派遣社員が退職するタイミングはいつが最適? 意思を伝える際の注意点3つや主な手続きの流れを解説

派遣社員の悩み

派遣として働いていて、どのタイミングで退職すれば良いのか悩んだりしていませんか。

派遣社員はいつでも好きなタイミングで辞められるわけではありません。それは派遣ならではの理由もあれば、社会人としてのマナーという理由もあるからです。

派遣社員は正社員やアルバイトなどと違って、契約で雇用期間が決められています。また、派遣会社と勤務先の会社という2つに関わっているので、辞めるタイミングは普通以上に気を使うでしょう。

しかし、派遣社員は辞めるタイミングが難しいからこそ、どのタイミングで辞めるべきか明確になっているものです。

そこで今回は、派遣社員が退職するタイミングについて解説します。また、派遣社員が退職を考える理由や、退職の意思を伝える際の3つの注意点などもまとめてみました。

派遣が退職を決める理由

まずは、派遣社員がどのような理由から退職を決意するのか解説します。

原因1.人間関係が上手くいかない

1つ目は、人間関係が上手くいかないという理由です。

派遣は、その会社の人間ではないため、どうしても人間関係が上手くいかないケースが多いようです。

実際に派遣として働く方の多くが、以下のような体験をしています。

「職場で無視された」
「上司や同僚からパワハラを受けた」

もちろん、人間関係のトラブルはどの職場でもある問題です。しかし、その会社の社員ではないという点が、よりトラブルを深刻化させてしまいます。派遣会社に相談するにも、会う機会が多くないので難しいのが実情となのです。

原因2.給料が安い

2つ目は、給料が安いという理由です。

派遣社員は、派遣会社に雇用されているため、勤務先の企業は中間マージンとして派遣会社に支払いをしているのです。そして、その中間マージンから給料や保険料などを賄うため、どうしても労働者にわたる金額が少なくなります。

実際に派遣社員として働く方の多くが、以下のような給料の安さや業務と報酬が見合っていないといった不満を感じているようです。

「給料のわりに作業量が多い」
「業務の難易度と報酬が見合っていない」
「同じ仕事をする人の給料と比べたら安かった」

もちろん、派遣会社の営業担当者に相談すれば、給料の見直しをしてもらえる可能性はありますが、100%改善される保証はありません。その場合はやはり退職を考えるようです。

原因3.正社員登用をしてもらえなかった

3つ目は、正社員登用をしてもらえなかったという理由です。

派遣として働く方の中には、いつか正社員登用されることを目指して働いている方がいるでしょう。しかし、いつまで経っても正社員登用されなければ、やはり見切りを付けて退職を決意するようです。

実際に派遣社員として働く方の中には、以下のような考えや不安を持っている方がいます。

「2年半働いても正社員の話がなければ辞めよう」
「正社員登用があると言いながら、全然してくれる気配がない」

中には、派遣会社や勤務先が正社員登用を匂わせているにも関わらず、一向にする気配がないという場合もあるようです。このような場合は、モチベーションが下がって退職を考えるでしょう。

派遣が退職をするタイミング3つ

派遣社員が退職するベストのタイミングは以下の3つです。

タイミング1.契約更改のタイミング

ベストなタイミング1つ目は、契約更改の時期です。

派遣社員は契約によって雇用期間が定められています。そのため、原則として契約更改の時期でなければ退職ができません。

もしもあなたが退職を考えているなら、契約更改の時期かどうかを確認してから伝えましょう。もちろん、病気やケガ、家庭の事情といったやむを得ない場合は、契約更改の時期以外でも退職は可能です。

タイミング2.閑散期のタイミング

ベストなタイミング2つ目は、閑散期です。

派遣社員が退職するとなれば、派遣会社も勤務先の会社も手続きなどで忙しくなります。そのため、普段の業務が忙しい繁忙期に退職を言い渡されると、会社が混乱して手続きに不備が出る恐れがあるのです。

一般的には決算月や年末年始といったタイミングは忙しいので避けた方が良いでしょう。また、週末や月末、長期休暇明け(ゴールデンウィーク、夏季休暇)なども忙しくなるので、退職を伝えるのは控えてください。

これ以外の時期なら閑散期になるので、退職を伝えてもスムーズに対応してもらえるでしょう。

タイミング3.退職の1か月以上前のタイミング

ベストなタイミング3つ目は、退職の1か月以上前の時期です。

これは派遣社員に限った話ではなく、一般的に1か月以上前が良いとされています。というのも退職には、あなたの後任の人材を探したり、シフトの組み直しをしたり、引き継ぎ作業をしたりと、様々な手続きが必要で、退職ギリギリに伝えられると会社が混乱する恐れがあるのです。

退職をする場合は、最低でも辞めようと考えている日の1か月前にしてください。また、契約更改の時期も辞める予定の時期から逆算すると良いでしょう。

退職の意思を伝える際に守るべき注意点3つ

派遣社員が退職の意思を伝える際は、以下の3つに注意してください。

注意点1.退職の意思は派遣会社に伝える

1つ目の注意点は、退職の意思を派遣会社の営業担当者に伝えるという点です。

派遣社員は、日頃勤務先の会社で仕事をしています。そのため、関わる人も勤務先の会社の人が多くなるでしょう。そのせいで、退職の意思を勤務先の会社の上司に伝えるケースがあるのですが、これは間違いです。

