最近ではシングルマザーとして働いている人も多く見かけます。
実際、保育園では1クラスに数人のシングルマザー世帯があるほどです。
一家の大黒柱として生計を立てていかなくてはいけないシングルマザーですが、彼女たちは一体何の仕事をしていて、平均年収はどのくらいなのでしょうか。
また、子供を預けて仕事に行くため、迎えに行く時間にも制限がありますが、同じ境遇にいる人であれば子供の預け先や帰宅時間なども気になりますよね。
本記事では、厚生労働省のデータを基にシングルマザーの仕事内容や雇用形態、平均年収、帰宅時間などについて説明し、シングルマザーが働きやすい職場を選ぶためのポイントなどを紹介します。
シングルマザーは何の仕事をしている?仕事内容、帰宅時間、雇用形態など
厚生労働省は、シングルマザーの81.8%は働いていると公表しています。
ではシングルマザーはどんな仕事をしているのでしょうか。
まず最初に、多くのシングルマザーの1日の流れを見てみましょう。
- 朝食準備、身支度
- 子供を預ける
- 出勤
- 子供の迎え
- 帰宅、夕食準備
- 子供をお風呂に入れる
- 寝かしつけ
- 残りの家事、自分の時間
- 就寝
上記の流れを見ると、シングルマザーの1日はあっという間だということが想像できますね。
「できれば子供を〇時には寝かせたい」というのがあるでしょうから、帰宅後は時間との闘いなのです。
このように、毎日が目まぐるしく過ぎていくシングルマザーですが、この生活を成り立たせるためには、仕事は「切っても切り離せないもの」。仕事選びは非常に重要となっています。
実際、シングルマザーの多くは事務職・コールセンター・受付・看護師・WEBデザインの仕事をしていますが、毎日午後5時が定時という人もいれば、シフト制のため遅番だと午後9時に帰宅するという人も中にはいますから、家庭によって帰宅時間や子供の預け先も様々でしょう。
ここではシングルマザーの仕事内容や帰宅時間、雇用形態の割合について説明します。
シングルマザーの仕事内容の割合、トップは事務職
厚生労働省では、シングルマザーの仕事内容の割合を公表しています。
以下のグラフを見てみましょう。(参考:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査 仕事の内容の構成割合」)
上記グラフのベスト3は事務職、サービス業、専門・技術職でした。
その中でも1番多いのはデスクワークの事務職です。
座って仕事ができることや未経験でも出来る仕事も多いので、どの雇用形態でも事務職は女性に一番人気の仕事となっています。
グラフを見ると、ベスト3まではだいたい同じような割合が続いていますが、その他にも生産工程と販売をしているシングルマザーも同じくらいの割合でいることが分かりました。
では、以下でそれぞれの業種別に具体例を見ていきましょう。
事務職の例
シングルマザーに一番多い職種は事務職です。
事務職といっても一般事務、経理、人事・総務、保険、医療など様々な種類がありますが、基本的に事務職は「女性が大半の職種」ですのでシングルマザーが多いのでしょう。
中でも「保険会社の事務職」は、幅広い年齢層の女性が多いことで知られています。
事務職は基本的には定時で上がりやすかったり、土日祝日が休みのことが多く、「子供の保育園や学校に合わせた生活スタイル」を送りやすいというメリットがあります。
サービス業の例
シングルマザーが働くサービス職業と言えば、コールセンターがパッと浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
実際コールセンターは、「自分一人が抜けても問題ないくらい大勢いるから、急な休みでも取りやすい」という職場環境なのです。
未経験でも研修から入るので、慣れれば誰でも働けるのも魅力の一つです。
コールセンターはシフト制で、休みの日など時間の融通が利きますから、副業として数時間だけ働いているシングルマザーも少なくありません。
