を封印して新しいスタートを切ることができます。
このように、自分のせいで派遣会社との関係を悪化させてしまった人は、新しい派遣会社に変えることで、自分自身を新しくできるでしょう。
派遣会社の担当者が変わるためスムーズに就職が進むこともある
担当者の対応が悪くて派遣会社を変えたいと思う人も多いので、派遣会社を変えることで前よりも良い担当者に当たれば、就職がスムーズに進むことがあります。
要するに、担当者との相性の良し悪しで、転職活動の進み具合が大分違うのですね。
時給など以前より希望に沿った条件の仕事が見つかる
派遣会社を変えることで得られる最大のメリットは、就労条件が以前と比べて改善されることでしょう。
派遣会社によって抱えている仕事の案件も変わりますし、同じ派遣先の求人だとしても、Aという派遣会社で雇用された場合の時給と、Bという派遣会社で雇用された時の時給が違うなんていうこともよくあるのです。
「以前は時給が低かった」、「以前は残業が多かった」などの就労条件が改善されると、仕事に対するモチベーションもぐんと上がりますね。
福利厚生が充実することもある
派遣会社によっては福利厚生が充実することがあります。
小さな派遣会社では、未だに産休や育休制度が浸透していなかったり、派遣社員のためのキャリアアップ制度なんてないというところもあるので、大手の派遣会社に変えることで福利厚生は充実するでしょう。
また、派遣会社によっては健康保険料金が安くなったり、交通費が支給されたりと、さらに充実した内容がプラスされていることもあるのです。
やりたい業務に特化した派遣会社なら採用率が非常に高くなる
私の実体験ですが、保険会社に派遣社員を送り出す損保事務の派遣会社や、特定の百貨店に派遣社員を送り出す接客、販売の派遣会社など、その職種に限ったスタッフを派遣するといった派遣会社であれば、採用の可能性が非常に高くなります。
実際に私もどちらも経験したのですが、その職種に限った仕事しか紹介されないので、やりたい職種が決まっているという人には非常にお勧めです。
また、主要取引先が実際に派遣される場所になり、大手の会社が多いので安心して勤務することができます。
派遣会社を変えるデメリット
次に、派遣会社を変えることによるデメリットを紹介します。
前の派遣会社と築き上げた関係がなくなってしまう
前の派遣会社で数年お世話になっていた場合でも、派遣会社を変えることで今まで築き上げてきた関係がリセットされてしまいます。
例えば、同じ派遣会社で事務職の経験を7年してきたとしましょう。次の会社も同じ派遣会社で勤めた場合、もしかすると経験年数を考慮され、時給が多少上がるかもしれません。
7年もすれば派遣会社とも長い付き合いになっているでしょうから、自分のスキルや経験、仕事に対する姿勢を把握してくれていますし、多少のことは考慮してくれる可能性がありますよね。
しかし派遣会社を変えてしまうと、今まで築き上げてきた関係が無くなりゼロからのスタートになりますから、そういったことはないでしょう。
また派遣登録し直すなど、一から手続きをしなくてはいけない
前の派遣会社の時もそうだったと思いますが、新しい派遣会社の派遣スタッフになるには、また一から登録しなくてはいけません。
前の時に時間をかけて登録した履歴書や職務経歴書の内容を登録し直すことは結構な手間がかかりますよね。
さらに、また登録会に行くことになりますから、そのために証明写真を用意したりすることもあります。
また、各種社会保険の手続きも必要になるので、休日に時間を割かなくてはいけなくなるでしょう。
派遣会社を変えたからと言って良い仕事があるとも限らない
派遣会社を変えたからと言って、必ずしも良い仕事が見つかるとは限りません。
派遣会社によっては「事務職の案件が多い会社」、「技術職の案件が多い会社」というように、この職種に強いということがあります。
自分がやりたい職種に強い派遣会社ではなかった場合、中々仕事が見つからないということもあるでしょう。
福利厚生が悪くなることもある
以前は大手の派遣会社だったけど、今回は小さい派遣会社に行くことにした場合は福利厚生が悪くなることもあります。
例えば産休や育休制度を利用したいと思っても、会社によっては制度があるにも関わらず取らせてくれなかったり、そもそも理解を示してくれる風潮がなければ結局辞めざるを得ない、ということもあるでしょう。
派遣会社のシステムを一から覚える必要がある
派遣会社を変えることで、今までの派遣会社での勤怠管理入力などのシステムが変わることがありますので、また一から覚える必要が出てきます。
せっかく慣れてきたところだった、もう無意識にできていたというものも、すべて忘れて新しいシステムに慣れなくてはいけません。
一度覚えてしまえば楽なのですが、つい癖で前の派遣会社と同じようにやってしまうということもありますよね。
担当者が変わり、自分と相性が合わないこともある
以前の担当者とは相性が良かったという人が担当者を変えた場合、新しい担当者は自分と相性が合わなかったということもあるでしょう。
逆に相談しずらくなってしまった、対応が悪くてできるだけ話したくないとなってしまったら、転職活動に支障が出てしまうかもしれません。
今までの有給は引き継げない、また取得するのに時間がかかる
以前の派遣会社で有給を使わずにいたという場合でも、新しい派遣会社に有給を引き継ぐことはできません。
何故なら、有給を引き継げるのは「派遣期間を満了したのち、同じ派遣会社から違う仕事を紹介されて、1か月以内に就労した場合のみ」だからです。
しかも、派遣会社を変えて新しい職場で働いた場合、入社から半年経過しないと有給休暇は付与されません。
今まで残っていた分が消えてしまうのも損ですし、また半年待たなくてはいけないというのも悲しいものですね。
ですからもし派遣会社を変えるのであれば、残っている有給休暇をできるだけ取得してからにした方が良いです。
派遣先を変える、変えないは自分にとって価値がある方を選ぶ
派遣会社を変えようと思っても、メリットとデメリットを見てみると、人によっては本当に良いのかと立ち止まってしまうこともありそうですね。
今の派遣会社自体に問題があるのであれば、思い切って変えた方が良いでしょう。何故なら、派遣会社自体にストレスを感じるようであれば転職活動もスムーズにいきませんし、転職してからも嫌な思いをする可能性が高いからです。
しかし「派遣会社自体には全く問題はない、あとは条件だけ」と言った場合は、必ずしも良くなると言い切れるものではないので悩ましいところですよね。
派遣先を変えるメリットとデメリットの中で自分に当てはまる部分を比較し、どちらの方が自分にとって価値がある選択かをしっかり考えてから行動に移すのが良いでしょう。