大学生の就職率は高い水準を維持していますが、必ずしも正社員として就職しているわけではありません。
今後就職や再就職の予定がある方は、就職した方の正社員と非正規労働者の比率と、それぞれのメリット・デメリットを知っておけば、就職活動中や就職した後のキャリアプランを考える参考となるでしょう。
また、懸命に就職活動をして内定を得た企業でも、働きはじめると「自分に合わないので辞めたい」と考える可能性がありますので、大卒3年以内に離職する方はどれくらいいるのか、就職してから短期間で離職した場合の再就職についてなどもまとめてみました。
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大学生の就職率について
文部科学省が行った『令和3年度大学等卒業予定者の就職状況調査』によると、大学生の就職率(令和3年4月1日現在)は95.8%です。
前年同期から0.2ポイント低下しましたが、比較的高い水準を維持していると言えます。
国公立大学と私立大学別に就職率を見ると、国公立大学は96.1%、私立大学は95.6%と大きな差はありませんが、男女別の就職率は男子大学生94.6%、女子大学生が97.1%と、やや女子大学生が多い傾向が見られます。
以下は大学の種類と性別ごとの就職率を示した表です。
男子大学生の就職率 | 女子大学生の就職率 | |
国公立大学 | 94.7% | 97.6% |
私立大学 | 94.5% | 97.0% |
(参照:文部科学省『令和3年度大学等卒業予定者の就職状況調査』)
文部科学省が実施した『令和元年度学校基本調査』では、大学卒業者全体に占める就職率と、就職者の正規雇用と非正規雇用の割合を知ることができます。
平成31年3月に大学を卒業した方の就職率は78.0%、そのうち正規の職員・従業員、自営業主は75.3%、フルタイムの派遣社員や契約社員といった非正規職員は2.8%です。
学校調査では正社員、自営業主、フルタイムの派遣社員と契約社員を就職者として扱っていますが、卒業後にパートやアルバイトといった一時的な仕事に就いた方の割合も公表されていて、大学を卒業した方の1.4%がパートやアルバイトに就いています。
資格取得や教員採用を目指すといった就職準備をする方は卒業者全体の3.3%います。
(参照:文部科学省『令和元年度学校基本調査』)
正規雇用と非正規雇用はどちらがいいのか
大学を卒業した方の80%弱は正規雇用か非正規雇用のいずれかで就職できていて、そのうちの約75%は正規雇用されていますが、約3%は非正規雇用を選んで就職しています。
就職を希望する方は安定を求めて正社員を希望する方が多いと予想されますが、新卒で正規雇用されるのが難しい状況になった場合、非正規雇用で経験を積むべきか正規雇用を目指して就職活動を続けるべきか悩むでしょう。
働き方を考える際、雇用形態のメリットとデメリットを把握しておくと、長期的な視点から自身にとっていい選択をしやすくなるので、それぞれの特徴の比較検討をおすすめします。
正規雇用の特徴
正規雇用のメリット
正社員は安定した収入を得られるのが最大の特長です。
月給が安定していることに加え、賞与や退職金、インセンティブなども支給されるので、非正規雇用よりも高い年収と退職後の備えを得られます。勤続年数や能力に応じて基本給アップも期待できるでしょう。
それなりの安定継続収入と非正規雇用よりも雇用の安定が保証されているので、社会的信用度が高く、ローンを組む際やクレジットカードを作る際の審査で有利となる傾向もあります。
また、会社独自の福利厚生を受けられるのも正規雇用のメリットでしょう。
稀に会社によっては福利厚生が非正規雇用の方にも適用されるケースもありますが、ボーナス以外の手当やバースデー休暇といった休暇制度、保養施設をお得に利用できるといった内容は概ね正社員に適用されます。
さらに業務の幅が広く、責任のある仕事を任されることも多い正社員は、やりがいのある仕事をしながらキャリアアップの機会も多く、スキルアップも期待できます。
正規雇用のデメリット
地域限定正社員でなければ転勤の可能性があります。
転勤がなくても異動で仕事が変わる可能性があるので、「特定の仕事を極めてスキルアップしていきたい、」「ひとつの部署でキャリアアップしていきたい」と考える方は、キャリアプランを立てるのが難しく感じる可能性もあるでしょう。
多くの人と幅広い仕事に携わるほど、たくさんの経験を積めると考えて転勤や異動を前向きにとらえられますが、希望の勤務地で働くことやひとつの仕事を続けることにこだわりがある場合、面接や採用時に企業に確認して条件をすり合わせしておくといいでしょう。
時給で働く非正規労働者と違い、残業や休日出勤しなければならない場合があることも正社員のデメリットです。
プライベートも充実させたい方の中には、労働時間が読める非正規雇用の方が魅力的に感じる方もいるでしょう。
非正規雇用の特徴
文部科学省の「学校調査」では、フルタイムの派遣社員と契約社員を非正規雇用と見なしてパートやアルバイトと分けていましたが、いずれも正規雇用ではない雇用形態であることは共通なので、ここでは全て非正規雇用として紹介します。