また、商社の受付業も同じことの繰り返しなので楽だと感じつ方が多いようです。
ただ、受付の場合はビルが閉まる時間が一定とは限らず、状況によっては帰宅時間が遅くなることも多いので、その時は親に子供を迎えに行ってもらうなど、第三者の協力がないと難しいかもしれません。
専門的・技術的職業の例
シングルマザーの5人に1人は専門職・技術職に就いています。
私の友人は昔から看護師として働いていますが、シングルマザーになってからは夜勤を外して日中だけ働いていると言っていました。
専門職・技術職は需要が高く、何と言っても給料が高いのが魅力でしょう。
「シングルマザーになると分かっていたなら、もっと前から勉強したのに…」と思う人も少なくありません。
しかし、シングルマザーになってからでも、専門職・技術職に就くことは可能です。
私の友人はWEBデザインの仕事に就いていますが、彼女の場合はシングルマザーになってから職業訓練校で勉強をして、未経験から働き始めました。
このように、最初から専門職で働いていた人がシングルマザーになるパターンもありますが、シングルマザーになってから、知識や技術を身につけて仕事に就く人も多いのです。
生産工程の例
4番目に多い仕事内容に、生産工程があります。生産工程とはつまり工場勤務のことです。
工場勤務は男性のイメージが強いかもしれませんが、近年は女性の割合も増えていて、工場軽作業の求人が多い派遣業界では「製造関連職」で働く女性の割合が5人に1人であると公表しています。(参考:日本人材派遣協会「職種別派遣社員数」)
生産工程の仕事は、商品の仕分け・梱包・検品・移動などがメインで、特に人とのコミュニケーションを必要とせず、淡々とした単純作業の繰り返しになるため小休憩の頻度も多いです。
シングルマザーは基本的に家計を支える目的で働きますので、人間関係を重視しない人もいますから、工場勤務のように人間関係の煩わしさから離れて仕事に集中できるところも魅力となっているのでしょう。
また、工場は郊外に位置していることが多いので、都心部から少し離れた地域で親と暮らしている人にも通いやすいというメリットがあります。
販売の例
シングルマザーの中には、販売職に就いている人も多いです。
その中でも注目したいは、給料が高いことでも知られている「携帯電話の販売員」になります。
求人を見ると、確かに時給1,800円前後の求人が豊富です。月給にすると約30万円以上になるでしょう。
その他にも、百貨店や商業施設などの店舗で販売員をしている人もいます。
ただ販売職はシフト制が多く、店舗の閉店時間やその時の混み具合によっても勤務終了時間が変わりますので、一人で留守番ができるくらいの大きい子供がいる家や、遅くまで誰かが子供を預かってくれる家でないと厳しいでしょう。
シングルマザーの雇用形態、正規社員と非正規社員は半々くらいの割合
次に、シングルマザーの雇用形態を見てみましょう。
(参考:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査 調査時点における親の就業状況」)
グラフでは、正規雇用(正社員)と非正規雇用(正社員以外)の割合はどちらも半々くらいになっています。
このグラフを見ると、「正社員になれるはずなのに、なっていないシングルマザーが多い、もったいない」とも受け取れますが、本来正社員になれるのになっていない人という人は滅多にいないでしょう。
まだ子供が小さいというシングルマザーの場合は、子供の体調不良などで早退することになったり、病院に行ってから出勤するということもありますし、子供が伝染病にかかった場合は数日間の欠勤もやむを得なくなる場合が考えられますから、そのことを考えると正社員を希望したくてもできないのです。
つまりシングルマザーは、周囲の全面的協力がなければ、子供がある程度大きくなるまでは正社員になれないという現実があります。
おそらく正社員になれた4割のシングルマザーは子供がある程度大きいか、第三者の協力を借りれる状況にあるということなのでしょう。
