派遣社員として働いていると、派遣は辛いと感じる時が結構ありますよね。
私も実際に派遣社員で働いてみて、楽しいと感じたこともあれば「正直言って辛い」と思ったことがあります。
今回は派遣社員が辛いと感じる時について、どんなシチュエーションで辛いと感じたのか、辛いと感じた時にやってみること、どうしても辞めたいという気持ちが消えない時の選択肢について紹介します。
※1 2020年5月
派遣社員が辛いと感じる時
派遣社員が辛いと感じる時はどのような時なのでしょうか。
派遣社員が辛いと感じる時は派遣の「仕事内容」「将来性」「待遇面」の3つの大別されます。
ここでは上記3つの理由別に見た、よくある派遣社員の「辛い」を紹介します。
仕事内容
派遣の仕事は多岐にわたりますが、単純作業や雑務を任されることも多いです。その仕事内容から、下記のように「辛い」と感じてしまうことがよくあるようです。
やりがいがない・自分の必要性を感じにくい
派遣社員は雑務や単純作業が仕事のメインになることがあります。
それが楽でよいと感じる人もいますが、派遣社員によっては業務を通じたスキルアップができず、やりがいも感じにくいことから、派遣の時間が辛くなる可能性が高いです。
また、それだけに自分の必要性を感じず辛いと感じているは人は沢山います。
ある意味ではそれが強みとなり、子供の急病などで欠勤する際の後ろめたさはありませんでしたが、裏を返せば自分の必要性は全く感じず、代わりの労力はいくらでもあるということになります。
ですから派遣社員の場合は、どうせ私がいなくたって…という卑屈な気持ちになることが多いのです。
ただし同じ派遣でも、専門職・技術職の場合はこれまでの知識やスキルを活かせる仕事のため、やりがいもあって自分の必要性を感じることができるでしょう。
暇過ぎる、仕事を与えてくれない
派遣先によっては仕事が少なく、暇過ぎるという辛さを感じる人も多いです。
あまりにも忙しいよりは多少暇な方が良いと言う人もいるかもしれませんが、暇過ぎるのも辛いですよね。
何故派遣を頼んだのだろうという気持ちになりますが、原因としては以下の4つが考えられます。
- 人手不足ではないが予算を消化するため
- 人事が現場の様子を把握していないために派遣を頼んだ
- 繁忙期に向けて前もって要請した
- 想像していたより繁忙期が忙しくなかった
上記のようなケースでは派遣社員が暇ぎるという事態に陥りやすいでしょう。
参考:派遣の仕事が暇すぎて辛い時の対処法。どうしても変わらない場合は辞めて違う会社に変えてしまうのもあり
将来性
派遣社員は同じ職場で働くことができるのは最長3年です(※例外もある)。だからこそ昇級や給料の大幅アップにつながりにくいというデメリットがあります。
将来性という面で派遣社員が辛いことを見ていくと以下のことが挙げられます。
キャリアを積めない
派遣社員として働いていても、キャリアを積めないというのは辛いことです。
派遣社員は一つの職場に長く居られて3年が限度。その後はまた違う職場に移って新人としてスタートを切らなくてはいけません。
これが正社員であれば、何かしら責任がある仕事を任されたり役職に就くなど、ポジションが変化することが多いでしょう。
例えば営業職の場合、未経験からスタートして最初のうちはルート営業でも、経験と実績を積み上げていけばゆくゆくは管理職になれますよね。
しかし派遣の営業はいつまで経っても管理職にはなれません。有期雇用のため「キャリアを積み上げていく」ということが難しいのです。
貯金が貯まらない
派遣社員は貯金が貯まらないという経済的な辛さを慢性的に感じます。
貯金を貯める要素である毎月の給料、賞与、昇給という3つの中で、派遣社員に与えられるものは給料のみです。
もちろん職種によって時給に大きな差がありますが、関東エリアのオフィスワーク・事務の場合、2019年12月20現在の平均時給は1,588円(参考:リクナビ派遣「平均時給チェック」)、月収にすると約26万円となります。(時給や扶養家族の有無でも変わる)
26万円と聞くと結構高いように聞こえますが、これを手取りで計算してみると約21万円と決して高くはありません。
毎月の家賃や交通費などの出費を考えると生活に余裕はなく、貯金は全然貯まらないのです。
参考:派遣社員の年収は平均でいくらくらい?やっぱり200万円、多くても300万円台?