派遣社員の雇用主は派遣会社なので、退職の意思を伝えるべき相手は、派遣会社の営業担当者となります。勤務先の会社へ連絡する際は、派遣会社の営業担当者がしてくれるので、指示があるまでは黙っておきましょう。

派遣会社の営業担当者と連絡をあまり取らないという方は、日頃から、定期フォローや更新の意思などを理由に定期的に会う機会を作っておいてください。

注意点2.次回の契約更新の1か月前までに意思を伝える

2つ目の注意点は、次回の契約更新の1か月前までに意思を伝えるという点です。

退職を伝えるベストなタイミングでもお伝えした通り、退職は1か月前までに伝える必要があります。そして、契約更新がある派遣社員の場合は、契約更新の1か月前に伝える必要があるのです。

派遣会社によっては、契約更新の意思があるか確認を取るところがあるので、その場合は確認されたタイミングで退職の決意を伝えましょう。中には、退職の申し出の期限を定めているところもあるので、その場合はルールに従ってください。

注意点3.勤務先の部署全員には伝えない

3つ目の注意点は、勤務先の部署全員には伝えないという点です。

この注意点を聞くと、部署全員に伝えた方が良いのではと疑問に感じるでしょう。

しかし、場合によっては、言われている・言われていない、上司よりも早く部下が知っていたなど人間関係にひびを入れ、業務に支障をきたす恐れがあるので、部署全員に伝えるのは避けてください。

退職の意思を伝えるのは、あくまでも派遣会社の営業担当者です。そして、派遣会社の営業担当者から指示を受けてから、勤務先の上司に伝えましょう。その他の部署の人は、勤務先の上司や派遣会社の営業担当者と相談しながら伝えるタイミングを計ってください。

派遣が退職をする際の手続き

派遣社員が退職をする際は、以下の手続きを踏む必要があります。

ステップ1.派遣会社へ退職の意思を伝える

最初にすべきは、派遣会社の営業担当者に退職の意思を伝えることです。契約更新の期間などを確認して、更新の1か月前には伝えるようにしてください。

意思を伝えるタイミングで、具体的な退職希望日を伝えると、スムーズな退職ができます。勤務先などへの連絡も、派遣会社の営業担当者と相談のうえ決めて、会社が混乱しないように気を付けてください。

ステップ2.派遣先の会社へ退職の意思を伝える

派遣会社の営業担当者から、派遣先の会社へ退職の意思を伝えて良いとGoサインが出たら、派遣先の会社へ退職の意思を伝えましょう。その際は、まず直属の上司に伝えるのが無難です。

また、その他の同僚などには上司と相談のうえ伝えるタイミングを見極めてください。場合によっては、同僚の社員には一切退職する意思を伝えずにするケースもあるでしょう。

実際に派遣社員は、正社員とは違うので挨拶回りなどをしないケースがほとんどです。

ステップ3.引き継ぎ作業をする

退職をする前の引き継ぎとしては、大きく分けて2つの作業が発生します。

1つ目は、派遣会社の指示を受けて行う、社内的な手続きや業務の引き継ぎをする作業です。

2つ目は、派遣先の上司から指示を受けて行う、書類の整理や後任の人材への引き継ぎ作業になります。

引き継ぎ作業は会社によってマニュアルが用意されているところがあるので、マニュアルがあるならそれに沿って作業を進めましょう。

また、不用意に会社のデータを持ち出すと情報漏洩のリスクがあるので、作業は会社でしてください。

以上の手続きが完了すると、後は勤務最終日に出社して、引き継ぎに間違いがないのか確認しつつ、お世話になった上司や同僚、取引先などに挨拶をしましょう。

退職する際は社会保険の切り替えを速やかに!

派遣社員として社会保険に加入していて、尚且つ次の仕事までに期間が空く場合は、退職と共に健康保険や厚生年金保険の加入資格がなくなるので、切り替える必要があります。

万が一切り替え手続きを忘れると、医療費が全額自己負担になる恐れがあるのです。

働く予定がない場合 or 次の仕事まで期間が空く場合は以下に注意しましょう。

  • 健康保険:社会保険から国民健康保険への切り替えが必要です。住んでいる自治体の公式サイトから、国民健康保険に関するページを参照するか、窓口に問い合わせて速やかな手続きをしてください。
  • 厚生年金保険:国民年金(第1号被保険者)への切り替えが必要です。健康保険と同様に、自治体の公式サイトから、国民年金保険に関するページを参照した入り、的口に問い合わせたりしてください。

家族の扶養に入る場合も、下記の2つの手続きをする必要があります。

  • 健康保険:家族が加入している健康保険への切り替えが必要です。家族が務める会社に問い合わせ、必要な手続きを進めましょう。
  • 厚生年金保険:国民年金(第3号被保険者)への切り替えが必要です。家族が務める会社経由で手続きを進めることになるので、健康保険と併せて問い合わせましょう。

まとめ

今回は、派遣社員が退職するタイミングについて解説しました。

その結果、閑散期や契約更新の1か月前などのタイミングがベストだと理解できたでしょう。反対に繁忙期や契約満了を待たずして退職するのは、適さないというのも分かったのではないでしょうか。

また退職する際は、派遣会社の営業担当者に意思を伝えて、勤務先の上司や同僚には、派遣会社の営業担当者から指示があるまではしない方が良いと確認できました。

派遣とは言っても、お世話になった会社なので、最後まで気持ち良く付き合えるように、手続きなども今一度確認して、スムーズな退職をするようにしましょう。