ただ、中にはシングルマザーということに引け目を感じ、「正社員になるのは難しそう」「シングルマザーであることで不採用になるのではないか」という不安から、あえて非正規社員になる人もいますから、そういった人にとってはこのグラフでシングルマザーでも正社員になれるということが分かったのではないでしょうか。
シングルマザーから正社員を目指すことについては、以下の記事を参考にして下さい。
シングルマザーの未就学児の預け先
次に、未就学児の子を持つシングルマザーは、どこに子供を預けているのか見てみましょう。(参考:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査 小学校入学前児童の保育状況」)
グラフから分かるように、約6割のシングルマザーは保育所を利用しています。
ほとんどの保育所では、午後6時以降に保育時間の延長代を払えば午後7時まで子どもを預かってくれますから、フルタイムで働いているシングルマザーのほとんどが保育所を預け先にしていることが分かりますね。
また、子供の預け先に母親を選ぶシングルマザーも割と多くいます。
実家暮らしをしているシングルマザーや、週3、4のパートやアルバイトで数時間の間見てもらっている人に多いのでしょう。
私の友人は初め子どもを幼稚園に通わせていましたが、離婚することになり、預け先を認定こども園に変えたと言っていました。
幼稚園は周りの親が専業主婦が多くて気まずいことと、昼過ぎに終わってしまうため延長料金が高くついてしまうという理由です。
このように、幼稚園に通わせている人からすれば、周りに専業主婦が多いためシングルマザーは珍しく思えるかもしれませんが、保育所に子供を預けている人であれば、シングルマザー世帯は多いということが分かるでしょう。
シングルマザーの帰宅時間
次に、シングルマザーの帰宅時間を見てみましょう。
(参考:厚生労働省「ひとり親世帯の親の帰宅時間」)
グラフによると、午後6時~8時に帰宅しているシングルマザーが約半数と最も多く、次に多いのが午後6時以前でした。
雇用形態のデータでも、正社員と非正規社員の割合が約半々だったので、この帰宅時間の割合も納得できますね。
保育所や学童クラブに子供を預けている家であれば、遅くても午後7時頃までには子供を迎えに行かなくてはいけないので、フルタイムで働いて、午後5時~6時くらいに仕事が終わる人が多いのでしょう。
一方、フルタイムで午後6時以前に帰宅するには、職場と自宅、保育所の距離が短くないと厳しいので、パートやアルバイトなどで働いている人は午後4時、5時くらいまでに仕事を終わる人が大半だということが分かります。
しかし、シングルマザーの中には帰宅時間が一定でなかったり、午後8時~10時、さらにもっと遅くに帰宅するという人もいます。
シングルマザーは子供を育てながら朝から晩まで頑張って働いているのですね。
シングルマザーの平均年収
シングルマザーの平均年収は、平成28年度の調査によると200万円です。
(参考:厚生労働省「母子世帯の母の年間就労収入の構成割合」)
この調査グラフによると、年収が200万円未満である人が全体の約6割を占めていることが分かります。
年収が200万円ということは、単純に計算すると毎月の月収は約16万円です。
シングルマザーの約半数が正社員である割には、平均年収は低くなっていますね。
シングルマザーだからといって国から貰える手当は決して厚くありませんし、子供の養育費を貰っていない人もいるでしょう。ほとんどの人は生活が厳しいことが予想されます。
一方で、約4割のシングルマザーは年収200万円以上であることから、5人中2人は年収が高い生活を送っているのも事実です。
シングルマザーの中にも貧富の差があるというのは大げさですが、シングルマザーの生活は厳しいか、意外に余裕があるかどちらかということになるでしょう。
シングルマザーが働きやすい会社を選ぶためにはどうすれば良い?