紹介予定派遣なのに直接雇用に至らなかった
派遣社員の中には、紹介予定派遣なのに直接雇用に至らなかったという辛さを経験した人もいます。
厚生労働省のデータによると、紹介予定派遣で直接雇用に結びついた人は約49.7%と約半数。
残りの半数は直接雇用されることなく、そのまま辞めることになっている状態だということが分かりました。(参考:厚生労働省「平成29年度紹介予定派遣の状況」)
せっかく多くの選考を通過して紹介予定派遣が決まったのに、直接雇用されずに辞めるなんて辛いですよね。
直接雇用に至らなかった理由としては、「仕事のスキル不足」「コミュニケーションスキル不足」「職場の雰囲気に合わない」と判断されるなどが考えられます。
また「自分の情報収集不足」というのも意外にあり、もっと派遣先の情報を集めていれば、最初から自分には合いそうにない職場だと分かったのに…ということも多いです。
いずれにしても、直接雇用のチャンスがあったのにそこまで至らなかったというのは辛いですよね。
紹介予定派遣の実態。直接雇用される割合・正社員になれる割合はどれくらい?
待遇面
派遣社員は正社員と比較した時、待遇面で劣るという点がデメリットとして挙げられます。具体的にはボーナスや交通費がない場合がほとんどです。
(※2020年4月以降の派遣法改正により、「同一労働同一賃金」の導入がされたので派遣先によっては状況が改善されている可能性は高いです)
このような特徴から、派遣社員は以下のような点で「辛い」と感じてしまう時が多いようです。
正社員との待遇差が大きく、モチベーションが上がりにくい
正社員は仕事の成果がボーナスや評価という形で返ってくることが多いですが、派遣社員はボーナスや昇給制度がない場合がほとんどなので、頑張ったところでそれが目に見える評価として返ってくることがほとんどありません。
(※2020年4月以降「派遣法改正」により状況の改善がされる可能性は高い)
頑張ったら時給が大分上がったとか、ボーナスが出るなんていうことでもあればモチベーションもアップするのですが、そんなことは基本的になく、「こなして当たり前」という認識になっているのです。
派遣先にもよりますが、派遣の方が正社員より真面目に働いているのに待遇差が大きいことに辛い思いをしている人も沢山います。
「こっちの方が正社員の何倍も真面目に仕事をこなしているのに、なんでこんなに待遇差が大きいのだろう」と辛くなってしまいますよね。
放置されることがある
職場で放置されて辛いという派遣社員も多いです。
派遣社員を放置する会社には以下のような特徴があります。
- とにかく正社員が忙しすぎる
- 指示を出す上司が数人しかいない
- 派遣社員の扱いに慣れていない
- 繁忙期が来る前の暇な時期に派遣社員を依頼した
上記のようなケースでは派遣社員が放置されるという事態に陥りやすいでしょう。
ただ放置される派遣社員の中には「仕事の容量が悪い」「仕事ができない」など、仕事を頼まれにくい理由がある可能性があるので注意が必要でしょう。
参考:派遣で働きだしたけれど放置されて辞めたい時にすべきこと、辞めたいと思ったら違う派遣先に行くのもあり
原因別!派遣社員が辛いと感じた時にやってみること
派遣社員が辛いと感じる時は結構多いことが分かりましたね。では辛いと感じた時はどうすれば良いのでしょうか。
