「派遣をやって良かった」と思うことは沢山あります。
私は実際に派遣を何回か経験し、どれもやって良かったと思っているので、理由を聞かれると一言では言い切れません。
もちろん良かったこともあれば悪かったこともありますが、それはどの雇用形態でも同じことが言えるでしょう。
本記事では、派遣をやって良かったことについて説明します。
これから派遣社員になろうかなと思っている人はぜひ読んでみて下さいね。
派遣社員のワークライフバランスの満足度は結構高い
ワークライフバランスとは、仕事と生活の調和のことを指します。要するに、仕事とプライベートのバランスのことですね。
派遣会社のサイトで、2019年1月の時点で雇用形態別にワークライフバランスの満足度アンケートを実施していましたので、その結果を見てみましょう。(以下引用:エン・ジャパン「ワークライフバランス」)
3つの雇用形態で比較すると、ワークライフバランスの満足度は契約社員が一番高いものの、「悪い」と感じている人が一番少ないのは派遣社員でした。
私は実際にプライベートを重視したくて派遣社員を選んだことがありますが、ワークライフバランスは良かったです。
また、勤務時間や勤務日数に関して「ちょうどいい」と答えたのが派遣社員では55%、契約社員では50%、正社員では40%という順になり、派遣社員の2人に1人はちょうど良さを感じているということになります。
私は勤務時間が7時間でしたが、小さな子供がいたので丁度良いと感じていました。
一方、勤務時間や勤務日数「長い」と感じた正社員は55%、2人に一人は長いと感じているようです。
派遣をやって良かったこと
ここからは、私が派遣をやって良かったと思ったことを伝えていきますが、もちろん派遣先の会社や職種によっても違いますので、全ての派遣社員に共通しているとは限りません。
あくまでも私が実際に派遣をやって良かったと思ったことを挙げていきますね。
時給が高かった
最初に時給ですが、この数年で派遣社員の平均時給はどんどん上がっています。
最近のデータによると、三大都市圏平均時給は1,633円となっていて、1日8時間労働すると日給約1万3千円になるので、月給にすると約28万円です。(参考:ジョブズリサーチセンター「平均賃金レポート2019年4月度」)
月給28万円は高い方だと思いませんか。私が最初に派遣社員で働こうと思ったきっかけは、まさにこの時給が高いということがありました。
確かに正社員のような昇給がなかったり、ボーナスや退職金がないといったデメリットもあります。
しかし数年単位で働く場合なら、正社員よりも派遣社員として働いた方が得られるお金が多くなることはよくあることです。
転職活動が楽だったしすぐに採用が決まった
転職活動は大変ですよね。
良い会社を見つけるまでも時間がかかりますし、採用結果が出るまでにも時間を要します。
一方、派遣の場合は一度登録すると派遣会社が次々に仕事を紹介してくれますし、書類の準備をしなくて済みます。何より志望動機や自己PRは必要ありません。
また、派遣会社からの紹介なので採用がすぐに決まることが多く、私の場合もすぐに採用が決まり、「働くまでもう少しゆっくりしても良かったかな」と思ったくらいです。
仕事が楽だった
派遣社員は一般的に「楽」というイメージも強いと思いますが、私の職種である一般事務はまさに楽な仕事そのものでした。
マニュアルに沿って仕事をしていれば誰でもできますし、イレギュラーなことがほとんどありませんので、淡々と仕事をしていくといった感じです。
派遣は契約上にない仕事を頼まれることがありませんので、同じ作業を毎日することに嫌気が指す人もいますが、私の場合はそれが楽に感じました。
勤務時間外の朝礼や会議に出席しなくて済んだ
派遣社員は正社員とは違いますので、勤務時間より前に行われる朝礼には出席しなくても問題ありませんでした。朝礼内容は派遣社員に向けたものではなく、正社員への通達だからでしょう。
私の派遣先では始業時間の5分前に朝礼が始まったのですが、派遣会社から「朝礼に出る時はその5分間もタイムシートにつけて下さいね」と言われていました。
たった5分間でも、タイムシートにつけて良いのです。時給1,600円だとすると5分では130円ですので、5分間朝礼に出るだけで1か月約3000円貰えるなんて嬉しいですよね。
他の派遣会社から来た人は「なるべくなら出て下さい」と言われる程度だったそうです。
また、会議も時には業務終了後に行われていましたが、派遣社員抜きの会議なので派遣はいつも通りに上がれて気楽でした。
定時で上がれた
私の派遣先は「基本的に残業なしで17時定時」でしたので、基本的には定時上がりできました。
17時までの間に一生懸命頑張ろうと集中することができましたし、定時になると正社員が残っていても罪悪感無く上がることができるのは派遣ならではでしょう。
私が正社員だった時は「一人残っていたら皆で手伝う」という社風だったので、一人だけ上がるなんていうことはまるで裏切りかのように考えられていました。
派遣だと、たとえ仕事が終わっていなくても用事を優先できましたし、きりの良いところで止めて明日にしようということも可能ですし、誰にも何も言われません。
残業代はしっかり払われた
私が正社員だった時はサービス残業なんてことも当たり前のようにありました。
しかし派遣の場合は残れば残るほど、しっかりと残業代が支払われます。
また、残業代は5分ごとにつけて良い派遣会社が多いので、例えば32分に仕事が終了した場合、3分待って35分になったらタイムカードを切るという派遣社員がほとんどでした。
また、1日8時間労働を超えると時給は1.25倍になるので、わざと残業していく派遣社員もいるほどです。
私も予定のない日はあえて残業をして給料を稼いでいたことがあります。