最近ではシングルマザーが増えてきていますが、シングルマザーにとって働きやすい会社とはどんなところなのでしょうか。
独身女性が選ぶ働きやすい会社のポイントと、シングルマザーが選ぶポイントでは全く違うものになります。
ここでは、シングルマザーはどんなことを重視すれば働きやすい会社で働くことができるのかを紹介しましょう。
最初に毎月いくらあれば生活できるのかを計算することが大事
まずは、毎月いくらあれば生活できるのか、生活するのに必要な最低限の金額を把握するところから始まります。
これはシングルマザーに限らないことはありますが、シングルマザーは独身の人とは違って子どもを育てていかなくてはいけませんから、シビアに計算する必要があるでしょう。
毎月必ずかかる費用としては、家賃・光熱費・食費・雑費・通信費・学費・習い事・保険などがあります。人によっては定期的に通院代や美容院代もかかるかもしれません。
これらを計算していくと、毎月の給料の手取りは最低でも〇万円必要であるということがわかります。
その金額に満たない会社であれば、就職する意味がありません。
仕事は「採用してもらう」ものでもありますが、シングルマザーにとっては「会社を選ぶ」方が重要なのです。
保育所・学童クラブまでの距離が近い勤務先を選ぶ
シングルマザーは子供を預けて仕事をしていますから、子どもが病気やケガをしたなど突発的に呼び出されることも多いです。
ですから勤務先と保育所、学童クラブなどが近い距離でないと不便でしょう。
例えば「急に呼吸困難になってしまったので、すぐに迎えに来て下さい」と保育所から電話がきたのに、勤務先から1時間以上かかる距離だった場合はどう頑張ってもすぐには迎えに行けません。
最悪の様態になり手遅れになってしまうということも考えられますから、勤務先から近い方が良いですよね。
子どもの預け先を選ぶ際は、勤務先から近い保育所か、自宅から近い保育所を選ぶかで迷う人が多いですが、シングルマザーの場合は勤務先から近い方をおすすめします。
また、最近では地震などの災害も多いですから、仕事から真っすぐに迎えに行ける距離だと安心できますよね。
育児に理解がある女性が多い職場を選ぶ
最近では男性でも育児に協力的だったり、理解を示してくれる傾向にありますが、女性が多い職場の方が圧倒的に育児に理解を示してもらいやすいでしょう。
例えば子供がインフルエンザにかかってしまった場合、数日間は自宅療養しなくてはいけません。
その間、母親などの協力があれば会社に出勤することも可能ですが、子供のことが心配ですし、子供もママの傍に居たいと思うでしょう。できれば自分が看てあげたいですよね。
そんな時、女性が多い職場では同じ境遇を乗り越えてきた上司がいたり、いつ自分もそうなるか分からないという人もいるので「お互い様精神」が強いです。
「無理しないで休んでいいよ」「お子さん大丈夫?」と言ってもらいやすいでしょう。
このように「前にもそういう人がいたから慣れている」という、女性が多い職場は、シングルマザーにとって働きやすい職場であると言えます。
残業が少ない会社を選ぶ
残業が少ない会社を選ぶことも大事なポイントです。
残業が多いと延長保育代の出費もありますし、生活が乱れやすくなり、自分だけでなく子供にも影響が出てしまいます。
自分も疲れが溜まることでイライラしやすくなりますし、子どもは生活が乱れることで免疫低下に繋がってしまい風邪を引きがちになったり、不機嫌が続いたりと良いことがありません。
本当は経済的なことを考えて「残業してばりばり稼ぎたい」という人も多いと思いますが、子供が小さいうちは特に、できるだけ残業が少なく生活に影響しない仕事を選ぶことをおすすめします。
シングルマザーのおすすめの仕事
シングルマザーと言っても、正社員で働くのかパートで働くのかによって、おすすめの仕事は違ってきます。
正社員で働く場合
正社員としては働く場合は、時短勤務が可能だったり、残業が少なかったり、土日祝日が休みだったりする仕事を選ぶ方が良いでしょう。
下記の3つの職業がおすすめです。
- 看護師
- 介護職
- 事務職
看護師は、国家資格が必要ではありものの給料が高いのでシングルマザーにはおすすめです。
介護職は、人手不足が深刻なため仕事が見つかりやすい傾向があります。また、未経験者で働けるのでシングルマザーに適しているでしょう。
事務職は、土日祝日が休みになるうえ、残業も少ない傾向にあるので、子供との時間を大切にしたいとか考える方にはおすすめです。
しかし、事務職は人気職種ということもあり倍率が高くなる傾向があります。