辛いと感じた時にやるべきことはその辛い原因によって異なります。
上記の「派遣が辛いと感じる時」から派遣が辛いと感じる原因としては以下の3点が考えられます。
派遣が辛い原因
①将来性 ②仕事内容 ③待遇面 |
上記の3点別に派遣が辛い時にすべきことを確認していきましょう。
①将来性
派遣社員は正社員と比較した時、ボーナスや昇給がないことで収入が多くないことや雇用が安定しないことから将来性について不安を感じやすいことがわかりました。
どうしても不安が大きい人は雇用形態を変えてみるのを検討しましょう。
- 正社員に転職する
- 無期雇用型にする
思い切って正社員になることで雇用も安定しますし、収入面での不安も解消することが考えられます。
また、派遣社員という雇用体系のまま状況を改善したいのであれば「無期雇用」という働き方もおすすめです。
②仕事内容
暇すぎる・単純作業が多い場合
- 資格や経験がないと厳しい派遣先を希望してみる
- 正社員になる
- スキルを磨き自分にしかない強みを作る
仕事内容への不満は派遣先を変えることでも解消可能であることがほとんどです。
単純作業が多い派遣先は資格やスキルがなくてもできるところが多いので、その逆に、資格やスキルを必要とする派遣先を希望することで、自分にしかできない仕事ややりがいを感じやすい仕事にチャレンジできる可能性が高くなります。
また派遣会社によっては福利厚生が整っていて、無料でPCスキルや資格講座などが受講できるので、活用してみるのもおすすめです。
仕事が多すぎる場合
- 何でも仕事を引き受けずに「できません」と伝える
- いつもの作業順序を変えて時短ルートを探す
- あえて手を抜いてみる
派遣で辛い思いをしている人の多くは、何でも仕事を引き受けてしまっている可能性があります。
何でもかんでも仕事を引き受けずに、できませんと正直に伝えることも時には大切です。
上司に言う時は「大変申し訳ないのですが、今抱えている仕事が〇個あるため、本日中に終わらせるのは難しそうです…。」などと言って、後日でも大丈夫かを確認すると上司の方も仕事を多く頼みすぎていたことに気が付いてくれる可能性もあります。
仕事の効率が悪いという方は、自分の中でやりやすい順序を見つけた途端に作業が早くなることがありますし、いつもの作業順序を変えて時短ルートを探してみるのも良いでしょう。
③待遇面
派遣社員は正社員と比較した時、ボーナスや昇給がなくやりがいを感じにくいという特徴がありました。2020年4月の「派遣法改正」によりこれらの待遇の差は改善されることが予想されますが、派遣社員の待遇が「辛い」と感じている要因であれば、以下をやってみることがおすすめです。
- 正社員に転職する
- スキルアップして待遇の良い派遣先を紹介してもらう
思い切って正社員に転職することで、ほとんどの会社でボーナスや交通費が付いてきますし、それだけではなく、福利厚生などトータルの待遇が良くなることが考えられます。
成果を出せば、昇級やボーナスアップにも繋がり、仕事のやりがいもより感じやすくなる可能性も高いです。
何をやっても派遣社員が辛すぎて辞めたい時は
派遣社員を辞めたいと考えた場合、一体どのような方法があるでしょうか?
