派遣は何歳まで働ける?40歳、50歳を超えて派遣をする場合のデメリットは?

派遣社員の働き方

皆さんが転職活動をする際に気にすることの一つとして「年齢」という人は多いでしょう。私も転職活動をするたびに「年齢的にあと何回転職できるかな」と思ったことが何回もあります。

「転職するなら早いうちに」とはよく耳にする言葉ですが、どうして早いうちが良いとい言われるのか知っていますか。また、派遣社員として実際に働く場合は何歳になるまで働けるのでしょう。

本記事では、派遣は何歳まで働くことが出来るのか、また年齢が高くなるにつれて何かデメリットがあるのかを考えていきます。初めにデメリットを知っておくことで、今後派遣として転職する際の心構えや、動き出すタイミングなども良い方向に変わっていくことでしょう。

派遣は何歳まで働くことができる?法的ルールや派遣に対して求められること

派遣社員のような有期雇用者の場合、直接雇用されない限りはいつか必ず契約が終了します。

派遣を続けていく場合にはその度に仕事を紹介して貰うことになるわけですが、繰り返していれば当然自分の年齢は上がっていきます。

そこで気になるのが派遣の仕事と年齢の関係。派遣は何歳までなら問題なく働けるのでしょうか。

原則派遣に年齢制限を設けることはできない

当然ですがは派遣社員に年齢制限は設けられていません

そもそも会社側は採用する際に年齢制限を設けることが禁止となっているからです。(以下参考:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」)

雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。

上記法律によって、求人を出す会社は「年齢不問」と言いながら年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定する行為が禁止されました。

この法律には、「年齢にとらわれず人物本位かつ能力本位の募集や採用をするように」という目的があります。

上記のルールには例外となり制限を設けることができる場合もありますが(キャリア形成を図る観点から無期雇用の若年者を採用する場合や、その他の法令で年齢制限が設けられている仕事の場合など)、基本的には派遣の仕事で年齢で制限をかけられることはありません。

年齢よりもスキルや経験を重視するのが派遣

正社員の場合だと長期的な育成等も考える為、転職時における年齢の影響というのは非常に大きいです。

しかし派遣はあくまで有期雇用であり、育成や成長よりも即戦力であることを求められます。その為、重視されるのは年齢や経験です。

例えばとある仕事に対して、そこそこ経験豊富な40代と全く未経験の20代という候補者がいるとしましょう。

正社員の場合だと、たとえ経験がなくても今後の成長に期待でき、なおかつ吸収力も高い20代を採用する場合が多いです。たとえ最初は仕事ができなかったとしても、10年20年として考えたらそっちの方が会社にとっての貢献度が高くなるからです。

しかし派遣社員の場合は違います。派遣社員として同じ職場で働くことができるのは最大でも3年まで。たとえ成長に期待でき、吸収力が高い20代だったとしても育ってくれるのを待ってはいられません。

それよりも重宝されるのは40代であってもすでにそれなりに経験してきた人材。短期雇用という条件がついた場合には会社にとってそっちの方がメリットは大きいのです。

ちなみに最近では「シニア派遣」という言葉もあり、シニアの派遣を斡旋する会社もあります。そして需要がも高まっています。50代から60代で高い専門知識や高いスキルを身につけた人に働いて欲しいという会社は多いのです。

つまり「どんなスキルを身につけ、どんな経験を積んできて、それが業務にどう活かせるか」を重視されるということ。

年齢が高めでも、ある専門分野のスキルがあったり、その分野に特化して業務経験が長い人であれば十分条件の良い仕事に就くチャンスはあるのです。

私の知人である46歳の女性は、30代で派遣社員として外資系企業の営業事務経験があり、さらにスキルを身につけようと資格試験等の勉強をして「貿易事務の資格」、「ワードとエクセルの資格」、「医療事務」の資格を取り、英語も独学で学び、日常会話程度であれば話せるようになりました。彼女の場合は1社の派遣会社に登録をしただけで次々と仕事紹介を受け、即保険会社の事務職が決まったのです。

40代、50代でも派遣で働くことは十分可能

すなわち、派遣という仕事はたとえ40代、50代であっても十分可能な仕事であり、能力、スキル、経験次第では時給が高いなど条件の良い仕事に就くことも可能であるということです。