もし1社だめだったとしてもめげないで応募をし続けることが大切です。
パートとして働く場合
子供が小さくて手がかかるうちは、パートとして働く方が良いでしょう。そして、選ぶ仕事は短時間勤務が可能だったり、シフト制だったりするものがおすすめです。
下記の3つの職業がおすすめです。
- 医療事務
- 飲食店
- 軽作業
医療事務は、午前診療のみの短時間勤務があります。資格こそ必要な仕事ではあるものの、資格取得して働き始めれば、シングルマザーの方にとって働きやすい環境となるでしょう。
飲食店は、シフト制を導入している職場が多いので、子供の予定に合わせて自由に働けるのが魅力です。自宅近くの飲食店で働けば、通勤に時間を取られる心配もありません。
夜は子供と一緒にいたいという方は朝~昼、または夕方までのシフトにすることでそれ以降の時間はしっかり作りやすいです。
軽作業は、特別な資格が必要なく未経験者でもOKという求人が多いのが特徴です。
ただ、軽作業は淡々と同じ作業を繰り返し行うことも多いため、自分の性格に合っているかなどの判断は必要になります。
収入が安定するコツ&おすすめの資格
ここではシングルマザーの方の収入が安定するコツと、おすすめの資格について解説します。
収入安定のコツ
収入を安定させるには以下の4つの方法が挙げられます。
コツ1.厚生年金に加入
1つ目のコツは厚生年金に加入することです。
厚生年金は就業条件次第ではパートでも加入可能となっています。
- 1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること
- 1ヶ月あたりんお決まった賃金が88,000円以上であること
- 雇用期間の見込みが1年以上であること
- 学生でないこと
- 次の条件に該当すること(従業員数が501人以上の会社で働いている、従業員数501人以下の会社で働いていて、社会保険に加入することについて労使で合意がなされている)
引用元:政府広報オンライン
平成28年9月30日までは「週30時間以上である方」となっていましたが平成28年10月、平成29年4月以降に加入条件が緩和されて今ではパートの方でも厚生年金へ加入しやすくなっています。
そして、収入から換算すると、国民年金よりも厚生年金の方が安く抑えられるため、条件を満たしている方はすぐに職場に相談してみてください。
コツ2.資格取得
2つ目のコツは資格取得です。
資格を有していれば、条件の良い仕事が見つかったり、昇給が見込めたりします。収入アップもしやすいメリットがあるので、現在の収入に不満があるなら資格取得を目指してみてください。
ちなみに、「教育訓練給付金制度」が利用できる資格なら、受講費用などの一部が支給されたうえで取得が目指せます。
対象の資格の一部には下記のようなものがあります。
宅地建物取引士 | 社会保険労務士 |
行政書士 | ファイナンシャルプランナー |
介護福祉士 | ケアマネジャー |
介護事務 | 医療事務 |
インテリアコーディネーター | 歯科助手 |
衛生管理者 | 旅行管理者 |
マンション管理士・管理業務主任者 | 調理師 |
ITパスポート | 気象予報士 |
保育士 | 簿記2級 |
コツ3.各種手当や免除をもらう
3つ目のコツは各種手当をもらうことです。
各自治体では、児童扶養手当や児童手当、住宅手当といった支援制度が用意されています。どのような制度があるかは、自治体によって様々なので、まずはお住いの自治体の制度を調べてみてください。
また、手当をもらうだけではなく免除なども検討しましょう。
例えば国民年金保険料は支払いが厳しいと市区町村の担当課に相談をすることで軽減や免除の対応をしてもらえる可能性があります。
もし奨学金なども学生時代に利用していた場合も支払いの猶予を最大10年もらうことができます。
これは免除や軽減ではないですが、経済的に安定するまでは支払いをストップさせることができるので、直近で奨学金の支払いが大変だと感じていた方は猶予の申請もしてみましょう。
日本学生支援機構:返還期限の猶予
収入以外で子供の養育費を賄う方法
収入以外で子供養育費を賄う方法としては以下の2つが挙げられます。
1.借りる(教育ローン&奨学金)
親が借りる「教育ローン」と、子供が借りる「奨学金」の2種類があります。
教育ローンは、公的なものと民間のもので融資条件が異なるので、両方とも確認してあなたに合った教育ローンを選択してください。