派遣社員や契約社員、パート、アルバイトは、希望した労働時間や勤務地で働けるのは共通していますが、働き方やどこと雇用契約を結んでいるかなどが異なります。
派遣社員は登録した派遣会社から紹介された企業へ派遣されて働きます。
派遣先企業ではなく派遣会社と雇用契約を結ぶので、給与の支払い、社会保険の加入、福利厚生の適用などは派遣会社が担当します。
契約社員は、就業先と直接雇用契約を結びます。
給与は時給制の他に、月給制や年俸制の場合もあります。派遣も契約も雇用期間が定められています。
パートやアルバイトよりも時給が高く設定されているので、効率的に稼げる点も共通しています。
非正規雇用のメリットとデメリット
非正規雇用のメリット
非正規雇用は正社員よりも休暇(シフト調整がしやすい)が取りやすく、家庭との両立やスキルアップのための学習時間を確保できるのがメリットです。
また、未経験者可の求人も多いので、興味のある仕事に挑戦しやすいという魅力もあります。
いずれの雇用形態でも、非正規雇用は正社員よりも業務が限定されること、基本的に残業なしで働けることから、プレッシャーやストレスを感じにくいのもメリットと言えるでしょう。
非正規雇用のデメリット
非正規雇用は給与が安い場合が多いので、ある程度の収入を得るためには長時間働かなくてはならず厳しい面があります。
ただ長時間働いても、業務が限定的な分、身につくスキルも限られるので、正社員のようなスキルアップやキャリアアップは期待できないでしょう。
また、非正規雇用に任せる仕事の中には体力仕事や記憶力が必要な仕事もあるので、高齢になると仕事を見つけるのが難しくなるリスクがあります。
そして、時給や日給であるため出勤日や労働時間により収入が安定しないなど、長期的に見ると正社員との給与に差が生じるので、プライベートの時間を確保することよりも安定した継続収入を優先したい方には、正規雇用のメリットの方が大きいでしょう。
正規雇用職員の離職率
非正規雇用と比較すると正規雇用の方が雇用と収入が安定しているので、安定を求める方は正社員を希望するでしょう。
しかし、新卒で入社してから3年以内に離職する方がそれなりにいることが厚生労働省の『新規学卒就職者の離職状況を公表します』から分かります。
離職率の高い企業や業界についても公表されています。
事業所規模 | 3年以内の離職率 |
1,000人以上 | 24.7% |
500~999人 | 28.9% |
100~499人 | 31.8% |
30~99人 | 39.1% |
5~29人 | 49.4% |
5人未満 | 56.3% |
企業規模別に離職率を見ていくと、企業規模の小さい企業ほど離職率が高く、全体平均としては新規大卒就職者の31.2%が就職後3年以内に離職していると分かります。
中小企業は経営資源が限られているので、限られた資源を費やして確保した人材の定着は重要な課題とされ、企業側も「賃金の向上」や「雇用の安定化」といった対策に取り組んだことが、離職率の低下につながったと考えられます。
業界別に新規大卒就職者3年以内の離職率を見ていくと、下の表のような結果になりました。
事業所規模 | 3年以内の離職率 |
宿泊業・飲食サービス業 | 51.5% |
教育・学習支援業 | 45.6% |
生活関連サービス業・娯楽業 | 46.5% |
医療、福祉 | 38.6% |
小売業 | 37.4% |
(参考:厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況を公表します』令和3年10月22日)
離職率の高い業界に以下のような特徴があげられます。
- 労働時間が長い
- 業務量や仕事の大変さの割に給与が安い
- 体力的に厳しい仕事が多い
- 一般消費者と直接関わるのでストレスが溜まりやすい
ただし、人と関わることが好きな方であれば接客によるストレスは感じにくく、飲食業のように経験を積めば独立を見込める、といったことなどもありますので一概には言えません。
離職率が高い傾向にある業界に新卒で正社員として入社したとしても、適正のある方やキャリアプランが明確な方であれば、離職の心配は低いでしょう。
20代前半であれば比較的再就職しやすい
転職は新卒と違い経歴が重視されて入社後3年以内の離職は不利になるのではと心配な方もいるかもしれませんが、大卒で正社員として雇用された方の約3割の人は3年以内に離職しています。
大学卒業後に就職した方でも約3%が非正規雇用として働いていて、将来への備えや今後のキャリアを考えて非正規雇用の方が正社員を目指す可能性もあるので、20代の既卒の方が再就職を目指すことは十分考えられます。
学校を卒業してから3年以内の方は第二新卒の募集にも参加できますし、20代うちは成長する時間も柔軟性もあると見込まれ、再就職はそう難しくなく、自身が働きたいと思える会社は見つかるでしょう。
入社後3年以内の離職者では自信がない方も多いかもしれませんが、第二新卒だと経歴よりもポテンシャルを評価してくれる企業が多いので、未経験の業種・職種で正社員として就職できる可能性があります。
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