正社員が40代、50代で転職しようと思うと正直言ってかなり難易度は高いです。

転職できないわけではありませんが、派遣に求められるものとは比べ物にならないくらいの希少性の高いスキルや専門性、飛びぬけた実績等がないと企業はわざわざ40代や50代を採用するのではなく、20代、30代の人を採用します。

もちろん正社員と派遣とでは待遇も違いますが、年齢が高くなってからの仕事の見つけやすさで言えば断然派遣社員の方が簡単です。

年齢が高くなっても派遣として働くデメリット

ただし年齢が高くなってくることによるデメリットも正直言ってあるのが現実です。

ここでは、そんなデメリット面に焦点を当てて解説します。

実際のところ需要が高いのは20代から30代前半まで

派遣と聞くと、若そうなイメージを持つ人も多いと思いますが、今までのスキルや経験によっては年齢が高くても仕事の紹介はきます

ただ、一般的には20代から35歳ぐらいまでが一番採用となりやすいでというのも現実です。

ある程度の経験とスキルも重要ですが、会社に入っても周りと馴染みやすい年代という理由が大きい部分で、40代や50代は使いにくいと思っている会社も正直あります。

特に、受付などの人の前に立つ業務だったり、制服があるような会社では、見た目の面からも20代が重宝されることが多いです。

年齢が高くなるにつれ、仕事の選択肢は少なくなるとともに顔合わせ後に断られてしまうといったことが増えてしまうという実態があります。

私の知人に47歳の女性がいますが、彼女は今まで10年以上もずっと事務職に就いていて、今回も事務職を探していました。パソコンスキルはそこそこありましたが、派遣会社に初めて登録したものの、就職にはやはり苦労していました。良い条件の求人を見つけ「複数名募集」とあっても選考落ちすることがしばしばで、結果として3社の派遣会社に登録し、自分の希望をある程度妥協して「残業がない分、時給も安い」仕事でようやく派遣先が決まりました。

未経験の仕事だと年齢が高いとより厳しい

事務などの仕事だと、派遣でも未経験可ということも少なくありません。

基本的には即戦力を求められる派遣ですが、簡単で身につくまでが早い仕事の場合はそこまでスキルを求めません。

しかし、未経験可の求人になると今度は年齢が重視されるようになります。

どうせ未経験なら仕事を覚えるのが早く、周囲にも馴染みやすく、扱いやすい20代が良いというのが企業側の本音としてあるからです。

年齢が高いからといって仕事を覚えるのが遅いとも限りませんし、人間関係の構築が上手い人もいます。逆に若くてもそれができないという人もいます。年齢だけで判断することはできません。

しかし一般的な傾向としてある上、採用時にそこまで判断することは難しい(特に派遣社員は面接をすることができない)為、盲目的に20代でと考える企業は正直なところ多いのです。

直接雇用の期待度はかなり低い

派遣社員から直接雇用されて正社員になれたという人もいますが、そういった人のほとんどは20代から30代前半くらいまでです。

40代、50代になってから直接雇用して貰えたという人は少なからずいるでしょうが、正直聞いたことはありません。もしされるとしたら相当高いスキルを持っていて、派遣中に早々貢献できた人でしょう。

周囲との人間関係構築の難易度は上がり、居心地が悪い場合も

絶対というわけではありませんが、年齢が上がるにつれて周囲の当たりが強くなり人間関係を構築するのが難しくなってしまう場合もあります。職場の居心地が悪いと感じる人も多いでしょう。

派遣社員として同じ職場で働くことができるのは3年まで。

契約が終わりまた新たな仕事が始まるたびに、また新人として新しい職場でゼロから人間関係をスタートさせなければなりません。たとえば41歳で新人と入って頑張ったが、また44歳には新人として頑張らなくてはいけないということです。

たとえば23歳の新人と44歳の新人だと、やっぱり周囲の接し方はどうしても変わってくるものです。

年齢が高くなっても仕事の紹介をしてもらうためのポイント

では年齢が高くなっても派遣会社から仕事の紹介をしてもらうにはどうしたら良いのでしょうか。

結果から伝えると「派遣会社の担当者が、この人に仕事を紹介したいと思える人物になること」です。

人によっては当たりが悪く、派遣会社の営業担当者と相性が悪かったために仕事を全く紹介してもらえなかったということ話もよく聞きます。

いくらスキルがあっても派遣会社に気に入られなければ即アウト。まずは派遣会社に好印象を残すために、以下の4つのポイントに注目してみましょう。

  1. 見た目年齢が実年齢より若い
  2. スキルや経験(キャリア)がある
  3. 謙虚な姿勢である
  4. スキルアップを図っている

1番目は見た目についてですが、人の第一印象は3秒から5秒で決まると言われています。「明らかに40代の見た目」の人と「実は40代だけど一瞬年齢を忘れてしまう見た目」の人とではどちらを採用したいでしょうか。若く見えるということは、それだけでも「仕事ができそう、今後も仕事を継続できそう」という風に見られますので強みです。