また、いつ頃に誰に相談するとスムーズなのかなど、派遣社員を辞めたい時の基礎知識をここでは解説します。
辛すぎて辞めたいという場合の4つの選択肢
辛いと思った時にやってみることを実行したけれど、結局何をやってもモチベーションが上がらない、辛すぎて辞めたいという場合の選択肢は以下の通りです。
- 派遣会社に相談する
- 次の更新で辞める
- 派遣会社を変える
- 派遣社員自体を辞めて転職する
以下で具体的に見ていきましょう。
派遣会社に相談する
派遣会社は派遣社員の雇用主であり、一番近くに寄り添ってくれる存在です。
もし派遣が辛くて辞めたいと思った時は、まずは派遣会社に相談しましょう。
状況を話してみたら何か提案してくれるかもしれませんし、解決策を教えてもらえる可能性があります。
また今後も同じ派遣会社を利用したいと思っているのであれば、担当者との距離を縮めた方が何かと得です。
それに派遣会社に相談することで、その派遣会社の対応が分かります。もし対応が雑だったり失礼であれば、今後派遣会社を変えるなど早いうちに手を打てるでしょう。
次の更新で辞める
どうしても派遣が辛いと思ってしまったら、次の更新で辞めるというのも一つです。
先ほども言いましたが、派遣社員は辞めたいと思った時にすぐに辞められるわけではありません。派遣会社と雇用契約を交わした以上、派遣期間は必ず守らないといけないのです。
そんなに待てないと思っても、契約期間中のバックレは絶対に止めましょう。契約違反として損害賠償請求をされる可能性もゼロではありません。
また更新満了日の1か月前には派遣会社に言うこと。
たとえば4月末で契約期間が満了する場合は、遅くとも3月末までには更新しない旨を派遣会社に伝える必要があります。
次の更新まで長いという人は、残った有給で何とかしのぐなどして頑張りましょう。
参考:派遣が更新しない時の対処法は?いつまでに伝えればいい?理由や伝え方、注意点まとめ。
派遣会社を変える
派遣会社に相談してもひどい対応をされる、辞めさせてくれないなどトラブルになりそうな時は派遣会社自体を変えてしまいましょう。
派遣会社もピンからキリまで様々ですので、感じの悪い派遣会社も存在します。
また派遣会社自体は悪くなくても、結局担当者と自分の相性が合わないとなれば今後も意思疎通が図れない可能性が高いですから、良い印象を持てない場合は派遣会社を変えた方が良いでしょう。
派遣社員自体を辞めて転職する
経済的な面での辛さや見返りのなさ、将来に対する漠然とした不安によって辞めたいという人の場合は、もしかしたら派遣社員自体が合っていないのかもしれません。
派遣社員は就業時間や勤務地、職種が選べたりする自由な働き方です。
ですから子供を保育園に預けている間だけ働きたいママや主婦、仕事と学業との両立を図りたい学生、資格を取って正社員になるために.まずは派遣で下積み経験を積んでいる人など、何等かの目的がある人には適していますが、目的がない人にはただの不安定な働き方になり兼ねません。
派遣社員という働き方に不安がある場合は、転職して安心を得るように頑張りましょう。
派遣を辞める旨を伝える順番
派遣を辞める際に、派遣先か派遣会社かどちらか迷う方もいるかもしれませんが、以下の順番で伝えるのが良いでしょう。
①派遣会社の営業担当者
↓ ②派遣会社の相談窓口 ↓ ③上記へ相談しても辞められない場合は労働局へ |
派遣社員の雇用主は派遣会社になるので、まずは派遣会社の担当者に伝える方が良いでしょう。
また、派遣先の会社については伝えづらい場合は派遣会社の方から連絡がされるので無理に伝える必要はない場合が多いです。
派遣の仕事を辞める旨を伝える連絡方法
辞める旨を伝える際の連絡方法 としては以下の3つの方法が挙げられます。
- 直接伝える
- 電話で伝える
- メールで伝える
ただ、なるべく直接伝えた方が後々トラブルに発展しにくいといえます。
また、派遣の仕事を辞めたい場合は1ヶ月前に相談するのが基本と言われています。
なるべく早めに相談することで辞める時にスムーズになります。
何が辛かったのか理由を明らかにして今後に活かそう
今回は派遣が辛いと感じることについて説明しました。
派遣が辛いと感じたら辞めるのはもちろんありです。無理をして続ける必要はありません。
ただし何に辛さを感じているのかを明らかにすることが大事です。
たとえば派遣で働いていても自分の必要性を感じないことが辛いのであれば「誰でもできる仕事」ではなく「自分だからこそできる仕事」を探し、専門知識や技術を身に着ける努力が必要ですし、暇過ぎて辛いのであれば、残業が多めの忙しい職場を探すこともできます。
放置されて辛いのであれば、良い職場かどうか、事前に職場見学を希望したり雰囲気をよく聞いておくなどする必要があるでしょう。
大切なのは次回の職場選びに繫げられるような「原因探し」なのです。
次は辛くならないような選択をして下さいね。
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