奨学金は、後々返済しなければならないため、将来子供の負担にならないか考えたうえで利用する必要があります。
2.学資保険
学資保険は、子供の進学に合わせてお金が戻ってくる保険です。
銀行の定期預金よりも利率が良いので、貯蓄として大きな魅力があります。また、万が一親に何かあったとしても保証してくれるので、子供にとっても大きな助けとなるのです。
ただし、途中解約すると損をする可能性があるので、利用する際はしっかりと調べたうえで契約してください。
シングルマザーにおすすめの資格
資格取得をして、実際に役立ったという意見が多いものとして、以下の5つが挙げられます。
- 理学療法士
- 看護師
- 准看護師
- 介護福祉士
- 簿記2級
これらの資格のうち理学療法士・看護師・介護福祉士は国家資格で、准看護師だけは都道府県知事が発行する免許です。
国家資格である3つはもちろん、国家資格ではない准看護師も簡単に取得できるものではありません。しかし、高等職業訓練促進給付金等事業を利用するなどすれば、決して取得ができない資格ではないのです。
高等職業訓練促進給付金等事業とは、母子家庭のお母さんや父子家庭のお父さんが、就職の際に有利となる資格取得のため、1年以上養育機関で修業する場合に支給される給付金になります。
この高等職業訓練促進給付金等事業を利用すれば、国家資格の取得も夢ではありません。
ちなみに、民間の資格として有利になるのは簿記やTOEICなどが挙げられます。特に簿記なら、短時間の勉強でも取得可能なので、ぜひ選択肢に入れてみてください。
簿記2級は事務職(特に経理関係)として今後働きたいと考えている方におすすめです。
前職で事務職の経験があり、次の就職も同様の仕事を考えているなら経験者採用という形で上手くいく可能性は高いですが、未経験で始めて事務職になりたいと考えている場合は資格の有無で本気度がアピールできます。
実際の仕事をこなせるようになるには実務で学んでいく必要がありますが、そもそもスタート地点に立たないと何も始まらないので、その可能性を広げるという意味でも資格取得は良いきっかけになります。
シングルマザーの方が利用できる保証について
様々な事情によって今すぐに働く働くことができないという方は下記の制度を利用することも検討してみましょう。
自立支援協教育訓練給付金
自立支援協教育訓練給付金とは、対象となる教育訓練を終了後に、上限を60%として経費を支給してくれる制度です。
今までの職務経験が少なく、収入を得るために必要な能力を会得したいと考えるシングルマザーの方には、非常に役立つ制度となっています。
ちなみに対象となる講座は、雇用保険制度の指定教育訓練講座と都道府県で指定された講座となっているので、詳しく知りたい方は調べてみてください。
参考:厚生労働省「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について」
高等職業訓練促進給付金等事業
前の項目でも登場した高等職業訓練促進給付金等事業は、就職の際に有利となる資格取得のため、1年以上養育機関で修業する場合に支給される給付金です。
支給額は、市町村民税非課税世帯が月額100,000円で、市民村民税課税世帯が月額70,500円となっています。上限を3年として修業期間における全期間で支給されます。
資格取得を考えている方は、ぜひ検討してみてください。
シングルマザーが経済的に安定するために
今回は、シングルマザーは何の仕事をしているのかについて考えました。
ここまでの記事をまとめてみましょう。
まとめ
- シングルマザーの仕事内容ベスト3は事務職、サービス業、専門的・技術的職業
- シングルマザーは正規社員と非正規社員が半々くらいの割合
- 子供の預け先の6割は保育所
- シングルマザーの約8割は午後8時までに帰宅している
- シングルマザーの平均年収は200万円、月給約16万円
- 会社を選ぶ前に、毎月かかる最低限必要な生活費の計算をすること
- 職場から子供の預け先が近く、女性が多い、残業が少ない職場を選ぶことが大事
ほとんどのシングルマザーは、経済面の安定を一番に考えています。
しかし子供が小さいうちは、現実的には正社員になることが難しいケースがほとんどですよね。
しかし最初から正社員にはなれなくても、派遣社員など正社員並みに高時給の求人もあります。子供の年齢が小さくても、非正規社員でも高収入の人は沢山いるのです。
シングルマザーとして経済的に安定した生活を送るために、今の状況で自分にできることは何かを明確にし、正しい会社選びをしていきましょう。