年齢を気にして「年相応の服」にこだわるのが必ずしもいいとは限りません。特に女性はメイクや服の色でも印象ががらりと変わるものです。たとえ年齢は40代後半だとしても見た目よりも若々しく、明るい印象を与えるように心がけましょう。また、素振りや話し方にも年齢は表れますので、年齢を感じさせないように気をつけることが大切ですね。

2番目のスキルや経験(キャリア)がある人は、会社の即戦力になるので重宝される傾向にあります。派遣会社が抱える案件は非常に多いですが、実際にはなかなか専門的なスキルやキャリアがある人は集まらないのも現状なので、派遣会社としても「取引先に紹介するのに良い人材」になるのです。

3番目の謙虚な姿勢ですが、30代後半から40代以降の派遣社員の場合、派遣先の上司が派遣社員よりも年下いう状況は多々あります。上司からすれば、自分よりも一回りも二回りも人生の先輩である40代、50代の人に指示を出すのは正直やりにくいでしょうし、その気持ちもわからなくもないですよね。特に40代を超えていると人生経験も豊富なので、「何かと要求してくる可能性があるため扱いにくい」というイメージもあります。派遣会社の人に謙虚な姿勢を見せることで「上司が年下でも謙虚な姿勢で教えた仕事をしてくれそう」という印象に変えることができます。

4番目のスキルアップに関しては「今まで身につけたスキルを向上させて資格を取った、もしくは今何かしらの努力をしている」ということがポイントです。履歴書や職務経歴書にも、資格試験に励んだことや派遣会社の無料研修等を活用したことをアピールすることができます。

派遣会社からすると、「そのスキルを活かせる仕事を紹介したい」と思ってくれたり「スキルアップに力を入れている人だから、仕事に対する姿勢もきっと積極的だろう」という印象を持ってくれます。

上記4点をポイントにして、結果的に「仕事を紹介したいと思える人」になれるように頑張りましょう。

派遣で35歳を超えた人が仕事選びで気をつけるべきこと

35歳を超えて仕事を選ぶ時に何に気をつけたら良いのでしょうか。大きなポイントは3つあります。

  • 一つの派遣会社に固執するのではなく、何社か登録する
  • 妥協点を増やす
  • 年齢の幅広い職場や年齢層が高めの職場を狙う

上記3つの点を以下で具体的に説明していきますね。

派遣会社は一つに絞らず、複数利用する

派遣会社と言っても沢山ありますので、何も一つの派遣会社だけに固執する必要はありません。

何故なら、派遣会社によって抱えている案件の種類も量も全然違うので、複数登録する方が沢山の求人から選ぶことができるからです。

私も実際に3社派遣会社に登録し、それぞれの派遣会社の対応や求人内容によって仕事を選んできました。

また、派遣会社を複数登録することによって大きなことに気づいたのです。それは、同じ派遣先企業の案件でも、派遣会社によって時給が違うということでした。

例えばA派遣会社の求人の中で見つけたB会社では時給1,400円で派遣の募集をかけていたのですが、B派遣会社の求人では同じ会社で同じ業務内容にも関わらず、時給1,500円での募集だったのです。

このように、同一会社で同じ業務内容での求人でも、派遣会社によって時給が違うことは多々あります。

もし自分がやりたいと思う求人を見つけた際は、他の派遣会社でも募集していないか、待遇は同じかを見た方が損をしないと思いますよ。

仕事選びには妥協も必要、大手企業よりも中小企業が狙い目

人ぞれぞれ転職を考える際に会社に求める条件は違うと思いますが、その条件は年齢とともに変わっているでしょうか。

派遣では、業務内容や時給、残業時間などといった希望の条件を設定できますが「職場は駅から徒歩3分以内、残業はなしで従業員は200人以上いる大手企業、時給は1,500円はないとね」なんていう好条件ばかりを求めていると、まず決まらないでしょう。