大手企業で働けた
正社員としてなら絶対に入れなかったであろう大手企業でも、派遣社員だから働けました。
大手企業の業務がどのように遂行されていくのかを実際に目で見ることができましたし、大手企業ならではの整った設備環境も良かったです。
まずビル自体が綺麗でしたし、個人のワークスペースも広く与えられ備品やシステムも充実していて、従業員食堂もありました。
それまでは中小企業ばかりで働いていたので、大手企業で働けたおかげで色々と視野を広げることができたのが良かったです。
人間関係が気楽だった
派遣は契約期間が決まっている分「今日からずっと一緒」という煩わしい人間関係がないので、自分の仕事にだけ集中できました。
誰となら気が合うか、誰と合わないかという余計な考えを巡らせる必要がなく「同じ派遣社員は誰か」ということくらいしか知らなくて良いから気楽なものです。
私の派遣先には数えるくらいしか派遣社員はいませんでしたから、派閥なんていうものはありませんでした。
仕事に責任がなかった
派遣社員に任される仕事には、一切負うべき責任がありませんでした。
もし仕事で何か問題が起きても、それは全て「社員に回していいよ」と言ってもらえますし、派遣社員の業務自体が問題を生み出すような作業ではありませんから、「やらかしてしまった」ということが起きないのです。あるとしたら、正社員の問題を見つけてしまうくらいでしょう。
正社員の中で「毎月の目標額」があるとしても、派遣社員は数字を意識する必要はありませんので、業務でのストレスがありませんでした。
スキルアップができた
私が事務の仕事をしたのは初めてで、それまで事務職とは「パソコンスキルや実務経験がないと厳しいもの」だと思い込んでいました。
しかし、派遣には未経験可のオフィスワークの求人が非常に多かったのです。
派遣会社の担当者から「未経験でも、パソコンでグラフが作れなくても大丈夫です。既成のものにデータを打ち込んでいくだけですから。」と言われ、挑戦してみることにしました。
そのおかげでタイピングは早くなりましたし、一緒に入った派遣の人がパソコンスキルが高い人だったので、ワードやエクセルの使い方を教えてもらい、業務では使用しませんでしたが自身のスキルアップに繋がったのです。
派遣は実務未経験でもスキルアップのチャンスを与えてもらえます。もともと専門学校などで色々なスキルを習得していた場合はそれを活かせますし、経験を重ねることで更なるスキルアップが見込めますよね。
一度実務経験が「あり」になれば、次からは「実務経験者」と言うことができるでしょう。
有給が使いやすかった
私が中小企業の正社員だった時は、会社が多忙だったために有給を使いたいけど先輩たちが誰一人として使わないので、自分からは言い出せない空気でした。
しかし派遣社員として大手の企業で勤めるようになってからは、有給を遠慮なく使うことができたのです。
その派遣先では正社員がローテーションで有給を使っていく風潮にあったようで、上司から「私、再来週いないから派遣の人たちも遠慮なく有給取りたかったら言ってね~。」と言ってもらえました。
正社員は怒られるけど派遣だけ怒らなかった
派遣社員は派遣先の人からすれば「他社の人」なので、よほど大きなミスを仕出かさない限り、上司から大きな声で怒られることはほぼありません。
ただ、正社員がミスをした時は上司は大きな声で怒っていました。
そもそも派遣の仕事内容に大きなミスが出るものはあまりないのですが、たとえ派遣社員が何かミスをしてしまっても「気を付けてね」と言われるくらいで済みます。
派遣の仕事と並行して副業が出来た
私が正社員で働いていた時は会社で副業が禁じられていました。
しかし派遣では副業が禁止されていなかったので、仕事と並行して趣味を副業にすることができ、お小遣い稼ぎができるようになったのです。
派遣会社が仲介してくれるので安心できた
職場で何か困ったことがないか、契約上にないことを指示されてはいないかなど、定期的に派遣会社の担当者が訪問してきてくれたので、その都度相談ができ安心できました。
また、有給を申請したり会社を早退した時の勤怠管理(タイムシート)についても色々とサポートしてくれたので困らずに済んだのが良かったです。
子供がいることに理解を示してくれた
職場を探すにあたって、子供に理解を示してくれる年齢層が高めの職場を紹介してくれたので、突然の早退や欠勤にも柔軟に対応してもらえました。
若い年齢層の職場だと、中々子育てに理解を示してくれるのが難しいと思うのですが、同じように子供がいる人が多い職場だったので「私も毎年それで休んでたよ」など言ってもらえて良かったです。
自分のタイミングで辞められた
仕事を辞めたくても中々辞められないということもありますよね。
派遣社員の場合は、契約更新のタイミングで自分から「更新しない」と言うことができますし、そのタイミングが派遣先の繁忙期だろうと構いません。
契約更新は最初は2、3か月ごとなので、試しに働いてみたいということもできるのは良いですよね。
派遣社員が気になったら挑戦してみるのも大事
これまで派遣社員をやって良かったことを挙げてきましたが、いかがだったでしょうか。
派遣社員に対するイメージは悪いという人もいるとは思いますが、実際に派遣をやってみると意外に良いものです。
私も派遣社員として働くまでは雇用形態というものを意識したことがあまりなかったのですが、実際に派遣社員で働いてみると良いものだと分かりました。
人によっては派遣社員が一番合っているという人もいるでしょうから、派遣という働き方が気になったらまずは挑戦してみるというのも良いのではないでしょうか。
合うか合わないかはやってみないと分からないことがほとんどです。一度気になったのなら挑戦する良い機会かもしれませんね。