また、大手企業は年齢問わずどの世代からも人気がありますので、当然応募者も多いです。ライバルが多いのは年齢が高い人にとっては命取りになりますから、大手ではなく中小企業を狙う方が良いでしょう。何故なら中小企業の場合、求人数が多い割には中々応募が集まらず苦戦している会社も多いからです。中小企業を視野に入れると、必然的に紹介される仕事の案件も増えます。また、多くの人は土日や祝日を休みたいと思うので、土日や祝日も出勤するような仕事も狙い目ではあります

このように、年齢を重ねるほどに会社に求める条件を減らし、ある程度妥協をしなくてはいけません。自分の中での絶対条件を変えて「だいたいこんな感じであれば有難いな」程度に収められれば、仕事に就きやすくなっていくでしょう。

「だからといって駅から遠い仕事や残業だらけの仕事は嫌だな…」と思う気持ちもよくわかります。自分でもどこを妥協すべきかわからないという人は、派遣会社に一度相談してみるのもお勧めです。

年齢層が幅広い、年齢層が高めの職場を狙う

年齢が高くなっても働ける職種例として以下のものが挙げられます。

  • 事務・庶務業務(スキル重視)
  • 英語・経理、金融・税務・財務・貿易事務(専門性の高い仕事で実務経験重視)
  • 病院などの清掃(パートも多い)
  • 引っ越し作業(力仕事)

上記の通り、やはりスキルや経験重視の職種は安定した需要がありますね。

私は派遣社員として保険会社の事務職に30代で勤務しましたが、職場の年齢層も高く、特に40代~50代が多かったです。保険会社は女性社員が多いことも有名なので、子育て世代に理解を示してくれやすく、女性にとっては働きやすい職場だと思いました。

次に、コールセンターもまた、派遣で働きやすい職場の一つです。電話業務がメインのため「声」が大事ですから、見た目や年齢は重視されないことが多く55歳くらいまでの派遣社員も沢山います。

私の友人が実際に働いていますが、「職場の人数が多くて休みも取りやすいから、自分に子供が出来ても働く」と言っていました。コールセンターの案件は多く、応募者数も多いので採用されやすいと言えるでしょう。

特に40代以降で子どもがいる人の場合は、そろそろ子供に手がかからなくなる時期であり、時間帯の面でも柔軟に対応しやすいことがあるため、年齢層の高い職場だと受け入れてもらいやすくなります。

ただ、資格が必要となるような専門職でない限り、年齢が高くなるにつれて時給は安くなる傾向にあるのもまた事実です。

ちなみに現在活躍中の派遣社員の年齢は30代後半から44歳が最も多い

厚生労働省の2018年労働力調査のデータでは、年齢別派遣社員数が発表されています。

(以下図引用:厚生労働省「平成30年 労働力調査」)

上記の図からわかるのは、現在働いている派遣社員は「35歳~44歳」が最も多く、次いで「45歳〜54歳」の派遣社員が多いということです。

派遣社員というと若手のイメージを持つ人も多いとは思うのですが、案外10代や20代よりも35歳以上の人が多いという結果ですね。

ただし、これはあくまでも今現在の雇用されている派遣社員数なので、20代から派遣であり続けている人も含まれています。

まとめ

転職する上で「年齢」は、派遣に限らずどのような雇用形態の人でも気になるものですよね。

人は自分が今まで積み上げてきた経験があるため、年齢が高くなるにつれて考え方や行動もそれなりに自分スタイルが出来上がってきます。言ってしまえば年齢とともに固定概念があるのです。

しかし、転職の際にはそれを見せてはいけません。一般的に年齢が高くなると「扱いにくいイメージ」が植え付けられますので、「この人は年下の上司でも上手くやっていけそう」という印象も大事なのです。そのためには、派遣会社に対して謙虚な姿勢を見せるなどのポイントがありましたね。

派遣会社を味方につければ、より転職しやすくなるのは間違いありません。

もしも「もう40歳を超えたし転職できないかも…」といった不安があれば、その分スキルや経験でカバーするのが一番の解決策です。

自分のためにスキルや経験を身につけ、それをどうアピールするか、活かすかを考えていけば、年齢の壁を越えて働くことが出来るでしょう。